J1初昇格で首位を走る期間も長く、旋風を巻き起こした昨シーズンのFC町田ゼルビアは、惜しくも3位という結果に終わった。優勝には手が届かなかったゼルビアだが、昇格1年目での優勝争いは大躍進と言っても過言ではない。
そして迎えた今シーズンの開幕戦、昨季2位のサンフレッチェ広島との一戦は相馬勇紀の見事なドリブル突破からの得点で先制したものの、岡村大八と菊池流帆が負傷交代するアクシデントに見舞われ、最終スコアは1-2の逆転負けに終わった。
ゼルビアとしては悔しい黒星発進となったが、J1リーグとACL(AFCチャンピオンズリーグ)出場も含めた戦いは始まったばかり。試合後、ゼルビアのスタジアムMCを務めるmotsu、そして俳優・タレントとして活躍し、熱烈なゼルビアサポーターとしても知られる福田愛依に話を訊いた。
「開幕戦……いけるかなと思ったけど、負けて悔しい!」(motsu)
――今日の開幕戦は逆転負けという悔しい結果に終わってしまいました。試合を終えた率直な感想を聞かせてもらえますか?
motsu いやぁ…悔しい!先制点を取って、これはいけるかなと思ったんですけどね。
福田 前半を1-0で折り返して、後半に逆転されたというのが悔しいですね。私はメインスタンド側の全体が見渡せるところで見ていて、広島の同点ゴールが少しごちゃごちゃしている中でのゴールだったから、モヤモヤもありました。
motsu 本当に試合はギャンブルだなと思いました。お互いが幸せをかけて、勝った方がすべてを持っていくという。勝った方は幸せだし、負けた方は悔しい気持ちになる。これが試合ですよね。
福田 でも相馬(勇紀)選手が何枚も剥がしてのシュートは印象的なシーンでした。私は沖縄の名護キャンプに1泊2日で行っていて、その時から相馬選手はキレキレだったんです。実戦形式の練習試合も見ることが出来て、その時のメンバーと今日のスターティングメンバーがかなり似ていました。
motsu キャンプの時点である程度は固まってたんだね。
福田 事前に開幕戦に向けて準備していたものを色々と見ていたので、より今日の開幕戦が楽しみでした。実際に相馬選手がキレキレのゴールを決めてくれて、あれが私の中では印象的でした。
motsu 僕は菊池(流帆)選手ですね。菊池選手は新加入なので、まだ背番号と顔の一致が難しかったんです。それで背番号のリストもチェックしながら試合を見ていると、4番がファインプレーをする場面が多かったので「やっぱり菊池選手すごいな!」と思って見ていましたね。どんなボールが来ても跳ね返しちゃうから。
福田 相手に競り勝つ力が本当にすごいですよね。
――確かに菊地選手の存在感は抜群でした。
福田 スタンドで見ている私のところまで普通に声が聞こえてきてびっくりしました。キャンプでも、練習中は周りが静かなので選手の声が全部聞こえるのですが、菊池選手の声がすごかったんです。今日は試合中で遠くにいても菊池選手の声が聞こえてきたので、スタジアム内に響き渡っていたと思います。
motsu 僕は放送席にいたんだけど、放送席まで聞こえてきてたよ。
福田 本当ですか? 菊地選手はジェスチャーも大きいので一目見ただけで記憶に残りますよね。
motsu ただ怪我で交代になってしまって、岡村(大八)選手もそうなんだけど、身体が強い選手の怪我なので心配じゃないですか。あまり長引かずに戻ってきてもらいたいですよね。
福田 しかも開幕戦での怪我なので、今後の試合に影響がないことを願います。
――今シーズンは黒星スタートになってしまいましたが、昨年のゼルビアの戦いぶりを振り返って、お2人はどんな感想を持ちましたか?
motsu 僕は本気で優勝するんじゃないかなと思っていたので、最終的に3位に終わった時は悔しい気持ちがありました。でもシーズンを通して振り返ると、J2から昇格した1年目のシーズンで上出来以上の結果だったと思うんですよ。
福田 そうですね!もちろん優勝争いをしていたので、優勝してほしいと思っていましたが、J1初挑戦で3位は大健闘を見せてくれたと思います。
motsu 僕はシーズンが終わって時間が経つにつれて、それをヒシヒシと感じていましたね。例えばシーズンの途中で平河(悠)選手が海外移籍でチームからいなくなって、平河選手はずっといいプレーをしてくれていたから、僕は個人的に大きな喪失感を感じていたんです。でもチームとしてはそこを持ち直して、最終的に3位になったわけじゃないですか。シーズンが終わった直後は「3位か…」と思っちゃったけど、僕はいい結果を残してくれたと思います。今日の開幕戦は「よっしゃ!3位の我々が2位の広島を取って食うのだ!」くらいの気持ちでいました。
福田 私は昨年からゼルビアを応援させていただいて、1年を通してサッカーそのものの勉強もそうですし、チームを知ることからスタートして、こんなにサッカーが面白いスポーツなんだってことを教えてもらいました。それはゼルビアの快進撃を見せてくれたからこそ、よりファンになれてよかったなって思ったし、あの1年があったからこそ今シーズンがすごく楽しみに思えています。
「町田がどんどんサッカーの街に染まっていってほしい!」(福田)
――福田さんはサッカーノートを作って、試合や取材したことをメモしているんですよね?
