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新境地!「野田愛実が書くアニソン」というものを表現したい

野田愛実
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新境地!「野田愛実が書くアニソン」というものを表現したい

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5月21日にニューシングル「衝動」をリリースする野田愛実さん。この曲は4月から放送されているアニメ作品『神統記(テオゴニア)』のオープニング曲にもなっています。特にサビの部分は「アニソン」を意識した構成にもなっていて、野田さんとしても新境地を切り拓く1曲。そんな楽曲について、また昨年とこれからのツアーについてなど、いろいろとお聞きしました!

初のアニメOP曲!今までにない作品になったので、ドキドキしました

──野田さんにこのavex portalでお話を伺うのは昨年11月以来となりますが、前回の「明日」はドラマの主題歌でしたが、今回の「衝動」はアニメ『神統記(テオゴニア)』のオープニング曲ですよね。まず、『神統記(テオゴニア)』という作品に関してはどういう印象を持たれて、どう楽曲を作ろうと思ったんでしょうか?

野田 私自身、初めてのオープニングということもあったのですが、作品はバトルものというか、戦いのお話なんだなと。それを一番表現できるオープニング曲というものを任せてもらえるので、主人公のカイが守りたいもののために強くなろうと努力する姿をしっかりと描きたいと思いました。

──アニメのオープニングを歌うこと自体は、以前に1回あったんですよね。

野田 そうですね。『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』という作品の「奇想天外ふしぎをどうぞ」という楽曲だったんですが、あの曲の時は作詞・作曲はしていないので、制作からとなるのは今回が初めてでした。

──ドラマの主題歌は何回も作られていますが、ドラマとアニメでは作る際の気持ちに違いはあるんでしょうか?

野田 ドラマだと、主題歌でもエンディングに流れるイメージが強いのですが、アニメのオープニングは最初に流れますよね。私のイメージだと、アニメのオープニングというのは疾走感があって、作品を最初に盛り上げるという印象があったので、その部分で少し作り方も違うなと思いました。今まで、ドラマはたくさんやらせていただいていたのですが、今回は全然違うタイプの楽曲で、また違った野田愛実を見せられるなというワクワク感がありました。

──実際、楽曲全体に疾走感がありますが、特にサビが途中の「掴みたいものがあるから」のところから加速しますよね。このあたり、アニメのオープニングということをより意識した感じなんですか?

野田 はい。その加速する部分から最初に作っていきました。アニソンっぽさみたいなところを出したくて、最初はそこだけで作っていたのですが、そのまえに「未来の光を~」の静かな部分を入れることで、私が野田愛実として作っている楽曲の切なさみたいなのもちゃんと取り入れられるなと。野田愛実とアニメの楽曲をミックスさせた形のサビになりました。

──だから、野田さんの基本的な作風というかスタイルは維持しながら、アニソンに寄っている感じになっていますよね。

野田 そうですね。新境地というか、「野田愛実が書くアニソン」みたいなものを表現したいなと思って作りました。

──最初はピアノがメインで始まった後、バックのサウンドとリズムが独特だなと感じました。

野田 最初のデモの段階では、私はいつもピアノとアコギでデモを作るので、それでアレンジをしてもらうのですが、今回はA.G.Oさんというプロデューサーの方にアレンジしてもらったんです。ただのバンドサウンドとは違って、少し今っぽい音楽というか、生の楽器と先進的なサウンド感みたいなものを取り入れて欲しく、A.G.Oさんにお願いしました。

──ドラム音も加工されていて、リズムもちょっと変わった感じになってますよね。

野田 そうですね。ピコピコした感じの音が入っていたりして、すごく不思議な世界観が描けていると思います。アニメの作品自体もファンタジーなので、そこでただの疾走感のある、「やってやるぞ」っていう情熱に溢れた楽曲ではなくて、不思議さを表現できていると思いますし、サウンドの今っぽさを入れることですごくアニメともマッチしたんじゃないかなと思っています。

──歌詞は主人公のカイにフォーカスして、彼の心情や状況を表現しているんですね。

野田 はい。この『神統記(テオゴニア)』という作品は、村を襲う亜人種と村人との戦いを描いていて、その主人公、カイは前世の記憶、文明の発展した世界の記憶があるという少年なんですね。彼が前世の記憶を頼りに、その技術を生かすことで戦いながら成長していくという話なので、その部分がサビの冒頭にも出てくる「未来の光を辿りながら」という部分で歌詞とリンクさせています。あとは作品の世界だけじゃなく、何か自分の大切なものだったり、叶えたいもののため、それを守るために強くなろうとする姿が、今を生きる私にとっても、衝動に突き動かされた部分でもあったので、そこを広げて、今を一生懸命生きて夢に向かって頑張ってる人に届けられればなという思いで書きました。

──そういう、誰かに寄り添膨らませていくという意味では、これまでの作品と基本的には通じるものがあるわけですね。

野田 そうですね。作品に寄り添うというのも「寄り添い」の一つですし、さらにその作品を見ていない方にも届ける楽曲でもあるので、皆さんが生きていて日常生活をおくる中で感じることみたいなものにもリンクするように書いていきました。

──先ほど「新境地」という言葉がありましたが、その点での手応えはいかがですか?

