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FAKY初のリテイクアルバム『Re:wrapped』当時の思い出とともに全曲解説!

2020.06.17
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昨年8月にキックオフしたダンスシングル三部作「GIRLS GOTTA LIVE」「ANTIDOTE」「NEW AGE」では、作詞にAwichや倖田來未、振付に海外トップコレオグラファーなどを迎えてハイレベルな楽曲を繰り出し、海外ライブにも進出。昨年末にはメンバーのHinaが、ABEMAの恋愛リアリティー番組「月とオオカミちゃんには騙されない」への出演で大きくブレイクするなど、一段と飛躍したFAKYが、キャリア初のリテイクアルバム『Re:wrapped』をリリースした。これは今から3年前、彼女たちが4人編成だったセカンドシーズンに出したメジャーデビューアルバム『Unwrapped』を、今の5人で歌い直したものだ。5人での新生FAKYスタートから約1年半。彼女たちは今、どのような思いを込めて『Re:wrapped』をつくりあげたのか。アルバム全曲の制作背景や思い出などを振り返りながら、FAKYのこれまでとこれからを語ってもらった。


今の5人だからこそ歌いたいという曲を選んだアルバム



――今回のアルバム『Re:wrapped』が生まれた経緯から教えてください。
 
Lil’ Fang FAKYは3年前に『Unwrapped』というアルバムでメジャーデビューしたんですけど、そのときはセカンドシーズンで4人編成だったんです。2018年の12月から5人編成のサードシーズンになったんですけど、FAKYはこの5人なんだという意味も含めて、改めてスタートを切りたいという思いで、5人の声で昔の楽曲を歌うことにしたんです。
 
――『Re:wrapped』というタイトルには、どのような思いを込めたんですか?
 
Lil’ Fang 『Unwrapped』の“wrap”には“包む”っていう意味があるんですけど、それを打ち消す”Un”をつけて、包まれていない=自分たちのことを包み隠さず出したいという思いを込めていたんです。今回は、そのさらけ出した思いをもう一回新しいFAKYで包み込んで発信しようという気持ちから『Re:wrapped』とつけました。
 
――今回の『Re:wrapped』には、『Unwrapped』に入っていない曲もあります。『Re:wrapped』の収録曲はどのように選んだんですか?
 
Lil’ Fang 4人時代にやっていた楽曲は、“4人が歌う”とか“4人の気持ち”を大前提にして作っているので、今のFAKYで歌う意味があまり見出せない楽曲も正直あって。せっかくリテイクするんだから、今の5人が一番しっくりくる曲、今の5人だからこそ歌いたいっていう曲を選びました。実際、「Who We Are」や「Last Petal」は4人のときにライブで歌ってる回数よりもこの5人で歌ってる回数の方が多いんです。
 
――ここからは『Re:wrapped』に収録された全曲を振り返っていきたいんですが、まず1曲目「Re:Candy」について。FAKYにとって「Candy」は代表曲ですよね。
 
Lil’ Fang そうですね。初めてMVが100万回再生突破した曲だし、FAKYはダンスと歌を全員で全力でやってるんだっていうことを初めてしっかり見せることができた曲だと思ってます。
 
――長めのライブやイベントで歌わなかったことはあるの?
 
Akina ないと思います
 
Lil’ Fang うん。ないって言い切れるかも。私がポリープでフェイクの「イエイ、イエイ、イエイ」が出なかったときでさえ歌ってましたから(笑)。それくらいFAKY=Candyみたいな曲だと思います。
 
Hina まさにその通りで、FAKYといえばCandyというイメージがずっとありました。Akinaが入って4人で始動したときに、私はもうavexにいたので、FAKYが新体制になって活動していくらしいと聞いていて。その話を聞いてから、「Candy」のMVを観たので、すごく衝撃を受けたのを覚えてます。かっこいい!みたいな。
 

――Takiさんと「Candy」の出会いは?
 
Taki 私はFAKYに入る2回目のオーディションのときの課題曲が「Candy」だったんです。この曲をちゃんとパフォーマンスできないと入れない可能性もありました。だからフィリピンにいる頃に、動画を見て必死にフリと歌を覚えて。みんなと合わせてみたときに「あぁ、やっとできた…」っという感じでした。
 
――今回、Hinaさんは、どのような気持ちで「Candy」のレコーディングに臨みましたか?
 
