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【FAKYダンスシングル三部作インタビュー Vol.2(前編)】「ANTIDOTE」Awichとのレコーディング秘話

2019.11.04
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ダンスシングル三部作の第一弾として8月に発表した「GIRLS GOTTA LIVE」のMVが150万回再生を突破。メンバーチェンジ後の初陣を華々しく飾ったFAKYが三部作第二弾となるシングル「ANTIDOTE」を10月18日にリリースした。


引き続きガールズパワーをテーマに作られた今回の楽曲は、グループ初のレゲエテイストを盛り込んだサウンドに挑戦。日本のヒップホップ界でカリスマ人気を誇る女性シンガー/ラッパーのAwichが作詞したことも、すでに大きな話題を集めている。今回のコレオグラフは、ヒップホップをベースにしたラガスタイルとセクシー且つスキルフルなムーヴで人気を誇る$ayakaが担当。MV監督はAwichやANRHCY、Official髭男dismなどの話題作を手掛ける新保拓人が手掛けている。MVのコンセプトは「South Savage」だそうで、荒れ果てた土地を灼熱の情熱で生き抜くような、強く危なくセクシーな女性を表現。撮影中はAkinaがガムを噛むシーンのアイデアを出したり、アドリブでダンスも飛び出すなど現場のヴァイブスは最高だったそうだ。

今回のインタビューは前編後編の2部構成。前編は「ANTIDOTE」に込めた思いやレコーディングエピソードなどを中心にトーク。後編(11/6掲載)は楽曲に「みんな強いふり」という歌詞が出てくるということから5人の内面にフォーカスし、人生でのつまづきや挫折、抜け出せない呪縛や葛藤を打ち明けてもらい、それを解毒する各自のANTIDOTE(=解毒剤)も赤裸々に語ってもらった。「フェイクなふりして、とことんリアル」な5人の生き様がそれぞれの言葉から感じ取ってもらえるはずだ。

——まずは三部作の第一弾「GIRLS GOTTA LIVE」に対する反響や、リリース後の心境から教えてください。

Akina MVのコメント欄を読むと、海外からの反応が多いのも個人的に嬉しいです。世界中で聴いてもらえる曲になっているんだなって。これからもどんどんシェアして欲しいなって思います。

Hina 私にとって「GIRLS GOTTA LIVE」は、FAKYに加わって最初の曲だったのでこれまでのファンの方の反応も気になるし、正直不安でした。だけど、これを機に私の事を知ってくれた方もいたし、「日本にこんなグループあったんだ」みたいなコメントも多くて。前向きなコメントが多い印象だったので率直に嬉しかったし、自信にも繋がりました。



Taki 私も、FAKYに入ることを去年12月にSNSにアップしたとき、ネガティブなコメントも少しはあったから、リリースする前はメチャクチャ緊張していたんです。だから、MVを出したときは気になってコメントを超読んだんです。そしたらTakiが入って良かった、みたいな。いいヴァイブスのコメントが増えていたので安心しました。

——「GIRLS GOTTA LIVE」は、ガールズパワーをテーマに、自分らしく生きていく女性の強さを伝えたいと話していました。

Lil’ Fang ライブで歌っていると、私たちが伝えたいことをかなり受けとめてもらえているように実感します。あと、ジムに行くときに聴いてますっていう声がとても多い気がするんです。今の女性って自分を律する志向が強いと思うんですけど、そういうときに聴いてもらえるというのは、女性を勇気づけたいとか女性にパワーを与えたいとか、私たちが目指しているものは正解だったんだなってひとつの自信にも繋がりました。

——今回の「ANTIDOTE」を初めて聞いたときの印象は?

Lil’ Fang Whooo~!って感じでした(笑)。満場一致で「大好き!」っていう。デモの段階からリハーサルとかでかけて、みんなで踊ったりしてたくらい、メチャクチャ好きな曲でした。

Akina この曲はレゲエ色が強いので、みなさんに新しいFAKYを感じてもらえるんじゃないかって楽しみにしてました。



Mikako デモの時点から♪Oh e oh e oh oh oh♪というコーラスの部分をファンの方が口ずさんでくれそう!っていうイメージが湧いたので、絶対ライブで、この曲をやりたいって思ったんです。

——「ANTIDOTE」はAwichさんの作詞ですが、彼女にはどのような印象を持っていますか?

Lil’ Fang
 今回ご一緒させて頂く前からAwichさんの曲はよく聴いていたんですけど、お会いする前にライブを観させてもらったんです。そしたらもう本当にかっこよくて!生き様を全部楽曲に出せるのがすごいし、アーティストとして大変尊敬しています。

——Awichさんにはどのような経緯で作詞をお願いすることになったんですか?

