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【GENIC】2年ぶりの2ndアルバム『Ever Yours』全12曲メンバー解説!!

2022.07.08
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7月6日に、2年ぶりの2ndアルバム『Ever Yours』をリリースした、男女7人組ダンス&ボーカル・グループGENIC。2021年初頭からリリースされてきた楽曲と新曲によって構成されているアルバムは、まさにこのコロナ禍でメンバーたちが歩んできた道のりの集大成になっています。バラエティーに富んだこのアルバムについて、メンバーの皆さんにお聞きしました!


2年間の経験と成長、これからの可能性が詰まったアルバム!


──今回のアルバムは『Ever Yours』というタイトルですが、これにはどんな思いが込められているんでしょうか?
 


西本茉生 『Ever Yours』という言葉は、親しい間柄で交わされる手紙の結び文句に使われる言葉で、このコロナ禍の2年間に、手紙をしたためるように制作してきた、メッセージ性の強い楽曲とか、この夏を楽しく乗り切れるような楽曲が詰まったアルバムになっています。
 
──2021年2月に配信された曲から、このアルバムで初公開となる新曲までが収録されていますよね。アルバム自体の制作期間というと?
 
西澤 呈 新曲に関しては1~2ヵ月かけてレコーディングしたんですけど、他の曲についてはシングルで出し続けていたもので、ゆっくりゆっくりと作り溜めてた作品をギュッと集めたものになっているので、制作期間としてはコロナ禍から今までずっと、という感じですね。
 
──アルバム全体で、すごくバラエティに富んだ楽曲が詰まっている印象がありました。また、2年前のデビューアルバム『GENEX』と比べると、小池さんと西澤さんが制作に関わった楽曲がすごく増えていますよね。
 
小池竜暉 この2年間で曲を作り溜めてきたというか、何曲もできてきた中で、振り返ってみると「あ、ほとんどの曲をやってたね」という感じですね。この環境をすごくありがたく思っていて、呈と一緒にやることもあれば、それぞれで作業を進めることもあるんですけど、メンバーの思いを汲み取って自分たちの楽曲に落とし込めるというのは、すごい強みだと思うんですよね。その色が濃く出ていて、そこを自分たちの強みとして出していけるアルバムになったんじゃないかなと思います。
 
西澤 僕は作詞・作曲だけじゃなくて、アレンジもやらせていただけることが多くて、とてもうれしいです。僕はEDMとかダンス系、竜暉君がバンド系の曲を主にやっていて、お互いにジャンルが全く違うので、逆にバランスよくやれているという感じですね。
 
──お2人が作詞をされる段階で、「ここはこのメンバーの歌で」というイメージがあるんですか?
 
西澤 ありますね。僕は今回、「ジリジリSUMMER」という曲を作らせていただいたんですけど、これは「この人にここを歌ってほしいから、こういう歌詞にしよう」という感じでメロディーと一緒に書いていったので、できた段階から決まっていました。
 
小池 今回の新曲で言うと「夏の聲」という曲は自分の個性を強く出した曲で、どちらかというとメロディーをメンバーに割り当てたというか。歌詞というよりはメロディーの歌いやすさで当てはめていったという感じです。曲によっては、「こういう歌詞を書いたら女子メンバーに合うだろうな」とか「男子メンバーにこのラップを歌ってもらったらカッコいいだろうな」というのを想像しながら書いたりはします。

──出来上がってみて、アルバム全体としてはどんな作品になりましたか?
 
金谷鞠杏 バラエティという部分では、「ジリジリSUMMER」みたいに、コロナ禍の中でも明けてからでも楽しめる楽曲がいくつか入っていますし、クラップメインの曲があったり、女子曲・男子曲が増えたり、ダンス&ボーカルグループがバンド曲を歌うという新しい取り組みもあって、全体的に「チャレンジ」の要素がすごくあります。その意味では、竜暉と呈君の2人が作ってくれる楽曲で自分の苦手な場所が分かったりとか、リズムの取り方を考えるきっかけになったりして、技術を上げていく時間にもなったなと思っています。だから聴く人にとっては好きな曲があるだろうし、私たちにとってはスキルアップできる作品になったなという印象です。
 