福田 はい。今はサッカーやゼルビアの情報がスラスラ頭に入ってきます(笑)。
motsu サッカーの仕事をやると決まった時は難しかったでしょ。オフサイドってなに?みたいな。
福田 最初は“勉強する”って感じだったんですけど、今はもう自然に勉強するし、どんどん知識も覚えて、新加入選手のことも勉強して。
motsu SNSは調べ物をすると関連情報がどんどん出てくるから、どんどん新しい情報を見ちゃうじゃないですか。僕のSNSはサッカーと健康食品ばっかりですよ(笑)。
福田 それ、あるあるですね(笑)。
――昨シーズン3位という結果を残したからこそ、今年も優勝を狙えるチーム、トップ戦線で戦えるチームとして期待を持てますよね。
福田 だからこそ、今日は広島に勝ちたかったです。昨シーズンは広島と2戦2敗だったので。
motsu そうだよね。でも素人意見で申し訳ないけど、内容は悪くなかったと思います。広島の攻撃をしっかり跳ね返せていたし。
福田 前半は良かったですね。
motsu そうそう。ディフェンダーの選手が2人も怪我で交代するアクシデントがあったけど、勢いはあったなという感じでしたから。
――逆に他のチームはゼルビアを強豪チームとして見て対策も立ててくるので、そこを乗り越えないといけないですよね。今年はACL出場もありますし、様々なタイトルを狙っていける位置にもいます。
motsu そうなると自ずとプレー一つ一つが厳しくなるだろうし、激しい試合が増えそうですね。
福田 オ・セフン選手も今日はかなりメラメラ燃えていましたね!
motsu 気持ちを全面に出していましたよね。今シーズン、チームの目標としてはリーグ戦5位以内というものがありますが、ちょっとおこがましいけど、僕はもう少し上に食い込んでほしいと思っています。また監督が今年は何らかのタイトルを取りたいともおっしゃっていましたが、その通りですね。菊池選手のように強い選手も補強して選手層も厚くなっているので、今シーズンはタイトルを取ってほしいと願っています。
福田 私は昨シーズンからいる選手も踏まえて、そこに新しい選手が加入してきて、まさにスタメンの争奪戦じゃないですか。今日のスタメンを見た時も「この選手が控えなんだ!」とか「今日はサブにこの選手が入った!」と思って、スタメンはもちろんサブに入るのも簡単ではないくらいメンバー争いが接戦すぎるので、メンバー発表から楽しみです。
motsu なるほど。サブに入るメンバーも9人になったから、それもちょっとしたドラマだよね。
福田 今日は桑山(侃士)選手がサブメンバーに入ったのですが、キャンプでもずっと居残りで練習をされていました。きっと黒田(剛)監督もそれを見ていたのかもしれません。黒田監督がどんな戦術とメンバーでどう戦うのかにも注目したいです。開幕戦では負けてしまいましたけど、まだ始まったばかりなので!
――まさに昨シーズンを経て、チームとして地力をつけて、今シーズンの戦いに挑んでいくことになりそうです。また今年も引き続きエイベックスはトップパートナーとしてゼルビアをサポートすることになりました。お2人は試合以外の面でも、どうゼルビアを盛り上げていきたいと思っていますか?
motsu やっぱり我々としては、スポーツとエンタメの融合みたいなところは必ずあると思っているので、エンタメの部分からゼルビアを盛り上げたいですね。去年の開幕戦、コアなサポーターはブロックが埋まってない部分があったんです。それを見て「もっとこのブロックを大きくしていきたいね」と思っていたら、今年は全ブロック埋まっていたんです。あれはうれしかったですね。みんな大きな声を出して全力で応援してくれるようになったんです。きっとサポーターの中には僕たちみたいにサッカーそのものには詳しくないけど、ゼルビアを応援したいという人がたくさんいると思うんです。そういう人たちがスタジアムに来ても楽しめたり、みんなで応援したいと思うような活動を僕らの立場からサポートしていきたいです。
福田 私は今日も試合後のアフターゲームショーに参加させていただき、サポーターの皆さんとご一緒する機会があるので、そこでより共感をもしてもらえるようなコメントを言えるようになりたいと思います。SNSも含めて全力でゼルビアを盛り上げる活動を続けていきたいです。
――僕も初めて町田GIONスタジアムで取材させてもらって、このチームをみんなで盛り上げていこうという雰囲気を感じました。
福田 特に町田はサポーターの皆さんと選手・チームが一体化しているような街だと思うので、選手たちが駅前でビラ配りをやっていたり、触れ合いサッカーや子供たちのサッカースクールも多いんです。試合だけじゃなくそういう部分も含めて、どんどん町田がサッカーで染まっていけばいいなと思います。
撮影 長谷英史
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