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【MA55IVE THE RAMPAGE】Crystal Kayをフィーチャリングした最新作への想いを語る

MA55IVE THE RAMPAGE
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THE RAMPAGEから派生した5人組ヒップホップユニット、MA55IVE THE RAMPAGEが4曲入りとなるニューシングルをリリース。タイトル曲「REEEMINDER! feat. Crystal Kay」は、彼らが立ち上げたMA55IVE UNION Project第1弾となっている。このプロジェクトで彼らはどんな未来をめざすのか。収録曲の制作背景や、5月19日に開催される初のイベント「MA55IVE BASE presents UNLIMITED 01」への意気込み、さらには今後のプロジェクトの展開まで、気になる話を語ってもらった。

――新曲「REEEMINDER! feat. Crystal Kay」は、MA55IVE UNION Project第1弾作品となっています。はじめに、このプロジェクトを立ち上げた意図を教えてください。

山本:今年、地上波で初のレギュラー番組「MA55IVE BASE」をやらせてもらい、いろんなアーティストさんと関わる機会が増えたんですが、ひとつひとつのコラボやフィーチャリングを単発で終わらせてしまうのはもったいない。それらに意味をつけてプロジェクトとして走らせることで、この先もMA55IVE THE RAMPAGEの活動を押し広げていけると考えたんです。僕らはまだまだ発展途上だから、いろんな方の手を借りながら引き出しを作っていくことが大事なことだと思っていて。“UNION”には連合や同盟という意味があるし、僕らの考えに賛同してくれる人たちと手を組んで、新しいことを吸収・勉強して、新しいMA55IVEの魅力をファンの方に発信していこうと考えているんです。

――プロジェクトを立ち上げるきっかけは「MA55IVE BASE」だったんですか?

山本:番組ですね。THE RAMPAGEの陣さんとCrystal KayさんがMCとして番組に入ってくれる。内容はがっつり音楽に寄せる。ゲストに呼びたい人も決めていいよという感じだったんです。だったら、そのやり方をMA55IVE UNION Projectに結びつけて、アルバム制作まで見据えていこうって。そのひとつが5月19日のイベント「MA55IVE BASE presents UNLIMITED 01」に発展していった。あと、1stアルバム『M5V』でChaki ZuluさんとDJ DARUMAさんと出会ったことも大きかったです。

神谷:活動当初はセルフプロデュースを大事にしていたので、ChakiさんやDARUMAさんの力を借りようとなったときに戸惑いはあったんです。でも、やってみたら、それまでと全然違うものができるし、新しい化学反応が起きて、自分たちの知らない自分たちが作れた。成長速度も明らかに変わって、自分たちのプラスになることを感じたんです。なにより音楽制作として面白いし、ワクワクする。そんな中で、番組が始まって、じゃあ、どんどんコラボをやった方がよくない?という空気になっていったんです。

――「REEEMINDER! feat. Crystal Kay」の制作はどのように始まったんでしょうか。

LIKIYA:番組で共演したCrystal Kayさんをフィーチャリングすることは決まっていて、じゃあ、何をやったらいいかということをChakiさん、DARUMAさん交えて会議したんです。そのときにCrystal Kayさんはデビュー25周年を迎えられたし、素敵な楽曲がたくさんあるので、それを僕らが調理して、今の時代のヒップホップを混ぜた現代版のコラボ作品を作りたいというところから始まりました。

――新曲のフックでは、m-flo loves Crystal Kayの「REEEWIND!」(2004年)をCrystal Kay本人が新たに歌唱しています。この曲を使うアイデアは誰から?

LIKIYA:僕らから提案させてもらいました。「REEEWIND!」は番組の中でもセッションさせて頂きましたし、純粋に好きな曲なんです。候補は何曲かあったんですけど、今回はドリルというジャンルをテーマにしていたから、ドリルに合う曲はどれか?という視点で選んだときに「REEEWIND!」がいいんじゃないかって。

――ドリルはドリルでも、セクシードリルと呼ばれる最近注目の新しいスタイルに仕上がっていますね。

浦川:Chakiさんからビートはこっち系でいきたいんだよねって提案があったんです。それに合うネタはどれか?って考えていく中で「REEEWIND!」が170くらいのBPMにいちばんフィットした。しかもR&Bだからセクシードリルにハマるだろうと。

――ビートを聴いたときの第一印象は?

山本:トレンドの割れたキック音が最高でした。ドン!じゃなくてバン!っていう感じ。日本でセクシードリルを採り入れている方はまだまだ少ないし、そうやってトレンドを抑えつつ、ちょっと懐かしさも感じたんです。イントロのギターのサウンドとか、電話越しに流れてくるような少しこもった音になっていて、タイムスリップ感もあって完璧だと思いました。

――今回の楽曲は歌声や唱法がこれまでと大きく違っていて新鮮でした。

浦川:発声から違いますからね。

――レコーディングではどのようにアプローチしたんですか?