雨宮 翔 前回のアルバムに比べて、各々の個性がすごく色濃く出ているアルバムになったなと感じていて。それこそ新曲では僕もけっこうラップをやらせてもらったりとか、挑戦した部分もたくさんあったし、自分の中での成長だったり、この2年間で培ってきたものがすごく見えるアルバムになったなと感じています。
 
増子敦貴 僕はGENICが始まる前は、アルバムというものを「単に曲が何曲か入っているだけのもの」としか思ってなかったんです。すでに配信されているものばかりなのに、どうしてそれを改めて詰めて出すんだろうと思っていたんですけど、改めて『Ever Yours』として聴いたら、「これで一つの作品なんだ」というのをすごく感じました。曲の順番とかバランスとか、いろんなところにアルバムとしての作品の色が入っているのかなと思って。アルバムを受け取ってくれた方は、僕らがどういう思いで作ったのかとかを想像しながら聴いていただくと、より良さが伝わると思います。



小池 先ほど楽曲制作のお話をさせていただきましたが、自分たちで作れるという環境がすごく多くなって、1stアルバムよりも関わらせていただく部分が増えたんですよね。そういう意味では、自分たちに落とし込んだものを自分たちのものにして表現していくというのは、他のグループではあんまりないところだと思うので、そこにGENICらしさがすごく詰まっていると思います。しかもその中に、1stアルバムでは見せていなかった個性とか、この2年間で培ったものがすごく込められたアルバムだと思うので、これからの可能性にまた期待してもらえるような作品になったのではないかなと思います。

宇井優良梨 最初に茉生君が説明してくれたように、『Ever Yours』というタイトルで、「親愛なるファンの皆さんへ」という気持ちで制作したアルバムなんですけど、バラードっぽい優しめの曲だったり、ちょっと攻撃的な曲だったりと、けっこういろんなジャンルの曲が入っています。それを一つの手紙としてファンの皆さんにお届けして、ライブでも皆さんと喜怒哀楽を共にできるアルバムなのかなと思います。
 
西本 僕はすごく温かい作品だなと思っていて。この2年の間に、ファンの皆さんへの「ありがとう」という気持ちをすごく込めた楽曲だったり、これからの可能性を感じられるような、キラリと光るものも感じてもらえたり、受け手によって受け取り方が全然違うというか、違う楽しみ方ができる作品になったと思います。

西澤 いい意味で新しい風が吹いた曲もたくさんありますし、いろんな新しいGENICを見られる楽曲が、今回のアルバムにはたくさんあるんですね。でもそれだけだと、昔から応援してくださっているファンの方とか、昔からGENICを知ってくださっている方が「変わってしまった」と思われるのも少し寂しい気持ちがあるんですけど、このアルバムは変わらないGENIC、そのままのGENICも聴けると思うんですよ。だから新しいGENICと変わらないGENICを一緒に聴けるようなアルバムになっているので、昔からのファンの方も新しく聴く方も、安心して楽しく聴ける作品かなと思っています。
 
 
ライブではみんなで楽しみたい「ジリジリSUMMER」!
 
 
──ここからは収録曲について1曲ずつ、「この曲は自分がしゃべりたい!」という方に話していただきたいと思います。まず1曲目は「FUTURES」。2021年2月に配信されていて、今回の曲の中では最も早い時期の曲ですね。
 

西澤 じゃあこれは僕が。楽曲って歌えば歌うほど、歌詞が「言葉」じゃなくて「口の動き」になってしまうところが若干あるんですよね。だから「歌詞を歌っている」というよりも「音声を発している」という感覚になっちゃうんですけど、この前ふとした時に「FUTURES」の歌詞を思い出したら「メチャクチャいい歌詞だな」と思っちゃって。その時に、「こんなポップな曲調でキレのある言葉なのに、すごく深いことを言ってるな」と思って、改めて竜暉君はさすがだなと思ったことがありました。
 
小池 ありがとうございます(笑)。そうですね、この曲は春らしさの中に、それこそコロナ禍での自分の感情なんかを盛り込んだんですけど、読み取っていただけて光栄だなと思います(笑)。
 
