YouTube再生回数1000万回越えのDA PUMP「U.S.A」!本人たちも予想しなかったブレイクとなったが、その裏には、確かにヒットを予感させる緻密な取り組みと、メンバーの真摯な姿勢があった――。
人を楽しませる前にまず自分たちが楽しむ
-新曲の「U.S.A」がバズってますけど、最初に聴いた時の印象はいかがでしたか?
ISSA 俺は単純に「マジか!?」って感じでしたね。でも何かしらの意図があるというのはすぐ感じ取りましたし、そこを自分たち色に染めて出すのが僕たちの役目なので。最初のインパクトこそ「今、この曲か~!」っていうのはありましたけど、面白おかしくやってやろうって、すぐに気持ちは切り替わりましたね。
-見るからに楽しそうなパフォーマンスが印象的ですが、人を楽しませること=エンターテインメントにガッツリ向き合ったということですか?
ISSA そうですね。人を楽しませる前にまず自分たちが楽しむってことをすれば、結果は後から付いてくると思ったので、とにかく自分たちが楽しくできればと思っていました。実際、こういう盛り上がりは僕らも想像していなかったので。
-世の中の反応を見ると「絶妙なダサさ」「ダサかっこいい」などというワードが見受けられますが、どう受け止めていますか?
ISSA 「ダサい」って、僕は逆にかっこいいと思うんですよね。人ってダサくならないように生きるじゃないですか。「ダサかっこいい」ってところまでなれる人はなかなかいないと思うので、褒め言葉だと受け取ってますね!
-純度の高いエンタメを追求した結果?
ISSA まあ、そうですね。僕たちはやっぱりレベルが違うんで!
U-YEAH 急にドヤ感(笑)!
-YouTubeは再生回数1000万回を突破しました。「いいねダンス」「インベーダーフォーメーション」の強烈な印象もありますが、実はダンスでは他の部分も細部までこだわっていますよね。
ISSA みんなパフォーマンス力があるので、そこを真剣にふざけるっていうのはやりましたね。いい大人がいつまでたっても物事を面白く捉えて、それを真剣にやってるっていうのがいちばんかっこいいと思いますし、たまたまこの曲がそういうふうになったっていうだけで、僕らとしてはずっと同じ気持ちでやってきているので。
-アレンジの仕方で、まったく別のアプローチもできそうですね。
ISSA そうなんです。この曲も他の人がやったら全然違うものになると思いますし、僕らとしては全力でふざけるのもやっぱ大事かなって(笑)! 世の中の人って、常に面白いものって探していると思うんですよね。そこにうまくハマって、たまたま僕らがやっていることを見ていただける機会になった。うれしい限りですよ。日常のいい刺激になってくれたらいいですよね。
衣装選びはユーロビート全盛期を意識
-今回は衣装も一風変わった特徴的なもので揃えていますよね。
U-YEAH ずいぶんオブラートに包みますね。
KIMI 素直に言っていただいていいですよ。
-今の時代ではなかなか出会えない、びっくりするようなインパクトが…。
YORI 「びっくり」もオブラートに包んでますよね。
-中身がイケてないと着てはいけない衣装ですよね!
YORI まだ包みますね~(笑)。
KIMI ちなみに誰がいちばんアレな感じですかね?
-KENZOさんのチェックのシャツは、ある意味ダンスで映えますよね!
KENZO ありがとうございます! 原宿では今、流行ってるんですよ(笑)。
-この衣装はどうやって決めたんですか?
YORI 曲のコンセプトに合わせて、適材適所なやつを着たって感じですね。
KIMI 練りに練ってこんな感じに仕上がりました!
-参考にしたり意識したものはありますか?
DAICHI ハイブランドの雑誌は、みんなで見て参考にしたよね。これが着られたらいいなって。
KIMI そうそう、ハイブランドね。
KENZO でも誰も着てないよね(笑)。
DAICHI うん、誰も着てない(笑)。
ISSA いや、俺のはハイブランドだよ? 北〇オフィスだから。
YORI タ〇ちゃんマン!?
TOMO でも年代は意識しましたね。曲調がユーロビートなので、それに合わせて90年代のテイストを意識した上で、今のテイストとミックスしたって感じかな。
-衣装選びもかなり狙った?
YORI 正直、こういうことでこういう方向で盛り上げようっていう僕たちの狙いはありました。それを弓矢で言うと、バーンって放ったら、突き抜けて2個も3個も後ろに行ったような感覚です。
TOMO いや、ちょっと分かんない。
YORI え、ホントに分かんない!? いいなって思ったんだけど(笑)。もう一度言います。まず、僕たちには狙いがあったんですよ。
KIMI はいはい。
YORI それに向かって弓矢をバーンと放ったんですよ。
KIMI イタっ!
