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【岡田奈々】待望の2ndアルバム『Contrust』去年と全然違って、健康第一です!(笑)

    岡田奈々
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    【岡田奈々】待望の2ndアルバム『Contrust』去年と全然違って、健康第一です!(笑)

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      昨年、衝撃を呼んだソロ1stアルバム『Asymmetry』から1年。休養期間も経て、岡田奈々さんが2ndアルバム『Contrust』をリリース。内容的にも作風的にも、前作とは対照的な作品に仕上がったという今作について、また創作の方法などについても、いろいろと伺いました!

      受け取り手の解釈に委ねられるような、自由な楽曲が増えました。

      ──ご登場いただくのは前作『Asymmetry』の時以来、1年ぶりになります。あの時は髪が赤かったですよね。

      岡田 あーっ、そうですね! 青になりました!(笑)

      ──そこに1年の変化が出てますよね(笑)。今回は2ndアルバムということで、前作の時は、いろいろと出したいこと、言いたいことがありましたよね。

      岡田 はい、自分の言いたいことを赤裸々にぶちまけてました。

      ──今作も11曲全部作詞されていますが、各曲が作られたのは1stの後になりますか?

      岡田 基本はそうですね。でも、『Asymmetry』を作ってた時に、できていた曲も混ざってます。

      ──なるほど。だから前回は出したいものがすごくあって、モチベーションがすごく高かったと思うんですが、今回はどうですか?

      岡田 今回もモチベーションは高かったですね。半年ちょっと休養していた期間もあったりしたので、自分自身と向き合う時間があって、そこからいろんなインスピレーションが湧いて作っていったので、前作とは全く異なるものが出来上がりました。

      ──前作は「生」の声、「生」の気持ちみたいなものがすごく出ていたと思うんですが、今回はそれとはちょっと違うと。

      岡田 はい、「生」の本心をさらけ出すというよりは、未来を見据えて、これから前に進んでいくというテーマが大きいですね。ポジティブです、とっても。

      ──それはこの期間、ポジティブに過ごせたから?

      岡田 それもあります。ポジティブに過ごせたからというのもあるし、環境が変わったからというのもありますね。

      ──作品全体を通して、特に1曲目の「残響Alive」にも顕著だと思うんですが、もちろん生の心情も込められてはいるけども、それをより“作品”に近づけているなという印象があったんですが。

      岡田 いや、あんまり意識はしてないんですけど、前作よりもかなり作品としてのクオリティは上がっていると思いますし、言葉選びもただストレートに伝えるだけじゃなくて、作詞するにあたっての、オシャレな表現の選び方みたいなところにちゃんと気が回るようになったと思います。

      ──言葉選びという点では、アルバムタイトルの『Contrust』からしてそうですよね。よく見ると綴りがちょっと違うという。

      岡田 「con」は「一緒に」「ともに」という意味で、「trust」が「信じる」という意味なので、そこを組み合わせた造語ですね。自分の中の「コントラスト(contrast)」を表現しつつ、「ともに信じる」という気持ちが込められています。

      ──では収録曲について1曲ずつお伺いしたいんですが、1曲目が先ほども出た「残響Alive」。前作に続いて、すごくアップテンポなスタートですね。

      岡田 勢いのある曲だと思います。これは自分が半年間活動できずに休養していた時に、会いたくても会えないファンの方への想いを綴った曲になります。

      ──やはり、もどかしさが大きかった?

      岡田 大きかったですね。いろんなライブも控えていたのに全部中止になってしまって、みんなに会えなくなってしまって、どうしようもできないそのもどかしさを作詞することで、消化していくというか、スッキリしましたね。

      ──そういう、負の感情をスッキリさせる方法の中で、岡田さんにとっての一番は作詞ということですか?

      岡田 確かに、作詞はある意味ストレス発散になってますね。

      ──この曲調については?