LIKIYA:今回は歌モノに振り切りました。自分たちの意識としてもラップというより歌でした。

浦川:ラップというより、“喋る”ですね。話しかけ系。レコーディングでは(神谷)健太さんにブレスのことを言われて。今回は(作詞作曲に参加した)Kenya Fujitaくんのディレクションだったんですけど、まずは普通に歌ったら「翔平さん、ブレス多めでお願いします」って言われて。

――息を多く混ぜたエアリーボイスで歌って欲しいと?

浦川:そうです。(息を吐き出す)ハァをいっぱい混ぜてくれと。あと、ラ行を全部母音で発音するように指示されたんです。《離れないで》も《離えないで》っていうふうに歌ってみたら、確かにエモさが増したんですよ。

――そういうディレクションを受けたのは翔平さんだけですか?

LIKIYA:いや、みんなです。

山本:もう千本ノックみたいな(笑)。

鈴木:マジで結構ヤバかったですよね? 僕のパートはキーがめっちゃ高かったんですよ。そこを「地声で」って言われたら無理かもと思ってて。

神谷:実は(鈴木)昂秀からレコーディング前に相談の連絡が来たんです。僕と歌割りを変えてくれないかって。でも、昂秀の声域なら「地声じゃなくてミックスヴォイスで出したらいけるよ」って伝えて。昂秀も「家で試してみるけど、ミックスであまりはっきり発音せずに歌ったらいけるかも」っていうことだったから「良かった、OKです」って返していたんです。そしたら本番はファルセットになってた(笑)。でも、ファルセットはファルセットでアリでしたね。音として気持ち良かった。

鈴木:頑張りました(笑)。

神谷:あと、今回はLIKIYAさんがめっちゃ頑張った。

LIKIYA:苦戦しましたね。何回も何回もトライしたから。日頃、自分たちでリリックを書くので、他人が書いたフロウを身体に入れるのがまず難しいんですよ。低い声でR&Bっぽいアプローチはやりたかったので楽曲としてはバッチリだったんですけど、フロウが難しかった。

――「REEEMINDER!」の歌詞はKenya Fujitaが作詞をしていますが、どんな思いを歌っているんですか?

LIKIYA:かつての恋人への変わらない愛情をリマインドするラブソングとも捉えられるし、音楽シーンの移り変わりに対する思いも重ねているんです。特に僕のパートに出てくる“時代はSpinning CDからStreaming”というリリックがわかりやすい。色あせない過去も美しいけど今には今の美しさがあるとか、過去の恋愛も素敵だけど、また素敵な新しい出会いがあるんじゃないか、と思うんです。

――原曲の「REEEWIND!」は、過去の恋を思い出しながらも前に進んでいくことを決める切ない恋心を歌っていました。今回の「REEEMINDER!」は、そのときフラれた側からの「ちょっと待って、あのときの気持ちを呼び起こして!」という20年越しのアンサーソングのようにも思いました。

LIKIYA:そういう捉え方もできると思いますね。

浦川:時を超えたアンサーソング。いいですね、それ。プラスで付け足しておいてください(笑)。

――2曲目「キミノトコマデ」はOMW(P-CHO, JAY’ED, NAOtheLAIZAによるプロデュースチーム)がプロデュースをしています。どのような流れで制作したんですか?

浦川:もともとはOMWじゃないトラックがデモとして数曲挙がってたんです。

山本:でも、ヒップホップを感じられるものがなくて、ちょっと違うなと思っていたときに、最後の最後でOMWから届いたトラックがこれだったんです。その時点でフックのフレーズが入っていて、耳にこびりつくこの感じがいいねと。

――トラップ風味のローファイチルポップという感じですよね。

鈴木:そうなんです。ポップなんだけどトラップの要素も入っていて、聴いた1発目から耳に残るよねって。

浦川:TikTokで流行っている日本語ラップのような感じもあって、若い世代に浸透しやすいんじゃないかと思いますね。何回も繰り返し聴いちゃう系。

――この曲はドラマ「ジョフウ ~女性に××××って必要ですか?~」(テレビ東京)のオープニングテーマにもなっています。

山本:ドラマは女性用風俗を描いてるんですけど、リリックは困ったときに助けてくれる存在を男性側の目線で表現しているんです。今すぐに駆けつけてあげるとか、待っててねとか、話を聞くからねとか、本当にやさしく接してあげている。

