新体制での1stアルバムとなる『突破』をリリースした豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL。2024年はメンバーの脱退や2つのグループの合併を経て今の4人体制になり……という、彼女たちにとってはいろんな意味でターニングポイントとなった。その中でツアーも駆け抜けてきたラストとして、各公演で1曲ずつ披露してきた新曲が詰まったアルバムを世に放つ。その中で彼女たちがどう思ったのか、何をやってきたのか、そして楽曲への思いや聴きどころを、本当にタップリ語っていただきました!
本当に大変だった2024年!「MONSTER VENOM TOUR」も駆け抜けた!
──以前にお話を伺ったのが3月で、ちょうど体制が変わって今の4人になったという時期でした。そこから9ヵ月ぐらい経ちましたが、その後は落ち着きましたか?
モモチ・ンゲール そんなに経ったんですね(笑)。
ナオ・オブ・ナオ まずそこにビックリだよね。
──前の取材の直後に「MONSTER VENOM TOUR」も始まったんですよね。
ナオ そのツアーがけっこう大変だったんですよ。MONSTERIDOLになって、東名阪以外も含めてちゃんと全国を回るツアーというのは初めてで、いろんな人に私たちの魅力を伝えるというのが主な目的だったんですけど、それとは別に、毎公演1曲ずつ新曲を披露するというのがあって。
アイカ・ザ・スパイ 大変だった!(笑)
──今回リリースされるアルバム『突破』の収録曲ということですよね。
ナオ はい。それが楽曲の制作と同時進行で進むツアーだったんですね。最初から13曲できた状態で始まったわけではなく、作りながら披露していく形だったので、そこが本当に難しくて。トラックを作っていただくのもそうですし、レコーディングも振り付けの練習も、短いスケジュールの中でやっていかないといけないというのが難しかったですね。
──そうか、ライブで披露するということは、曲ができていればいいというわけではないですもんね。
ナオ 最初はまだ頑張れていたんですけど、だんだん厳しくなってきて。週のはじめに曲ができて、それをすぐレコーディングして、翌々日ぐらいにミックスが出来上がって、その振り付けを作ってみんなに教えて、土日のライブで初披露する、みたいな感じになってました。
モモチ しかもそこで、先々週にできた曲の振り入れもやってるんですよ。ナオが振り入れと制作を同時に進めていて、私たちも練習しながらレコーディングしたりして。
ナオ それがめまぐるしくて。
モモチ いつまでに何を提出して、いつに何ができて、ここでこれを披露、みたいなのをパズルみたいにみんなでホワイトボードに書き出して、「ここしか練習できないから、この日は追加で夜までやるしかない」みたいな。それに加えて、新曲だけじゃなくて、4人体制で初めて披露する楽曲もあるわけですよ。
──ああ、そうだ!
モモチ そういう曲は、歌割りや振りのポジションの作り直しも入ってくるので、ずーっと制作が続いてました。
ナオ 正直、間に合うか分かんない!っていう状況の中でやってて、今までで一番頑張ったかもしれないです(笑)。新曲だけじゃないというのが大きかったので、そこは他のメンバーの助けも借りて、「この曲のフォーメーションは誰々に作ってほしい」とかお願いできるところはお願いして。
モモチ ナオがグループのダンスを一番分かってるから、ナオにしかできないものも多いんですよ。でも他のメンバーで作ってもいいんじゃないかというものはそれぞれ振り分けて、「ここはナオお願い、こっちはウチらでやるね」みたいな感じでやってましたね。そこで新曲と、4人では初めてやる曲があって、引き出しが一気に増えたから、今、楽ができているワケじゃないけど、リリイベやフェスで、4人で披露できるものが増えたんですよ。その点では、この期間を走り抜けてよかったなと思います。結果、その後はブラッシュアップ期間に入れて、悪いことだけじゃなかったよね(笑)。
──追い込まれたからできる、みたいなこともありますからね。でもみんなの足並みを揃えるのも大変だったのでは?
ナオ そのへんはモモチがうまく計画してくれてました。
モモチ みんなができることを整理して、私が振り分けていかないと回らないんですよ。ナオはそういうところじゃなくて、振りとかみんなのポジションを作る、というところに専念してもらおうと思って。グループの人数が少ないから、全員が何かの役割を果たさなきゃいけないじゃないですか。レオナとアイカにもここはお願いできるぞというところ、例えば既存曲はよく分かっているから、そういうところはアイカに任せて。レオナも、「これお願い」って言ったら意外とちゃんとやってくれて(笑)。「できない」って言うんですけど、意外とやってくれるんですよ。意外と(笑)。
──今の短い間に「意外と」が3回も出てきましたよ(笑)。
レオナエンパイア 意外なんだ(笑)。
モモチ 意外とできるんです(笑)。ダンスも経験してるし、やってなかっただけでできることも多いと思ったから、お願いして。アイカとレオナには「これやってきて」とお願いしつつ、ナオには「今はこれに集中して」って回して。(※自分を指して)やっぱ社会人経験があるので!(笑)
ナオ 一番忙しい時期はやることが多すぎて、何からやればいいか分からないということが本当に多かったんですよ。「とりあえず何かやらなきゃいけないけど、何から始めたらいいんだ?」って思うだけで結局何もしてない、みたいな時もあるんですよ。
──分かります(笑)。
ナオ それを相談したら、モモチは「じゃあこれをやればいいんじゃない? これとこれは誰々に振ればいいね」というのが分かる人だったので、各メンバーに振り分ける役をやってもらって、そこはけっこう助かりました。
モモチ 看護師の経験ですよ、やっぱり!
──やっぱりそこですよね!