      岡田 最初に聴いた時から、いい意味で自分っぽくない明るい曲調だなと感じたので、「挑戦してみたいな」と思って書き進めました。

      ──この曲のMVはスタジオライブがメインになっていて、バンドで歌っているところも、前作よりもミュージシャンらしさがすごく出ているなと思ったんですが。

      岡田 ありがとうございます。あの空間でバンドに囲まれて歌うというのは、すごくよかったです。生演奏で聴けるというのは本当にありがたいですし、ちゃんと1人の歌い手として存在できているような気持ちになれるので、そこはうれしかったですね。

      ──曲自体もMVも合わせて、アーティストとして改めての決意表明というか。

      岡田 そうですね。「これからも歌い続けますよ」という意思表示になっています。

      ──2曲目が「5月にふたりは嘘をつく」。「5月」だったり「3年前」だったり、詞の背景に何かストーリーがあるんだろうなと思わせますね。

      岡田 これはもう受け取り手の方に任せたいんですけど、いろいろと想像を膨らませてほしい曲ですよね。「真実は言わないけど、それはもう受け取り手の解釈でご自由にどうぞ」という感じで。

      ──先ほどの数字などがその想像するヒントというか、引っかかりとしてうまく作ってあるなと思いました。そういう、ストレートなだけじゃない部分というのも、何か幅が広がったのかなと。

      岡田 確かに。『Asymmetry』の曲は、何を伝えたいのか「ザ・分かりやすい!」って感じだったんですけど、今回はもうちょっと自由に解釈できるような楽曲が増えたんじゃないかなと思います。

      ──そこに至ったのには、外からの要因みたいなものも何かあったんですか?

      岡田 いや、たまたまですね。何だか自然と、こういうテイストになっていった感じです。ちょっと自分の実体験も交えつつ、空想の世界で書いたりという作品が増えましたね。これからも妄想の世界の中で曲を書くということは増えていくと思います。

      ──作曲は長谷川大介さん。これもアップテンポですね。

      岡田 そうなんです。とってもアップテンポで、だけどそこにちょっと切ない歌詞が散りばめられているからこそのバランスの良さというのが、この曲のいいところだと思います。

      ──3曲目は「moratorism」。この曲は要田健さんのフレーズとメロディーがすごくエキセントリックというか、耳に残る感じですが、そこで気になったのは、詞と曲、どっちが先だったのかなと。

      岡田 曲ですね。私は基本的に曲先で作っています。

      ──基本的にはそうだろうなとは思ったんですが、この曲のテンポやメロディーに合わせて歌詞を書くって、どんな作業なんだろうなと思ったんですよ。

      岡田 いやもう、とても難しかったです。普通に歌詞を書くんじゃなくて、本当にリズム一つひとつに音をハメていく感覚なので、他の曲と比べても一番苦労した曲ですね。あとこの曲は息継ぎもできないので、本当にボーカロイドのような作り方をしました。

      ──なるほど。しかもその中で、テーマに沿った言葉を綴っていかないといけないし、しかもそれを自分で歌うわけですよね。

      岡田 そうなんです。だから自分で自分の首を絞める曲なんです、これは(笑)。機械に歌ってほしいって思っちゃうような楽曲になっています。

      ──でも実際に自分で歌ってレコーディングしたわけですよね。

      岡田 でも、レコーディングの時はボイストレーニングの甲斐もあり、そんなに時間もかからず、けっこうすんなりと録り終えたんですよ。

      ──そうなんですね。ちなみにライブでは……?

      岡田 ライブでも歌いたいです、もちろん生歌で。メッチャ大変なので、これは自分が頑張らなきゃいけないなっていう、自分の中での課題ですね。

      「自分では『何の変哲もないラブソング』を作ったつもりなんですが……」

      ──4曲目は「共犯カメラ」。田中俊亮さんの曲で、これもテンポが速いですね。

      岡田 速いですね! これもまたファルセットに切り替わる瞬間とかが難しいので、難易度の高い曲になってます。

      ──この歌詞の内容というのは?

      岡田 これは自分の中の二面性を表していて。私、お酒を飲むと周りの友人に「化け物」って言われるんですよ。でも普段は「天使みたいにいい子だね」って言われるので、その対比をちょっと曲にしてみたいなと思って、書いてみました。

      ──あえてザックリ言ってしまうと、「酒癖」の歌?

      岡田 そういうことです(笑)。酒癖が悪い女の人の歌ですね。

      ──そんなに酒癖が悪いんですか(笑)。

      岡田 いや、そんなことないと思うんですけど……なぜか友人は「化け物」って言うんですよね、自分では分かんないんですけど。

      ──酒癖の悪い人って、みんな自分ではそう言うんですが……それを掘るのはこの辺にしておきます(笑)。しかし、いろんなところから題材を取ってるんですね。

      岡田 そうですね。自分の実体験もあるし、ちょっと想像で膨らます部分もあるし、アニメやドラマからインスピレーションをもらうこともあるし、さまざまなところから書いています。

      ──そういう部分も、前作より広がった感じですか。

      岡田 広がりましたね! 前作は「とにかく自分の心の内をさらけ出したい」という一心で書いていたんですが、ちょっと変わりましたね。

      ──そうなると、歌っている時の心情もだいぶ違うんじゃないですか?