西本 この曲はライブで成長していった楽曲なんですよね。最初はこんなに盛り上がれる曲だとは思っていなかったんですけど、前回の2ndツアーとかを回る間に「FUTURES」をやることが増えていって、「これはライブでも盛り上がって、定番になれる曲なんだな」ということに気づきました。
 
──この曲にはMVとダンスビデオがありますが、香蘭女子短期大学とコラボしたものですね。
 

金谷 初めて学生とコラボして、同世代の人たちと一緒に作品を作るのはちょっと不思議な気持ちでした。でもこうやって同じ世代の子たちと同じ音楽で楽しめるのは素敵だなあって、改めてビデオを見ても思いますね。それまでは衣装とかも全員真っ白とかだったんですけど、この曲の頃からメンバーカラーも決まっていたので、衣装の色も華やかで。
 
──ビデオの中ではキャンパスライフを楽しんでいるシーンが印象的でした
 
宇井 私と鞠杏ちゃんが登校するシーンとか、教室で勉強するシーンとか、食堂で雑談してるシーンとかを撮ったんですけど、今私は高校生で、「ザ・学生ライフ」みたいな感じに憧れを抱いていたんですね。だから本物の大学で、本当の学生さんたちと一緒に学生ライフを1日限定ですけど送れて、すごく幸せでした。
 
──2曲目は「Shaky Shaky」。2021年6月リリースで、昨年の夏曲ですね。
 

雨宮 この曲は呈が作詞してくれたんですけど、今までにない、大人な夜のGENICという感じで、この曲で一歩前に進んだというか、また新たなGENICの一面が見れたという歌詞ですね。大人すぎず、けど子供すぎない、いい塩梅の歌詞を作ってくれたと思います。またこの曲も一緒に踊れる振り付けがあったりするので、ライブでみんなが楽しめる曲でもあるし、今のGENICに必要なものだったなと感じられる1曲でもあります。

──この曲もMVが制作されて、メイキングも公開されていますね。
 

西本 撮影の時に、「プラス5歳のつもりで」っていう指示があった記憶があります(笑)。ちょっと背伸びするというか、大人っぽさを出せるように意識していました。この曲も、ライブでお客さんも一緒に楽しめるというところが大事なコンセプトだったので、サビの「Shakyダンス」をMVでも強調してやっています。
 
──3曲目は「ジリジリSUMMER」ですが、実際に6月末から「ジリジリSUMMER」が来てますよね(笑)。
 

増子 早かったですよね(笑)。
 
金谷 この曲は、「作れてよかったな」と思って。私が作ったわけじゃないんですけど(笑)。
 
雨宮 どういうこと?(笑)
 
金谷 呈君の気持ちになると、できてよかったなって。この曲は素で楽しめる楽曲なんですよ。他の曲だとカッコよさとか、曲に合わせた雰囲気を出していかないといけなくて、ある程度の世界観みたいなものがあるんですよね。でも「ジリジリSUMMER」はみんなのありのままの姿で、お客さんを巻き込んで楽しめるというのを、最近Live Circuit(リリースイベント)をしていても思います。すごくジャンプするし、すごくタオルも回すし、全力で楽しめる曲なので、できてよかったなと思います。

増子 俺、この曲で思ったことがあるんですけど、作詞とか作曲って、メチャクチャ「人」が出るんだなって。呈らしいというか……すごくまっすぐなんですよ、呈って。それが「♪君を落としに行く~」とかに出ていて、すっごい好青年で。何て言うか……大人っぽすぎなくて、キュン!ってかわいいというか。そういう曲調と歌詞を作れるのが、呈らしくてすごくいいなと思いました。GENICの若さとかフレッシュさを存分に出している歌詞だと思うので、メチャ好きなんですよ。
 
西本 最初にデモが送られてきた時に、「これ、呈だよね」ってすぐ分かりましたから(笑)。
 
──この曲もMVとメイキングビデオが公開されていますが、えらく楽しそうでしたね(笑)。
 

一同 (笑)
 
金谷 えらく楽しかったです(笑)。
 
──オレンジジュースで服を汚してた人もいましたよね。
 
小池 (手を挙げて)はい(笑)。紙パックのオレンジジュースを持ったままロケバスで寝てしまっていて、「あ、着いた!」と思って起きた時に、何かの拍子に右手を強く握っちゃって(笑)。
 
増子 でもメンバーカラーのオレンジでよかったよね。グレープジュースとかじゃなくて。
 
小池 いやいや(笑)。しかも量がすごく多かったんですよね(笑)。
 

新解釈? 「Supersonic」は、実はヘビの歌だった!?