モモチ 毎日、患者さんを5~6人看ながら、「これとこれをやりながら、こっちはこれをやって……」ってマルチタスクをこなしていたので、今回のスケジュールを見た時、あの日々を思い出しました(笑)。
──でも、アイドルになってまでそういうことをやらなきゃいけなくなるとは……
モモチ 思ってなかったです!(笑) でも、これがアイドルなんですよ! 自分でもビックリしました。みんな知らないんですよね、アイドルが、アイドル活動してない時に何をしてるか。
──確かに。でもさすがに、シフト表を作っているアイドルはあまりいないのでは(笑)。
アイカ そもそもね(笑)。
モモチ そこはWACKならではかも(笑)。
アイカ・ザ・スパイ、実はプロデューサーに向いてる?
──でもそうやって頑張って作って、ライブでも披露した楽曲がアルバムにまとまってリリースされるというのは、ものすごく感慨深いんじゃないですか?
ナオ 長かった~!(笑)
モモチ そうそう、こっちはもうひと段落してるから、「今から発売か~!」って。
ナオ 普通は、「アルバム発売決定!」という発表があって、そのアルバムがリリースされてからツアーが始まるものだと思うんですけど、私たちはその発売前に1曲ずつ全部を披露していくっていう、なかなかレアなツアーというか。
モモチ 毎公演、サプライズがある状態だったんですよね。13公演それぞれで新しい曲をやったから、来れなかった人にはもしかしたら疎外感を与えちゃったりするかもしれないけど、でもどこに行っても、他の誰もが一回も聴いてない曲をやっているから、そういう意味ではみんなに平等にサプライズでできたんじゃないかなとは思ってますね。
──そうですよね。どこに行った人も「俺、あれを聴いたんだぜ」って言えるわけで。
モモチ だから、「この曲が聴けなかった」という人にも悲しまないでほしくて。その後、12月まで聴けないけど、でもみんなに平等にサプライズできたので。
──アイカさんは、この忙しかった期間に「自分、これやれたな!」みたいなことは何かありましたか?
アイカ うーん……(考え込む)。
ナオ あるじゃん! 新曲の中で「それ ちょーだい❤️」っていう曲があるんですけど……
モモチ 代弁中です(笑)。
アイカ (笑)
ナオ 今回のアルバムには、各メンバーがそれぞれ「こういう曲を作りたい」っていうのをお願いして、それが具現化された曲が1曲ずつ入ってるんですね。その中でアイカが作りたいっていうことでできたのがその曲なんですけど、アイカの気持ちとか思いがすごい詰まってて、すごくかわいらしい曲なんですね。ちょっとボカロみもあって、今のちょっと流行りっぽい、TikTokにも向いてそうな曲なんですけど、レコーディングの時にはアイカがディレクションをしてくれて。今までそんなことなんてなかったんですよ。初めてメンバーがディレクションして、「もっとかわいくいけるよね?」みたいな感じで。
モモチ レコーディング室の、いつもプロデューサーさんとかが座る席にアイカが堂々と座ってました。(ふんぞり返って足を組んで)こうです(笑)。
ナオ 歌うブースとディレクションのブースがカメラでつながっていて、歌っていてもアイカが見えるんですよ。
モモチ 回るイスにこうやってね(と、前以上にふんぞり返って左右に回る)。
アイカ 真剣にね!
ナオ セリフのパートがあるんですけど、そこもすごくビシバシ言ってくれて。それは本当に今までなかったことなんですよ。今5年目ですけど、アイカがここまでやってくれるなんて。
アイカ えー、うれしい!(手を叩く)
モモチ 好きなもののためには、あそこまで動けるんだ!って。言われた時に「じゃあアイカはできんの?」みたいな感じでやってもらうと、うまいんですよ!
レオナ お手本を見せてくれるんですよ。
モモチ 普通にちゃんとうまくて。本当に「かわいい」をちゃんとできるんだ!って(笑)
ナオ 「かわいい」が好きだからこそ、ここまで具現化できるものをちゃんと持ってるっていうのはすごいなと思って。本当に今までのアイカからは想像できなかったので。私も初めて見るアイカでしたね。
モモチ ナオが初めてって言うんだから、本当に初めてなんですね。
アイカ うれしい~! 全部ナオが言ってくれた(笑)。
ナオ 本当はこれを自分で言ってほしいんですけどね(笑)。
──ずーっとみんながアイカさんの話をしてるのに、アイカさんが言ったのは「うれしい」だけでしたからね(笑)。
アイカ でも、その曲ができたときはすごくうれしかったし、やっぱみんなの声になったらまたすごくよくなったので、よかったです。
モモチ デモが届いた時から、「ここのこれ、ちょっと違う」「この音いらない」みたいな、そこからやっていますから。いまは「よかった」しか言ってないけど(笑)、そこからちゃんとやってます。
──プロデューサーに向いているんじゃないですか?
アイカ また何かやりたいですね。機会があったら、ちょっとやらせていただきたいです。
──さて、アルバムの楽曲について1曲ずつお聞きする前に確認したいんですが、全14曲あって、1~7と8~14では明らかに雰囲気が違いますよね。これは2部構成なんですか?
モモチ そうですね。7曲目まではこれまでの豆柴らしさ、プラスでモンアイらしさが詰まってる感じになっていて、8曲目から先は逆に都内某所の要素が入った、そしてちょっと大人になった私たちを表現したパートになっています。おしゃれな大人っぽさとかの要素が自分たちに入ってきたのは、合併して一番大きいなと思いますね。
──なるほど! では1曲ずつ、楽曲について語っていただきたいと思います。
モモチ (ギッシリと書き込まれたノートを広げながら)じゃあ、誰から話す?
──そのノートはもしかして、アルバムについて話す内容が書かれているんですか?
モモチ そうです。14曲もあるので、どうお話しするかというのを、一緒にアルバムを作ってくださったスタッフさんたちと会議して、伝えてほしいところとかを忘れないように、間違えないようにということで。
メンバーが収録曲を全曲解説! 「全力坂」のワードが奇跡を起こした!?
