デビュー5周年記念日となる1月22日に、その軌跡を丸ごと収めたベストアルバム『THE BEST 2020 – 2025』をリリースしたSnow Man。5年間のシングル全てとアルバム・リード曲、それにメンバーセレクト＆ファンセレクト楽曲をを詰め込んだ、まさに「THE BEST」の名に恥じない既存曲だけでなく、全3曲の新曲、さらにファン待望のソロ曲までを収めた構成はまさにファン垂涎！　その全貌をまとめてみた。

困難も糧にして快進撃を続けてきた5年の歴史の軌跡がここに！

2020年1月22日に｢D.D.｣でデビューしたSnow Man。デビュー曲でいきなりミリオンを達成したことを皮切りに、「KISSIN’ MY LIPS / Stories」、「Grandeur」とシングルでミリオンセラーを連発。アルバムは1stアルバムの『Snow Mania S1』から4thアルバム『RAYS』まですべてがミリオンという快挙で、令和を代表するアイドルグループへと一気に上り詰めた。

とはいえ、華やかな道を順調に歩いてきたのかといえばそうではない。デビュー直後にパンデミックが起こり、デビューツアーは中止。彼らの最初のコンサートは無観客での配信となった。

でも、彼らは困難を前にしても負けることはなかった。それどころか、9人が揃っている場はどんなときでも笑い声とアイデアにあふれているように思う。経験を豊かに持つプロフェッショナルゆえに、困難は乗り越えるものだということを前提とし、アイデアを出し合う仲間としてメンバーが存在する。それは無観客で始まったデビューの年から変わらず、今や全員が個人スケジュールで多忙を極める中でも、Snow Manとして常に最高レベルのパフォーマンスをファンに届けようと力を注ぐ。

昨年のアルバム『RAYS』のリード曲である「EMPIRE」のMVをスペインで撮影したというのはその象徴的なエピソードだろう。数名のメンバーが連続ドラマに出演、生放送のレギュラーを持つメンバーもいる中で9人のスケジュールを合わせることは、強い思いがなければ実現しない。

そうして歩んできたデビューから5年のその日にベストアルバム『THE BEST 2020 – 2025』がリリースされる。

全シングルがずらりと並んだ曲目を改めて見てみると、文字通り“ベスト”と言えるヒット曲ばかり。それがどれほどの努力の上で成し遂げた偉業かは、彼らとともにこの5年間を歩んできたファンはよくわかっているだろう。

『THE BEST 2020 – 2025』は3形態でリリースされ、全シングルとアルバムリード曲に加え、メンバーセレクト&ファンセレクト楽曲、新曲「SBY」「Dear,」「A PIECE OF CAKE」と3曲の新曲、さらにメンバーのソロ曲がそれぞれに収録される。

また映像特典としては、A盤には、新曲「SBY」「Dear,」のMVと過去作のMV30本と5年間を振り返るヒストリーVTRなどを収録。B盤には、過去作のダンスプラクティスビデオやリップシンクビデオなど33本と、新たに制作したソロ楽曲のMV9本、さらに企画映像「アルティメットベースボール5」が収録。5年間の軌跡のアルバムとして十分すぎるほどに盛りだくさんだ。

9人9色のカラフルなソロ曲が誕生！

新録の楽曲としては、Snow Man初のソロ曲が誕生しているのは大きなニュースだろう。これまでユニット曲は収録してきたが、ソロ曲は初めてのことだ。それぞれに思いを込めてプロデュースした楽曲について、すでに公式YouTubeで公開されている内容をまとめてみよう。

岩本照の「7%」のMVは大都会の夜景が広がる高層マンションの一室から始まる。曲の構想を話し合っていたときの彼の体脂肪率が7％だったことと、“淡い期待”という意味のダブルミーニングのタイトルで歌われるのは、大人の恋愛が始まりそうな夜の物語。岩本の甘く色艶のある歌声にドキドキさせられる。

深澤辰哉は「iro iro」というタイトルで、Sumikaの片岡健太が楽曲提供した柔らかなポップソングを歌う。MVにはひとつのスタジオの中で宇宙までもいけてしまうテレビの世界が映し出される。それらを彩るのはSnow Manのメンバーカラーの9色。そして向井康二が「ふっかさんの歌声好き」と評した温かくて優しい深澤の歌声が、9色の世界を包みこむ。

ラウールはアーティスティックな感性を前面に打ち出した「Induction」。「EMPIRE」のYUANN監督によるMVで、光で浮かび上がる水槽の中のラウールは、レースのスーツに身を包んでいる。クールな楽曲に自身が手掛けた英語詞を乗せた楽曲は、どこを切り取ってもラウールだけの世界観を凝縮した濃厚さだ。