Hina 私はAnnaちゃんが歌ってたパートをそのまま歌わせてもらってるところが多いんですけど、FAKYに入って間もない頃にレコーディングした曲だったんで、元の4人のよかったものを残しつつ、でもAnnaちゃんの真似をしてたら、アップデートしないから、どうやって自分の色を出そうって試行錯誤しながらレコーディングしていました。
 
――原曲が知られている分、プレッシャーもあるでしょうしね。
 
Hina そうですね。元のよさと新しいモノにしていくことのバランスが難しかったです。
 
――Takiさんはどのように「Candy」にアダプトしましたか?

Taki 「Candy」はアダプトしやすかったです。それまでに何回も何回も自分で準備してたし「Candy」は英語詞が多くて、ヴァイブスが明るい系だから、自分のフレイバーを出しやすかったです。
 
――続いて2曲目「Re:Surrender」にいきます。FAKYにとって「Surrender」はどのような曲ですか?
 
Lil’ Fang 葛藤ですね、これは。初めてマイナスな感情を歌った曲なんです。それまでの「Candy」とか「Afterglow」とかは明るい方向だったんですけど、初めてこの曲で自分のストレスとか、勝ちたい!乗り越えたい!っていう気持ちを表現しました。しかも、私たち自身も辛い時期で、もがいているときだったんです。
 
Mikako この曲をレコーディングした時期に、「Candy」のリリースミニツアーで各地を回らせていただいたんですけど、お客さんがいないような場所もあったんです。通りすがりの人に冷たい目で見られるようなこともあって。そんな毎日だったので、「見てろよ!」っていう気持ちもこの曲には入ってるんです。
 
Lil’ Fang だけど、この曲をインストアライブとかでやり始めた頃から、足を止めてくれる方も増えていって。音楽ってさらけ出していかないといけないんだなっていう気づきにもなった曲ですね。
 
――Takiさんは、この曲にどのような印象がありますか?
 
Taki 最初は、「Surrender」が一番マッチできなかった曲でした。歌とダンスと気持ちをマッチさせるのが難しくて。でも、パフォーマンスを続けて、こうやってメンバーから話を聞いていくと、この曲に込められている意味がどんどんわかってきて……今はもう全然理解できてます!(笑)
 
Hina 私も最初は、もともとの3人と同じテンションでパフォーマンスをするのに時間がかかりましたね。きれいな振付っていうよりは、崩れ落ちたりするような動きもあるから最初に見たときは本当に衝撃だったし、それを自分ができるのかな?みたいな不安もありました。でも、やっていくうちに、なんでみんながそこまで「Surrender」でさらけ出せるのか?っていうのがわかってきて。私はそれまで明るい曲とかポップな曲しかやったことがなかったから、曲で悔しい感情とかもどかしい感情をどう出せばいいかわからないところがあったんですけど、「Surrender」はそれが一番学べた曲ですね。
 

「Chase Me」は5人になって説得力が増した曲
 

――続いて「Last Petal」の思い出や印象を教えてください。
 


Akina 「Last Petal」は、最初歌ったとき結構難しかったです。ヴァースとサビで曲調が全然変わる曲で、ヴァースは海外のフレイバーがあるんですが、サビはJ-POPな感じで、それがちゃんと混ざり合ってる。だからこそ海外のファンから人気が高い曲になってるんだと思います。
 
――Annaさんの卒業と新加入メンバーを発表したのが2018年12月20日のワンマンライブで、この曲はその前日にリリースした楽曲でした。
 
Lil’ Fang そうです。だから4人では1回しかライブでやってない。
 
Hina 私、この曲のレコーディングを見学に行ったのを覚えてる?
 