      岡田 違いますね。前回は、悪く言えば独りよがりな作品になってしまったなって思っていたので、歌う時もそういう自分の想いをとにかく大事にしてたんですけど、今回は「伝える」というところで、もうちょっと頑張らなきゃいけないなと思っています。

      ──5曲目は「神様はまだ僕を死なせてくれないから」。

      岡田 これはアニメと映画からインスピレーションをもらって書いちゃいました。『僕の心のヤバいやつ』という作品なんですけど、あれを見たらその主人公の気持ちになっちゃって、書き進めたらこんな感じになりました。多分、あの作品を見たことがある人は納得できるような内容になってるんじゃないかなって思いますね。

      ──確かに、それでよく分かりました(笑)。ただファンの方が聴くと、「僕らのことかな?」とも感じられるような内容かなとも勝手に思ったんですが。

      岡田 あー、なるほど! 確かにそういう捉え方もアリなので、ぜひそこはご自由に聴いていただきたいですね。

      ──これは曲がARTribeの方々ですが、今回、全体的に作家陣がものすごく個性的ですよね。今回の11曲は、曲が揃った段階から制作を始めたんですか?

      岡田 いえ、レコーディングしていきながら、段階的に届いてきた感じですね。もともとは「シークレット」というテーマでデモ音源をくださいとオーダーしていて、それでこういう感じのテイストになったんです。

      ──そういうことなんですね。そこから作家の皆さんがイメージして作ったと。

      岡田 でも、書き始めたらだんだん全然違うテーマになってきちゃったぞとなって、最終的に『Contrust』というテーマになりました(笑)。作っていく上で変わっていくものもあるので。

      ──6曲目が「空白と高鳴り」。1曲目から聴いてきて、ここでちょっとテンポが落ちるのかと思いきや……

      岡田 思いました? ちょっと甘い感じですよね。

      ──はい。思ったんですが、結局落ちなかったという。

      岡田 意外と、これもアップテンポで明るい曲になってますよね。

      ──そして歌詞は、ちょっと危ういところもあるけど、ラブソングなんだなと。

      岡田 ラブソングですね。私にとってはすごくピュアなラブソングだと思っています。

      ──岡田さんの思う「ラブソング」というものを形にしたらこうなると。

      岡田 こうなりましたね。いつ死ぬか分からないから、家族だったりとか大事な人には『愛してる』って言わなきゃいけないなっていう、私のポリシーです、これは。

      ──だから、いわゆる普通の「ラブソング」に収まらない感じになっているわけですね。

      岡田 えっ、普通じゃないですか、これ?

      ──「普通」というと曖昧な話になってしまいますが、そんなに「普通」ではないかと……。

      岡田 私、普通だと思って書いてました! 自分の中では普通の、何というか……何の変哲もないラブソングだと思ってました。

      ──いや、「何の変哲もない」わけではないと思いますよ(笑)。

      岡田 へえ~! 自分では分かんないものですね!

      ──すごい表情になってますが(笑)。

      岡田 変哲はあるんだ(笑)。ありがとうございます。

      ──いえいえ(笑)。で、7曲目が「好きの魔法」。

      岡田 これはちょっと、タイトルに惑わされてほしいなっていう思いでつけました。「好きの魔法」とだけ聞くと、けっこう乙女チックな曲が来るのかなと思いきや、かなりバンドサウンドがロックでかっこいいので、そういうところが私の推し曲です。

      ──イントロでギターがカッコいいなと思いながら聴いていて、Aメロに入ったらベースがめちゃめちゃカッコいいですよね。

      岡田 そうなんですよ! とにかく音がいいですよね。もう曲が来た時には、「これ書けるな」って思いました。

      ──これもラブソング?