――本当の気持ちを偽ったり、自分を隠して過ごすことで心苦しくなっている女性に“ありのままでいいよ”と伝える、いたわりソングとも言えるかも。

山本:そうなんです。「マジ、気合い入れて頑張れよ!」というような応援歌じゃなくて、「辛いよね?」って寄り添う感じ。サビに出てくる《足早にうごめくTokyo》とか、リリックには世の中のもどかしい感じが描かれていて、辛さをわかってる人が応援してくれる感じがあるから、より共感しやすいんじゃないかと思います。

――《頑張ってもびくともしない日常》というフレーズも共感度が高いと思いました。

浦川:わかる! もどかしさがすごくありますよね。

山本:そこ、めっちゃ好きです。

――自分たちにもそんなふうに感じる場面はありますか? 

LIKIYA:貯金かな。がんばっても全然増えない(笑)。びくともしない(笑)。

鈴木:二日酔いになってもお酒をやめられないとかね。もう飲まないとか言ってるのに飲んじゃう。そんな自分の生活がびくともしない(笑)。

浦川:俺は、弟だね。風呂に入れって毎日言ってるのにびくともしない(笑)。全然風呂に入ってくれないです。

――風呂キャン界隈ってことですか?

浦川:完全に風呂キャンです。この前なんて唐揚げが揚げられそうなくらい頭の上がベタベタしてましたから。愚痴でしかないですけど、アイツ、マジでびくともしない(笑)。

――音楽制作面でそんなふうに感じる場面もありますか?

神谷:いろんなレッスンに通ってるんですけど、レッスンを受けたときは変化があって、「いいな、またこの歌い方で歌ってみたい」となるんですけど、自分の好きな歌と歌える歌って別物なんですよね。自分で制作すると自分のいいところをなかなか出せなくて、めっちゃ頑張ってるんですけど、じれったい。理想と現実の間のびくともしない溝を早く埋めていきたいですね。

――3曲目「MY PRIDE」はFANTASTICSの木村慧人主演ドラマ『レッドブルー』主題歌として昨年配信リリースした楽曲です。メンバー5人で作詞しましたが、どんな気持ちを書いたんですか?

山本:これはMA55IVEの王道といえる“To The Top”系です。「Determined」から始まり「No.1」もそうですし、基本僕らはTo The Topしてるので、こういう歌詞は書きやすい。劣勢をはね除けて強くなっていくんだとか、現状を打破していくんだとか、何度でも立ち上がるんだとか、そういう気持ちを歌った曲ですね。

LIKIYA:ドラマが総合格闘技を題材にした漫画の実写化だったので、リリックには格闘技にまつわるワードをちりばめました。《リング》とか《ゴング》とか《Jab & Kick》とか。

鈴木:ドラマのタイアップで作りましたけど、MA55IVEの思いも乗せやすかったですね。上をめざしていこうよっていう曲なので、目標に向かって頑張っている方に聴いてもらいたいですし、それこそ格闘技をやっている方に登場曲にしてもらえたら嬉しいです。

――4曲目の「イルミネーション」は昨年12月に配信リリースされた楽曲で、初のウィンターソングになりました。

浦川:ファンの方に向けてクリスマスプレゼントになる曲を作りたいねというところから制作が始まったんです。クリスマスといえば何だろう?っていうところで、いろいろワードを探していって、結局タイトルは「イルミネーション」に落ち着きました。

神谷:これはタイから帰国して、成田空港からそれぞれの自宅に向かうまでの車中で歌詞の原案ができたんです。5人のグループLINEで、どんな世界観かな?ってやりとりしたときに、YAMASHO(山本彰吾)が具体的なイメージを持っていて、主人公はこういう人物で、こういう車で迎えに行って、みたいな。それって白馬の王子様系?とか言いながら(笑)、みんなでストーリーを作っていったんです。

――成田から都内ということは1時間強くらいでベースとなる設定ができた。

神谷:そうです。で、僕が歌い出しのサビ担当になったんですけど、イメージを膨らませていったときに表参道のイルミネーションが浮かんで。あれって光のトンネルじゃないですか。そこから“イルミのトンネル”っていうフレーズを思いついたんです。

浦川:ずっと季節曲を作りたいと言ってたんですよ。これで冬に歌える曲ができました。

――今回のシングルはチルでメロウな楽曲が多く、またひとつ新たなMA55IVEの魅力を打ち出した作品になったと思います。その点について、どんな手応えを感じていますか?

