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【岡田奈々】3rdアルバム『Unformel』過去イチ、クオリティの高いものになっています。自信作です!

岡田奈々
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【岡田奈々】3rdアルバム『Unformel』過去イチ、クオリティの高いものになっています。自信作です!

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ソロとしての3rdアルバム『Unformel』(アンフォルメル)をリリースした岡田奈々さん。1stソロから2年、今作は彼女のアーティストとしての成長を確実にうかがわせる内容となっています。そんな今作の各曲について、ご本人にたっぷり伺いました!

「今年は平和な1年でした。でもそうなると創作意欲が……(笑)」

――1年ぶりのご登場ですね。

岡田 お久しぶりです(笑)。

──1stアルバムが誕生日のリリースで、それ以来、毎年誕生月の11月にアルバムをリリースしていますよね。この1年はどうでしたか?

岡田 すごく平和な日々でした。ファンの方と会うイベントをやって、ライブもツアーもやって、みんなでバスツアーに行って。すごく楽しいことができた1年でしたね。

――そうなると、創作意欲的には……。

岡田 そこが問題で(笑)。創作意欲的なことで言うと、よくないんですよ、平和って。

――以前にもそう言っていましたよね。

岡田 はい。作詞で初めて生みの苦しみの壁にぶち当たって。本当にレコーディングのギリギリまで書けてなかったりとかしてました、今回は。

――ただ、今回の3rdアルバム『Unformel』は、全体の印象としては、すごくいい意味で力が抜けてるなと感じました。歌にしても曲調にしても、本当にいい意味で力が抜けている作品になっているなと。

岡田 ああ、そう言ってもらえるとうれしいです! 確かに力んでないですね、今回は。

――ご自身でも実感があるんですね。

岡田 ありますね、1st、2ndと作ってきて、だいぶ作ることに慣れたっていうのもありますし、さらに今年は平和な日常を送っていた分、力が抜けて。柔らかい雰囲気で書き出すことができたという感じだと思います。

――そしてタイトルの『Unformel』。昨年の『Contrust』に続いて、凝った造語になっていますね。

岡田 そうですね。しっかり考えて作っているので。毎回ちゃんとカッコいいですよね(笑)。

――もとからある言葉を少し変えて、独自の意味を持たせる形ですよね。そういう造語とかを考えるのはもともと好きなんですか?

岡田 私自身は全然得意じゃないんですけど、チームの方々がこういうのがすごく得意で。『Unformel』も、もとのフランス語「Informel」(「定型に縛られない芸術」の意)は“I”で始まるじゃないですか。でも“I”だと、日本人はあまりフランス語になじみがないから、ちょっと“インフォルメル”にも見えますよね。「それは嫌だなあ」って話したら、スタッフさんがいろんな意見を出してくださって。「“U”にするのはどうですか?」と提案をいただいて。そしたら、ちょうど「“アイ”から“ユー”」。英語で言うと「“私”から“あなた”」っていう意味にもなるから、そういう意味を足してしまおうっていうので、この『Unformel』に決まりました。

――しかも『Unformel』は語感がいいですね。

岡田 いいですよね。その点でもお気に入りです。字面もかわいいし、なんかいいですよね。この“mel”で締まるのもなんかかわいいし。

――では、今回も恒例の全曲解説をお願いします。まず1曲目が「インコンプリート」。前作に続いてアップテンポの曲からの始まりです。

岡田 タイトルは“不完全”という意味ですね。この曲は今回の10曲の中で、一番歌詞を書き直しました。

――そうなんですね。

岡田 もうテーマが行ったり来たりしてしまって。最初は恋愛をテーマに始まり、そこからスタッフさんと話し合って、夏の応援歌になり。夏の応援歌の中でも、甲子園みたいな熱血系にするか、学生の恋愛を描くかというのですごく悩んだんですけど、最終的には10代ならではのネガティブさ、葛藤を交えることで昇華させた感じになっています。力強く踏み出したいという気持ちと、「いやいや、でも迷うよな、怖いよなあ」っていうところを両方入れることで岡田奈々らしさを残しつつ、しっかり誰かの背中を押せるような作品になりました。

――歌詞の中でも「走れ遥か遠く未知の先へ」の”未知”と“道”をかけているところとか、すごくさりげなく挟んでありますね。

岡田 そういう細かいところを見つけてもらえてうれしいです(笑)。

――韻を踏んだり、言葉のチョイスという部分でもだいぶ慣れてきましたか?