Lil’ Fang スタッフの方と新曲の作詞を誰にお願いするか話している中で、Awichさんの名前が出てきた瞬間に絶対に書いて欲しいって。私たちの中にある曲のイメージとAwichさんのイメージががっちり合ったんです。実際、届いた歌詞を見たときは、もう完璧でした。

——Awichさんにはボーカルディレクションも行ってもらったそうですが、レコーディングはどうでしたか?

Lil’ Fang Awichさんはブースに一緒に入って、ずっと横から盛り上げてくれたんです。そういうのは初めての体験だったんですけど、私たちの心にとても寄り添ってディレクションしてくれて、「大丈夫?」「ここ、歌える?」みたいな感じで、気持ちの部分でいろんな私たちを引き出していただきました。個人的には、Akinaが今までと違った歌い方をしてるなってすごく感じます。



Akina すごくやりやすかったです。Awichさんはとても気分を盛り上げてくれたので、本当に楽しくレコーディングができました。

Taki そのぶん、LilとAkinaのレコーディングがどんどん長くなっていって。私の時間がなくなっていっちゃったんです(笑)。

Lil’ Fang 自分的に「これ、メッチャいいテイクだったー!」と思って、「よっしゃ!」ってアガってると、後ろでAwichさんが「エイー」ってハイタッチするのを待っててくれるんです。その都度、Whooo!って盛り上がってたら、いつの間にか時間を多めにとっちゃってました(笑)。ごめんね、Taki。

——今回の曲を通じてリスナーに感じてもらいたいことは?

Lil’ Fang 「ANTIDOTE」は自己矛盾を受け入れる強さを歌っている曲だと思ってるんです。誰もが矛盾を抱えながら生きてると思うし、そういう自分を受け入れながら生きていく強さがテーマ。誰もが強くて、弱くて、正しくて、間違っていて。情報量の多い世の中で自分の正解を見つけるのはとても難しいですけど、そうやって迷ったり、悩んだりしている時間にこの曲を聴いて欲しいなって思います。



Hina 私は今回の三部作で「ANTIDOTE」が特に好きなんです。他の楽曲は女の子の強い部分とかキラキラしてる部分を歌ってるんですけど、この曲は心の闇にフォーカスして、弱い部分もあるけど強くありたいっていうことを歌っているから私自身に重なるんです。強さや輝きの裏側にある心の声、誰もが持っている悩みや思い。ダークな部分があるからこそ強くいられると思うし、闇も美しさの一部だと思うんです。そんなメッセージをこの曲で表したいし、皆さんが抱える闇を解毒して強さに変えるきっかけになるような一曲になれば嬉しいですね。

Mikako これは私なりの歌詞の解釈なんですけど、今ってSNSが生活の一部になってますよね。そんな中で、「いいね」をもらいたいからこの写真をアップするとか自分を偽ってSNSの中で生きてる人、そうすることで「いいね疲れ」をしてる人ってたくさんいると思うんです。私は、今回の曲をよくある宣伝文句みたいに「この曲を聞いてください」とは言いたくなくて。「ANTIDOTE」はみなさんに聞いて、感じ取ってもらいたい曲なんです。SNS疲れしている人たちに刺さるものがあるんだったら、それを受け入れてもらって、その人の中にある悪いものとか黒いものをライブ会場で吐き出して欲しい。それを今度は私たちが受け入れるよっていうスタンスでこの曲を歌いたい。「ANTIDOTE」を聴いて、見て、みなさんの中にあるネガティブなものを出し切ってもらいたいって思うんです。

——今後は三部作第三弾のリリースが控えています。それはどのような曲になりそうですか?



Lil’ Fang 「GIRLS GOTTA LIVE」は世の中を生き抜く強さを歌っていて、「ANTIDOTE」は内面の強さを歌っているんですが、次の第三弾は外に出たときの自分に向けて歌っているというか、自分が闘っていくときの原動力になるような強さを歌っている曲だと解釈してます。「GIRLS GOTTA LIVE」はジムで聴いてくれる人が多いようですけど、今回の「ANTIDOTE」はどこで聞いてくれるんだろう?って思うし、3曲とも聞く場面、響く場面が違うはず。だから、自分でも今からリリースを楽しみにしているんです。
 
撮影 長谷英史




 ■「ANTIDOTE」楽曲配信はこちらから
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猪又 孝
WRITTEN BY猪又 孝
1970年、新潟生まれ。音楽ライターとして国産のR&B/HIP-HOP/歌モノを中心に執筆。24時間HIPHOP専門ラジオ局「WREP」に放送作家/ディレクターとして参加中。共著に15人の著名ラッパーが歌詞の書き方を語る「ラップのことば」「同2」(SPACE SHOWER BOOKs)。
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