──現場での楽しさはメイキングビデオを見て確認していただくとして、次が「Aventure」ですね。
 
金谷 みんな大好きな曲です。これはもう、広まるべき才能の集大成ですね。あとは竜暉君と呈君、お願いします(笑)。
 
増子 呈に、「今までで一番力を入れた曲って何なの?」って聞いたら、「全部力を入れてるけど、一番は『Aventure』かな」って言っていて。その通りだな!と思いました。
 
雨宮 その話、もうちょっと広げてよ(笑)。
 
増子 この曲はもう、フルパワーですよね。(小池に)どうですか?(一同・笑)
 
小池 (西澤に)フルパワーって言われたら、フルパワーだよね。
 
西澤 そうだね。

小池 ライブパフォーマンスを見ていただけると分かるんですけど、本当にフルパワーで。曲自体も呈のサウンドですごくカッコよくなっていて、GENICの強い意志をすごく表現しているなと思います。他のグループとかもたくさん出てきて焦りとかもある中で、自分たちの自信をさらに深めるようなものにしたくて作った楽曲なんですけど、そういった意味で2人ですごく練っていって。でも、作りながらお互いに「いい曲になる」ということが分かっちゃったんで、テンション上がりながら進めていました。ちょいちょいリアクション動画を送りながら。
 


西澤 僕がオケを作って、竜暉君が返してくれたメロディーがメチャメチャよかったんですよ。でもLINEの文字だとこの感動が伝わらないなと思って、頭振って「メッチャいいよ!」って言ってる動画を撮って送ったんです。そしたら「笑笑」って帰ってきて。動画で返してくれなかったんです(笑)。

小池 こっちも頭振りながら「ありがとう!」って返したら変でしょ!
 
──動画でやりとりしたいんだったら、テレビ電話とかZoomで話せばよかったのでは……。
 
西澤 確かに! 次からそうします(笑)。
 
──この曲のアレンジは西澤さんとJazzin' Parkの久保田真悟さんですよね。久保田さんとの作業はいかがでしたか?
 
西澤 初めて他の人とアレンジをしたんですけど、「あ、そこにそういう音を入れるんだ!」とか「そこにこのベースを足すんだ」とか、自分にない新しい感覚を教えてもらいました。自分で楽曲を作る時にも「久保田さんだったらこういう音を入れるだろうな」とか考えるようになって、すごくいい機会でした。
 
──次は「Supersonic」です。すごくカッコいい曲ですが、歌うのがすごく難しそうですよね(笑)。
 
増子 (小池に)作ったよね?
 
小池 あ、じゃあ作詞した立場から(笑)。これ、裏話になるんですけど、最初に英語で歌っているデモをいただいたんです。そこに日本語の歌詞をつけていった感じなんですけど、この手の楽曲は普段、呈が書いてくれるので、僕がやることってすごく珍しくて。だから僕としてはすごく新しい試みだったんですね。でも、日本語過ぎない日本語を使いながらも、「Aventure」とはまた違った自分たちの強い意志を書きたくて、それを「超音速」にたとえて歌詞を連ねていったという感じです。
 