岡田 そうですね。慣れは出てきました。もうここに至るまで20曲以上書いているので、作詞のコツというのを少し掴んだ気がします。今回の3rdからディレクターさんの推敲も入れてもらっているんです。自分で書いたものを提出して、ある程度修正ポイントを出してもらって書き直したりという作業もいくつかしているので。そういう意味で、クオリティも表現の幅も広がっているんじゃないかなと思います。

――前作、前々作の歌詞はほぼ生というか、岡田さんが書いたままの歌詞だったんですか?

岡田 そうです。もう1段階ステップアップしたいなと思って推敲を入れ始めて。そのおかげでだいぶ変わったと思いますね。

――先ほど「力が抜けている」と言ったのは、こういうアップテンポの曲でも力んでないという印象もありました。

岡田 そうですね。歌い方も歌詞の表現も、そこまで力強すぎないバランスでやれていると思います。

――以前はけっこう力んでいたんですか?

岡田 そうなんですよね。頑張ろうとしすぎてました。でも今年は、頑張りすぎるのをやめようと思って、自分なりに、自分のペースでできたかなと思います。

「ボーカロイド好きを出した『爆裂ロンリーガール』。ライブでも歌います!」

――2曲目は「夏の追憶」。この曲は音数に比べて、歌詞の音の数が多めじゃないですか? ちょっと詰め気味になっているというか。

岡田 そう感じましたか? あまり意識はしてなかったですね。ただ自分が書きたいフレーズを入れるために、どう符割りにはめていくか、ということを考えていました。それで、結果的にそうなったという感じですね。

――何度も繰り返しますが、本当にこの曲も力が……。

岡田 抜けてますよね(笑)。力を抜くと、歌も歌いやすいんですよ。高音も楽に出せたり、スピードが速くてもちゃんと音の切り替えができたり。

――その抜け感が、歌詞のテーマにもすごく合ってますよね。

岡田 そうですね。過去を思って懐かしむというのに、ちゃんとハマりました。ちょっとノスタルジックな感じで。

――歌詞を書くときにも、そのノスタルジーみたいなものを?

岡田 子供のころの夏休みを思い出したりとか、小さい頃の朝ごはんの風景とかを思い出しながら書きました。そうやって振り返ることって、こういうタイミングでもないとあんまりしないですからね。

――それもやっぱり、平和な1年だったからこそできたことでもありますか?

岡田 ああ、そうですね。平和だったからこそ、昔の記憶も優しく思い出せて。確かに今年は本当に余裕がある日々でしたね。

――でも、その次の「爆裂ロンリーガール」は一転してますよね。

岡田 自分は本当はこういう曲が好きなんですよ。ボーカロイドっぽい感じだったりとか。文字数が多くて、人が歌うのが困難な曲が好きで。

――前作『Contrust』の「moratorism」にも通じるものがありますよね。

岡田 確かに!それに近いですね。これはもう「愛されたい!」っていう、ちょっとこじらせ女子の曲です。

――昨年のインタビューでも、「ボーカロイドっぽい曲が好きで書くと、歌う時に自分の首を絞める」というお話が出ていました。

岡田 今年も絞めてますね(笑)。

――より絞まってませんか?

岡田 ホントですよね(笑)。Aメロは人間が歌うスピード感じゃないじゃないですか。でも、そこに挑戦する楽しさもあるんですよ。ライブでいかにちゃんと歌えるかというところにワクワクしてますね、逆に。どれだけできるのか?ということで。

――「moratorism」とこの曲の2曲は、さすがにライブで両方やることはない?

岡田 やりますっ!(笑)

――やるんですか!?

岡田 バースデーイベントで、そういう曲をつなげてやりたくて。なので、1st『Asymmetry』の「終焉のカウントダウン」と、2ndの「moratorism」と、今回の「爆裂ロンリーガール」、3つセットで。私の中のボカロに憧れを持った3曲をやります。負荷をかけていきます!(笑)

――こういう曲を歌える楽しさを求めている部分もありそうですね

岡田 あります!楽しいです!またこういうボーカロイドっぽい曲を作ってみたいです。好きなので、この先も歌っていきたいですね。

――4曲目が「睡蓮プラグマティズム」。まずは“プラグマティズム”という言葉が何だろうなと。

岡田 私も初めてこの言葉に出会って。何かカタカナがほしかったんです。しかもこれぐらい長い言葉を探していて。調べてみたときに「これ、めっちゃいい!」ってピンときて使いました。「プラグマティズム」って、普段使いますか?