──ありがとうございます! まず1曲目、「突破 of iNTRODUCTiON」は本当にイントロダクション、導入になっている短い曲ですが。
モモチ 「突破! 突破!」っていう私たちの声が実際に入ってるんですけど、ある日スタッフさんから突然、「ちょっと『突破』って言ってる声を送ってほしい」と言われて、何パターンか送ったんですよ。カッコいい目の声とか、はっちゃけてるパターンとか、自分たちで作ったヘンテコバージョンみたいなのとかも送って、その中から採用された声が入ってるんです。
──その時に送った声がそのまま入ってるんですか!
モモチ はい。初めて披露したのがツアーのファイナル公演だったんですけど、たぶん最初は、何て言ってるのか分からない方もいたと思うんですよ。その「突破」がアルバム・タイトルだとは言ってない状態で新SEとして登場していて、ライブの最後に「ニューアルバムの名前は『突破』です!」って伏線回収をした曲になってて。私たちはこれを気に入っていてライブのオープニングSEに使いたくて、もし可能だったらテイマー(豆柴の大群都内某所のファンネーム)のみんなも一緒に「突破! 突破!」って言ってくれたらいいなって思ってます。まだ特別なライブにしか使ってないんですけど、みんなで言えたらいいなっていう思いも入ってる、新しいSEですね。私たちも、このライブで殻を突破するぞ!っていう意味が、きっとこもってます。
──イントロ曲とは思えない詳細な解説をありがとうございます!(笑) 2曲目は「HiGH HOPES」ですね。
ナオ このアルバムの制作が始まってから一番最初にいただいた曲で、以前に「MUST GO」とかを作ってくださっているHi-yunkさんが作ってくださったものです。疾走感あふれる「爽やか系ロック」みたいな感じの雰囲気の曲で、私はすごく好きですね。リリースイベントではこれを歌う回数がたぶん一番多いんじゃないかなというレベルで歌っていて、他のフェスとかイベントでもすでにパフォーマンスさせていただいてるんですけど、もっと前からあったんじゃないかなっていうぐらい、いい意味で馴染んでいる曲ですね。ライブに必要な曲だなと思えるし、歌っていてすごく楽しいんですよ。シンガロングできるところもあったりして、ライブでやっていてすごく楽しい曲だなって思います。振り付けも私が担当したんですけど、、わりと悩まずにスパッと出来上がって。(モモチに)踊っててどうですか?
モモチ 最初は「みんなで踊りたい振りにしたんだな」って思ったんですけど、回を重ねるごとに、私は「この振り、すごい!」って思い始めて……どうやって思いついたんだろう?っていうところがメッチャあるんですよ。最後に1人ずつ、こうやる(天を指差し、その手をゆっくりと下ろす)ところがあるんですね。全部が終わって、シンガロングも終わった後に、これを1人ずつやるのが、「ほら、テイマーも一緒に行くよ!」みたいな。私は感傷に浸りながらこれをやってて、これを最後に入れたのは天才だなって思いますね。しかも、ちょうど4人全員がこれをやって、最後にみんなで前を見て終わるんですよ。それをやると、「何かいけるぞ!」って感じがして、ライブ中に「うわ、ナオってすげえんだ!」って(笑)。15回ぐらいやって、その素晴らしさに気づきました。自分がやってたら思いつかなかった、(ナオの肩に手をやりながら)って感じがするのよ。
ナオ ええ~、うれしい! 楽曲も歌詞もダンスも、すごくマッチした曲だなと思って、本当にやってて楽しいですね。歌詞も大好きです。
──3曲目は「イカサマダンス」ですね。
レオナ これはけっこう豆柴っぽいキャッチーな感じで、みんなにも一緒に踊ってほしい曲です。振り付けはパワーパフボーイズさんが、イントロ部分のロデオダンスとサビの大事な部分を作ってくださっていて、1回見たら忘れられないようなキャッチーな振りにしてくださっています。自分たちも踊っていて、メッチャ明るくて楽しいですね。他の部分の振りは私とモモチの2人で一緒に作ったんですよ。大体の曲は、いつもナオが振りを作ってくれるんですけど、これはちょっとヘンテコな感じの曲調なので、「レオナとモモチで作ってみてもいいんじゃない?」ということをスタッフさんが言ってくださって、振り付けに挑戦しました。
──そうなんですね。
レオナ ナオの振りとはちょっと違う、逆にナオからは出てこないような振りを、2人で作りました。
ナオ やっぱり人によって、ダンスを作る時の着眼点が違うんですよ。それはアイカに対しても思うし、他のメンバーが作る振りを見てもすごく思うんですけど、“レオモモ”が作るダンスって、すごく面白いんですよ。「その音でそこ行くんだ!」みたいな振りもあるし。あと私が一番ビックリしたのは、この曲って途中にダンスブレイクがあるんですけど、そこがめっちゃカッコよくて。「誰が作ったの?」って聞いたら、レオナが「私!」って。「1人で作ったの?」って聞いたら「うん!」って言うからビックリしたんですね。「あ、こんなダンスも作れるんだ!」と思って。
モモチ 他のパートは、2人で作っていてもメッチャ迷っていて、それぞれで担当した場所もあるんですけど、ここは自信を持って「ここ、作ってきたんだよね」って披露してくれて、それがすごくちゃんと作られていたんですよ。口出しすることなく、採用になりました。
レオナ そう、他のところは迷ったんですけど、そこだけは「これ!」って思いました。私はダンスが苦手なんですけど、一応、8年ぐらいやっていたんですよ。そこで習っていたものを……
アイカ (小声で)そんなにやっていたんだ!
