COLUMNコラム

アーティスト
大森靖子×三谷三四郎

【ナナ週連続インタビュー第1弾!】大森靖子×三谷三四郎 Rude“猛れ”対談

2021.05.21
アーティスト
話題
音楽
インタビュー
メジャーデビューナナ周年を記念して、7月7日に初のセルフカバーアルバム『PERSONA #1』をリリースする大森靖子さん。これを記念して、5月19日から収録曲をナナ週連続配信する企画も始まりました。avex portalコラムではさらにこれを記念して、ナナ週連続インタビュー企画をスタート! 毎週、大森さんが配信された楽曲について語ります。聞き手は「超歌手」など大森さんの著書の編集も手がけられた九龍ジョーさんです。

第1週に配信されたのは、新曲「Rude」。
かねてより大森さんと親交があるフリーランスディレクター三谷三四郎さんが、東野幸治さんや平成ノブシコブシ・吉村崇さんなどの著名人から、新宿などの街にいる人に声をかけ、ひたすら街頭インタビューするYouTubeチャンネル「街録ch-あなたの人生、教えてください-」の主題歌として書き下ろした楽曲です。インタビュー企画第1弾はこの曲の配信を記念して、大森さんと三谷さんの対談をお届けします。「街録ch」を中心にどんどん展開していく話題はどこまで行くのでしょうか?


最初から普通じゃない!? 大森靖子&三谷三四郎、二人の出会いとは?




大森 三谷くんは、取材されることあるんですか?
 
三谷 それが「街録ch-あなたの人生、教えてください-」(以下、「街録ch」)始めてから、けっこうあるんですよ。こないだは「BRUTUS」「週刊SPA!」、あと「朝日新聞」か。
 
大森 ちゃんとしてるヤツだ(笑)。
 
三谷 そう、朝日新聞が僕なんかに興味あるの!? って。でもよくよく聞いてみたら、内容がどうこうというよりも、僕に「会いたかった」みたいな。メディアの中にいて鬱憤たまってる系の人が、けっこう僕に共感してくれるみたいで(笑)。
 
大森 ああ~、なるほど(笑)。心の声の代弁者として、三谷くんに代わりに言わせるみたいな。
 
三谷 その感じの呼ばれ方なんだな、ということに最近気づいてきました(笑)。
 
大森 でも三谷くん、面白いもんね。私が最初持ってた印象も、テレビの中にたまにいるわけわかんない人っていう感じだった。「100人に1人ぐらい、こういう人いるんだよなぁ~」って。
 
三谷 どういう感じなんですか、それは(笑)。
 
大森 曲とか、発言とか、そういう意図で言ってないのにより面白いほうに勝手に解釈して返してくる人(笑)。「ヤバいっすね!」みたいな感じで、だいたい膨らませるでしょ? 「街録ch」でも、そのやり方でみんな輝いてるもんね。ああ、三谷くんだなあって。
 
三谷 そう言ってもらえるのは、ありがたいです。もともと僕は一方的に大森さんのファンだっただけなので。
 
大森 最初に会ったのは、2017年ぐらいでしたっけ?
 
三谷 僕も関わってた「ラストアイドル」ってテレビ番組に、大森さんとピエール中野さんが審査員で出演することになったんですよね。それで、僕がまず中野さんのコメントを撮りにいって。
 
大森 中野から「『ラストアイドル』の取材なのに、ディレクターに靖子ちゃんの話をめっちゃされたよ!」って(笑)。
 


三谷 ホントは大森さんのコメント撮りも自分でやりたかったんです。でも、日程が合わなくて。それで中野さんのコメント撮りのとき、1時間もらって、コメント自体は5分で撮って、残りの55分間は大森さんの話を延々するという(笑)。当時、大森さんの曲に救われてたというか。どの職業でもあるんでしょうけど、テレビディレクターって、仕事がただの「作業」みたいに思えてしまうことがあるんです。そこにモヤモヤしていたというか。そんなときに大森さんの曲を聴くと、「あ、やっぱ、こういうふうに自分の意見を持って生きたほうがいいよな」とか、「自分のやりたいようにできるってうらやましいな」って。
 
