2月22日にアルバム『MAMEQUEST』をリリースする豆柴の大群。昨年末にカエデフェニックスがグループを卒業し、新メンバー加入を経て激動の中での新作ということで、アルバムコンセプトは「冒険」。6人揃ってのインタビューで、新メンバーのこと、激動の年末年始のこと、そしてこのアルバムのことを、たっぷり語っていただきました!
新メンバーも既存メンバーも大変だったフォーメーションチェンジ!
──12月にオーディション合宿があって新メンバー2名が決定し、1月6日にお披露目ライブ。この年末年始は相当忙しかったのでは?
ハナエモンスター バタバタでしたね……。毎日練習して立ち位置を作ってという日々でした。5人から6人体制になって人数が変わったので、メチャクチャ難しかったです。
ナオ・オブ・ナオ 私は振り付けと構成も担当しているので、立ち位置とかフォーメーションも普段考えているんですけど、5人から6人になって、お披露目ライブが18曲あったんですね。新メンバーの2人も18曲分の振り付けを覚えなきゃいけなかったんですけど、私たちも5人から6人になった新しいフォーメーションを18曲分覚えないといけなかったので、私は作るのと、みんなに教えるのと、自分で覚えるのとでけっこう大変でしたね。
──また5人から6人というのが……。
ナオ そうなんですよ。5人だとセンターがいるんですけど、6人だと、センターを置くこともあるんですけど、基本的には2人でゼロ(真ん中)を挟むことが多くて。今までとは全然違うフォーメーションになったので、覚えるのも大変でした。
──新メンバーのお2人も、もちろん大変でしたよね?
レオナエンパイア 大変でした(笑)。まず合宿の時に、豆柴の大群の曲を全部覚えないといけなかったんですよ。その中から18曲ということで、完全にゼロからやるよりはよかったんですけど、6人のフォーメーションは初めてだったから、18曲覚えるのは大変でした。
モモチ・ンゲール 私はダンスも歌も未経験だったので、まずマイクを持つというのが初めてで。歌う時にマイクを口に持っていくということにまず苦戦していました。それに、ポジションを覚えるということも人生でしたことがなかったので……。
──まあ、普通はないですよね(笑)。
モモチ 曲の中ですごく動くんですよ! 「内足が1.5」とか言われても、「何語!?」って感じで(笑)。「右足の端っこが3に来るように」とか、「えっ、そんな細かく決まっているの? 世の中のアイドルの皆さんってそんなことやっていたんだ!」ってことを初めて知って。そこに歌割りも入ってくるので、全部の歌詞を覚えるよりも自分のパートだけを歌う方が難しかったです。「ここの『ハイ』は言うけど、ここの『ハイ』は言わない」とか。
ナオ けっこうずっと間違えて歌っていたよね(笑)。
モモチ オリジナリティーを出しちゃってました(笑)。
ミユキエンジェル ダンスも歌もオリジナルだよね、モモチは。
モモチ 言わないよりは全部言っちゃえと思って、本当は5分の3しか言わないところを5分の5言っちゃってました(笑)。とりあえずお披露目の日に間に合わせたって感じでした。
──そのお披露目の出来はいかがでしたか?
レオナ 私は練習の時に間違えてなかったところを緊張して飛ばしちゃったり、位置も違うところにいたりしたから、悔しかったです。
モモチ 私は練習で成功したことがなかったので、過去に比べたら一番できたというか(笑)。そもそもの基準が低かったので、本番はそれよりは高かったんですけど、合格点には全然届いてなかったです。
──そもそもの話に戻りますが、新メンバーのレオナさんはどうして「エンパイア」なんでしょう?
レオナ おそらくなんですけど、合宿で豆柴の大群のオーディションなのにずっとEMPiREさんのTシャツとかパーカーを着てたからかな?と思います。
──そんなにEMPiREが好きだった?