Lil’ Fang 来たっけ?(笑)
 
Hina もうFAKYに加入することが決まっていて、私とTakiで見学に行ったんです。FAKYが曲を制作している場面を初めて見た曲だし、Annaちゃんがレコーディングしているのを見ていたから、「こうやって今録ってるけど、自分たちも歌うんだよなぁ」と不思議な思いで見ていたから、その日のことをすごく覚えてます。
 
Lil’ Fang でも、それを覚えてないっていうことは、私たち的にはたぶん「最後の曲」っていう気持ちがあまりなかったんだと思う。Annaにとっては最後の曲っていう感じがするのかもしれないけど、ウチらは先を見ていたので。
 
――第2期と第3期の繋ぎ目を接着させてる曲なんですよね。4人時代のラストだけど、現在のFAKYにとっては第0章みたいな。
 
Lil’ Fang 確かに。だから人気が高いんですよね、フェイマニのみんなからも。立ち位置によってそれぞれ見ていた景色や思い入れが違うんだと思う。だからいいのかもしれないですね。
 
――Takiさんは、この曲にどんな思い出がありますか?
 
Taki 「Last Petal」は、振付を入れる時点でHinaと私が入ってたから、ちゃんと最初から5人全員で振付をやったんです。だから、一番安心してました。誰かのコピーじゃなくていいから。自分のフレイバーを入れたり、自分のニュアンスを出せるから。
 
Lil’ Fang ウチらは振付がゴッチャになったね。4人のフォーメーションを覚えて、すぐ5人パターンも覚えて
 
Mikako うん。ヤバかった。
 
Taki あと、この曲は、私がちょっとラップみたいなパートだから歌ってていちばん楽しいです。
 
Mikako 輝いてるもんね。ステージのセンターに堂々と出ていくもん(笑)。
 
――「Chase Me」は、ライブ定番曲という印象があまりないんですが、これはどういう存在の曲ですか?
 
Lil’ Fang 正直に言うと、4人のときってあまりしっくり来てなかったんです。曲はもちろんカッコいいし、それぞれベストを尽くしてるんですけど、セカンドシーズンはもうちょっとレイドバックした曲が多くて、この曲はセットリストに組み込むのが難しい曲だったんです。この曲はもともとアニメのタイアップソング(『ガンダムビルドファイターズ バトローグ』エンディングテーマ)だったんですけど、5人になって海外ライブが増えたときに、やっぱりアニメ文化は海外に広まっていて、この曲を知ってくださっている方がすごく多かったんです。だったら期待に応えようということでセットリストに入れて5人でやったらすごくハマって。「あ、これが本来のChase Meだ」みたいな。
 
Mikako 5人だと戦隊モノ感があるからじゃない?(笑) フォーメーション的にもセンターがひとりいると強いんです。だから5人になって説得力が増した気がします。
 
Taki 「Chase Me」と「Someday We'll Know」は、LilとMikakoとAkinaの3人で初めて振付を教えてくれた曲なんです。動画を5人で見ながら「ここはこうだね、こうだね」ってやった思い出がある。
 
Lil’ Fang そうだった。5人で再出発のときに、先生を入れずに、振り移しとフォーメーションを自分たちで初めてやったんだ。すんごい狭いスタジオで(笑)。
 
Hina うん。「Chase Me」と、あと「Bad Things」も同じ時期に教えてもらった記憶がある。
 
――その「Bad Things」はFAKYにとってどのような曲ですか?
 
Akina 「Bad Things」は、私たちの曲の中で一番歌詞がセクシー(笑)。それまではポップなイメージがメインだったけど、この曲でセクシーなイメージを広げられた曲です。歌詞もそうだし、MVもそうだし、サウンドもブルージー/ジャジーなところがあって、新しいところに挑戦できた曲です。
 
Lil’ Fang MVを撮るときに、ひとつ大人の階段を登ってもいいんじゃないかっていう意見もあったので、ああいう作品になったんですけど、思った以上にみんなセクシーでしたね。鏡張りの床の上であんなに這いつくばったのは初めて(笑)。


――今回のリテイクで、そのセクシーさがどのように変わったと思いますか?
 