U-YEAH (笑)。
YORI でね! それは的にちゃんと刺さったんだけど、矢はそのまま2個も3個も違う的を貫通して行ったってことだよ!
U-YEAH 勢いが良すぎたってことだよね。
YORI そうそう! 僕たちの想像してなかった的も一緒に得ちゃったという感じ。
-想定していなかったリスナーまで届いたんですね。
KIMI 分かりやすいじゃん。
YORI でしょ?
KIMI 最初からそう言ってくれればいいのに。
TOMO (笑)。
最新のトレンドを取り入れつつキャッチーなダンスに
-今回はダンスが比較的分かりやすいというのも、ヒットの要因としてあると思います。
YORI そうですね。それも狙いで、今回は狙いの視点を変えたって感じです。これまでのパフォーマンスでは、僕らのスキルを見せることを意識していました。でも今回は、エンターテインメント性の高さを重視して作ったところはあります。なぜかって言うと、みんなにやってもらいたかったので。僕らの音を使って、みんなで「いいねチャレンジ」とかをしてもらいたいなって。これまではあまり見せて来なかったけど、僕らにはそういう引き出しもあるってことを出してみたって感じですかね。
ISSA うん、そうだね。
YORI 今回は楽曲がこういう楽曲だったので、今回はスキルを見せるよりDA PUMP的には新しい見せ方を提示していこうっていうことで。これまでもライブでは見せてきた一面なので、知っている人は楽しんでくれてると思いますけど、知らない人からすると強烈かもしれません(笑)。
-ダンスのクオリティが高いせいで、より笑える部分はあると思います。振り付けはTOMOさんとKENZOさんが担当されたそうですが、見どころは?
TOMO まずは「自分たちが楽しもう」っていうのを第一に置いたんですよ。楽曲もユーロビートってことで、おとなしく踊っても楽しくないじゃんってことで。あと曲調が古いぶん、新しいものをダンスで取り入れようっていうのはイメージしましたね。
-新しいものというのは?
TOMO 僕はほぼ毎年アメリカに行っていて、そのたびに何が純粋に流行っているのかを見てくるんです。今は「シュートダンス」というものが、ダンサーだけじゃなくて一般のコたちの間でもガンガン流行っていて、SNSに上がったりしてるんですよ。そういうムーブメントを見た時に、これ日本でもやったら絶対に楽しい!って直感があって、実際にみんなでやってみたら楽しかったから「コレじゃん!」って。
-トレンドも見た上で、いいとこ取りしたという感じ?
TOMO そうですね。サビに関しては“どキャッチー”で行こうとみんなで話していたので、じゃあシュートダンスなら新しいしみんなで楽しくできると思って取り入れました。で、シュートダンスってわざわざ言うのも分かりづらいなって思っていたところに、DAICHが「いいねダンスは?」って言って、そこからネーミングも決まりましたね。
-一方で、冒頭ではかなりスキルの高いダンスを披露されています。
TOMO イントロに関しては、僕らのスキルを見せられるインパクトがあった方がいいだろうってことで、そこはスキルも入れつつ今までにないものも盛り込んでKENZOが作ってくれて。そうですよね、KENZOさん?
KENZO そんな感じです(笑)!
TOMO 曲の中盤からは、また新たに遊びの要素を取り入れていて、「インベーダーフォーメーション」とかは、みんなでホントに遊びながら作ったんですよ(笑)。気付いている人も多いと思いますけど、MCハマーの動きからインスパイアされています。実はそのフォーメーションもいろいろ試していて、回ってみたり縦に動いたりしてみた中で、やっぱりここはシンプルにコレだってなって、今の形になったんですよね。
U-YEAH 僕もインベーダーには全神経を注いでいるので、頭の位置とスピードはぜひ生で見てほしいですね。
-真顔でやっているのがシュールです。
KIMI そこがポイントですね。笑っちゃったら台無しなんで(笑)!
YORI でもライブの時は「キャー」って言われて笑いそうになるけど。
TOMO あそこの「キャー」は何だろうね(笑)。
KENZO そういう意味では温故知新だよね。MCハマーもあり、最新のダンスもシュートもありで。
TOMO そうだよね。
U-YEAH まあ、今となっちゃ何とでも言えるよね。その時は凝りすぎて時間かけ過ぎちゃってて、どうしようってなってたし(笑)。
YORI でもこのリハは本当に楽しかったですね。僕らにとって挑戦でもあったし、普段はぜったいやらないような動きを取り入れていたので。
TOMO 振り付け自体はHIPHOPの新しいムーヴを取り入れてるんだけど、一般の人から見たら「これ、ふざけてんのかな?」みたいに見えたりして、このギャップがいろんな現象に繋がったのかなっていうのは思いますね。
MVのソロパートに注目!