レオナ 好きですね。とりあえずWACK好きをアピールしようと思って、BiSHさんとEMPiREさんの服しか持っていかなかったんです。ニコ生のコメントでも、それが話題になっていたみたいで。
ハナエ 豆柴のTシャツ持ってなかったの?
レオナ 持ってなかったんです……。(一同爆笑)
──結局、現時点で「エンパイア」の名前を背負う唯一の存在になったわけですが……。
レオナ びっくりしましたが、EMPiREさんが好きだったのでうれしかったです。
新メンバーのレオナ、モモチはどんな人?
──既存メンバーの皆さんから見た新メンバーはどんな人たちですか?
ナオ 私は合宿中、この2人とは一度も同じチームになったことがなかったので、決定してから初めて接したんですよね。レオナは歌声がまっすぐで、彼女が入ったことで全体の声のバランスがよくなったなと思いました。今まではけっこう個性的な歌声の子が多かったんですけど、彼女の歌声はちょっと私と似ている雰囲気があるんじゃないかなと思って。だから一緒に歌っていても楽しいです。ただ、今はけっこう頑張って真面目風にしていますけど……
レオナ (小声で)真面目風……?(一同・笑)
ナオ けど、実はけっこうヘンテコな部分もあったりしますね。あ、でもお菓子をみんなに配ってくれたりとか、かわいい部分もあります。
レオナ 今日も持ってきています。
ナオ 本当? 見た目だけじゃなくて、話すと違う魅力が出てくるなと思いましたね。あと、モモチはマジで変な子ですね。元看護師とは思えないぐらいで、逆に仕事の時はどうしていたんだろうな?と思うぐらいの……
モモチ ちゃんとしていましたよ!
ナオ ホントに?
モモチ でも副看護師長さんからは「変わっているね」って言われていました。
ナオ 私は、今まで生きてきた中で初めて会ったタイプなんですよ。
モモチ そのセリフ、人生でずっと言われ続けています。(一同・笑)「会ったことがない」って。
ナオ やっぱり! まだちょっと掴めてないかもしれないです。もうちょっと中身が知りたいなって思うぐらい、毎日違う部分が出てくる子ですね。
アイカ・ザ・スパイ 私はレオナとは合宿でほぼほぼ一緒だったんです。だから受かった時はすごくうれしかった。合宿の時は私よりもしっかりしていると思ったんですけど、しゃべったら何か違って。ひたすら「かわいいな」って思っていました。
レオナ やった!
アイカ この「やった!」とかもテキトーに聞こえるけど、でもそういうのも全部かわいく見えちゃう。あとはお菓子をくれるお姉さん。私もお菓子が大好きだから、もらえるのが本当にうれしい。で、モモチはバカ(笑)。
モモチ えーーっ!
アイカ 何か、ひたすらうるさいなってずっと思っている。
モモチ ひどーい! レオナは「ひたすらかわいい」で、私は「ひたすらうるさい」なんだ!(泣)
アイカ (笑)。でもグループが明るくなるから、そこはいいなって思った。
モモチ 終わり?
アイカ モモチもお菓子をくれるし、好きなものとかも一緒なんだよね。だから、今度一緒にごはんを食べに行きたいなって思います。
ハナエ 5人体制の時は「私たち、個性がバラバラで」と言っていたんですよ。新しく2人が入って、もしかしたら個性がかぶっちゃうんじゃないかと思ったんですけど、そんなことなく。私、自分が会った中ではアイカがこの世で一番変な人だと思っていたんですよ。不思議な子だなあと思っていて。でもモモチっていう、違うベクトルの不思議な子が入ってきて、「マジ!? これ以上いるの?」と思いました(笑)。で、レオナは……公表してないですけど、学歴はあるんですよ。そうだよね?
レオナ 学歴というか……大学卒業?