Lil’ Fang 私はヘルシーな方向に行ったと思います。4人のときは、もっと妖艶な方向でやってて。4人でやってたときはAnnaのオトナ感がすごかった。
 
Mikako 私は、ティーンの子も受け入れられる「Bad Things」になったかなって思います。あのMVを観るとティーンの子は「うわ、見ていいのかな」ってなっちゃう気がしてたんです。
 
――オトナ過ぎると。
 
Mikako そう。「近づいていいのかな?」「見ていいのかな?」っていう感じがあった気がしていて。でも、今はティーンの子にも受け入れられるきれいなセクシーさに変わった気がします。
 
Lil’ Fang レースの下着からスポーツ系の下着に替わったようなイメージですね。
 
Akina それだ! 確かに(笑)。
 
Hina うん、メッチャわかる。


思い入れもメンバーにとっての物語性も強い1曲とは……


――6曲目には「Someday We'll Know」のリテイクが収録されています。この曲のMVは渋谷でロケ撮影されたものでした。
 
Lil’ Fang 4人時代のMVだと「Someday We'll Know」が一番好きですね。
 
Mikako 初めて聞いた。何で?
 
Lil’ Fang この作品を撮ってるときに初めて「ウチら、チームになったな」と思ったんよ。「阿吽の呼吸ができるようになったな」っていうか。それまでは全部を事細かく決めないといけなかったけど、そこからひとつ抜け出したところに進めた曲だった。これ、振付を入れてるのがMVを撮る2日前だったんです。そんなの、それまでのFAKYだったら絶対対応できなかった。でも2日前に振りを入れても「揃ってるなぁ」って思えたし、撮影してる時点で自信があったから、それまで出てなかった表情が見られる作品になっていて好きなんです。
 
Mikako 今もそうなんですけど、この曲はメンバーがいちばん自然体でいられる曲ですね。それこそミュージックビデオでも自然と笑ってるところを使ってもらってるし、4人のときからライブでも自然体でいられる。普段はちょっと格好付けなきゃとか、ここはキレイでいなきゃ、っていう意識があるんです。

 
――FAKYはクールな印象が強いですしね。
 
Mikako そう。そのなかで、これは唯一、自然体。ファンの方からも「この曲がいい」とか「この曲をやってほしい」っていう声をいただくことも多くて。自然体なものって素直に人に伝わるんだなって思いました。
 
Taki 私は最初、この曲を5人でやるとは全然思ってなかったんです。これはやらないだろうな、残念だなって勝手に思ってて。
 
Lil’ Fang それくらい4人でやってるイメージが強いってこと?
 
Taki そう。だから5人でやるとなったときに、どんな感じになるんだろう?ってちょっぴり不安でした。でも、やったら楽しかったです(笑)。
 
――Hinaさんはこの曲にどんな印象を持っていますか?
 
Hina 「Someday We'll Know」はFAKYに入ってしばらく経ってからのレコーディングだったので、自分の色の出し方とか、5人のバランスとか、当初よりも整った状態というか、自分的にはクリアな気持ちで挑めた曲ですね。そういう意味でも、自然体な5人が詰まった曲かなって思います。
 
――今回のアルバムの最後を飾るのが「Re:Who We Are」になります。「Who We Are」はFAKYにとって、どのような曲ですか?
 


Mikako これは今のFAKYを見てくれてる人たちに聞いてほしい曲ですね。特にティーンの子たちに、何も考えずに聞いてみてって言いたい。例えば“どこか違うって ずっと気付いていた”っていう歌詞にハッとしたら、それは自分が感じていること。自分の写し鏡になってくれるような曲なので聞いてもらえれば絶対伝わるものがあると思います。
 
Akina 私はいつも日本語でデモをもらうから、最初は歌詞の内容がわからない場合が多いんです。でも、この曲は日本語のところもわかりやすくて、メッセージをすぐ理解することができました。この曲は自分が反抗期の時に歌った曲なんですよ。
 
Mikako バチバチでしたから(笑)。
 
Akina でも、そのときに本当に救われた曲なんです。だからMikakoが話した通り、若い子に聞いてほしい。自分がどういう道に進みたいか迷ってる子もたくさんいると思うから。
 