──もともと日本語の譜割りじゃなかったわけですね。
 
小池 はい。だから僕が日本語で作った歌詞をデモで歌った時には英語っぽい感じで歌って、みんなにもその感じで歌ってもらうようにしました。
 


宇井 個人的に、竜暉君が作り出す言葉がすごく好きなんですよ。今まで聞いたことのない言葉とかフレーズがあって、「あ、そこでそういう言葉を使うんだ!」っていう驚きがよくあるんですけど、特にこの曲では、使われている曲調とか音と、竜暉君の歌詞がすごく合っていると思いました。難しい日本語とカッコいい曲のマッチが聴いていてすごく楽しいし、面白くてカッコよくて、すごいなと。歌詞の中に「天変地異を起こすくらいにAmazeな衝撃波を落とす」というところがあるんですけど、そういうところどころで意志の強さを感じるような楽曲ですし、ダンスの振り付けもメチャクチャカッコよくて、見入っちゃうような曲になったと思います。
 
小池 最後の「いつだって標準は君さ Supersonic」というところで、あっちゃん(増子)に落とされていただければ。
 
増子 あのヘビみたいなところ?
 
一同 ヘビ!?

増子「Supersonic」のところ、「スーパースネ~~~ック」っていう感じで、僕はほぼ「Super Snake」って歌ってるんですよ。そこ注目です。
 
一同 (笑)
 
増子 それぐらい、ヘビのように鋭いっていう、ね?(小池に)
 
小池 いやいや!(笑)
 
増子 君の心の中に(両手でアクションを交えながら)シューッと突き進んでいく、っていう感じで歌ってます。
 
──新しい解釈が生まれたところで(笑)、次は「We Gotta Move」ですね。今年の2月に配信された曲です。
 

西本 配信曲を決める時に何曲かデモをいただいたんですけど、みんな顔を見合わせて「これだよね」って即決したような曲です。この曲の前までがGENICの第1章で、この曲からが第2章というか、僕の中ではそういうイメージを持っていて、この曲をきっかけに次が始まったなという作品ですね。サビを通じてみんなで一緒に踊れる楽曲というのも、今までそんなになかったですし、ライブでも盛り上がるのは間違いなくて、日本人ならみんなが好きなメロディーを持った曲なのかなと、すごく思いますね。
 
──この曲のMVもよかったですが、それ以上に、YouTubeの「GENIC HOUSE」での「歌い切り企画」でこの曲が使われていましたね。ワンフレーズ一人ずつ、かぶらずにワンコーラス歌い切るまで終われないという。あれはお疲れ様でした(笑)。
 

西澤 あの収録の日は、もう「We Gotta Move」は聴きたくなかったですね(笑)。
 
増子 結局2時間半だっけ?
 
西本 そうそう。142回目で達成(笑)。
 
──動画で見られるのは編集されたものなんですが、最後まで楽しそうにやっていてすごいなと(笑)。
 
西本 途中から脳がバグりましたね。
 
西澤 何でも楽しくなってきちゃったよね(笑)。


男子曲・女子曲で新たな発見と刺激が!


──7曲目は「春うらら」。こちらはTVアニメ「フルーツバスケットThe Final」のエンディングテーマで、MVもアニメの映像になってますね。
 

増子 (小池に)作ったよね?
 
小池 作詞だけだけどね(笑)。原作を見させていただいて歌詞を書いたんですけど、単に「フルーツバスケット」の要素だけを入れ込んだんじゃなくて、やっぱりそれをGENICに落とし込まなきゃなというのをすごく思ったので、その調和が一番難しかったなあというのを個人的に思いました。この曲は初めて編曲もさせていただいたんですけど、壮大にしすぎても違うし、音数が少なくても違うしで、そこのバランスを取るのに苦戦しました。でも、いいものができたんじゃないかなっていうのは、個人的に感じてます。
 
──それだけ関わった曲が、アニメMVになったり、実際にTVでオンエアされたのを見た時はいかがでしたか?

 
小池 感動しましたね。「フルーツバスケット」って、すごくたくさんの方に見ていただいてる作品だと思うので、そこで自分が作ってGENICのみんなで歌っている楽曲が流れるというのはすごく新しい体験で、これからもこういう体験をしていきたいなと思いました。
 
──次は「夏の聲」ですが、まさにJ-POP!という楽曲になってますね。こちらは?
 
増子 (小池に)作ったよね?
 