ハナエ 卒業しているんですよ。でもレオナってちょっとおバカな気がしてて。
モモチ あ、分かります。
レオナ えーっ、何で分かるの? モモチに言われるのアレなんだけど……。(一同・爆笑)
ハナエ 何かもっとすごいのが出てくる気がするんですよね。まあ、モモチは「変」ですね。「変」だけど、まっすぐ。全てに対してまっすぐ。まっすぐすぎて怖いぐらい。猪突猛進?
モモチ その言葉もメッチャ言われてきました! 怖い!
ハナエ だよね! ホントにまっすぐで、たまに壁にぶつかっちゃうぐらいな感じがするので、周りでサポートしていけたらなと思います。でも本当に2人ともすごく頑張り屋さんで、私たちがどんどん進んでいくのにも食らいついてきてくれてありがたいですし、個性をもっと私たちが引き出していけたらなと思っています。
ミユキ やばい2人ですよ。レオナはダンスも歌も覚えるのが本当に早いし、何でもできちゃうんだなって思うけど、絶対裏でメチャクチャ努力しているだろうし、そういうところがホントに真面目な子なんだなって思います。でも、ところどころ変な部分があって、好きなものを通販で箱買いしたりするんですよ。普通、そんなのしないじゃないですか。ミユキはしないんですよ。
レオナ しない?
ミユキ お菓子とかわざわざ取り寄せて箱買いはしない。
ナオ 1個じゃないんだよね、買うのが。
ミユキ そう。いろんなものを大量に箱買いしているから、「家はどうなっているんだ?」と思って。たぶんコストコみたいになっているんじゃないかと思って。
モモチ いろいろ節約するのに、そこはしないんだ!って(笑)。
ミユキ そうそう!
レオナ そこだけはしないの!
ミユキ 好きなものにどれだけお金かけているんだろうって思う。いろんな面白い部分がたくさんありますね。で、モモチは天然なのかヤバいヤツなのかホントに分かんないけど、モモチ・ワールドがすごいから、見ていて飽きない。で、向上心があるので、できないのに「やります!」みたいな。そういうところがすごく好きです。
出るわ出るわ、モモチ・ンゲールの「変」エピソード!
──モモチさんに関しては4人全員が「変」と言っていたんですが、具体的にどう「変」なんでしょう?
ミユキ 発言とか全部が「変」!(両手で丸を作って)脳みそがこうあったら、このへんにたんこぶができている。そこが働いていてる感じ。
ナオ 擬音が多いよね。
ミユキ だって「ズンズンズンズン」とか「ギュンギュン」とかさ、「何語?」って。
ハナエ 合宿の前に一人ひとりがオーディションのアピール動画を出したんですけど、そこで顔を一切出さなかったんですよ。かぶり物して。
モモチ はい。「ギョンギョン」っていうヤツで。
ハナエ それを見て「うわ、変な子いる!」って思っていて、顔見たらかわいくて、しかも看護師で。でもフタを開けてみたらホントに変な子で。かぶり物どおりの。
ミユキ 最初、「変な人だな」と思いきや、「普通の人なんだ!」と思いきや、「あ、変な人だった!」みたいな(笑)。
──一番タチが悪いヤツですね(笑)。
モモチ 大丈夫ですかね、クビにならないですかね?
ミユキ 大丈夫、大丈夫。
モモチ 「変」しか言われてない……。
ナオ 表情が豊かだから分かりやすいんですよ。何を考えているのかすぐ分かる。「あ、今焦っているな」とか、「今すごく楽しいんだな」とか、顔を見るだけで全部分かるよね。
アイカ 分かる!
ハナエ よく泣くしね。
モモチ すぐ泣くんですよ!
ミユキ だって、道に迷っただけで泣くんですよ。「(モノマネで)道に迷ってぇ~、マップが動かなくてぇ~」って。
モモチ ホントに大変だったんですよ!(目に浮かんだ涙を拭く)
アイカ もう泣いている!
ハナエ それを見守るレオナがおもしろいんですよ。
レオナ (モモチを見て)あ、ホントだ、泣いている!
