COLUMNコラム

ダンス＆ボーカルグループ lolのメンバーであり、役者としても活躍している佐藤友祐。今年の3月に放送された「不幸くんはキスするしかない！」では篠宮直哉を好演し、新たなファン層を拡大させた。そんな彼が、8月30日に写真集『Moment』を発売した。前作『gift』から約2年ぶりとなる今作は、沖縄と東京を舞台に撮影。写真に映し出された彼の表情は自然体かつ楽しそうで、この写真集がコロナ禍で撮影されたことを忘れそうになる。今回は写真集『Moment』について話を伺うとともに、イベントで全国へ会いにいこうとする理由や大切にしている瞬間などについて訊いた。


コンセプトは“白と黒”。今の瞬間を楽しむきっかけにしてもらえたら
 

 

──なぜ『Moment』というタイトルになったのでしょうか。
 
佐藤　“26歳の自分”という今の瞬間を押さえておきたかったのと、コロナ禍ですべてが制限されている状況だけど、この写真集を手に取ることによって今の瞬間を楽しむきっかけにしてもらえたら嬉しいなと思ったんです。「コロナがあってどうしたらいいかわからない」と戸惑っていても時間は過ぎていくし、今この瞬間は今しかないので。
 
──そういったマインドになったのは、ご自身やlolの活動がコロナによって制限されたことが大きいですか。
 
佐藤　そうですね。2週間くらい何も仕事がない時期もあったし、そもそも外に出ちゃいけなかったので。あの頃は本当に「何したらいいんだろう」と思ってました。できることもないし、すごくネガティブな気持ちになって「人生楽しくないな」まで落ち込んだときもあって。
でも、「不幸くんはキスするしかない！」で篠宮直哉を演じて気づいたんです。幸せの感じ方なんて人それぞれだし、些細なことにも目を向けていけば自ずと幸せに繋がっていくんだなって。起きたときに天気がよかったら「晴れてる、幸せ」とか、寝起きがよかっただけでも「今日はいい1日になりそうだな」とか。どうしてもネガティブな部分に目が生きがちな世の中にはなってきていますけど、少しでもプラスな気持ちでいたいですよね。
 
──作品のコンセプトは“白と黒”だそうですね。

 

佐藤　「金髪と黒髪どちらも撮りたいです」とお伝えした結果、このコンセプトになりました。「不幸くんはキスするしかない！」で知ってくれた人に金髪の僕も見てほしかったし、二面性を見せていきたかったので。
 
──他にも佐藤さんのほうから「こういうことがしたい」と要望を出されたんですか。

佐藤　まず「沖縄に行きたい」って言いました。なかなか海外へ行けないし外で楽しむことが少なくなってる世の中だけど、楽しそうな僕を見て「もっとアクティブに遊んでみよう」とかポジティブな気持ちになれる写真集を作りたくて。「沖縄に行ってアクティブなことがしたい」「オープンカーに乗りたい」って伝えました。
 
──表紙から、なかなか衝撃的ですよね。
 
佐藤　沖縄の干潟で撮影しました。「けっこうびっちゃびちゃになっていいよ」と言ってもらえたので、「だったら真っ白いシャツに真っ白いズボンのほうがエモくないですか」って提案したらあの感じに(笑)。
 
──一方でカバー下の表紙は、かなり色っぽい写真ですね。

佐藤　どの写真にするか決めるときに「こういうページには、どういうのを選ぶんですか？」と訊いたら「普段は見えない場所だから、サービスショット系でもいいんじゃないかな」みたいな話になり、あれに決定しました。でも、めくってるとカバーがパラッと取れてしまうことが意外に多くて。サインを書きながらインスタライブしていたら、見えちゃったことがあって恥ずかしかったです(笑)。
 