レオナ そうなの! やってたんだよ、意外と(笑)。そこで習っていたものを思い出して、集めて作りました。
ナオ パワーパフボーイズさんに振り入れをしてもらう前の段階で、もうレオモモが作っていたんですね。その振り入れの時に、パワーパフボーイズさんから「今、どんな振り付けになっているのか教えてほしい」って言われて、いったん披露したんですね。そしたら「あのダンスブレイクも自分たちで作ったの?」って言われて、メッチャ褒めてくださったんです。レオナ、すごいじゃん!と思って、ちょっと鼻が高かったですね。
──レオナさんもドヤ顔になってますね(笑)。
レオナ でも、褒めてくれたの覚えてない……。
ナオ 覚えてないの?
レオナ でも、うれしいです!
──歌詞の中に「全力坂」という言葉が出てくるじゃないですか。アイカさん、ナオさん、モモチさんは『全力坂』に出演して坂を走っていましたが、これは番組の収録に絡めてということだったんですか?
ナオ それが、全く関係ないんですよ!
モモチ 本当にたまたまなんです。
──そんなことがあるんですね!
モモチ 『全力坂』の収録の時に、「こういう歌詞があるんですよ」って番組のスタッフさんに言ったら、「えっ、そうなんですか?」って驚かれたぐらいで。こちらのスタッフにも、気になって聞いたんですよ、「関係あるんですか?」って。「いやあ、知らなかったです」って言われましたからね。
ナオ 勝手に言ってるだけです。もともと、ここを「全力、坂上がる」か「全力坂、上がる」か、どう歌うかというのはあったんですよ。デモの仮歌もHiyunkさんが歌ってらっしゃっていて、何となく「全力坂」って言っているよね、ということになって。だからどっちの可能性もあったんですけど、でもそれを言ったからこそメンバーが『全力坂』に出られたのかなと思ったら、やっぱり言霊ってあるんだなと思いましたね。言ってみるもんだなって。
モモチ いつか、全力坂アンバサダーになりたいですよね。
レオナ 私だけ、まだ出てないんですよ……。
モモチ でもアイカとモモチが最初に出て、ちょっと間が空いて私が呼ばれたので、タイミングを見て呼ばれるんじゃないかと。
レオナ 呼ばれたらいいなーって思っています。
アイカ みんな出たいよね。
モモチ 4人同時回とかあってもいいかなって。
ナオ そういうのはないんだよ。
モモチ ないか(笑)。歴史変えちゃうもんね。
記念すべき初のドラマOP! 「イッキイチユウナイト」!
──さて、次の4曲目は「Break out」です。
アイカ (メモを見ながら)こちらはぁ、ABEMAのぉ、『SHIBUYA ANIME BASE』という番組のエンディングテーマになってましてぇ……。
モモチ メッチャ読んでる(笑)。
アイカ (笑) とってもカッコいい曲なんですよ。最初の入りからすごくカッコよくて、また違った私たちを見せられる曲だなって思います。(他のメンバーを見る)
ナオ (小声で)頑張れ!
モモチ (小声で)行け!
アイカ 今までエンディングテーマとかってなかったんですよ。これが初めてだからそれもすごくうれしくて……(他のメンバーを見る)
ナオ (小声で)歌ってる時、どんな気持ちになる?
アイカ この曲って「私たちを見て!」みたいな感じになる曲なんですよ。だから1人1人のカッコいいところも見てほしいし、「今はモンアイが主人公なんだよ!」っていう気分になれる曲です!(ドヤ顔で他のメンバーを見る)どう?
ナオ いいじゃん!
──ちょっとK-POPっぽい雰囲気がありますよね。
モモチ はい。ガルクラ(ガールクラッシュ=女の子に憧れるK-POP)っぽさが入ってるつもりです。そういう風にできていたらいいねって。今までこういうのがなかったから、ライブでやっていてもセトリの中で急にこの曲が来ると、「うわ、カッコいいやつだ!」と思うんですよ。でも私的には、まだ見せ方がうまくできてなくて、本当はもっとカッコいい私たちが見せられる気がしていて、模索中です。もっとこの曲を生かしたいので。
──では、この曲はここからまた進化していくわけですね。
ナオ はい、これからもっとこねて。
モモチ テイマーも含めて。(上げた手を広げて)歌う時にこうやっていたら、テイマーもマネしてくれて。やってほしいよね。
ナオ いつもはサビの振り付けをみんなが真似してくれるっていうパターンが多いんですよ。でも今回は、サビはけっこう難しい売り付けをやっている中で、お客さんが手を上げてくれるっていう流れが少しずつできてきていて。なのでこれをもっと定着させていきたいなって思っています。
──次、5曲目は「LiGHTS CAMERA ACTiON」ですね。
モモチ 私、この曲に大きな野望がありまして。今、テイマーにも呼びかけている途中なんですけど、この曲って、私たちの系統で言うと別に今までなかった新境地ではないんですよ。でもマイクを使うとか、トラメガを使ってカッコいい言葉が並べられているパートとかがあって、見せ方自体には新しい面はあるんですけど、手を挙げて「オウオウ」言うところがいっぱいあるんですよ。それをテイマーにもメッチャ言ってもらえるようにしたくて、今少しずつ呼びかけていい曲にしている最中なんです。
──育ててるんですね。
モモチ メッチャ音もカッコいいし。
ナオ ロックサウンドでね。