モモチ ホントすぐ泣いちゃうんですよ!(スタッフから渡されたティッシュで涙を拭く)
(一同爆笑)
アイカ いっつもこんな感じです(笑)。
モモチ 今日も2回目なんですよ、泣くの。
ナオ さっきも泣いたもんね。
──しかし、全体に楽しくなった感じはすごくしますね。
ナオ ホントにそうですね。雰囲気がすごく明るくなったと思います。
ミユキ あと2人とも人見知りを……するけど、ここ(既存メンバー)よりはしないんですよ。他のグループの子たちにも話しかけに行くから、そこのコミュニケーション能力はすごくあって、助かっています。
ナオ だって今の時点で、ハナエより話しかけに行っていますからね。
ハナエ ホントに! 私はホントに話しかけられないから、すごいなと思って。
ナオ BiSHさんにも話しかけていたしね。
ハナエ だから後ろについてっているもん(笑)。ありがたいです。
モモチ よかった、「変」以外があった(笑)。
コンセプトは「冒険」!『MAMEQUEST』について語りまくり!
──エピソードが限りなく出てきそうなんですが、アルバムのことも聞かなきゃなんですよ(笑)。タイトルが『MAMEQUEST』、コンセプトが「冒険」とのことですが。
ハナエ 全体が「冒険」というテーマでつながっていて、新曲が8曲収録されるんですけど、1曲ごとにコンセプトがあるんですよ。
ミユキ 「オープニング」「戦い」「攻撃呪文」「死」「回復」「再生」「クリア」「エンドロール」っていう。
ハナエ そういう並びのテーマになっていまして、本を読んでるいような、アニメや映画を見ているような、本当に冒険をしているような流れになっています。
ナオ アルバムを通してストーリー性があるという感じですね。
──なるほど。では1曲ずつご説明いただきましょう。1曲目は「MAMESHiBA ON THE STAGE」。
ハナエ この曲はライブの時に必ずオープニングで流れる曲ですね。で、そこから「MUST GO」が戦いの曲で……
モモチ 「行かなくちゃ!」っていう曲です!(笑)
ミユキ (手を叩いて)間違いない!
モモチ 私、この曲を歌えることがうれしくて。WACKにとって「行かなくちゃ」は大事なワードだと思っているんですけど、加入してすぐに「行かなくちゃ」曲をもらえたことが、すごくうれしくて。「あー自分、WACKの一員なんだ……」ってなりました。
──この曲の作詞は「JxSxK」、渡辺淳之介さんですよね。“ボス”の詞だと気持ちも違いますか?
ハナエ 渡辺さんの歌詞はグループへのメッセージが込められていて、まだ5人体制の時の「MUST CHANGE」が一番そうだったんじゃないかと思います。渡辺さんからのメンバーに対する思いや景色が込められているので、私も今回「行かなくちゃ」曲がもらえたのはうれしかったですね。
──3曲目が「マラマーラ」。この曲の作詞にはBACK-ONのHi-yunkさんと、アイカさん、ナオさん、ミユキさん、モモチさんの4人が名を連ねていますね。
ミユキ 全員が作詞した中から、いろんな部分を取っていって選ばれたものになっています。
ナオ この曲に関しては、基本はミユキのものがメインで、ところどころに私たちの歌詞も入っている感じです。
ハナエ 「マラマーラ」という曲名を作ったのはミユキなんですよ。意味があるんだよね?
ミユキ マヌケになる攻撃呪文として作りました。
ハナエ 呪文を作っちゃうからすごいよね(笑)。
アイカ みんなに唱えてほしいよね。
──次が「D.E.A.D」。ここで死ぬわけですね。
ハナエ マラマーラじゃちょっとどうにもできなくて(笑)。
ミユキ ダメだった(笑)。
ナオ この曲はavengers in sci-fiの木幡太郎さんが楽曲を提供してくださって、曲調が前半と後半で分かれているんです。
ミユキ 変わるよね。
ハナエ 電子音系の曲で、今までの豆柴にはなかったようなタイプの楽曲になっています。ちょっとレトロというか。
ナオ 太郎さんいわく、「マイケル・ジャクソンとカート・コバーンがミュージカルをしたら?」というコンセプトで書いてくださったみたいで。ちょっとマイケル・ジャクソンみたいなところあるよね?