鈴木:アプローチの仕方が今までと違う楽曲が多いので自分たちの幅が広がったし、それこそ、いろんな人とコラボしやすくなったんじゃないかと思います。シンガーの方もMA55IVEとコラボしたいと思っていただけるような一面を出せたかなと。

浦川:こういう楽曲がレパートリーに加わったことでセトリの展開が増えるし、ライブの可能性も広げたかなと思います。僕たちはトレンドに乗り遅れないよう時代の波をサーフィンしているので、それを具現化して作品に落とし込めたことは良い流れだなと思ってます。

LIKIYA:今回の側面は、Crystal Kayさんと絡んだことで引き出されたものという感じです。MA55IVE UNION Projectが始まったことで今後もっといろんな引き出しが開いていくと思っているし、誰とやるかによって全然変わってくると思う。この先、どんな自分たちの引き出しが開くのか、自分たちでも楽しみです。

――今回のシングルのLIVE盤には、昨年8月に開催した「MA55IVE THE RAMPAGE 1st LIVE TOUR 2024 “M5V”」のZepp Haneda公演の模様をDVD/Blu-rayで収録。その音源もライブアルバムとして配信リリースされました。見どころや聴きどころを教えてください。

鈴木:ツアーで初めて披露した5人それぞれのソロ曲ですね。この映像やライブアルバムでしか聴けない曲になっているので、映像や音源を通してソロの世界観をみなさんに感じてもらいたい。

山本:あと、今回のライブ映像はTHE RAMPAGEでもタッグを組んでいない、新しい映像チームで作ったんです。なので、普段、THE RAMPAGEの映像作品を観ている方も全然違う印象を持つんじゃないかと思います。たとえば2階席のお客さんと僕らの盛り上がりを映している映像があったり、ダンスシーンでスローモーションを使った映像があったり、一本の映画を観るような感覚がある。踊っているメンバーの足元だけという新鮮なアングルの映像もありますから。当日会場にいらっしゃった方も当日とはまた違うライブ体験ができると思います。

――5月19日には初の主催イベント「MA55IVE BASE presents UNLIMITED 01」がZepp DiverCityで開催されます。どんなイベントにしたいですか?

LIKIYA:これはMA55IVE UNION Projectの起点になるイベントだと思っています。「MA55IVE BASE」という番組で生まれた繋がりをもっと深くしていきたいし、ここからさらに横の繋がりが生まれて、僕らの可能性が広がるイベントになればいいなと思ってます。

浦川:アーティスト界隈でも「アイツらなんかオモロイことをやってるじゃん!」って噂になるようなイベントにしたいですね。自分たちはもともとはパフォーマーですけど、ちゃんと音楽やってるじゃん!っていうことを伝えたい。

――今回は“01”とナンバリングされていますが、第2弾、第3弾の開催も考えているんですか?

LIKIYA:そういう意味で01とつけたんです。今後もっと回を重ねて、LDHの垣根も越えて、いろんな方々と繋がる場所をこのイベントで作れたらなと思っています。

浦川:西川貴教さんの「イナズマロックフェス」や、氣志團さんの「氣志團万博」、10-FEETさんの「京都大作戦」のように、長く続くアーティスト主導のフェスにしていきたいんですよね。どんどんデカくして、いろんな人が集う基地にできたらいいなと思います。

――MA55IVE UNION Projectは今後どのように展開していくんでしょうか?

山本:第2弾、第3弾と続いていきます。今年の後半もMA55IVE UNION Projectを通して作品を届けられるよう、今、絶賛制作中ですから。リスペクトするレジェンドから今人気の同世代アーティストまで、いろんな方とユニオンしていく予定です。

神谷:このプロジェクトでMA55IVEひとりひとりの音楽性がより濃く出て行くことになるんじゃないかと感じています。MA55IVE UNION Projectを続けていくことで自分たちにもっともっと振り幅が生まれると思っていて。今回は歌モノにアプローチすることができたぶん、次はめちゃくちゃゴリゴリに尖るかもしれない。乞うご期待っていう感じです。

浦川:憧れがあるんですよ。ラッパーの方ってフィーチャリングでいろんな作品に参加して、そこでいろんな化学反応を生んできた。今まで自分たちはリスナーとしてそれを楽しんできましたけど、今後は自分たちがそれを生み出せるようになりたいんです。フィーチャリングすることで、コラボ相手のファンの方たちをも巻き込んでいけるくらいの存在になりたい。言わば自分たちは台風の目。デカい渦を起こして周りを巻き込んで、その中心の晴れたステージで一緒にコラボして、みたいな。そのサイクロンをどんどん大きくしていきたいんです。その1発目として今回の楽曲があるし、イベントがあるし、今後もこの動きを続けていくので、これからの動きにも注目してもらいたいです。ここからのMA55IVEは伸びしろしかないと思っています。

インタビュー・文/猪又 孝
撮影/高田梓

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