野田 出来上がった時には、今までにない作品になったので、ドキドキしたというか、すごく高揚感がありました。さらにレコーディングではまた歌うときの表現の仕方とかが、今までのミディアムなバラードとかとは違ってくるので、どういう風に見せたらこの楽曲がよく伝えられるだろうかというところで、いろんな発見があった楽曲でもあったので、皆さんに届けるのがすごく楽しみな作品になりました。

──こういう曲が加わることで、ライブでの展開も変わってきそうですよね。

野田 そうなんです。私の楽曲を聴いてくださる方は、「明日」みたいなミディアムな曲をしっとりと聴いてくださる方が多いのですが、やはりライブとなると盛り上がるパートも必要なので。今も「奇想天外ふしぎをどうぞ」などのアップテンポな曲も歌っているのですが、そういった部分で、また場面の変わったところを作れる楽曲が増えていくというのはうれしいですね。ライブでどういう反応があるか今から楽しみです。

最近、“衝動”買いしたものとは? 「うれしくて、毎日ぶら下げて歩いてます」

──『神統記(テオゴニア)』は4月11日から放送されていますが、初回オンエアの際はリアルタイムで?

野田 見ました!これまでもドラマの主題歌などありましたが、やはり何度経験しても本当にうれしいです!今回はアニメのオープニングなので、その映像とともに流れるのは初めてで。リアルタイムで観たのですが、すごく楽曲の音やストーリーとハマる絵を書いていただいていたので、それもすごくうれしかったです。あと、少し古代中国的な雰囲気のある作品なので、クレジットの「野田愛実」という文字もそれっぽくデザインされていたところも嬉しかったです(笑)。

──楽曲にも物語にもしっかり合ったオープニングになっていますよね。

野田 すごく愛着を持って作ってくれているなというのが感じられました。サビの最後、「熱く突き動かしてる~」の後に「チャチャッ」っというキメの音があるのですが、そこのところで全員がシュッと集合するみたいなシーンになっていて、「うわっ、オープニングっぽい!」と思いました(笑)。そこから物語が始まっていくという高揚感が、すごくありましたね。

──視聴者の方からの反響についてはどう思いましたか?

野田 今まで応援してくださった方には「新境地だな」と思っていただいて、新しい姿が見られたと喜んでくださってる方もいるし、「あの曲いいね」という声もいただいていました。まだこれから届けていくという段階なので、より多くの人に届けられるように、ライブでも早く披露したいなと思っています。

──制作の段階で新境地だと思える作品がオープニングで放送ということになると、最初はやっぱりドキドキしますよね。

野田 しましたね!(笑) 野田愛実は「ミディアムなバラードで感情を乗せる楽曲」というイメージをやっと確立してきたところではあるのですが、アーティストにはいくつか軸が必要だなとずっと思っていたので、この「衝動」という楽曲が、野田愛実の新たな軸になったらいいなと思っています。

──では、新たなタイプの楽曲に挑んで、その手応えも感じられたと。

野田 そうですね。歌っていてすごく楽しい楽曲でもありますし。ただ、かなり難易度は高いんですよ。この曲、休むところがなくてですね(笑)。自分の中でも歌い方が違う楽曲ではあるのですが、しっかりと高音で張っていって、伸びやかというよりは、気持ちを高めていくような楽曲も歌いたかったので、これからも作っていきたいと思いますし、こういう機会がまたいただけたらうれしいなと思います。

──「アニソン」という部分も意識されていたわけですしね。

野田 「アニソン」というジャンルに入ることはうれしいなと思っていて。子供の頃からアニメは見ていましたし、『鬼滅の刃』あたりから、アニメを見ることがさらにスタンダードになってきているじゃないですか。私もあの作品からまた意識してアニメを見るようになったので、アニメの楽曲を歌うということもすごくやりたかったんです。なので、この楽曲も「アニソン」として見てもらえたらうれしいなと思っています。