Mikako 自分が経験済みだからね。反抗期のときに聞いて軌道修正されたから(笑)。
 
Akina そう。だから私にとってすごく大事な曲。
 
Taki 私も個人的にすごく思い出があります。「Who We Are」を録ってるときは、私がFAKYに入ることが発表されてSNSですごいバッシングされてたときなんです。だからメチャクチャ落ち込んでて。レコーディングのとき、この曲のメッセージに共感して泣きそうになるのを我慢してました。
 


Hina 私、「Who We Are」は一番思い入れがある曲なんです。Def Willの解散ライブは対バン形式のイベントだったんですけど、FAKYも同じイベントに出ていて。そのときは、FAKYに入ることも決まってないし、音楽を続けるかどうかも、芸能活動自体も続けるかどうしようかって悩んでたときだったから、全然先のことは見えてなくて。Def Willの最後のライブが終わって「あ、終わっちゃった……」っていう感じで、そのあとの出番だったFAKYのステージを見てたから、「今日はDef Willのために歌います」って言って歌ってくれたのが「Who We Are」で。自分たちのために歌ってくれるのがメチャクチャうれしかったし、「私はいつまたこうやってステージに立てるんだろう」っていう思いとか「いいなぁ」っていう気持ちとか、プラスの感情もマイナスの感情も本当に感情がぐっちゃぐちゃな状態で見ていて。今後、この曲は絶対何回も歌うけど、歌うたびにそのときの忘れちゃいけない気持ちを思い出す曲なんです。
 
――Lil’ Fangさんは「Who We Are」にどんな思い出がありますか?
 
Lil’ Fang 「Who We Are」は、4人で再出発した最初の頃に作っていて、実は初めて4人で最初からスタジオに入って録った曲だったんです。
 
Mikako うん。始まってすぐだった。
 
Lil’ Fang 「Candy」は、まだAkinaがアメリカに住んでいたから、私とAnnaとMikakoで先に録っていて、4人一緒にスタジオに入ることがなかったんです。でも、これをリリースしたのは2018年だから、すごく時間が空いてて。当時、簡単に歌えないねっていう話になったんですよね。そのときの4人にはまだ説得力がないねって。それでずっと温めていたし、なんならこの曲の存在自体、なかったように活動していて。でも、初めてのワンマンが決まったときに、テーマを設けようということになって。4人で話していたときに自然と「Who We Areだね」って出てきたんです。このタイミングだったら自信を持って歌えるねって。それで、ウチらの初めてのワンマンライブでこの曲を初披露したんです。
 
――リリースまでにそういう物語があったんですね。
 
Lil’ Fang だから、セカンドシーズンが終わる頃に歌った曲なんですけど、ウチらにとっては始まった曲というか。4人でやっと一人前になれたというか、この歌詞の言葉を誰に言っても恥ずかしくないって思えた楽曲だったんです。それをまた5人で歌えているのがうれしくて。5人それぞれに生きてきた人生の重みをこの曲を歌っているときにすごく感じるんですよね。
 
――そういう意味では、この曲のメッセージ性って今後の歩み方次第で変わってくるんでしょうね。説得力や重みを増すには、これから5人がどういう道を歩んでいくのかっていうのが大事になってくるとも言える。
 
Lil’ Fang 確かにそうかもしれないですね。自分たちへのプレッシャーもかかってくる。だから、正直、また歌えなくなる時期が来るかもしれないんですよ。5人で歌う自信がなくなったら。でも、それだけは絶対避けたいですよね。
 

『Re:wrapped』を出した今だからこそ、もっとできることがある!


――今回の『Re:wrapped』のジャケットにも、FAKYの歩みが感じられます。
 
Lil’ Fang 5人になってからの今までをもう一度全部詰め込みたいと思って、ダンスシングル三部作のときの写真をコラージュしたデザインにしたんです。プラス、ちゃんと4人の時代があって、その上に5人の歩みがあるっていうFAKYの軌跡も見せたかった。だから、あえてソロ写真を使ってるんです。それでも、FAKYとしてまとまって見えるのが、5人でやってきた成果、証だと感じてます。
 
――5人になって1年半くらい経ちます。この1年半で、どんなところが進歩、変化したと思いますか? まずはTakiさん、お願いします。
 


Taki やばみー。難しいな、それ。
 
Lil’ Fang “やばみー”がすぐ出るようになったところが進化です(笑)。最近「やばみー」連発してますから。
 
――Takiさんは今、どんな気持ちでステージに立っていますか?
 