──あまり普段は脱ぐショットは撮らないんですか。
 
佐藤　まだボディメイク中だったので、今回は予定がなかったんですよ。でも、すごい雰囲気のあるホテルへ撮影しにいったら「脱いでみよっか」って言われて(笑)。だから、ちょっと写真の量が少なめではあります。
 
──今はボディメイク中なんですね。

 

佐藤　もうちょっと体を大きくしたくて。前までは自分でジムに通ってたんですけど、今はパーソナルジムで鍛えています。最近は体力がなくなって、仕事終わりに自分で筋トレができなくなってきたんですよ(笑)。次の写真集のタイミングにでも、鍛えた体をお見せできたらいいですね。
 
──ボディメイクをする一番の理由は何ですか。
 
佐藤　モテたいからです！ 「男としてかっこよくなりたい」、ただそれだけです。英語の勉強も始めようと思ってるんですけど、その理由もモテたいから。人気者になりたいし、注目されたいから。僕はそれ以上に真っすぐな理由ってないと思ってます(笑)。
 
──年初にお話しされていた英語の勉強がいよいよ始まるんですね。
 
佐藤　「不幸くんはキスするしかない！」に出演したことにより、海外の方からのコメントも増えたんですよ。それをいちいち和訳したり「なんて意味だろう」って調べるより、すぐにわかったほうがやっぱりいいし。あとは、作詞をするうえで英語を知っているほうが歌詞のバリエーションを出せるっていうのも大きいですね。僕はダンス・ボーカルなので、けっこう英語のフレーズが映えるし、今流行の言葉とかも使っていけたらいいなって。
 
 
待ってくれている人がいるから、みんなに会いに行きたい！
 


 
──今回、写真を撮られていて印象に残っていることは何でしょうか。
 
佐藤　人前に出ることが減ったからなのかもしれないんですけど、笑顔が下手になってて……。「笑って」と言われることが多かったですね。ちょっと笑顔が引きつってたり、キメっぽい写真が多い写真集になりました(笑)。

──裏を返せば、作っていない表情が多いということかもしれませんね。
 
佐藤　自然体を意識しすぎて、そうなってしまった部分はありましたね。アイスクリームショップの前で撮ったカットなんて、使ってほしくなかったくらい素の笑い。ニヤニヤしてる(笑)。
 
──前作と今作の写真集の違いって、どのような点がありますか。

佐藤　今作の『Moment』のほうが、より素かもしれないですね。前作『gift』の時は“こういうのが求められてる”をメインで撮ったイメージなんですけど、今回は本当にナチュラルなパートが多くて。自分の本質的な部分をたくさん切り取ってもらった写真集になったかな。
やっぱり今回のテーマが“自分が楽しんでるところを見せることによって、楽しんでもらいたいし開放的になってもらいたい”なので。俺も久々に沖縄へ行って、普通に撮影を楽しんでたし。次の日も大事な撮影だったけど、何も気にせず酒も飲みました。写真集の撮影に合わせて減量したり水抜きしたりって人もいるなかで、「何やってんねん、俺！」って(笑)。
 
──写真を撮られる経験で、演技やダンス・ボーカルの表現に活きることってありますか。
 
佐藤　あまり繋がりは感じないかな。役者としてやってきたことが、写真を撮られるのに役立つのはものすごく実感できるんですけど。
 
──どのようなときに、実感するんですか。
 
佐藤　いまだに写真を撮られるのって慣れてないし、佐藤友祐でいなきゃいけないからちょっと恥ずかしいんです。そういうときに、役者としての自分の感性をもってくることによって楽になるというか。篠宮になってみたり、お調子者キャラになってみたりして、表情だけでなくキャラクター自体変えていくように意識しています。
 
──今回の写真集で、いちばんお気に入りのショットはどれでしょうか。

 

