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【ナナ週連続インタビュー第6弾!】「へんな味」しか好きじゃない【「°*。:° (*'∀`*) °:。* ぴかりんFUTURE °*。:° (*'∀`*) °:。*」(椎名ひかり)】

2021.06.25
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音楽
インタビュー
大森靖子さんデビューナナ周年記念ナナ週連続インタビュー、いよいよ終盤の第6弾! 今回は椎名ひかりさんに提供した「ぴかりんFUTURE」について。大森さんの楽曲提供の歴史でもわりと初期にあたるこの曲に関して、当時の制作状況はもちろん、そこから6年が経過した今、自分で歌うにあたってどういう心境が芽生えたのか? などを伺っています!

「わりとすぐにできた曲。ヤンキーっぽいイメージの子だと書きやすい(笑)」



──ナナ週連続インタビュー、第6回となりました。今週は椎名ひかりさんに提供した「ぴかりんFUTURE」について伺えればと思います。
 
大森 「ぴかりんFUTURE」は、たしかまだあまり曲の提供とかをやったことのない時期にオファーしていただいたんです。なので、誰かに曲を書けるっていうだけで、楽しくてしかたなかったのを覚えています。
 
──収録されたミニアルバムのリリースが2015年8月ですね。もともと椎名さんが大森さんのファンで、大森さんのライブの楽屋で挨拶したのがきっかけとか。
 
大森 そんなこともありましたね。そのときすでに音楽活動も始められてたと思うんですけど、どちらかというと、「Popteen」に面白いモデルさんが出てきたなっていう認識のほうが先にあったかもしれない。
 
──大森さんの頃の「Popteen」は、菅野結以さんとか益若つばささんとかですもんね。
 
大森 そう、私の世代だともっとギャル寄りだったんですよ。その「Popteen」に椎名ひかりちゃんとか越智ゆらのちゃんとか、ロリっぽいというか、ちょっと甘い系?な子たちが出てきたのが新しいなと思って。たしか当時、椎名ひかりちゃんがオタクとプリクラを撮りにいくっていう活動をしてて、「ちょっと接触しすぎじゃない?」とかインターネットで言われてたんです。でも私は、「あ、この人は心の距離感がギャルなんだ。すごくかわいい!」と思ってたんですよ。そんなタイミングだったので、オファーも嬉しかったですね。
 
──タイトルが「ぴかりんFUTURE」ですが、彼女の名刺代わりの曲を作ろうという感じでしょうか。

大森 ライブで盛り上がる曲にしたいっていうのが大きかったですね。かわいくて、なおかつ暴れる、みたいな。わりとすぐにできたんですよ。ヤンキーっぽいイメージの子だと書きやすい(笑)。私自身、かつて進学校ヤンキーみたいな存在だったので。

──大森さんは学校指定のカバンにチェーンを巻いてたんですもんね(笑)。
 
大森 そうそう(笑)。ちょっとスレてたり、アナーキーな部分があって、でもなにかやりたいっていう衝動に満ちてる人の曲は書きやすいですね。自分に似ているので。
 
──椎名さんにも通じるものを見た、と。「愛されることが趣味でお仕事なの」とか、「愛がない人がかわいいを決めないで」とか、随所に出てくる「愛」という単語の使われ方が印象的です。
 
大森 さっきの話ですけど、「自分のことを好きなオタクと一緒にプリクラを撮って、いったいなにが悪いんだろ?」って思ったんですよ。だって、それが趣味の人じゃないですか。でも、そのことがけっこう前衛的だった気がするんです。写真集とかではロリっとしてかわいいところを出しつつも、ギャル雑誌でははっちゃけて自分の好きなことを表現する。どちらの「かわいい」も自分には必要、っていうのが。「自分のためのかわいい」と「人のためのかわいい」って二極化されがちなんですよね。どちらかにしろって言われたり、どちらか一方を追求しても、いろいろ言われたり。でも、「両方、おもいっきりやっていいでしょ」と私は思ってて、椎名ひかりちゃんもそれを体現していたから、すごく感動的だったんです。


「今の自分なら、『魔法少女』だってもうできるなって」



──「田舎の林檎」と「都会の林檎」っていうフレーズも耳に残りますね。
 
大森 私自身、東京に生きるっていうことと向き合ってた時期で、いろいろ考えていたんですよね。東京の街をつくってる人って、実は田舎から来た人だったりするじゃないですか。東京で育った人だと、逆にそんなに気どってオシャレとかしない人も多かったりして。で、田舎から来たいろんな人の「ここで輝きたい」っていう欲望が街になって、その一瞬を切り取ったのが、今のトレンドだったりすると思うんです。だから、「田舎の林檎」をかじってトレンドみたいなものに自分をハメ込んだ人が「都会の林檎」をかじってしまうと、いきなり裸の状態になるっていう。
 
──トレンドという服を脱がされてしまう。
 
大森 その学校制服みたいな感じも好きなんですけどね。でも、「都会の林檎」をかじるとトレンド以外の部分が個性になるというか、制服を脱がされてその人自身が試されちゃう感じがあって。
 