──新たな世界でもありますよね。

野田 周りにもアニメがすごく好きな友達がいて、カラオケに行くとその友達がアニソンを歌うので、「いいな!」と思って聴いてたんですよ。そういったこともあって、自分の中にある「アニメの楽曲」のイメージみたいなものを本当にそのまま、それを自分色にして表現した感じですね。

──ただし、生で歌うのはちょっと大変そうでもありますが(笑)。

野田 そうですね。先日、初めて生でパフォーマンスする場があったのですが、「大変だ!」と思いました(笑)。「どうしてこんなに休憩するところがないの? 間奏がないし!」と思って(笑)。2サビからDメロに入るところが本当に休みがなくて、少し笑いそうになるぐらいなのですが、もっと歌い込んでいけばさらにパフォーマンスの精度も上がってくると思うので、これからどんどん練り上げていきたいなと思います。

──今回のタイトルは「衝動」ですが、最近、野田さんが思わず衝動買いしてしまったものって、何かありますか?

野田 あります!私、フィルムカメラが大好きで、最初は二眼レフのカメラを買ってハマったんです。そこからはトイカメラ的なフィルムカメラをいっぱい集めていたのですが、先月、買うつもりはなかったのにフィルムカメラの専門店に行って、昔のキャノンの、一眼レフのフィルムカメラを買いました(と、そのカメラを取り出す)。

──おおーっ! これは渋いですね!

野田 40年ぐらい前の製品ですね。初めての一眼レフのフィルムカメラなので、うれしくて毎日ぶら下げて歩いています(笑)。

──主にどんなものを撮ってるんですか?

野田 風景だったりお花だったり、歩いていて「キレイだな」と思ったものを撮ることが多いですね。あと、鏡を使って自撮りするのもかわいい写真が撮れるので、好きですね。インスタとかでも使えるし、お仕事も兼ねて(笑)。

──すごく贅沢な自撮りですね(笑)。

野田 そうなんですよ!iPhoneみたいにパシャパシャとは撮れないじゃないですか。だから1枚1枚大切に撮っています。今まではトイカメラで軽かったのですが、これは重みのあるカメラなので愛着が湧きまくりです(笑)。

今夏、1stアルバムリリースとツアーも決定!「『これが野田愛実だよ』というツアーに」

──いいですね(笑)。さて前回、昨年11月にご登場いただいた時は、ツアーファイナルが控えているという時期でした。時間は経ってしまいましたが、昨年のツアーをやり終えていかがでしたか?

野田 初めてのツアーだったのですが、その中で中国公演もありましたし、公演を重ねていく中で「ああ、これがツアーか」というのを初めて知りました。体調管理などの面ももちろん勉強になったのですが、やはり一番は、パフォーマンスの面でどういう風に見せたらいいのかというのをすごく考えました。その結果、お客さんの顔をより見られるようになりました。もちろん、これまでも見てはいたのですが、お客さんが私をどう見ているかというのをしっかりと考えられるようになったなというのが、このツアーを通しての収穫だったなと思いました。

──ツアー中の思い出というと?

野田 本当にいろんな場所に初めて行けたんですよね。中国もそうですし、博多や仙台もキャンペーンで行ったことはあったのですが、ツアーの中でしっかりワンマンでやるのは初めてで。ごはんもツアーの醍醐味だなということで、美味しいものをいっぱい食べられて、すごく満足しました(笑)。名古屋や大阪は日帰りだったので、特に博多で食べた焼肉がすごく美味しかったです。少し渋いというか、ファミリーレストランみたいな外観の焼肉屋さんだったのですが、すごくおいしくて、そこで初めてホルモンが食べられるようになりました(笑)。

──それはすごい(笑)。

野田 あと、新幹線の時間ギリギリに食べた名古屋の「味仙」もおいしかったです。辛い台湾ラーメンを食べました(笑)。地元に近いので、味仙は何回か食べたことがあるのですが、やはりツアーでライブの後に食べる味仙は格別だなと思いました(笑)。

──中国公演はいかがでしたか?

野田 すごく大きな経験になりました。パフォーマンスという面では、中国公演で急に一段階上がったという感覚があったんです。やはり、日本のお客さんとは全然反応が違うというか、ノリというかライブの楽しみ方がちょっとラフな感じなんですよね。特に私のライブだと、日本ではしっとりと感情移入して聴いてくださる方が多いのですが、中国では一緒に盛り上がり、楽しく騒ぐ感じの楽しみ方だったりしたので、それもまた新鮮でした。こちらもより盛り上げようというパフォーマンスをするようになったので、そういった勉強にもなりました。海外の公演だと、最初から最後までずっとスマホを向けられている状況でもあったので、どのカメラにも見せてやるという気持ちでやっていました。

──映像で見ただけですが、中国のお客さんって、けっこう声を上げたりしますよね。

野田 バラードのイントロでも声が上がったりしたので、「今からバラードだよ?」って思いながら(笑)。そういうところも面白かったです。

──これからもいろんなところでライブをやってみたいという思いが広がったのでは?