西澤 (小池に)作ったよね?(笑)
 
小池 確かに僕が作ったんですけど(笑)。初めてゼロから作らせていただいた作品でして。呈と一緒ということはありましたけど、1人でゼロから作るというのは初めてで、自分の“好き”を詰め込みました。やっぱり、自分が得意としている「ザ・J-POP」というか、邦ロックというか、それが色濃く根付いてる人間なので、「これをGENICに落とし込んだらどうなるんだろう?」というシンプルな疑問というか、ワクワク感もあって。でも、GENICに歌ってもらうとやっぱりGENICになるんだなっていうのも思って、すごく可能性を感じた作品になりました。
 
宇井 この曲は好きなんですけど、歌うのがすっごく難しくて。レコーディングとかも苦戦したことがたくさんあったんですけど、歌詞を読んでいた時にふと気付いたのが、「この曲、英語を使ってない!」ってことだったんです。
 
──あ、確かに!
 
宇井 日本語だけで作り出されている楽曲で、聴いてても全く違和感なく、スッと耳に入ってくるような歌詞で、さっきも言ったんですけど竜暉君の作り出す言葉の重みだったり深さだったり、あと本当にシンプルに日本語の良さが出てる楽曲だなと思いました。
 
──次は「U&I」です。これは男子曲のミディアムバラードですね。
 


金谷 私は歌ってないんですけど(笑)、メンズのパフォーマンスを正面から見た時に、正直感動したんです。「GENICのメンズたちって、こんなに素敵なのか!」と本当に思って。いつも一緒にステージに立っていると、一緒に作品を作る仲間という位置づけになるので、ファンの立ち位置から見ることってないじゃないですか。ライブのリハの時とか、本番の前のゲネプロの時とかに見たら温かい気持ちになったし、竜暉君と呈君、2人が曲を作る強みって、聴く人によっていろんな受け取り方ができる言葉とか音を選べることだなと思っていて。押しつけではなくて、聴いた人の経験とか想像から、その人が感じられることがいっぱいあると思うんですよね。その部分では2人の良さも出ているし、それを包み込むように他の3人のメンバーが一生懸命パフォーマンスしている姿に、すごく惹かれました。
 
──なるほど。
 
金谷 一番好きなのが、「僕はこの愛で君を守る」というところで、「僕しか持ってない愛で君を守るよ」というのが素敵でした。
 
宇井 一緒のグループとして活動できていることを誇りに思いました(男子メンバー・笑)。男子曲ですけど、この人たちと一緒にやれているってすごいなって思って。私たちは本番を正面から見ることはできないんですけど、リハーサルを見ていたら「あ、アーティストだ……」ってすごく思ったんです。普段は一緒にステージに立っているので、初めてアーティストとしてパフォーマンスしているメンバーを目の前で見て、衝撃でした。当たり前なのかもしれないんですけど、ものすごくビビビッと来て、「あ、ファンの人からはこう見えているんだ」と思って。私が普通にこの5人のグループを見たら、絶対ファンになっちゃうだろうなっていうカッコよさと色気と爽やかさを持ち合わせた楽曲と、5人のパフォーマンスになっているので、すごく素敵だなと思いました。
 
──次は女子曲の「My BABY」ですね。
 
金谷 この曲は先輩に当たるFAKYのLil’ Fangさんに作詞してもらった曲です。これまで、ステージ上で共演する以外は先輩との交流ってなかったんですけど、Lil’さんは一人一人に合うディレクションの仕方をしてくれて。分かりやすい言葉を選んでくれたり、「私だったらこう捉えるんだけど、どう思う?」という感じで私たちの意見を汲み取った上でのディレクションだったので、すごく勉強になりました。それに、Lil’さんとのコミュニケーションが生まれたことで、プライベートでも連絡を取り合うようになって、「頼れるお姉さん」という感じで距離が縮まった機会でもありました。
 


雨宮 女子2人が作り出す世界観はやっぱり男子にはないものがあるから、7人の時でも彼女たちがいることですごくキレイに見えたりとか、華やかさが出たりするんですけど、この曲は2人だけで歌うということで、一気に5人いなくなるわけじゃないですか。でも、人数が一気に減っても2人が作り出す世界観は軽減されなくて、やっぱり大きいんですよね。曲調や踊りの振りからも妖艶なしなやかさが見えて、「この2人がGENICにいるんだな」って思ったら、尊敬できるしうれしいし、よかったなとすごく思いました。同時に、僕らも頑張って追いついていこうという気持ちにも、改めてなりました。
 