      岡田 ある意味ラブソングなんですけど、どちらかというと強い女性をイメージした曲になってますね。ハードなサウンドの中でサビはけっこうキャッチーで、そこも聴きどころです。

      休養期間と能登半島の震災が重なり、その気持ちを綴った「UNMEI」

      ──この7曲目まで、本当に飛ばしてますよね。

      岡田 飛ばしますよね(笑)。落ちるところがないんですよ。

      ──なので、「もしかして全部このままで行くのかな?」と思いきや……。

      岡田 そうなんです、ここから超絶バラードに入って、落ち着いていくという。

      ──それは狙いだったんですか?

      岡田 はい。そういうロックなサウンドだったり明るい曲を前に持ってきて、徐々にペースダウンして桜ソングで締めるという、構成での狙いはありました。

      ──そのスタートとなる8曲目が「UNMEI」。やっとバラードが来たなと(笑)。

      岡田 そう、やっと超絶バラードがここで登場するんですよ! 待ってましたと言わんばかりに。ここまで引っ張りました。

      ──引っ張りに引っ張りましたね(笑)。実際に聴いていて、その意図にやられた気がします(笑)。

      岡田 やられました? よかった! 「ここまでこんなにアップテンポで来たのに、ここで落としてきた!」というところで響いたらうれしいです。

      ──だから余計に、ここでの切り替わりの印象が強くなっていますね。歌詞の内容については?

      岡田 この曲は、能登半島の震災があった時と、自分が休養していて苦しかった時期がすごくかぶっていて、そのときに書いた曲なんです。やっぱり生きることを諦めてほしくないし、どんなことがあっても、頑張らなきゃいけないなと思って書きました。

      ──その時に一番頭にあったのは、自分とその他人、どちらということはないでしょうけど……。

      岡田 どっちもですね。自分も本当に歌を諦めてしまいそうなぐらい苦しくて、活動できない時期に能登半島の地震があって、もう自分以外の家族を全員亡くしてしまった方とかをたくさんニュースで見て、その時の胸の痛みを曲に昇華しようと思って作らせてもらいました。

      ──そう思うとやっぱり、この曲があるべき場所はここですね。

      岡田 そうなんですよ。ここに持ってくるのが一番いいと思って。

      ──9曲目が「赤い夜が満ちるまで」。この流れもあって、何というかホッとできる曲だなと思いました。

      岡田 ちょっと温かみのある優しい曲ですよね。これは2022年の11月8日に、442年ぶりに観られる皆既月食があって、それをリアルで見たんですよ。その時にメモしたいろんな感情を今、歌にしたものなので、2年越しにこうやって歌にして出すことができて、うれしいです。

      ──だから「赤い夜」なんですね。では、2年間ためていたわけですね。

      岡田 そうなんです! 「いつか絶対この曲を書きたいな」と思っていて、ようやくそれに合いそうなサウンドが来たので、書きましたね。

      ──逆に、前作の時には「これを書こう」という感じではなかったということですね。

      岡田 前作で書こうとは思わなかったんですよね。やっぱりちょっとテイストが違うというか、そういう赤裸々な本音をさらけ出す『Asymmetry』には合わない歌詞になっちゃうなと思ったので。

      ──そうやって普段から材料や思いつきをメモしているんですね。

      岡田 メモ書きしてますね。感じたこととか、何かフレーズが降りてきたら書くようにしています。

      ──10曲目が「12.24」。

      岡田 「クリスマスイブ」ですね。

      ──あ、そう読むんですね。

      岡田 はい表記と読み方が違っていて、読み方は「クリスマスイブ」なんです。すみません、分かりづらくて(笑)。

      ──いえいえ。

      岡田 この曲は完全に妄想ソングですね。クリスマスの恋愛ソングみたいなものを書いてみたいなと思ったんですけど、基本的にアイドルとして握手会をやったりとか、イベントをしていたので、クリスマスの思い出が自分の中でなかったので、妄想で書かせていただきました。

      ──先ほど、「何の変哲もないラブソング」という話があったじゃないですか。

      岡田 あ、この曲も何の変哲もないクリスマスソングだと思ってます。

      ──なるほど……。あ、「なるほど」って言っちゃったんですけど(笑)、これはすごく岡田さんなりのクリスマスソングだなと思ったんですよね。

      岡田 本当ですか! ありがとうございます。

      ──たぶん、岡田さんの思っている「普通」と、いわゆる世間の「普通」とが……。

      岡田 違うんだ!