大森 しかも三谷くん、公共の電波を使ってめちゃくちゃなオタ活もしてくれてたもんね。番組内で、私のグッズTシャツを着て銀座の寿司屋に行くとか。
 
三谷 やってましたね(笑)。
 
大森 あと、インドロケのBGMで「死神」が流れてくるとか。
 
三谷 「さまぁ~ずの神ギ問」ですね(笑)。
 


大森 あれは、ビックリした。「情報バラエティ番組のVTRで『死神』流れることあるんだ!」って(笑)。
 
三谷 でも、インドのガンジス川で、内容的にもちゃんとリンクするタイミングだったんですよ(笑)。そんなだから、当然いつか自分で番組を担当するようになったら、主題歌を大森さんにやってもらいたいっていうのも思ってたんです。でも、よく考えたらバラエティで主題歌のある番組なんてほとんどなくて。
 
大森 たしかに(笑)。
 
三谷 あと、よほどの権力を持たないと主題歌までは選べないんですよね(笑)。でも、自分のYouTubeチャンネルだったら自由にできるじゃないかと。で、今回ようやく大森さんに依頼することができました。
 
大森 そんなに思ってくれてるのに、「街録ch」を起ち上げてすぐじゃなかったですよね?
 
三谷 いやいや! さすがに登録者1000人ぐらいの時点では、頼むのが申し訳ないと思ったので。
 
大森 「登録者が1万人を超えたらお願いできますか」って聞いてきましたけど、「私のほうは、何人でもいつでもやるのにな」と思ってましたよ(笑)。
 
三谷 だってメジャーレーベルにいて、普通にドラマやアニメのタイアップ曲だって手がけてらっしゃるわけで。そういう意味では、正直「登録者数1万人」だって少ない数字ですけど、でもそれぐらいは超えないと頼めないですよ。
 
 
ジョイマン高木と主題歌「Rude」、奇跡のコラボ!?
 
 
大森 まあでも、逆にこちらもいろんな人のインタビュー動画を見てから取りかかれたのでよかったかも。
 
三谷 歌詞にもちゃんと反映してくれましたもんね。「手順通りできないから/おもろいことおこるのだ」とか。

大森 「街録ch」のそこがすごい好きで。MVも、東野幸治さんとかも出てくださってますけど、街録chオールスターズみたいなメンツじゃないですか。ぴくしぃくんと保坂さんが牛丼食べてるシーン、あそこでなぜか泣きそうになる(笑)。
 

三谷 ありがたいなぁ。「いつか誰かが/社会の闇だと言った僕等は」って箇所も、動画のコメントから拾ってくださって。
 
大森 話で聞いて、面白いなと思ったんですよ。
 
三谷 あれって、業務スーパーに命を捧げる野沢さんっていう女性の動画だったんですよね。彼女は初めての彼氏が性的関係を求めてきてもずっと拒み続けて、そんなことよりも神戸物産っていう業務スーパーの株を買いたいし、なんなら神戸物産と結婚したいとかって言ってるんです。めっちゃ面白いし、それを堂々と言える野沢さんはカッコいいと思うんですけど、コメント欄に「日本社会の闇だ」みたいなことを書かかれて。
 
大森 いやいやいや、光だよね? って。
 
三谷 そう、光ですよ! そしたら、ちゃんとそこを「Rude」の歌詞で掬い取ってくださって。こんなうれしいこともないです。しかし、ホントいい曲なので、どのタイミングで流してもハマるんですよね。感動する場面でも使えるし、面白い瞬間にも使える。
 
大森 「ドキュメント72時間」とか「情熱大陸」みたいな、ああいうふうに流すんだろうなっていうのはイメージしました。どんな映像でも、なんかいいこと言ってるふうに見えてくるっていうか(笑)。
 
三谷 ああいう番組に対抗してるつもりはないですけど、たしかにそれはあるんですよね(笑)。この間、めっちゃいいタイミングで流せたなっていうのが、ジョイマンの高木晋哉さんの動画で。「ナナナナー」のラップネタに開眼したっていう話のくだりで、「ウォン・ビン、ビールビン」って言った瞬間にかけたんです。「ウォン・ビン、ビール瓶、猛れ、猛れ、猛れ~」って(笑)。
 