ハナエ あります。
ナオ 聴く人が聴いたら、ちょっと懐かしさも感じる音になっているんじゃないかなと思って。この曲の振り付けを考えるのがすごく楽しみです。ちょっとダークテイストな感じで。
ミユキ カッコいいよね。
大森靖子、ヒャダイン……豪華作家陣の楽曲が続々!
──次の「kill me holy slowly」は大森靖子さんの楽曲なんですね。
ミユキ この曲が「回復」です。
ハナエ いやあ……すごいよね。ミユキが……
ミユキ 愛しているんです、大森靖子さん! (両手で顔を覆って)ホントに大好きで、聴いた時はホントに死ぬんじゃないかと思って。歌詞を見た時も「あ、大森さんの世界観だ!」と思いましたし。もう、ホントにずっと血の気が引いていました。
ナオ レコーディングの時もすごかったよね。
ハナエ 震えちゃってね。
ミユキ ホントに緊張しまくって、レコーディングの場所に行く時もずっと真っ白けっけで。血の気引いて手が震えて、冷や汗が出て、動けなくて。
ナオ 「行けない! もう会えない!」って言っていたよね(笑)。
ミユキ 空気吸えない!ってなっていたから。
ハナエ 曲がもう、ホントに大森さんの曲をカバーさせてもらっているんじゃないかってぐらい大森さんの世界観をすごく感じる曲で、「歌っていいの? 私たち」ってなったよね。すっごくかわいらしくて、本当に「回復」に合った曲だなって思いました。
ナオ 曲中にセリフのパートがあるんですけど、そこも大森さんが一人ひとりにテーマを言ってくださって、それに沿った言葉をその場で、自分たちで考えたんですよ。
ミユキ 即興でね。
モモチ 全員一発でしたよね。
ナオ そう、全員一発でOKでした。そこはすごくワクワクドキドキポイントなんじゃないかと思います。
ハナエ 耳を澄まして聴いてほしいですね。
ミユキ 全員分あるから、みんなの言葉を聴き取ってほしいです。
──曲の話になってから、レオナさんの声が聞こえてないような……。
ミユキ 割って入れないんですよ(笑)。
レオナ 頑張ってはいるんですけど……。
モモチ 席、替わろうか?
レオナ ううん、大丈夫(笑)。(一同、爆笑)
アイカ 席の問題じゃないから!
ミユキ 違うねん(笑)。
──では次の「Re:Birth」についてお聞きしましょうか。この曲は「再生」がテーマということでしたが。
レオナ 髭(HiGE)の須藤寿さんが提供してくださった楽曲で、すごく優しい曲なんですよ。
ミユキ どういう風に歌ったの?
レオナ 優しい気持ちで、ふんわりと歌わせてもらいました。
ミユキ この曲は、「死んだ人に語りかけるような感じで歌って」というディレクションがあったので、みんなささやくような感じの歌い方になっています。この曲も今までにない新しい感じの曲だなと思いました。
ハナエ こんなに優しく歌ったのは初めてだと思います。作詞も全員のフレーズが入っていて。みんなで「再生」という言葉の意味を考えて、一人ひとりが書いたものが合作になって、本当に意味のある楽曲になりました。
ミユキ この曲は歌詞の打ち合わせがあって、須藤さんと一緒にすり合わせをしました。
──流れから切り離してこの曲だけ聴くと、ラブソングにも聞こえますよね。
ハナエ そうです! 打ち合わせの時にも「ラブソング」という言葉が出ていました。「ゲームでも、再生って1人じゃできないよね」みたいな。再生してくれる人がいて、初めてできるよねという意味を込めていて、「そばにいてくれないと立ち直れないよ」というイメージがみんな一致して、誰かを想う曲になりましたね。これは打ち合わせがあったからこそで。
──次が「やったぁ!クリアだ!おめでとぉ!」ですね。タイトル通りというか(笑)。
ハナエ これは前山田健一さんに作っていただいたんですけど、これも世界観が……「ヒャダインさんの作った曲だーーー!」ってなって、すっごくうれしかったですね。だよね、アイカ?