      ──だからこそ、この曲には「拗らせる」というワードが出てくるじゃないですか。

      岡田 ああ、「余計 拗らせるよね」という。

      ──その言葉がすごく象徴的だなと思ったりもしてたんですけど……。

      岡田 拗らせますよね(笑)。いや、でも好きなワードです。やっぱり変哲ありますね。変哲あるラブソングです(笑)。

      ──これみたいなクリスマスソングだったり、卒業とか夏曲とか、シーズンソングみたいなものってあるじゃないですか。そういうものって、作ろうと思うものですか?

      岡田 いや、私は作ろうとは思わないんですよ。この曲は「時期も時期だし、冬ソングを作ってみたらどう?」ってスタッフさんから提案いただいて作らせてもらった感じですね。次の曲も一応桜ソングになるんですけど、これだけは自分の意思で、書きたくて書いた感じですけど。

      ──クリスマスに関しては、自分の思い出ではないから、少し違うと。

      岡田 そうですね。そういう実体験が使えないので、こういう感じになりました。でも、こうやって提案されて書いてみるというのも楽しかったです。今までは自分の思いばかり綴っていたのが、もっと客観的に、「どういう曲を作ったらクリスマスっぽくなるかな」とか考えるのが楽しかったので、それはそれで一歩成長だなと思います。まさか、実体験を1ミリも交えずに曲を作る日が来るなんて思ってなかったから、ビックリですね。「白い息を吐きながら走った」ことなんてないですもん(笑)。

      ──そこからですか(笑)。しかし、まるまる全部頭の中だけで作ったと聞くと、それはそれで驚きですね。

      岡田 本当ですか! 全部ゼロから作りました。それで変哲のあるクリスマスソングができて、よかったです。

      ──何だか言わせているような気がしますが、大丈夫ですか。

      岡田 大丈夫です(笑)。

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      ──ラスト11曲目が、「桜色の君を想う」。これが、書きたかったという桜ソングですね。

      岡田 そうですね。AKB48を卒業する時、最後の日に一番仲のいいメンバーさんがお手紙をくれて、その手紙の内容からインスピレーションをもらって書いた曲になります。自分の卒業と重なって、これから春になって新生活が始まる方とか、卒業する方とか、そういういろんな方に、「桜ソング」として重なる曲になるんじゃないかなと思います。

      ──やはりこれはラストにしたかった?

      岡田 はい。クリスマスソングもありましたし、「UNMEI」みたいなバラードもあって、季節感を大事にしたかったので、最後の最後で春になるというところに持ってきました。

      ──これで全曲について伺いましたが、改めて全体を通して、ご自分としてはいかがですか?

      岡田 こんなに前向きな歌が書けると思っていなかったので、自分にビックリしています。前作の時は、あんなにダークで赤裸々なアルバムはもう2度と出せないんじゃないかなと思うぐらいで、ダークみが強すぎて自分でも闇落ちしそうなぐらいつらかった曲が多かったんですよね。今回はこうやってちゃんと光を見出して前に進んでいけるような『Contrust』という作品ができてよかったなと思っています。

      ──これからライブで歌っていくという時に、アルバムが2作あるわけですが、時期的にこのニューアルバムが中心になるとは言え、セットリストを組むとなると構成が難しそうですよね。

      岡田 うわー、難しいですね!(笑) かなりテイストが違う曲たちなので。ただ、いったんはこの『Contrust』を中心にしたライブができたらいいなと思いますし、今後は2作を混ぜてお披露目していくことも考えなきゃいけないですよね。情緒不安定みたいにならないように(笑)、頑張って作りたいなと思います。

      ──前作のジャケットはすごくコンセプトに沿ったビジュアルだったと思いますが、今回のジャケットに関しては?

      岡田 「コントラスト」は明るい部分と暗い部分があるというところで、光と影をイメージして撮らせていただきました。どちらかというと明るい方、光の部分が強い感じになってますね。すごくお気に入りです、この儚げな色味が。

      ──今年はお休み期間があったりといろんなことがあったかと思いますが、ここまでどういう1年ですか?

      岡田 1月、2月、3月とけっこうしんどい時期、休んでいた時期を乗り越えて、ちゃんと2ndアルバムをこうしてリリースできるところまで準備ができたというのは本当に成長だと思うし、休んでよかったなって思います。やっぱり1回立ち止まって、もう1回改めて考えた時に、何よりも「元気がないと何もできない」ということに気づいて。体が資本であり、健康が第一であるということに、26年生きてきてようやく気づいたんですよね。なのでそういう気づきがあった1年だったなと思うし、『Contrust』という前向きな曲たちをリリースできるっていうことも、この1年での自分の中の成長だと思います。

      ──日々の過ごし方とかも、だいぶ変わりましたか?