大森 コラボみたいな(笑)。
 
三谷 高木さん、めっちゃ喜んでくれて、「大森靖子さんの主題歌が入るタイミングが絶妙」ってツイートしてましたからね。
 


大森 「猛る」って、自分の中でも大事なときに使う隠し球的なワードなんですよね。それを3連の音符で、しかも3回使ってるので。
 
三谷 大盤振る舞いじゃないですか! うれしいなあ。

大森 「猛る」って、基本的に自分でコントロールができなくて起こる現象じゃないですか。それを命令形で「猛れ」っていうのはちょっとおかしいんですけど、でも「街撮ch」ってそういうことだよなって。
 
三谷 わかります。インタビューって、聞かれれば、だいたい何か答えますよね。でも、もともとそんな答えは持ってなかったり、話すつもりじゃなかった人もいるんですよ。それが、答えていくうちに、だんだん「猛る」というか(笑)。
 
大森 出てる人、だいたい好きになりますよね。
 
三谷 そこは僕のほうでも気をつけてて、ただ面白い話で終わらせずに、その人の最終的な目標みたいなことを必ず聞くようにしてるんです。やっぱりその人が何かを頑張ってるっていうところを見せなきゃいけないと思うし、そのほうがあとあと恨まれないだろうっていう計算もあり(笑)。例えばバッドボーイズ佐田さんの動画とか、佐田さん、最後にスイッチ入って、めっちゃいろんなことをしゃべってくれたんですよ。「少年院に慰問に行ってる」とか、普段はあまり言わないようにしてることも。
 
大森 たぶん、そこだけを聞かれるのはイヤなんでしょうね。全部を聞いてくれたからこそ、その話ができるっていう。


動画制作も曲作りも、数をこなすほど強くなる「筋トレ」!


三谷 こういうのって、テレビで視聴率だけを追ってたらなかなかできない撮り方だったり、編集ではあるので、自分でも面白いですね。しかし、つくづく自分はテレビ向きではないのかもって思ったのが、「Rude」のレコーディングに「街撮ch」で密着させてもらったじゃないですか。「自分のチャンネルの主題歌が誕生して、心から感動してるんだから、お前はちゃんと泣けよ!」って。
 
大森 ハハハハ! いいですよ、泣かなくても!
 
三谷 でも、映像的には感動を伝えるのにいちばんいい絵なんですよ。いくら「めっちゃいいですね!」とか「感動しました!」と口で言っても、無言で泣いているほうが一発で感動が伝わるじゃないですか。テレビって、優秀なやつはスタッフでもちゃんと泣きますからね(笑)。あと、編集しながら気づいたんですけど、僕、依頼したときのインタビューで大森さんを脅迫しちゃってたなと。
 
大森 なんですか、それ(笑)。
 
三谷 本心だからこそなんですけど、僕が「大森さんって毎回、新曲が自己ベストなのがすごい」と言ってて。でもそれって、曲を依頼する側が言うと、「僕に自己ベストくださいね」ってことでもありますよね。
 
大森 実はそれ、ちょっと思ってました(笑)。ぶっちゃけ自分の手グセで「こういうふうな感じ」って曲はつくれるんです。でも、それじゃダメで、ちゃんと新しいものをつくらなきゃなって。
 
三谷 ご自分のアルバム曲とかでもないのに、ホントありがたいなと思いました。しかも、サビの「ルー」の部分ってめっちゃ高くて、大森さんの曲でいちばん高いキーなんじゃないかと。
 
大森 はい、いちばん高いです。
 


三谷 そういうところでもベストを出してくれるのがうれしかったです。でも、さっきの繰り返しですけど、大森さんの新曲は常に楽しみなんです。僕はべつに読解力があるような人間ではないですけど、でも、大森さんの歌詞って、いつもハッとさせられるというか。「死神」もホント凄まじい曲だし、「シンガーソングライター」の「お前に刺さる歌なんかは絶対かきたくないんだ」ってフレーズもすごい。「新宿」の「あの街を歩く才能がなかったから」って歌詞は、「街録ch」でも話しましたけど、僕はまさにそのとおりで。テレビの使えないADとして地獄みたいな気分で新宿アルタの周辺を歩いてた当時の自分に、あの曲を聴かせてあげたかった。でも、まあ、死にはしなかったし、いまこうやって大森さんとも仕事ができてるし。
 