アイカ この曲も今までの豆柴にはない感じの曲なんですけど、レコーディングの時、最初の「やったぁ!クリアだ!おめでとぉ!」って言うところが私は一番難しかったんです。そしたら「お菓子をもらって喜んでる時みたいに歌って」って言われて、完成したらみんなの声といい感じのバランスになっていました。(一同・笑い)
ミユキ よかった!(笑)
ナオ 私はいつも、豆柴の楽曲だとまっすぐな歌声のままレコーディングすることが多かったんですけど、「Re:Birth」とこの「やったぁ!クリアだ!おめでとぉ!」はディレクションされることが多かったんですね。特にこの曲は「かわい子ぶって!」「ぶりっ子で!」って人生で一番言われたレコーディングでした。「ぶりっ子で!」「まだいける!」って言われて、自分でも聴いたことないような声が出ているんですよね。「これは本当に自分の声なのか」って思う瞬間がたくさんありました。
レオナ 私も、ぶりっ子系は難しそうだなって思ったから、レコーディング前にカラオケに行ってメチャクチャ歌って練習して挑みました。
ミユキ 真面目や……。
レオナ 頑張った、ぶりっ子。
ハナエ でも本当にぶりっ子だったよね。
レオナ もらった仮歌がぶりっ子っぽい感じだったから、その通りにしようと思って練習していたんですよ。そしたらレコーディングの時も「あの通りだったね!」って言ってもらえて、練習の成果が出たかもしれないです。
ナオ 私の場合はレコーディングの前に、一回ツルッと歌ってみましょうかという時間があったんですけど、その時にどうやって歌ったらいいか分からなかったんです。その後から「じゃあぶりっ子で!」って言ってくださって。ぶりっ子の声で歌うっていうのは初めてだったんですけど、終わって聴いてみたら「あれ、いいかも」って感じでした(笑)。
ミユキ 私は声が高いので、逆に得意なんですよね。それとハナエは声優さんみたいな感じで声を七変化できるので、得意ですね。
ナオ 今までの豆柴の楽曲でも、そういうことがよくあったよね。
ハナエ 「ぶりっ子で歌え」ってよく言われましたね。あと私たちはやっぱりももクロさん世代で、ヒャダインさんが作ったももクロさんの歌をたくさん聴いていて、まさか自分たちがあのヒャダインさんの曲を歌えるなんて!とてもうれしかったです。
ボーナストラックは「オマケ」じゃない! そこにある感慨とは?
──次の8曲目、「暖かくてね冷たい夜を越えて」は清 竜人さんの楽曲ですね。そしてこれが『MAMEQUEST』のストーリーとしてはラストの曲ということで。大森靖子さん、ヒャダインさん、そして清 竜人さんと、豪華な作家陣ですよね。
ハナエ 豪華すぎますよね!
ミユキ ヤバい!