──そのことを踏まえると、「季節限定へんな味」っていうフレーズも味わい深いですね。
 
大森 これ、ホントに季節限定味のチョコレートを食べながら書いたんですよ(笑)。私、コンビニの夜勤を5年間やってて、当時はこんなにムダな時間もないと思ってたんです。牛乳パックとずっと見つめ合ってたときとか(笑)。でもいま考えると、歌詞とかを書くのにけっこう役立ってるかも。とにかくヘンな味のものがよく入ってきたんですよ。でも、へんな味でも、「ガリガリ君のこの味、めっちゃハマった」とかあったりするじゃないですか。
 
──コーンポタージュ味とか。
 
大森 ありましたねえ(笑)。「さすがにこれは合わないだろう、と思ったら意外と……!」みたいな。そういう感じを書きたいなと思って。人と人との関係もそうじゃないですか。「こいつへん」って見た目でバカにされたり、学校でめっちゃイジメられてたみたいな人が、でも、人とのマッチングによって、「おまえ、めちゃくちゃ最高じゃん!」って愛されて生きてるってこと、ありますよね。
 
──特に大森さんはそういう「へんな味」の人を愛するのが上手い気がします。
 


大森 「へんな味」しか好きじゃないです(笑)。いまって若い子とかと向き合ってると、すぐインスタとか海外で流行ってることをやりたがるんです。まあ、そこでやってみてあぶれたり、しんどくなるのもいいんですけど、でもどこかで「で、お前は?」って思っちゃうんですよ。私、見たことないものが好きなので。
 
──ちなみに、コンビニに置いてそうなもので、好みの「へんな味」とかありますか。
 
大森 うーん、なんだろうな……普通にあんことか好きだからな。
 
──全然へんな味じゃない(笑)。
 
大森 なんなら、しかも老舗のほうがいい(笑)。
 
──そこはコンサバという(笑)。「ぴかりんFUTURE」は、椎名ひかりさんの記名性がかなり高い曲となっていますが、今回、歌ってみていかがでしたか。
 
大森 でも、歌いやすいですよ。思ってないことが一つもないので。自分で書いた曲なので当然といえば当然ですけど(笑)。ただ、書いた当時は、自分の持ちうるカラダで表現するっていうのは、イメージが追いついてなかったかもしれない。
 
──「魔法少女」とか。
 
大森 どちらかというと「魔女」っぽいですからね(笑)。でも、突き詰めた孤独みたいなものと向き合っていく女の子って、絶対そんなふうに映るじゃないですか。そこで「魔女」じゃなく「魔法少女」っていう言い方にすれば、ライトに受け取ってもらえて、かつ本質的なことも表現できるっていうことはあるんですよね。いまなら自分でも「魔法少女」でいけると思いました(笑)。
 
──それをちゃんと体現できるのがいいですよね。
 
大森 やっぱりZOCも含めて、いろいろな経験をしてきて、「かわいい」をすることのめんどくささとか、重さとか、いまだにあるエイジズムとか、ルッキズムみたいなものに対して、つべこべ言わずにまずはやりきる大切さっていうのが、自分のなかにプライドとして生まれたんですよね。だから、「魔法少女」だってもうできるなって。あと、音楽家は音楽しかやるべきじゃないっていう考え方が、まじイヤで。自分の活動を自分で狭めたくないんですよ。まず音楽があって、そこの実力についてはきちんと裏打ちされているからこそ「なんでもやってやるよ!」っていうのが、かっこいいスタンスだと私は思っているので。
 
撮影 長谷英史



「°*。:° (*'∀`*) °:。* ぴかりんFUTURE °*。:° (*'∀`*) °:。*」(椎名ひかり)
2021.6.23 デジタルリリース




 

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キャンペーン期間:2021年5月21日(金)~ 2021年7月7日(水)
応募締め切り 2021年7月7日(水)23:59


<7(ナナ)週連続配信情報>
5月19日(水) 「Rude」(新曲)
5月26日(水) 「うんめー」(ゆるめるモ!)
6月2日(水)  「瞬間最大me feat. の子(神聖かまってちゃん)」(相坂優歌)
6月11日(金) 「夢幻クライマックス feat. MIKEY(東京ゲゲゲイ)」(℃-ute)
6月16日(水) 「EIGAをみてよ」(道重さゆみ)
6月23日(水) 「°*。:° (*'∀`*) °:。* ぴかりんFUTURE °*。:° (*'∀`*) °:。*」(椎名ひかり)
6月30日(水) 「GIRL ZONE」(雨ノ森 川海)
 
<アルバムリリース情報>
タイトル:PERSONA #1(読み:ペルソナシャープワン)
発売日:2021年7月7日(水)
 
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九龍ジョー
WRITTEN BY九龍ジョー
ライター、編集者。大森靖子の著作『超歌手』『かけがえのないマグマ 大森靖 子激白』(最果タヒと共著)をはじめ、編集を手がけた書籍・雑誌・メディアなど多数。最近はYouTubeチャンネルの監修も。著書に『伝統芸能の革命児たち』、『メモリースティック』ほか。
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