大森 「街録ch」も注目されてるし(笑)。よかったじゃないですか。
 
三谷 思えばテレビって、僕なんかだと1打席ぐらいしか回ってこないんですよ。それも代打の1打席だったりして。でも、YouTubeって「そこでいいんだったら、いつでもバット振っていいよ」っていう世界なんですね。ただ、続けるためには、カネにもしなきゃいけない。そのためには登録者数を増やさなきゃで、手っ取り早いのは毎日投稿だなと。まずはこれを、人の手を借りてでも途切れさせたくないっていう思いだけでやってました。後づけですけど、気づいたらそれが筋トレになってたんですよね。やればやるほど負けないカラダになっているのを感じるっていうか。

大森 筋トレってありますよね。人の心を動かす仕事だと、こういうふうにしたら、こういう人が感動するんだなっていうシステムとかがだんだんわかってくるじゃないですか。私も数をこなすことで、曲の構成とか、ライブの見せ方とか、わかることが多かった。筋トレ重要だと思いますよ。
 
三谷 筋肉がついてくると、それこそ「街録ch」以外にもいろいろ生かせる気がします。そのためにもまずは「街録ch」をコツコツ続けていかなきゃなと。「Rude」という素晴らしい主題歌もいただいたし。
 
大森 楽しみ!
 
三谷 ホントありがとうございました!



 
撮影 長谷英史
 



 「Rude」(読み:ルード)
2021.5.19 デジタルリリース




「街録ch-あなたの人生、教えてください-」主題歌
https://youtube.com/channel/UCB4nWNauim-qxiaDOcH0dLA
 
 


avex portalツイッターをフォロー&リツイートし、ナナ週連続インタビューのキーワードを7つ集め応募すると
抽選で7名様に大森靖子サイン入りワイドチェキをプレゼントします!

応募方法
1. avex portalツイッター(https://twitter.com/avex_portal)をフォロー
2. ナナ週連続インタビューの投稿をリツイート
3. ナナ週連続インタビュー記事にあるキーワードを7つ集め、avex portalツイッターのDM(ダイレクトメッセージ)に送ってください。

※当選者にはTwitterアカウントへのDM(ダイレクトメッセージ)にて当選通知と発送先登録フォームURLを送信させていただきます。
当選してから発送先登録フォームをお送りしますので、応募時のDM(ダイレクトメッセージ)には氏名、住所等の個人情報は記載しないでください。

キャンペーン期間:2021年5月21日(金)~ 2021年7月7日(水)
応募締め切り 2021年7月7日(水)23:59



<7(ナナ)週連続配信情報>
5月19日(水) 「Rude」(新曲)
5月26日(水) 「うんめー」(ゆるめるモ!)
6月2日(水)  「瞬間最大me」(相坂優歌)
6月11日(金) 「夢幻クライマックス」(℃-ute)
6月16日(水) 「EIGAをみてよ」(道重さゆみ)
6月23日(水) 「°*。:° (*'∀`*) °:。* ぴかりんFUTURE °*。:° (*'∀`*) °:。*」(椎名ひかり)
6月30日(水) 「GIRL ZONE」(雨ノ森 川海)
 
<アルバムリリース情報>
タイトル:PERSONA #1(読み:ペルソナシャープワン)
発売日:2021年7月7日(水)
 
▼アルバムの詳細はこちら!
https://oomoriseiko.info/news/detail.php?id=1090837
 
▼ご予約はこちら!
https://seiko.lnk.to/PERSONA
 
 
【大森靖子オフィシャルサイト】
http://oomoriseiko.info/
 
【大森靖子Twitter】
 https://twitter.com/oomoriseiko
 
【大森靖子スタッフ Twitter】
https://twitter.com/oomoriseiko
 
【大森靖子Facebook】
https://www.facebook.com/oomoriseiko?ref=hl
 
【大森靖子YouTube】
https://www.youtube.com/user/oomoriseiko
 
【大森靖子TikTok】
https://vt.tiktok.com/Uv6TuT/
 
【大森靖子オフィシャルファンクラブ「実験現場」ご入会随時受付中】
https://seiko-gkn.com/
 
 
九龍ジョー
WRITTEN BY九龍ジョー
ライター、編集者。大森靖子の著作『超歌手』『かけがえのないマグマ 大森靖 子激白』(最果タヒと共著)をはじめ、編集を手がけた書籍・雑誌・メディアなど多数。最近はYouTubeチャンネルの監修も。著書に『伝統芸能の革命児たち』、『メモリースティック』ほか。
もどる