──男子曲、女子曲があることで、お互いに認識を新たにしたり、刺激を受けたりしたわけですね。
 
宇井 私としては初めてのジャンルの曲で、どう歌ったら大人っぽくカッコよくなるのかなって、いっぱい研究しました。研究して練習すると、いろんな発見もあったし課題も見つかりましたし、ダンスの面で言うと7人から2人になって、ステージがすごく広く感じるんですね。でもその空間をどれだけ自分たちのものにするかっていうのを考えながらパフォーマンスしていて、2人だからこそできるちょっと複雑な構成だったりとか、2人の息が合ってないと成立しない振りだったりもあるので、その面では阿吽の呼吸みたいなものが、前よりもしっかりできるようになったなって思いました。
 
 
ツアーファイナルのZepp Divercityは大きな挑戦!
 
 
──次は「まわりみち」。これもリリースは去年の夏で、夏らしい1曲になってますね。

西澤 これは僕が作らせていただいたんですけど、僕はカントリーミュージックが好きで、よく聞くんですね。で、ダンス&ボーカルグループでカントリーをやっている人って、どこにもいないなと思って。海外を探しても、カントリーのミュージシャンはみんなバンドでやっていますし、それで踊っている人って1人もいなくて、それをGENICが一番最初にやっちゃおうと。それでカントリーとダンスミュージックを融合させた楽曲を作りました。

──確かにその組み合わせは斬新ですね。
 
西澤 作っている中で一つ、「まわりみち」という言葉が僕の中で浮かんだんですね。お風呂に入っている時、「GENICって、どうやったらみんなで一緒に上に行けるのかなあ」とか考えてたら、ふと「回り道するのが一番の近道」っていう、昔何かで見た名言みたいなのがポッと思い浮かんで。そこから「♪回り道したって Be alright」という歌詞とメロディーが一緒に降りてきたんです。もう髪の毛もグチャグチャなまま部屋に戻ってメモして、そこからできた楽曲です。応援メッセージソングみたいな感じなので曲と一緒に成長していって、今のGENICが歌うのと、将来GENICが東京ドームに立って歌う時に出せる説得力の違いみたいなものも見てみたいと思いました。
 
──この曲のMVは、ライブのバックステージの映像になっていますね。こちらも楽しそうです。
 

雨宮 1stツアーの時ですね。
 
金谷 これは実際に呈君がカメラを回してオフショットを集めてくれたものを、リリックビデオにしたものです。スタッフさんが撮るのとメンバーが撮るのとではまた違って、メンバーだからこそ見られる近い視点があるので、出来上がったものを見た時に「ステージが終わった後、みんなこんな顔してるんだ」とか「ステージに行く前、メッチャ緊張してるな」とか、逆に「本番前なのに余裕だな」みたいな場面もあって、そういうのが自分の知らないところで起きているのが見られてすごく楽しかったです。曲自体も、私はけっこう効率を考えちゃう人なので、近道を行こうとするんですけど、そういう時に「まわりみち」を聞くと、「遠回りでもいいか」って自分に言い聞かせられる曲でもありますね。ファンの人からもそういう反響をいただいていて、いい曲だと思います。
 
──そしてラスト、「来たる春」。アルバムの締めにふさわしいスケール感のある楽曲ですね。
 
西本 すごくメッセージ性の強い曲ですよね。コロナ禍中のコロナ禍というじきに、呈と竜暉が2人で制作してくれて、世界中がどうしていいか分からなくて悩んでいた時に、前向きな思いだったり、「負けてたまるか」という気持ちが歌詞や音にも出ているなと思って、すごく好きな1曲です。歌う時も感情が入りやすい曲ですね。