ハナエ 私、清 竜人さんが大好きで……(両手で顔を覆う)、いつもアイドルに楽曲を提供される時はハートマークがつくかわいらしい曲が多いので、今回楽曲提供していただくと聞いた時に、「かわいらしい曲が来るのかな?」って思っていたんです。そしたら、清 竜人さんが歌っているような曲、私がいつも聴いているような曲が来て、「えっ!私たちが歌ってもいいんですか?」みたいな。優しく包み込むような楽曲で、本当にこの盛りだくさんのアルバムを締めくくるのにピッタリだなと思って。本当にエンドロールにピッタリだなと。しかも今回、歌割りがなくて、全員で歌っているんですよ。
──それは珍しいですよね。
ハナエ この曲がアルバムの最後の曲というのが、まさに冒険の終わりという感じがして、本当に大好きな曲です。
──ここでいったん締めて、9曲目が「桜色」、10曲目が「MUST CHANGE -WE KEEP CHANGiNG-」ですが……。
ナオ この2曲はボーナストラックとして収録されていて。「桜色」は5人体制の時の曲で、「MUST CHANGE -WE KEEP CHANGiNG-」は6人でのレコーディングなんですけど。
ハナエ 「桜色」は、作詞したのが私と卒業したカエデフェニックスで、やっぱり思い入れが強いですし、それが6人体制になって初めてのアルバムに入るということが感慨深いですね。今まで円盤化してない楽曲だったので、ここで収録できたことがうれしいです。
ナオ 5人の声だしね。
ハナエ そう。これは6人で録ってないんですよ。このアルバムでカエデの声が唯一入っている曲になっています。
──そして「MUST CHANGE -WE KEEP CHANGiNG-」は6人の作詞なんですね。
モモチ はい。私が書いたのは「変わること 変われないこと 悩みながらでいいよ」っていうところで、これって最初に渡辺さんが書いた歌詞からすると、ちょっと相反するニュアンスなのかなって思っていて。「変わらなきゃ!変わらなきゃ!」って思うけど、私としては「変わらなくて大事にしたほうがいいものもいっぱいあるんじゃないかな」と思っていて、「変わることも必要だけど、変わらないことも大事だよね」って思いを込めて書いたんです。自分の中でも一番愛を込めて書いたフレーズだったので、それが採用されたのはうれしいです。ここはアイカさんが歌ってくれていて、アイカさんの声と歌い方が大好きなんですよ!
アイカ えー、うれしい!
──すみません、今のモモチさんの説明を聞いても、全然「変」なようには聞こえなかったんですが……。
ハナエ こういう受け答えはちゃんとできるんだよね。
ナオ 看護師の経験から、ちゃんと受け答えできるようになったのかな?
モモチ いや、ずっと上手なんですよ(笑)。
ミユキ スイッチあるよね。メンバーと話している時も、こうやってちゃんと話せる時もあれば、「え、何言っているの?」って時もあって。
モモチ そうかもしれない! 自分、五重人格なんじゃないかと思うことがけっこうよくあって。家族といる自分、ひとりぼっちの自分、ちゃんとしている自分、はっちゃけちゃった自分……あと何にしよう? (一同・笑)
アイカ 何それ!(笑)
ナオ 好き嫌いも多いしね。野菜食べられないし。
モモチ そうなんです、野菜が食べられないんですよ……。
──この6人で新生・豆柴の大群ということで、「どうなりそうですか?」と聞こうと思ったんですが、何だか楽しく進みそうですね(笑)。
ナオ 本当に、楽しく進んでいけると思います。今までにない個性を持った2人が入ってきてくれたので、これからの豆柴の未来が、すごく楽しみになりました。今までの約3年間、メンバーが変わらないで来たんですけど、このタイミングで変わって、豆柴の大群・第2章が始まったんですよね。期待して待っていていただけたらと思います。私たちもこれからの冒険を楽しみながら、強い気持ちでいろんなことに挑んでいきたいです。
アイカ 個人的なことなんですけど、グループのためになれたらいいなと思っています。3年間、ずっとナオにいろいろ任せっきりだったけど、できることは自分からやっていきたいなって思います。全部やるのは違うかなって思うけど。積極性のある大人になりたいなって。もう23歳なので、一応頑張ります。
ナオ 「一応」!(笑)
アイカ 頑張る(笑)。