Taki 私はずっとソロで活動していたから、最初、5人とかグループっていうことに慣れてなかったんです。ステージでも隣のメンバーのこととかを考える必要がなかった。でも、リハーサルを続けて、ひとりひとりの性格もわかってきたし、やりやすくなってきました。今は周りを見なくても、たとえばMikakoがここにいるとか、そういうのがわかる。だから、ぶつからない(笑)。
 
Akina チームワークは完全にレベルアップしましたね。例えばMCのときに、「この人、今困ってるから助けにいこう」ってサポートし合えるようになったし。というか、私が助けてもらってるんですけど(笑)。でも、そうやってヘルプしたり、サポートしなきゃっていう意識がより強くなってきたと思います。
 
Hina 最初の数ヵ月は3人の背中を追いかけるじゃないですけど、FAKYを変化させるというよりは、FAKYを崩さないようにしなきゃっていう意識の方が強かったんです。でも、1年半、いっぱいライブをやって、いろんな活動をしてきた中で、自分がFAKYのためにできること。音楽以外も含めて、どうやったらFAKYに還元できるか、どうやったらFAKYをもっともっと大きくできるかっていう視点で自分の在り方を考えるようになりました。前は新しいFAKYを作っていくことが怖かったんですけど、その恐怖心はなくなって、どんどん新しいFAKYにできたらいいなっていう思いが強くなりました。
 
――Mikakoさんは、どんな変化を感じていますか?
 
Mikako ひとりひとりに自信がついてきたなって思います。その5個の自信がライブパフォーマンスにも現れてきていて、説得力が増したなって思います。メンバーが替わるときって、それこそ最初は、隣の人とぶつかっちゃうとか、そういうことを考えてステージに立ちがちなんです。でも、今はそれがまったくない。みんなそれぞれ、自分のキャラクターがわかってる。それによってFAKY自体に自信が持てるようになりました。
 
Lil’ Fang 私とMikakoはFAKYをやってきて8年目なんですけど、これまでの中で一番個性があるなと思ってます。ファーストシーズンは活動期間が短すぎて、お互いをあまり深く知る前に終わったし、セカンドシーズンは逆に調和を大事にしていたので“個”という感じじゃなかった。でも、この5人になってから、自分の立ち位置をしっかり守らなきゃっていう意識になってきたんです。ひとりひとりがしっかり立った上で5人でやらなきゃっていう意識がすごく早い段階で芽生えて、しかもそれが確立できた。それって、いい意味でお互いをしっかり意識し合ってるんだろうなって思うし、すごくいい関係性だなって思いますね。
 
――最後に、今後のFAKYの展望について教えてください。
 


Lil’ Fang 時期の言及はできませんが、ワンマンライブは絶対にいつか届けたいと考えています。コロナの影響で試行錯誤の連続ですけど、『Re:wrapped』を出した今だからこそ、もっとできることがあるんじゃないかと考えているし、メンバーの発言やアイデアが鋭敏になってきてるので、新しいモノを届けるにはどうしたらいいかっていうことは今まで以上に考えてます。
 
――「half-moon」に続く新曲も期待しています。
 
Lil’ Fang それもコロナの影響で、今までのプランは1回全部白紙ですけど、目下制作中とだけ言っておきます(笑)。みなさんが求めているもの、私たちが伝えたいことを今の時代に合わせて伝えていくっていうことはFAKYの大きな軸としてあるので、それを大切にしながら、新しいものを届けられたらいいなと思ってます。




『Re:wrapped』2020.6.17 ON SALE
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猪又 孝
WRITTEN BY猪又 孝
1970年、新潟生まれ。音楽ライターとして国産のR&B/HIP-HOP/歌モノを中心に執筆。24時間HIPHOP専門ラジオ局「WREP」に放送作家/ディレクターとして参加中。共著に15人の著名ラッパーが歌詞の書き方を語る「ラップのことば」「同2」(SPACE SHOWER BOOKs)。
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