小池 この曲はツイッターで作ったみたいな感じなんですよ。コロナ禍の時期に、「このオケにメロディーをつけてよ」っていうのが、呈から急にツイッターで送られてくるっていう、すごく面白い形で始まりまして。そこから僕がメロディーを返してワンコーラスをまず作り、それをネットにアップして、7人で歌って、フルコーラスも作って……という流れで制作しました。僕と呈はスタジオとか一緒の空間で作ることが多かったんですけど、初めてリモートで作るというのを経験しましたし、コロナ禍で募る思いもたくさんあったので、そういう意味で『Ever Yours』の締めくくりとしてすごくいいものになったんじゃないかなと思います。
 
──以上12曲、詳細に語っていただき、ありがとうございます。さて、6月からはリリースイベントも行われていて、7月16日から9月11日までは、全国7ヵ所のツアーもありますね。
 
西本 ここまで、メンバーの発言のバランスって大丈夫ですか?
 
──単純な量で言うと、増子さんが少ないと思います。その中でもインパクトは大きいですけどね(笑)。
 
増子 マジですか!
 
西澤> 「作ったよね?」しか言ってないよね(笑)。じゃあツアーの意気込みをどうぞ。
 


増子 まともなこと言えるかな……? そうですね、3回目のツアーなんですけど、僕らにとってはターニングポイントになるといいなと思ってまして、何よりファイナルが、僕らがやってきた中では一番大きいZepp Divercityなんですよ。そこに向かって「Ever Yours」を全国の方々に存分に届けて、最高の笑顔で終われればいいなと思いますね。長尺のライブを各地で2回公演するので、相当自分自身との戦いにもなるだろうし、スケジュール的にはなかなか大変なものになるかなとは思うんですけど、それ以上に、今までコロナ禍の中、支えてくださったファンの皆さんへの感謝の気持ち、「皆さんのおかげでここまで来れました」という気持ち、そして「まだまだよろしくお願いします」という気持ちも込めながら、精一杯全力でパフォーマンスをお届けできたらと思います。構成や演出も、これまでのツアーとは違った面白さもあるので、今迷っている方もぜひ、来ていただきたいですね。
 
──最初自分で心配してましたけど、バッチリじゃないですか!(一同・拍手)
 
増子 え、マジ? 普通じゃない?
 
小池 今日の髪型のわりによかったよ(笑)。
 
金谷 9月11日のZepp Divercityは本当に自分たち的に挑戦なので、GENICのファンの方も、そうでない方も来てほしいと思って、ここまでリリイベをしたりとか、SNSでも発信を頑張ったりもしているので、そこをたっぷり書いてほしいです。
 
──はい、書いときました!(笑) アルバムリリースにツアーと、今年の夏は楽しみが多いですね。ありがとうございました!
 



2nd Album 『Ever Yours』
2022.07.06 On Sale

 
 


『GENIC LIVE TOUR 2022 -Ever Yours-』
2022年7月16日(土) 【愛知】ウインクあいち 大ホール 開場14:00/開演14:30
2022年7月16日(土) 【愛知】ウインクあいち 大ホール 開場17:30/開演18:00
2022年7月31日(日) 【大阪】なんばHatch 開場14:00/開演14:30
2022年7月31日(日) 【大阪】なんばHatch 開場17:30/開演18:00
2022年8月6日(土)  【北海道】PENNY LANE24 開場14:00/開演14:30
2022年8月6日(土)  【北海道】PENNY LANE24 開場17:30/開演18:00
2022年8月20日(土)  【広島】BLUE LIVE HIROSHIMA 開場14:00/開演14:30
2022年8月20日(土)  【広島】BLUE LIVE HIROSHIMA開場17:30/開演18:00
2022年8月21日(日)  【福岡】電気ビルみらいホール 開場14:00/開演14:30
2022年8月21日(日)  【福岡】電気ビルみらいホール開場17:30/開演18:00
2022年8月27日(土)  【宮城】SENDAI PIT 開場14:00/開演14:30
2022年8月27日(土)  【宮城】SENDAI PIT開場17:30/開演18:00
2022年9月11日(日)  【東京】Zepp Divercity 開場14:00/開演14:45
2022年9月11日(日)  【東京】Zepp Divercity開場17:45/開演18:30
※開場・開演時間は変更になる可能性がございます。予めご了承ください。


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高崎計三
WRITTEN BY高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。

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