――今回のトラックリストを見て、初めて調べました(笑)。

岡田 そのくらいマイナーな言葉ですよね。「実用主義」という意味で。言葉とか理論よりもまずは行動して結果を出すことっていう意味がいいなと思いました。

――そういう中で、しっかり根を生やしているのが睡蓮と。

岡田 しっかり根を生やしているし、泥の中でキレイに咲く花じゃないですか。困難な状況でも、しっかり結果を残して花を咲かせるというところから、睡蓮をテーマにこの曲を書いています。

――「爆裂ロンリーガール」でも思ったんですが、作詞の幅というか、使う言葉の幅がすごく広がってますよね。

岡田 本当ですか? 1stから徐々に増えてますかね?

――「爆裂ロンリーガール」の歌詞も、中身がすごいですよね。

岡田 自覚はないんですけど、ボキャブラリーが増えているってことなんですかね?だとしたらうれしいです!

――例えば何かを読んだりしたときとかに「ああ、なんかこれ使えそうだな」みたいなことを考えたりしてますか?

岡田 気になったフレーズは、ちゃんと書き留めるようにしています。フレーズだけじゃなくて感情もそうですね。あと、その感情ひとつ取っても、言い方っていっぱいあるじゃないですか。それを普段から調べるようになりました。「『悲しい』って、もっと他の表現で何て言うんだろう?」とかっていうのを調べていくと、表現の幅が自分の中でも広がるのかなあ、とは思います。

――5曲目は「Undead Anniv.」。今作のファイトソングですね。

岡田 そうですね。一番ロックで、「カマそうぜ!」という曲なんですけど。

――1stはほぼ全編それがテーマで、割合としては減りましたが、2ndにも今作にもファイトソング自体は入っていますね。

岡田 やっぱり私はこういう攻めたロックの曲がすごい好きなので、どうしても1曲はほしいなと思って。1stアルバムの「TAKOYAKI ROCK」を書いてくださったサクマリョウさんが提供してくださったので、「もうこれはいい歌詞を書こう」と思って頑張りました。

――これまでのファイトソングの中でも、以前よりは希望がある感じになっていますね。 岡田 そうですね。みんなで戦っていこうぜ!みたいに、少し前向きな要素も入っていますね。

――次が「ゼロセンチ」。最初は「ストレートなラブバラードだな」と思ったんです。そしたら、資料の曲説明にウェディングソングと書いてあって「ああ、なるほど」と。

岡田 「なるほど」と思いました? うれしいです。

――具体的に、どなたかに贈るというイメージがあったんですか?

岡田 イメージではなくて、ファンクラブの名前が「NANAIRO」っていうんですよ。だから今回の歌詞の中に七色が入っていて。七色を入れたかったんですよね。あと、私は個人的に雨が好きじゃないので、雨の日にもテンションが上がるような曲作りがしたくて、これは雨と晴れを掛けて虹の七色にしました。

――なるほど。

岡田 虹を作るにはどうしたらいいのかな?と考えたときに、太陽の光と雨がないとダメじゃないですか。私は晴れ女なので、晴れは私だし、まあ晴れも雨もあるよねと捉えて。いい日も悪い日もあって、虹ができるんだよというメッセージを込めてます。

――こういうストレートなバラードを歌うというのは、ご自分ではどうですか?