      岡田 変わりましたよ! ワンちゃんを飼っているので、朝早く起きて、夜早く寝て、ご飯もしっかり食べてお風呂に浸かってっていう当たり前の健康的な生活をしていて、やっぱり人間らしく生きることが大切だなと思いました。

      ──おお、かなりの変化じゃないですか!

      岡田 変化しましたよ!(笑) カーテンも開けずに午後まで寝て、みたいな生活をずっとしていたので、それが今はこれだけ明るい生活ができていること、そこに気づけた自分が偉いなって思います。

      ──何事も遅すぎることはないですからね。

      岡田 はい、そう思うので、これからも継続して前向きな歌をたくさん届けていきたいなと思います。

      ──そういう生活をするようになって、何か気づいたことってありますか?

      岡田 散歩っていいなって思ってます。ちょっとおばあちゃんみたいですけど、ラジオ体操、散歩、ジョギングと温泉、これはいいぞって思ってます(笑)。

      ──温泉はたまに?

      岡田 近くにスーパー銭湯があるので、けっこう行っちゃいますね。大好きです。もう垢すりとか必ずやります。

      ──食生活もだいぶ変わりましたか?

      岡田 かなり変わりましたね。近くの八百屋さんで激安な野菜を買って自炊してます。昨日は椎茸とさつまいもの炊き込みご飯を、かなり秋っぽい感じで、美味しくいただいております。そういう季節らしさもちゃんと味わいつつ、自炊をして野菜をとにかくいっぱい食べるっていうのは心がけてますね。

      ──昨年のインタビューとはだいぶ話の内容が変わりましたね。

      岡田 去年は暗かったですからね。もうとにかくしんどくて。よかったです、ちょっと明るくなれて。

      ──やっぱり人間、日光に当たらなきゃいけないらしいですからね。

      岡田 そうなんですよ。セロトニンを出さなきゃいけないので、太陽の下っていうのは大事です。これは皆さんに伝えたいです。

      ──「セロトニン」という言葉なんて……

      岡田 去年は絶対に出なかったですよね!(笑) 健康状態ヨシです。

      ──いいことです(笑)。今年のラストと、あと来年はどうしたいですか?

      岡田 今年のラストは『Contrust』がリリースされて、リリースイベントをたくさん回らせていただくので、そこでたくさんの方に聴いていただける機会を作って頑張ろうという気持ちもありますし、来年のことは全然考えてないです。流れに身を任せて生きていこうと思っているのでとにかく健康第一で歌を歌い続けたいという思いでいっぱいです。去年と全然違いますね(笑)。健康第一です!

      ──そこがうまくいっていれば、たぶん他のいろんなこともうまくいきますからね。

      岡田 そうなんですよ! 元気があればどんなことにも挑戦できるので、まずそこをベースに頑張りたいと思っています。

      ──ちょっと気が早いですが、その次の3rdアルバムはまたかなりイメージが変わりそうですね。

      岡田 自分の中では、3rdはちょっとロマンチックな感じに作りたいなというイメージは湧いてるんですけど、果たしてスタッフさんたちの考えているものと合うか、すり合わせしないといけないので、そこはちょっとお楽しみにという感じですね。

      ──ヘタすると、健康ソングのアルバムになったりして。

      岡田 いや、そうかもしれないです。健康ソングができちゃう可能性はありますね(笑)。でも、今みたいな生活、本当にそれが一番大事だと思ってます。

      ──では最後に、このアルバムを待っていたファンの方々にメッセージをお願いします。

      岡田 半年間の休養をいただいて、「お待たせしてしまってごめんなさい」という気持ちと、でもその休んだ期間に自分自身と向き合えたことで、こうして2ndアルバムをリリースすることもできたので、待っていてくれた皆さんに感謝ですし、皆さんにとって希望となるような曲を今回たくさん書くことができて、『Contrust』を聴くたびに、元気で生きていこう、強く生きていこうと思えるような、そんなアルバムになっているので、ぜひぜひたくさん聴いて、もう『Contrust』を日常として聴いてもらえたらいいなって思います。

      ──ありがとうございました!

      撮影 長谷英史

      2ndアルバム『Contrust』

      2024.11.27 ON SALE

       

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