モモチ 振りもカッコいいし、TAKE-PEEという人が作ってくれた歌詞もちょっと遊び心があって、この前YouTube上に、何の宣伝もなしにライブ映像が公開されて、そこにフルの歌詞も載っていたんですよ。今までは何を言っているか、たぶんテイマーにも分かりづらかった部分が判明したので、サビの部分は英語なんですけど、そこだけじゃなくて「オウオウ」の部分もテイマーに一緒に言ってもらえたら、めっちゃテイマー参加型の曲になれるんじゃないかなと思っていて。最近の私の目標なんですけど、テイマー参加型のライブをメッチャ増やしたいんです。
──いいですね。
モモチ その意味では、今回のアルバムではこの「ライカメ」、「LiGHTS CAMERA ACTiON」が……
ナオ 「ライカメ」って初めて聞いた(笑)。
レオナ 使っていこう。
モモチ その意味では「LiGHTS CAMERA ACTiON」がトップになるんじゃないかと思っていて。テイマー参加型楽曲に育てたいと思って、育て中です。
──次が「イッキイチユウナイト」。
ナオ この曲はTOKYO MXドラマ『恋学』のオープニングソングになっている曲で、ドラマの主題歌は初めてなんです。(他のメンバー、拍手)本当に今までなくて、とてもうれしいので、この曲をたくさん歌っていきたいなという気持ちです。女の子の心情を表しているかわいらしい曲だなと思ってて、あんまりこういうシンプルな女の子の気持ちを歌っている曲って今までなかったので、歌っていてもセリフパートもあったりして、けっこうキュンキュンしちゃうんじゃないかなって。本当に、今まで歌ったことない女の子の気持ちを歌っているなって、個人的にはすごく思っているんです。
モモチ リアルだよね。
ナオ そう、リアルなんですよ。「カシスソーダ」とかお酒の名前も出てきたりして、イメージしやすい曲になっているなって。恋する女の子が共感できる歌詞になっているんじゃないかなと思っています。
──この曲って、すごく難しそうですが。
ナオ はい、難しいです(笑)。曲調も独特で。
レオナ お祭りっぽいよね。
ナオ ツアーファイナルでは、これを1曲目で披露したんですよ。「あ、そういう使い方もできるんだ」と思って、まだ可能性が無限大に潜んでる曲だなって思ってます。
モモチ 1曲目でやった時には、テイマーはまだタイアップが決まってるのを知らなかったから、それが発表された時には「ああ、だからトップに持ってきてたんだ!」って思ってもらえたと思います。
ナオ 振り付けもすごくコミカルなものにしていて。これは何回か考えて考えて、自分の考えを練りながら、いろんな人に相談しながら作っていきました。
4人は遠慮知らず! 「初めてこんな世界に来ました」(モモチ)
──次が、先ほども出た「それ ちょーだい❤️」ですね。
アイカ さっきナオが言ってくれたんですけど、ちょっと変わった感じで、ボカロっぽい曲にしていただいて、今までの豆柴にもありそうでなかった感じの曲なんですよ。豆柴には、食いしん坊しかいないんですよ。ナオ以外は。
──ほう。
アイカ ナオ以外はみんな、「食べたい食べたい!「ちょうだい!」とかばっかりで。
モモチ 譲らない(笑)。
アイカ だからグループにもピッタリの曲だし、セリフとかもあるので、そういうところも聴いてほしいなって思います。
──「最後の餃子もらってもいい?」というのは、ナオさん以外の3人ということなんですか?
モモチ いや、ナオも入っているよね。
ナオ 4人で取り合っています。
──豆柴には「1個残し」はないんですね。
モモチ ないです!
アイカ 基本、遠慮知らずです。
モモチ 私、ここまで生きてきて初めてなんですよ! だいたい、女の子って最後の1個は遠慮しちゃうじゃないですか。今までは「あ、どうぞどうぞ」っていう環境だったから、ここに来て初めて最後の1個(手を挙げて)「私、私!」って(笑)。
ナオ 気づいたらなくなってるもんね(笑)。
モモチ 遠慮しない世界に初めて来たんですけど、いいよね(笑)。
アイカ 歌詞にも「遠慮知らずでごめんね」というところがあって、本当にこのメンバーに合っている曲だなって思います。
モモチ 主人公はアイカだね。絶対譲らないもんね(笑)。
アイカ 絶対、最後の1個まで食べる!
──こういう曲って、普通は餃子の話で始まっても、最後には何かを例えていたとかあるじゃないですか。でもこれは最後まで餃子ですよね(笑)。
アイカ リリイベとかでは、「餃子」の部分をその地方の食べ物に変えて歌ったりしていて。沖縄だったらサーターアンダギーとか。そういうところも楽しめる曲です。
モモチ 私のお気に入りは名古屋のういろうですね、「ういろうもらってもいい?」って歌うアイドルっていなくないですか?
──確かに、最後のういろうを取り合う人たちって、なかなかいないかも(笑)。
アイカ いないですか?
モモチ 私、まだういろう食べたことない。
──歌ってるのに!(笑)
レオナ あと、この曲には私の聴きどころをポイントがあって。ナオが、「まだ手つかずのアレをみてる」って歌うところがあるんですけど、そこがいいんですよ! 仮歌の時にかわいい感じの音が届いて、その場所がナオって知って、ナオのそういう声は聞いたことないなと思ったから、レコーディングをメッチャ楽しみにしていたんです。普段はカッコいい感じのイメージだから、かわいい声出すのかなって。全然そういうイメージがなくて、「どんな感じになるんだろう?」と思って聞いてみたら、もう仮歌を超えちゃったぐらい、いい声なんですよ。
ナオ うれしい!
レオナ (ピョッと上げる手振りをつけながら)「る~↗」って言うんですよ。
モモチ 何ナニ? もう一回やって!
レオナ (もう一度手振りをつけながら)「る~↗」って。だからここ! 聴いてほしいポイントです!