岡田 1st、2ndを聴いた感じだと、こういうストレートなラブバラードはちょっと珍しいですよね。だからちょっとは恥ずかしさもありつつ、でも、すごくお気に入りの曲です。1番の歌詞では「足して割る」、2番は「掛けて引く」という言い方もしていて、そこもけっこうお気に入りですね。あとウェディングをテーマにしているので、そういう生涯を誓い合った方々、パートナーに出会った方々には、ぜひ一度は聴いていただきたい曲でもありました。

――ウェディングをテーマに書くというのも、今までだったら……。

岡田 絶対ないですよね(笑)。今回もそういうつもりではなかったんですけど、これを聴いたディレクターさんが「もうちょっと書き直せば、ウェディングっぽくなるなあ」と言ってくださったので、頑張って書き直しました。

――で、次は「恋煩い」です。

岡田 これもラブソングですね。ラブソングというか片想いソング。ここは恋愛が2連続ですね。

――これが「爆裂ロンリーガール」と同じ金崎真士(SUPA LOVE)さんの曲だとは思えないですね。

岡田 そうなんですよ!全然違いますよね。あんなに毒々しい感じの曲を書いていた方が、こうピュアな片想いソングって。

――「この10曲の中で金崎さんが2曲書いています。さあ、どれでしょう?」と聞かれても、絶対分からないと思います(笑)。

岡田 そうですね(笑)。

――こちらは曲調も歌詞もすごく軽快ですね。そして、歌唱も軽快です。

岡田 あまり重苦しく歌うともったいない曲なので、とにかく楽しくハッピー!って感じで歌ってます。

――全部が相まってすごいポップな世界になっていますね。

岡田 そうなんです。平成のラブソングみたいな曲をイメージして書いたので、私としては過去イチ、ポップなラブソングになりました。

「平和だったからこそ、自分を振り返って作れた『この枯れない花』」

――そして8曲目「この枯れない花」。最初は、資料の説明を見ないで聴いたんですよ。

岡田 先入観なく聴くと、どんな感じがしました?

――メッセージなりエールなりを送っていることは分かるんですけど、うーん、誰に対してなんだろう……となって。聴き終えてから「あっ、自分あてだったのか!」と。

岡田 そうなんです。自分から自分へのメッセージですね。

――これこそ、平和な1年だからこそ書けた曲?

岡田 そうですね。平和に過ごしていなかったら、たぶん1stのラストナンバー、「望まれない朝」で書いた心境のまま、ずっと2年間生きてきたと思うんですけど、これは確かに、自分の心が平和だからこそ書けた詞ですね。

――この曲は特に終盤の表現力がすごいですね。

岡田 そこは意識しました。この曲はコーラスを一切入れていなくて。ストレートに歌詞が届くように、消え入りそうなくらい落として歌ったりとか、語りかけるように歌いました。

――アルバムの中でも一番というぐらい感情が入っていますよね。

岡田 まさに。この曲は、ずっと泣きそうになりながらレコーディングしてましたね。

――9曲目は「僕らだけの音で」。これも軽快なんですが、すごく開放感があって、「恋煩い」とはまたベクトルが違う軽快さというか。

岡田 ライブ映えを意識して作ったので、たぶん「恋煩い」とまた違っているんだと思います。「ライブでみんなで楽しむ」ということを意識して作りました。

――この曲をライブでやるときに、岡田さんがギターを持っていたらカッコいいだろうなと思いました。

岡田 ああ、この曲はいいですよね。映えるだろうなあ(笑)。ギターはちょうど1年前、去年の誕生日にステージでアコースティックギターを弾き語りしたのが初めてなんですよ。一応、触り始めたのは去年の頭とかそのくらいなんですけど。確かに、この曲でギターを持ってたらかわいいですよね。

――ギターは今も継続して練習してるんですか?

岡田 はい。ライブのたびに1曲は自分で弾くコーナーを設けていて、今も練習しています。なかなか大変です(笑)。

――ライブの開放感を意識するということは、ライブは自分が歌うものでもある一方で、観て楽しむ人の気持ちにも気を配りたいという意識があるわけですね。

岡田 ありますね。なのでこの曲はDメロの部分に、みんなにコール&レスポンスみたいな感じで〈ラララ〉を歌ってもらうパートがあったりしますし。体を揺らしていこうみたいな。「歌おう!」って言ってるので、みんなでノる景色を想像しながら作りました。ライブで歌ったときに、みんなが〈ラララ〉をどれぐらい大きく歌ってくれるか、今から楽しみです(笑)。

「作曲初挑戦は楽しかったです!来年は別の方向への挑戦もしてみたい!」

――そしてラストナンバーの「あなただけを求めてる」。この曲は岡田さんが作曲にも挑戦していますね。YouTubeで公開された制作ドキュメンタリーの前編で、岡田さんが録ったデモを共作曲家の鶴崎輝一さんに聴かせる場面がありました。あの時点で、曲はかなりもう形になっていましたよね?