野田 そうですね。一度、韓国でストリートライブをやったことがあったので、もう一度韓国で、今度はしっかりとワンマンライブという形でやりたいなというのがすごくありますし、他の国にも行きたいですね。今年もツアーが決まって、中国4都市と日本6都市を回るので、さらにステップアップした、成長した姿を見せられたらなと思います。

──この夏に1stアルバム『blue』のリリースと、それに伴うツアーの開催がちょうど発表されましたね。

野田 アルバムにはこれまでの楽曲が収録されるのですが、その中でもこの「衝動」が今年のキーになる楽曲なのは間違いなくて。アルバムとツアーで、今までの野田愛実から今につながる軌跡みたいなものをしっかりと表現して、「これが野田愛実だよ」というものを見せられるライブになればと思います。

──ご自身のやりたいことも、どんどん広がっているのでは?

野田 そうですね。ライブでこういう表現をしたいというアイデアもたくさん出ています。今までは1曲1曲を歌うのに必死だった自分もいたのですが、いろいろな経験を経て、全体を通しての流れをしっかり見られるようになったなという感じがするので、それを今回のツアーでも生かしていきたいと思います。ツアータイトルもアルバムと同じ『blue』なのですが、私が好きな色が青なんです。「青春」だったり、熟れてない果実を「青い」とか言ったりするじゃないですか。「未熟なもの」とか「完成されてないもの」という意味合いもありますよね。私はそういう未熟さとか儚さ、切なさみたいなものを青という色から感じられるから好きというのがあって、今まで書いてきた楽曲の中でも、そういう儚いもの、自分と向き合うことだったり、自分を愛することってすごくその未熟さを知ることだったりするみたいなところで、すごく繊細な部分に触れることだなと思っていて、そこに向き合って作ってきた楽曲だったので、『blue』というタイトルの元に、そういった心の中にある自分の中の切なさだったり、未熟さだったりをライブを通して表現していければなと思ってます。

──また、昨年からエイベックスに所属しての活動を通じて感じたこととか、広がったところというのは?

野田 エイベックスにお世話になってからいただけた様々な機会、もちろんドラマの主題歌もそうですし、こうしてツアーができているのも、ここでやらせていただいてるからだなと思います。その中でも一番変化があったのは、今までは海外でライブをしたいという気持ちがそんなになかったんです。行きたくないとかではないのですが、国内で回れればいいかなと思っていました。でも、やはり一度経験したら止められなくなるというか、もっともっとどんな場所に行きたいとか、いろんな人と交流したいという気持ちが増えたので、海外でのライブだけでなく、海外のアーティストとの方とコラボや、一緒に楽曲を歌える機会などがあったらいいなというのも、ここのレーベルに入って思ったことですね。

──プライベートでは、この先こんなことをやってみたいとかありますか? 先ほどはカメラの話も出ましたが。

野田 最近はカメラともう1つ、編み物にハマっていて、服を作っています。最初は帽子やカバンを作っていたのが、だんだん「やっぱり服しか使わないな」と思ってきて(笑)。たまに衣装とかにも使ったりするのですが、編み物でもたくさんの作品を作りたいなと思っています。

──カメラとか編み物とか、やっぱりクリエイティブ方面なんですね。

野田 やはり、もの作りが好きなんだなと感じています。大学では建築学科に行っていて、図面などはもう全然引けないですが、大きな会場でライブができるようになったら、セットの案とかもちょっと出したいなと思います。やはりそういった「作る」ということが昔から好きだったんだなと感じます。

──この先の日々も、充実して過ごせそうですね。

野田 はい、ドラマとかアニメもたくさん見て、過ごせたらいいなと思います。

撮影 堀内彩香

「衝動」
2025.05.21 デジタルリリース

アニメ「神統記」OPテーマ曲
https://avex.lnk.to/shodo

『神統記(テオゴニア)』

TOKYO MX、サンテレビ、BS11にて放送
ABEMAにて地上波同時・見放題独占配信
https://teogonia-anime.com

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記事情報

高崎計三

ライター

高崎計三

1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。