-ソロパートではそれぞれの見せ場も満載ですよね。
KIMI 僕はもうリーゼントですね。どんなに踊っても崩れない、泣く子も黙るリーゼントです!
U-YEAH そこ(笑)!?
KIMI そう、ブレない気持ちとブレないリーゼント! DAICHは出てなかったでしょ?
DAICHI 出てるわ! 回ってミサイルみたいなの出してますから!
-高度なダンスにアニメーション効果もプラスされていて…。
TOMO 僕も見て欲しいところと言えば、お札が出る銃を撃ってるところですね。
YORI いや、ダンスの見どころの話じゃないの(笑)!?
TOMO まあソロパートに関しては得意ジャンルがみんなあるし、今回に関しては全体の振り付けのニュアンスに合わせつつ、ソロでもそれぞれ魅せてたりしますね。
-KENZOさんはダンスの世界コンテストで連続優勝記録を更新中ですよね。
KENZO まあ、普通に普段どおり踊ってますよ。ロックもB-BOYもあるし。YouTubeにもあるので見てみてください。
YORI ソロのパートの2番のABは僕とKENZOがソロをやってるんですけど、そこではジャンルで言うとオールドスクール。オールドスクールを取り入れてる人たちって、僕たち以外はあまりいないと思うので、そういう部分もちょっと楽しんでもらえたら!
自分たちらしいパフォーマンスをこれからも続けていく
-前回のシングルから約3年半空いていますが、その間はどういう思いでしたか?
ISSA 僕らとしては空けたつもりはないんですけどね。その間もずっと曲も作っていたし、ライブもやっていたので。まあ、何も変わらず、自分たちのパフォーマンスの純度を上げることを考えてやってきたかな。
YORI 僕らが見せられるものって、やっぱりライブが一番だと思うので。去年の6月にDA PUMPは20周年だったので、そこに向けてライブを定期的にやってきたし、そういうふうにステージを作り続けてきているんですよ。リリースとしては約3年半空いていますけど、僕たちはステージでずっとパフォーマンスを高めて来ていたところはあります。
ISSA 20年も続いてきて、待ってくれてる人はずっと待ってくれてるし、待たせてごめんね感はちょっとありますけどね。
-20周年を越え、ネームバリューもあるDA PUMPだけに、新たな作品のリリースには当然クオリティも求められますが、そこにプレッシャーはありますか?
YORI そこで一山越えているのはやっぱりISSAくんなので。僕ら自身は常に挑戦者のマインドで、新しくてスキルの高いものを出していくだけですね。
-20年以上も続くグループには、存在が続く理由があると思いますが、ISSAさんはどう考えていますか?
ISSA ほかにできることがないからです。それしか商売道具にならないというか、10代からダンスばっかりやってきて、好きが講じてこういう仕事になって続けられてるっていうのはありがたいことですし、やっぱり僕はこれしかできないから。
今のこの感じは、昔見たことがあるって人もいるし、初めて見たっていう人もいて、そんな風にみんなが見てくれているいい機会なので、ここからまた広げたいなって思いは、もちろんあります。でも、これまでもずっと、自分たちなりの伝え方を続けて来たし、何か改めて言うことは何もないかな。自分たちがいちばん楽しんでやっていることを、一人でも多くの人が見てくれればなってだけですね。
-では最後に、これからの活動についての抱負を教えてください。
ISSA 今、みなさんに聞いてもらってるこの感じって、すごく嬉しいしありがたいです。でも、僕らの中身って、たぶん変わってないんですよね。より自分たちが楽しめるものを作って、それを賛同してくれる仲間が見に来てくれれば、それだけで大満足なので、自分たちらしいパフォーマンスをこれからも追求してやっていきたいなと思います。
「U.S.A.」
2018/6/6 リリース
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2Days開催決定!!】
■日時:2018年6月29日(金)
■会場:【愛知県】アスナル金山 明日なる!広場
■開催時間/18:00~
■日時:2018年6月30日(土)
■会場:【大阪府】なんばパークス2F キャニオンコート
■開催時間 / 第1部 14:00~ 第2部 17:00~
【DA PUMPオフィシャルサイト】
http://dapump.jp/
ライター
明知真理子(あけちまりこ)
広島生まれ広島育ち。バイクと音楽とプロレスが好き。趣味は株式投資。気持ちが昂ぶると短歌を詠みます。Twitter:@marippejapan