──ではもう一回聴いてみます!(笑)
モモチ ディレクションしてくださっている方も、ナオがそういう歌い方ができるって思ってなかったみたいで、「おお、いけんじゃん!」って言っていて。ナオのレコーディングはポンポンポンポン終わったんですよ。
アイカ 確かにナオ、早かったよね。
ナオ ナオ・オブ・ナオの新境地です、はい。
──ここまででひと区切りになって、8曲目が「現実逃避」ですね。
レオナ これはR&B系の曲で、これも豆柴にはなかった、都内某所っぽい曲ですね。初めてオートチューン(歌声を調整したりエフェクトをかけたりするソフト)を使っていて、ケロケロしている感じの声がそれなんですけど、すごく好きな曲です。
──失礼ながら、「R&B」って言い慣れてない感がすごいですね(笑)。
レオナ (笑) 「リズムアンドブルースって言うんですけどぉ」。
モモチ スタッフさんに教えてもらったんだよね(笑)。
──この曲って、みんなトーンを合わせて歌っている感じですか?
ナオ 確かにそうかもしれないですね。他の曲だと、みんなの個性を出すことが多いかもですけど、この曲は全体的に落ち着いた感じというか。
モモチ ボイストレーニングを担当してくださっている先生が、実際にブースに入ってディレクションしながら歌わせてもらった曲なので、その先生を通してみんなの歌い方とか、どういうふうに見せていきたいかっていう部分が一致していた感じがあるかもしれないです。
──最初にざっと聴いていた時に、「あれ、誰かのソロ曲かな?」と思ったんですよ。
モモチ 私もラフMIXを聴いた時に、「これ、誰がどこだっけ?」ってメッチャ思いました。
ナオ 確かに、言っていたね。
モモチ 私たちって、逆にそういう風に見せられる曲がなかったから、うれしいです。
アルバム後半、「都内某所」パートは今までにない魅力の詰まった曲ばかり!
──9曲目が「Make it blur」。
モモチ これも都内某所と合併したからこそ歌わせていただいている曲な気がしていて。これはけっこう披露が早かったんですよ。「アルバムから1曲ずつ披露します」ってなって、3曲目がこれで。それまでは比較的、豆柴の大群でもやってきたタイプの曲の後にすぐ披露して、急にオシャレなのが入ってきたから、もしかしたらテイマーのみんなに「こういう曲もやっていくよ」っていうのを見せられた曲でもあるのかなと思って。その先は、豆柴らしい曲もいろいろ入ってくるんですよ。カッコいい曲とか、面白い曲も入ってくるんですけど、これを3曲目に披露できたのは、今思えば意味があったなと思いますね。
──新たな方向性を示した曲だったわけですね。
モモチ はい。これも私たちには珍しく、大人の女性の心を歌う系の曲になっているので、歌詞の意味をちゃんと考えましたね。けっこう英語が入ってくるので、和訳してアイカとかにも送ってね(笑)。「こういう意味っぽいよ」って。例えば失恋とか、うまくいかないことがあったとしても、強く生きている風に見せるんだから、みたいな、「女性の強さ」みたいなのも歌詞の中に入っていて、大人な私たちの始まりです。
──10曲目は「AME」ですね。
ナオ さっき、メンバーが「こういう風な曲を作ってほしい」ってお願いした曲があるって言ったんですけど、これはモモチがリクエストした曲で。
モモチ 私が好きなあるアイドルグループを例に出して、恋愛とかじゃなくって、生きる強さみたいなことを題材にする曲を歌いたくて、それでちょっとお願いしました。
ナオ ちょっとダークなアイドル曲っていうんですかね。個人的にはちょっと日本のアイドルっぽいなっていう印象で、あんまり豆柴の大群では歌ってこなかった曲だなって思います。ピアノがすごく使われているのもけっこう新鮮でしたし、今まではバンドサウンドが多かったのですごくしなやかさが出る曲だなと思って。だからこの曲の振り付けを作るのもすごく楽しくて、いろんな日本のアイドルの振り付けとかをいっぱい見て研究して作ったので、みんなの女性らしさみたいな動きが出ている曲じゃないかなと思います。
モモチ ナオの振りには今までなかった感じだよね。振りを見た時に、「あ、モモチがやっていきたかった方向に持ってきてくれている」と思って、うれしかったです。
ナオ ちょっとジャズっぽい振り付けにして、手の先まで見えるような感じにしました。
レオナ この曲も聴きどころがあって。(一同・笑) 2Bのところに「風に吹かれてみよう」ってモモチが歌うパートの最後に「嫌いじゃないでしょ」ってところがあるんですけど、けっこう音程が高いんですよ。そこをモモチがメッチャ優しく歌っていて。その次を私が歌うんですけど、振りではちょっと立ち止まる瞬間があるんですね。そこでモモチが一番前で歌っているから、すごく聞き惚れながら準備しているんです。だから聴きどころです。
モモチ 初耳だ。うれしいね(笑)。
──11曲目は「Bye Bye」ですね。
レオナ 8月に「WACK in The UK」という事務所のロンドン公演に出させてもらったんですけど、それが決まって、英語を多めにしたんです。英語がたくさんあって、歌うのはすごく難しいです(笑)。内容はけっこうエモめになっていて、別れたいけど別れたくない、でも別れなきゃいけないなみたいな、そんな女心を歌った曲です。
ナオ 今回のアルバムはけっこう挑戦している曲が多くて。それこそ「Make it blur」とこの「Bye Bye」はほぼ英語の歌詞なんですけど、それがさっきレオナが言ってくれたみたいに、ロンドン公演が決まったタイミングで、「じゃあそれに向けて英語の歌詞をたくさん入れた曲を作りましょう」ってなって、スタッフさんが作ってくださったんですね。だから英語の発音をみんな意識してレコーディングしたので、そこにも注目してほしいです。優しく歌うみたいな曲が多かったよね。
モモチ 張らないで歌う曲ね。今までは張る曲が多かったから、難しかったです。
ナオ ささやくというか、「独り言を言うように歌ってみて」って言われることが多くて。今まではパワフルな曲が多かったから、そこもみんなの新しい部分が出てて、いいなって思いました。
──次が「Starry Carnival」。これは皆さんが作詞した曲ですよね。
アイカ はい、初めてメンバーみんなで作詞させていただいた曲です。まず、それぞれが歌詞を書いてきて、それを合わせて、みんなでパズルみたいに組み立てたんですよ。
モモチ 初めてだったね。アイカはどこ書いたんだっけ。
アイカ ちょっと覚えてなくて。豆柴の時にもメンバー作詞の曲があったんですけど、その時はそれぞれが書いて、スタッフさんに提出するだけだったんですよ。だから、メンバーに自分が書いた歌詞がバレることがなくて、使われなかった歌詞もバレなかったから、恥ずかしいとかはなかったんですけど、今回は曲を流しながらみんなの歌詞を回していって、読み合わせしたんですね。それがすごく恥ずかしくて!