佐藤　顔ハメパネルのやつですね。道を歩いてて「撮ってみる？」ってパッと撮影したやつなんですけど、意外とお気に入り。
 
──次に写真集を出すとしたら、どんなことをやってみたいですか。
 
佐藤　全部をセルフプロデュースしたいです。2年ごとに写真集を出させていただいているので、次に出すとしたら28歳。そのときに感じる何かをちゃんと表現するために、自分で企画してやってみたい。あとは、海外へ行きたいです。グランドキャニオンとかナイアガラの滝とか、自然が多いところで撮影できたらいいな。
 
──誕生日に行われた「写真集発売記念トークショー」は、いかがでしたか。
 
佐藤　「不幸くんはキスするしかない！」が終わってからのトークショーだったから、いつもと違うファンの方が来てくれていました。篠宮を見に来てそのままハマってくださる方がけっこう多くて。年齢層もすごく広がったし、嬉しいですね。

──篠宮からハマった人が多かった理由は、何だと思いますか。
 
佐藤　わからない(笑)。でも、こっちも全力でやってるので。篠宮がきっかけで来てくれた人にも、ちゃんと楽しんで帰ってもらいたかったから、その気持ちが伝わってるのかなって思います。
 
──東京・名古屋・大阪では、写真集のお渡し会もありますね。
 
佐藤　最初は大阪・東京って言われていたんですけど、「名古屋もお願いします。どうしても！」と頼んで実現しました。本当は福岡と札幌にも行きたかったんですけど、ちょっと厳しいかなって。
 
──lolの時もですが、佐藤さんは「全国どこにでも会いにいこう」という意識が強いですよね。



佐藤　だって、待ってくれている人がいますから。俺もやっぱり会いたいし、遠いからいけないって人は少しでも減らしたい。だからといって47都道府県は無理だけど、せめて札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡、広島くらいは回りたいですよね。
 
──ファンに対して「会いに来てよ」ではなく、常に自分から「会いに行くよ」という姿勢でいるのはなぜですか。
 
佐藤　ひとつは僕がとある人に憧れて芸能界へ入ったように、自分も憧れられる存在になりたいから。もうひとつは、自分がこうしてエンターテインメントをしている以上、やっぱり楽しんでもらいたいから。そこに自分の存在意義を感じているので。
やっぱり僕のことを応援してくれる人には、少しでも幸せでいてもらいたいじゃないですか。「遠いからいけない」っていう人を少しでも減らすために、こっちから会いにいきたい。普段は僕らが、ファンの人にしてもらってばかりですからね。
 
──では最後に。写真集のタイトルが『Moment』なので、佐藤さんにとって一番大切な瞬間を教えてください。
 
佐藤　ひとりでいる時間かな。今年になって“自分を理解する”ということがわかって、「ひとりでいる時間は自分の人生に必要なものなんだ」と思えるようになりました。
もともと周りに気を使いすぎることに悩んでたんです。街を歩いている人の気持ちをむっちゃ考えちゃうし、会食や友人の集まりに連続で参加したりすると頭がパンクしそうになるんですよ。それで「何なんだろう」と思い調べていたら、HSPと呼ばれる気質があることを知って。対策も調べてみると、部屋に緑を増やしたり間接照明にしたりするとあって、すでに自然と実践していることだったんです。それで「自分はこういう性格なんだな」と受け止められるようになり、ひとりでいる時間を取るようになりました。

──“自分を理解する”とは、具体的にどのようなことでしょうか。
 
佐藤　自分のダメなところ、いいところを知ること。そして、すべての自分のケアをできること。例えば機嫌が悪い日があったら、「なんでだろう」って理由を考えて「こういうことがあるから」って原因を突き止めて、直す方法を考える。直らないんだったら、それ相応の対策を取れる。自分の体調が悪くなるからこれはしないとか、逆にこうしたらどうにかなるっていう答えを持っているのは大事ですよね。
 

佐藤友祐写真集 Moment
価格：定価3,630円(税込)
発売日：2022年8月30日
撮影：横山マサト
発売・発行：株式会社KADOKAWA



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