渡辺翔太は「オトノナルホウヘ」でポップソングを披露。MVは日常の部屋からスタートし、ミラーボールがきらめくステージで歌う姿と日常と素朴さが共存する自身の１週間を表現している。ポップな楽曲に乗せた彼の軽やかな歌声も心地良く耳に残る。

カメラマンとして腕を磨いている向井の曲のタイトルは「ファインダー」。そして彼が凝っているコーヒーを淹れるところから始まるMVは、主演映画の撮影中にタイで撮影したのだとか。自身のルーツでもあるタイの風景とともに、タイ語の歌詞もあるというのも注目ポイント。情緒ある声と確かな歌唱力をじっくり聴けるのもうれしい。

阿部亮平の「いっそ、嫌いになれたら。」はコバソロが提供した楽曲で「恋の一番楽しい時間をぎゅっとしたくて」という阿部のリクエストが詰まったストレートな恋愛ソング。同タイトルの詩集を読んでいる阿部の姿から始まるMVは、知性と恋愛の柔らかさが優しく盛り込まれていて心地の良い世界観になっている。

目黒蓮の楽曲は「朝の時間」。少し散らかった等身大の部屋で寝ている目黒の映像にピアノの優しいイントロが流れてくる。楽曲は仕事でストレスがある朝に寄り添えるような応援ソングになっていて、それをドラマ仕立てで表現するのが彼らしい。「自分の言葉も散りばめた」という歌詞を真摯に伝える彼の歌声が、友達のような距離感で背中を押してくれる。

宮舘涼太の「I・だって止まらない」は、100％舘さまの世界。雨降りしきる中に立ち尽くしていたと思った次の瞬間、真っ赤な薔薇の刺繍を施したスーツ姿の宮舘がエキゾチックなリズムに乗って踊りだす。ストレートな歌謡曲に、KABA.ちゃんに依頼したキャッチーな振り付け。それらの中で生き生きと歌い踊る宮舘を見た渡辺は「まっすぐな宮舘涼太」とひと言。それがすべてだ。

そして佐久間大介は“アイドル・ラブソング”という「守りたい、その笑顔」。アニソンシンガーのオーイシマサヨシに「俺の人生のテーマソングを作ってください」と直談判して生まれた楽曲で、ステージで歌い踊るのも、オタクとして客席から全力で応援しているのも、どちらも佐久間というMVが面白い。好きなものを詰め込んだという楽曲から届くのは「客席のみんなも輝いてるよ」というメッセージだ。

9人の個性があふれた楽曲たちは通常盤に音源、初回盤BにMVが収録されている。

ともに歩んできたファンへの感謝を込めた新曲も！

『THE BEST 2020 – 2025』にはさらに新曲が3曲収録されている。

まずは、2月14日公開の目黒蓮主演映画「劇場版トリリオンゲーム」の主題歌となっている「SBY」。タイトルは“Stand By You”の略で、“そばにいるよ”という意味。“君とこれからも一緒に進んでいこう”という強い意志を込めた歌詞の“君”は、Snow Manにとってはもちろんファンのことだ。昨年12月15日に行われたSnow Man初の5大ドームツアー「Snow Man Dome Tour 2024 RAYS」の東京公演で、「僕たちにとって本当に大切な１曲です」という目黒からのメッセージとともに、まずはファンに初パフォーマンスを披露したのも記憶に新しい。

「Dear,」はさらにストレートに「今までずっと支えてきてくれたファンに対して自分たちの感謝の気持ちを伝えたい」という想いから作られた1曲。歌詞にはメンバーそれぞれの“ファンに伝えたいメッセージ”が盛り込まれている。

「A PIECE OF CAKE」は不二家の「ルック」「不二家洋菓子店」のSmile Switch新CMのテーマソングとして2024年9月10日よりオンエアされている楽曲。

デビューから5年の間にそれぞれが主演作を努め、個性を発揮できる場を掴み、5周年を前に5大ドームツアーを完走。

求められることに全力で応えられるグループであるととともに、自分たちの意志を強く持ち、ブレずに自分たちの道を進んでいくグループでもある彼らは、5年前には想像もできなかったほどに最強の9人となって5周年を迎えた。

そんな彼らの歴史が刻まれたこのアルバムから浮かび上がるのは、メンバー愛とチーム力。そして、ファンへの感謝とリスペクトだ。それらを胸に、さらなる高みへ。5周年イヤーもまた、気持ちいいぐらいに華々しく活躍してくれる彼らに期待だ。