ハナエ 3年間、5人でやってきて、WACKのグループでメンバーが変わらなかった期間が最長なんですね。3年間ずっと見てきてくれた豆粒(豆柴の大群ファンの名称)からは、カエデがいなくなって新しいメンバーが入って、全く違う豆柴の大群になったように見えているかなと思うんです。たぶん、まだ受け入れられていない方もいると思うんですよ。でも、「前の豆柴もよかったけど、今の豆柴もいいじゃん!」って思ってもらえるようなグループにしたいですし、もっともっといろんな方に知ってもらえるようにできたらなって、すごく思います。
ミユキ 新メンバーが入って『MAMEQUEST』というアルバムもできて、特にこのアルバムは新しい歌い方にも挑戦したり、いろいろな曲調の楽曲も入っているし、豆柴の新たな一面がすごく詰まった作品になってると思うんですよね。これからもいろんな豆柴を見せていきたいし、豆粒には新しいものを楽しんでほしいなって思います。個人的には、陰で支えられる人になりたくて。表には出さなくても、裏ではメンバーやグループを支えられる存在になっていきたいと思っています。
モモチ 私は、今年はスポンジになることを目標にしようと思っていて。加入してから経験すること全てがこれまで自分が関わってこなかった世界で、「すごいな」と思うことしかなくて。自分にとっては、ずっと悔しい状態が続いているんです。負けず嫌いだから、悔しいな、悔しいなという思いがずっとあって。スポンジになって、悔しいという思いをバネに、いいところを全部吸収したいと思います。
レオナ 豆柴のことをもっともっとたくさんの人に知ってもらって、新しい豆粒を増やしていきたいなと思っています。個人的には、「自分って目立たないな」って思うことがよくあって悩んでいるんですけど、表現とパフォーマンスを磨いて自分をもっと出していきたいと思っています。
──新体制、楽しく進んでください! ありがとうございました!
■形態
初回生産限定盤 [CD+Blu-ray+写真集 BOX仕様](スマプラ対応)
AVCD-63420/B ¥10,000(+tax)
CD盤 [CD Only](スマプラ対応)
AVCD-63421 ¥3,000(+tax)
■収録内容
[CD]
M1. MAMESHiBA ON THE STAGE
M2. MUST GO
M3. マラマーラ
M4. D.E.A.D
M5. kill me holy slowly
M6. Re:Birth
M7. やったぁ!クリアだ!おめでとぉ!
M8. 暖かくてね冷たい夜を越えて
M9. 桜色
M10. MUST CHANGE -WE KEEP CHANGiNG-
[Blu-ray]
WE MUST CHANGE TOUR FiNAL 2022.12.17 at HULIC HALL TOKYO
WE MUST CHANGE TOUR FiNAL 2022.12.17 at HULIC HALL TOKYO 副音声
WE MUST CHANGE TOUR DOCUMENT MOViE
詳細はこちら
https://mameshiba-no-taigun.jp/news/detail.php?id=1105719
LiVE iNFO
■MONSTERS FES
2023年2月25日(土) 東京 日比谷野外大音楽堂
OPEN 14:30 / START 15:30
◇CAST:豆柴の大群 / 都内某所
■We will WACK you!! TOUR FiNAL
2023年2月26日(日) 東京 日比谷野外大音楽堂
OPEN 15:30 / START16:30
◇CAST:BiSH / BiS / GANG PARADE / ExWHYZ / 豆柴の大群 / ASP
【豆柴の大群オフィシャルサイト】
https://mameshiba-no-taigun.jp/
【豆柴の大群YouTube Channel】
https://www.youtube.com/channel/UCEZb24cS5QDFvU3-_bc7emw
【豆柴の大群Twitter】
https://twitter.com/MAMESHiBATAiGUN
【豆柴の大群TikTok】
https://vt.tiktok.com/yhoHva/
【豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL】周年記念ライブ「突破」が開催決定!
【豆柴の大群都内某所 a.k.a.MONSTERIDOL】ツアーファイナルでフルアルバムと新アーティスト写真発表 自主企画「MONSTER NiGHT ~NiGHTMARE NiGHT~」も開催決定!!
ライター
高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。