モモチ ノートとかスマホのメモを回しながらやったんですよ。
ナオ しかも、みんなで書いてきたノートを持ち寄って、回転式で、1曲ずつ流してやるんですけど、実際に歌うと恥ずかしいからって、みんな脳内でそれぞれのノートを音読して「あー、ね」みたいな感じで(笑)。みんなそれぐらい恥ずかしくて。
モモチ メチャクチャ恥ずかしかったんです! 自分が作ったものを他人に見られると恥ずかしいじゃないですか。
──でも、出す前提で書いてるわけですよね?(笑)
モモチ 逆に、何百人の前で披露するなら「もういいや」って開き直れるかもしれないですけど、この4人だけだから恥ずかしいんですよね。しかも、みんな頭の中で歌っているから、みんな声を出さないんですよ。シーンとしている中で、「今、自分のアレを読まれているのか、どうしよう!」と思いながら(笑)。楽しかったですけど。
アイカ あとこの曲が今までにはない感じなのは、サビが歌じゃなくて、ダンスっぽくなっているんですね。それと「ピー!」って笛が鳴る場所があるんですよ。それもライブでは実際、私が笛を持って一緒に吹くんですけど、そこも頑張っているので、見ていただきたいです。
ナオ アイカが立候補したんですよ。「笛やりたい!」って。
アイカ 「ライブでもやりたい!」って言って、やらせていただきました。
──13曲目が、「Go Away」。J-ROCKバラード的な感じの曲ですね。
モモチ 日本語訳すると「あっち行け」っていう、けっこう強めの曲なんですけど、2曲目の「HiGH HOPES」と同じくHi-yunkさんが作ってくださった曲で。Hi-yunkさんは私たちのことを分かって作ってくださる曲が多くて、たぶんこの曲も、私たちのことを思って作ってくれた曲なんだろうなって思っているんですけど。別れた人向けというか、別れを惜しんでいる曲になっていて、きっとみんな、いろんな別れが人生であると思うんですけど、どっちの視点からも感じられる曲になってるんじゃないかなと思っています。けっこう静かな曲で、入り込むのが大事だと思っているんですけど、落ちサビの「キミの事好きじゃないよ 投げたコインみたいだね いびつな愛だったけど 後悔したくないはず」というところを、アイカと2人で向き合って、至近距離で歌うんですよ! 「0挟み」っていうんですけど、メチャクチャ近くて!(笑) 手の届く範囲で、入り込まなきゃいけないんですけど、練習でもう2人とも笑いが止まらなくなっちゃうんですよね(笑)。
アイカ 一生歌えなくなっちゃうよね(笑)。
ナオ 普段の練習の時は本当に歌えてなくて(笑)。
モモチ あまりにできないから、振りを作ってくれたナオが「これ、ナシにしようか」ってなっちゃったんですよ。
アイカ 本番もできなさそうだったからね。
モモチ でも、そこは絶対に意味があるから、絶対にやりたくて。と言っても笑っちゃってできないんだけど、ナシにはしたくなくて。本番はちゃんと入り込んでやってます。本当に、何かあったら笑ってしまうから、絶対に笑わないようにして。この曲のエモさを演出するには絶対必要な場所だからナシにはしたくなくて頑張っているので、みんなには注目して見てもらいたいです。
ナオ 逆にすごいです。練習では本当にできてないから、「大丈夫かな?」って思っていたんですけど、でも本番になったらちゃんとやっているから。やっぱり入り込むとできるんだなと思って。憑依型ですよ。
アイカ 頑張っています!
モモチ やっぱりアドレナリンってあるんだなって思いますね(笑)。
2025年は勝負の年! 爆発的なことを起こしたい!