岡田 ほとんどできていましたね。7割ぐらいはできあがってました。歌詞も全部書けていたし。

――初挑戦とは思えないくらいのクオリティでした。

岡田 コード進行とかもよく分からないので、何も気にせずに全部書いたんですけど、ちゃんと合っていたらしくて。それは驚かれました。

――作曲は楽しかったですか?

岡田 楽しかったです! 音が降ってくるという感覚は、まだこの曲以外には来ていないので難しいなと思ってはいますけど。

――鶴崎さんと話しながら制作していく中で、一番学んだことはどんなことですか?

岡田 これは私が無知すぎるという話なんですけど、楽曲の中でいろんな楽器の音があるじゃないですか。あれをパソコンで打ち込んでるっていうのを知らなくて。てっきり誰かが、毎回すごく大変な思いをして弾いているんだろうなと思ってたら、鶴崎さんがその場でパソコンで打ち込み始めて。「あっ。じゃあベースはこんな感じで」とか「ギターはこうで」とか「はい、ドラム」「はい、バイオリン」とかパソコンに入れるから、えっ?、えっ?、えっ?みたいな(笑)。そんなに時代って進んでるんだってビックリして。

――鶴崎さんみたいなプロの方が使っている本格的なソフトだけじゃなくて、もうちょっと手軽なアプリケーションもあるので、そういうのを使えば楽しめそうですね。楽器のアイコンをドラッグして入力したりもできるので。

岡田 それはメッチャいいですね!(笑) 今ってそんなに進んでる時代なんですね。アナログ人間なので、ビックリしました。

――これは先に歌詞があったところにメロディーが降りてきた?

岡田 いえ、同時ですね。音が降ってきたときと同時に歌詞も書いてるので。

――〈アマリリス〉にたとえられている人と、自分を比較する内容になっているじゃないですか。それがメロディと一緒に降りてきたというのは驚きますね。

岡田 どうしてなんですかね?(笑) AKB劇場でアイドルのステージを観て、インスピレーションをもらった日だったこともあるかもしれません。キラキラ輝いているアイドルさんを観て「今の自分にはないものだなあ」と心がちょっと痛んで、そこにパッと降ってきた。そういう夜だったので。やっぱり〈君〉と〈僕〉と、サビで出てくる〈あなた〉との三角関係が自分の中ですごく大事で。

――やっぱり、毎日平和なだけでは……。

岡田 そうなんです! 平和なだけでは歌詞は書けないんです(笑)。人と比べて劣等感を感じたり、落ち込んだりするのも無駄じゃないんだな、と思ってます。

――そればっかりでも困っちゃいますけどね。

岡田 そればっかりなのは絶対イヤなんですけど(笑)、まあ半々ぐらいであったほうがいいんですよね。

――そしてMVは、岡田さんが部屋で歌っていて、一見リラックスしている映像っぽいですけど、あんまり歌詞は……。

岡田 リラックスしてはいないんです(笑)。

――撮影はどういう感じでしたか?

岡田 すごくシンプルなスタジオでしたし、衣装もメイクもセットもいい意味で凝っていないというか。自然体な自分、「ただの岡田奈々」というイメージで撮らせてもらったので、曲がスッと入ってくるようなミュージックビデオになっていると思います。

――さて、これで全曲について伺いましたが、今回のアルバム、改めて満足度は高いんじゃないですか?

岡田 高いですね。1曲1曲色が違うものを、しかもテーマもしっかり決めた上で作ったのは初めてだったので。過去イチ、クオリティの高いものになっているんではないでしょうか。自信作です!

――そしてこの先はライブで。

岡田 ライブでこの曲を披露するのが楽しみですね。まだ、このアルバムを引っ提げてのツアーとかは特に決めてないんですけども、いずれできたらうれしいです。

――自信作ができたばかりですが、この先やってみたいことは?

岡田 この2年、ソロデビューしてから歌と向き合いすぎたので、他からもインプットしたいという思いがあって。またお芝居やダンスの方にも挑戦していきたいと思っています。

――何か具体的な予定があるんですか?

岡田 まったくないんですけど、来年はいろいろなことにチャレンジして、いっぱいインプットします!

撮影 長谷英史

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記事情報

高崎計三

ライター

高崎計三

1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。