──そして最後の14曲目は「Walk」。締めの盛り上がり的な感じですね。
ナオ そうですね。本当に最後の14曲目にふさわしい曲だなって思います。ちょっと「MUST GO」みのある曲というか、実際にあの曲の続きを歌っているって言われている曲なんですね。Hi-yunkさんが作詞作曲してくださってるんですけど、さっきモモチが言ってくれたみたいに、Hi-yunkさんが今のグループを見て思うことを書いてくれてる曲って何曲かあって、「MUST GO」も実際そうなんですけど、今この4人になったMONSTERIDOLに対して思っていることとか、このモンアイを応援してくれている人に向けてだったりとか、いろんな人の思いが詰まっている曲だなと思っていて。エモーショナルっていう言葉だけで片付けたくないような曲というか。お客さんと一緒に盛り上がれる曲でもあるし、ちょっとロックっぽいサウンドではあるんですけど、一番感情を込めやすい曲だなって個人的にはすごい思っています。
──なるほど。
ナオ 振り付けも私が考えたんですけど、スタッフさんからも「MUST GO」の続きということだから、意識した振り付けにしてほしいという指示があったんですね。だから、みんなは本当に大変だと思うんですけど、本当に「MUST GO」と同じ構成にしました。ところどころ、ちょっと振り付けは違うんですけど、フォーメーションとか構成は本当にほぼ一緒なので、「MUST GO」と「Walk」を一緒にやる時は大変なんですよ。
アイカ その2曲を連続でやった時があって、その時は本当に焦りました。
レオナ 混ざっちゃうよね。
モモチ 歌詞も混ざるもんね。
ナオ 本当にリンクする場所がいっぱいあるので、「MUST GO」を知っている人には鳥肌が立ちそうだなってすごく思うし、知らない人が見てもすごくいい曲だなって思ってもらえるような作品って思うので、これからもツアーファイナルとか、大事なライブで絶対に歌いたいなって思います。
レオナ これも聴きどころがあって。最後のサビで転調するんですよ。その前にちょっと短い落ちサビみたいなところがあって、そこをアイカが歌うんですけど、そこの声がよくて! 本当に優しく消え入るような優しい感じで、グループの歴史みたいなことを、私はすごく思い出すんですよ。それこそ私が入る前の、5人の豆柴だったときのことも感じさせられるようで、すごくいいので聴いてほしいです。
ナオ 聴きどころがもう一つあって。この曲って、レコーディングし直したんですよ。レオナのロングトーンのところがあって、最初はけっこう苦戦してたんです。最初は、裏声じゃないけど、ファルセットに近いような、ちょっと空気が入った声でやっていて。でも「もっと力強さが欲しいよね」っていう話になって、もうできるかできないかの狭間にいたんだよね。
レオナ そう。
ナオ 「本当は出したいけど、今はこれが限界」みたいな感じになってて、「じゃあこれで行こうか」ってなっていたんですけど、けっこう日が経ってから「やっぱり録り直したい」ってなって。ちょうどレコーディングしながらツアーもできる期間だったので、レコーディングできる機会はたくさんあって、運よくレコーディングし直すことができたんです。歌い直すと、レオナのロングトーンが本当にどんどん力強くなっていたんですね。だから、殻を破れたレオナの歌声が聞けるんじゃないかなと思います。それに、やっぱりCD音源とライブでの歌声もきっと違うはずだから、ライブで直接聴いてほしいなって思います。
レオナ うれしい! メッチャ練習しました。近所迷惑にならないように、枕を抱いて「アーッ」って声を出して。
──これで14曲、全部についてお聞きしました。最後に、2024年は自分にとってどういう年だったか、そして2025年をどうしたいかを、お1人ずつお願いします。
レオナ 2024年はツアーがあったり、個人としては新曲で振り付けに挑戦したりとか、あとこのアルバムでも豆柴らしい曲、都内某所らしい曲と、いろんな曲調、いろんなジャンルの歌があって、自分的にはいろんなことに挑戦した年だなって思います。そして2025年は……私は「これをやるぞ!」って思っても、継続ができない性格なんですよ。それをやめて、コツコツと継続できるようにしたいです。
アイカ 2024年は、1年の中で2回、ポンポン!って体制が変わって、ずっと練習していた年だったんですよね。ツアーで新曲とかもやったから、ずっと練習していて、本当にあっという間に1年がもう終わっちゃって。だから、いろんな意味で充実した1年でした。ライブでも新しいことにいっぱい挑戦したので、2025年は、やっぱりこの4人にしかできないライブを皆さんに届けて、ファンを増やしていけたらなって思います。
モモチ 私はもう少しで2年経つところでして、やっと慣れてきたかも、やっと分かってきたかもぐらいの時期なんですね。本当に今年の1年は体制変わったのもあるし、まだ経験不足で慣れてなかった部分もあって、やらざるを得ない年、「やる年」だったんですけど、ようやく「これがアイドルか」っていうのがちょっとずつ分かってきたし、おそらく、体制もおそらく少し落ち着くんじゃないかっていう時期にあるので、来年は、私はマネジメントする年にしようと思ってて。今、マネジメントの勉強中なんですけど、自分をマネジメントするのもそうだし、このグループをどう見せてどう持っていって、どこにたどり着きたいかっていうのを明確にして、周りを巻き込みながらマネジメントをしたいんです。なので2025年の私は、本当の意味でのマネジメントをする人間になります。他のグループでも、メンバーでそれをやるのはなかなか珍しいかもしれないんですけど、自主性が求められる事務所なので、その部分で他のグループのどこにも負けないグループにしたくて、メンバーのよさを引き立てつつ、役割を作ってマネジメントします。(一同・拍手)
アイカ お願いします!
ナオ この2024年は、豆柴の大群と都内某所が合併してMONSTERIDOLになって1年生の年だったなってすごく思って。豆柴の大群である自分もいるし、MONSTERIDOLである自分もいて、何か模索することが多かったなって思えた年でしたね。挑戦もしなきゃいけないし、自分が豆柴の大群のままではいられないというか、合併したからには、自分たちもパワーアップしたところをどんどん見せていかなきゃいけないなって苦悩した年でもあったなって、個人的にはすごく思いました。もちろん楽しいこともたくさんあったし、悔しいこともたくさんあったし。それをバネに2025年をやっていくしかないなって、すごく思っていて。だから正直、2025年が勝負の年になるんじゃないかなって、思っています。何か爆発的なことを起こしたいなっていう気持ちもあるし、今、いろんなアイドルがいる中で、バズったりとか、何をきっかけにボン!と出るかが全く分からないというか、狙ってもできるものじゃないなって、すごく思ったんですよ。2024年は、そういうことにも挑戦はしたんですけど、あんまりうまくいかないことが多かったので、2025年も、みんなとこれから先もいっぱい話し合って、モモチも言ってくれたみたいに、どんなグループにしていきたいか、明確な理想像をちゃんと作って、爆発的にヒットできるよう頑張りたいなって思いますね。2025年の自分たちがどうなるかによって、今後のグループの見られ方が決まっていくんじゃないかなと思いました。なので、このアルバム名に負けないように、『突破』したグループになりたいなって思います。
──長い時間、ありがとうございました!
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ライター
高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。