【桑畑亨成】熱い人を茶化しちゃう、見てる人に一番近い視点を持ってる役かも!?【ACTORS STAND】

2024.03.21

【桑畑亨成】熱い人を茶化しちゃう、見てる人に一番近い視点を持ってる役かも!?【ACTORS STAND】

エイベックスに所属する俳優陣の集い場「ACTORS STAND」の第1弾作品として、4月17日～21日、赤坂レッドシアターで上演される『無垢ども』（大野大輔/脚本・演出）のキャスト連続インタビュー。6人目は、主人公・「遠山一華」らと同じ高校生でいじめっ子コンビの一人、「井岡」を演じる桑畑亨成さん。そんな「井岡」に親近感を持つ部分、そして意外な？「見せ場」とは……？

自分に近くて演じやすい？　「井岡」のキャラクターとは？

──今回の「ACTORS STAND」に参加が決まって、どう思いましたか？

桑畑　全員エイベックスの人たちでやるというのが初めてなので、すごくワクワクしてますね。共演者には顔見知りが多いので、どんな感じで作っていくのかという点でも、これからすごく楽しみです。

──今回主要キャストの9人の中には、演技・舞台が初めてという人もいます。その中で桑畑さんはすでにキャリアがある方ということになりますが。

桑畑　ですかね？（笑）　今回、僕が演じる「井岡」とペアになる「井本」役の佐藤颯人君も今回が初めてで、彼とははじめましてなんですよ。自分もまだペーペーな部分は全然あると思うので、僕も先輩たちのいろんなところを見て吸収しつつ、彼に対しては先輩らしくというよりも、「ちょっと経験がある友達」ぐらいの関係がいいのかなと思ってます。

──コンビの役柄ではありますけど、「井岡」と「井本」はキャラが正反対っぽいですよね。

桑畑　そうなんですよね。この取材の前に写真撮影があったんですけど、周りの人の話を聞いてると、佐藤君はすごくいい人なのかなっていうのが伝わってきて、役のキャラだけじゃなくて実際も反対かもしれないです。

──この流れで「反対」となると、かなり語弊がありますけどね（笑）。

桑畑　佐藤さんはすごく真面目そうですよね。僕は真面目か不真面目かで言ったら、不真面目な方だと思うんで、やっぱり反対かもです（笑）。

──そうですか（笑）。今回の『無垢ども』、ストーリーについてはどういう印象ですか？

桑畑　メチャメチャ熱いですよね。自分の意志を持って何かを成し遂げようとする様子が、すごく熱いなと思って。それはなかなか難しいことだと思うし、集会とかでみんなの前で発表するのも勇気がいることだと思うし、いいなって思っちゃいますね。僕はどっちかというと、そういうのができないタイプだと思うので、憧れもあります。そういう熱い人を茶化してきた方なんですよね。だから今回の「井岡」は、ちょっと自分に近い役柄なのかなとも思います。

──現時点で公開されている「井岡」のキャラ説明にある言葉が、「いじめっ子」「口だけ達者なヘタレ」「常に相棒の井本と共に行動する」という3つだけなんですが、それに近いんですか（笑）。

桑畑　そうですね。僕も学生時代から、友達をイジり倒してきたんで、ホントに「井岡」です。だから役作りというより、「素」でできちゃうのかなと思って。まあ、何らか色づけはしていきたいですけど、どっちかというとやりやすい役ではありますね。

──佐藤さんは「井本は自分と真逆の役」と話していたので、その意味でも逆ですね。

桑畑　それもあって、佐藤君と一緒にやるのが楽しみなんです。演技の経験がないと言っていたので、逆に変なクセがなくてナチュラルな感じが出て、僕にとってもやりやすいのかなと思ってます。だから、一緒にやるという点では不安はないです。

──「口だけ達者」という説明を見ると、セリフの量が多そうですが。

桑畑　量はそこまででもないんですけど、真面目にやってる人間を小馬鹿にするだけのヤツって感じです。「井岡」も「井本」も出番はそこまで多くないですけど、見てる人に一番近い視点を持ってる役だと思うんですよね。主人公たちに対して「お前ら、何やってんだ？」って茶化していくという。そこでお客さん側の気持ちを代弁するというか、同じ気持ちでいられるのかなと思います。

──佐藤さんとは初めてということでしたが、先ほど出たように、顔見知りの共演者が多いというお話でしたね。

桑畑　そうですね。だから今は不安要素はあんまりないです。ホントに今は楽しみでワクワクしてる感じだし、一緒に何かを作るっていうのは初めてなので、みんなどんな感じでやるのかなと思って。だからどの部分もワクワクしてます。

──では、これからの稽古期間、そして本番まで、どのように過ごしていきたいと思っていますか？

桑畑　まずは佐藤君とコミュニケーションを取って、あとはホントに学生の昼休みみたいな感じで、和気あいあいとやっていきながら、その中で試行錯誤もすると思うし。そういう風に過ごしていければと思いますね。

──これまでの舞台経験などを踏まえて、こうしていきたいと思うことは？

桑畑　一つ思っているのは、みんなの仲がいいほど、いい作品が作れるということなんです。人が多くてうまく馴染めてない人もいたり、仲が悪いところもあったりして、言いたいことも言えずに終わっちゃうよりは、みんなの距離感が近くて仲がいい方が、作品自体もよくなると思ってて。だから今回も楽しくやっていきたいなと思いますね。

「井岡」の注目ポイントは……「●●●●に●られる」場面!?

──舞台って、稽古から本番まで長丁場になりますが、その間の過ごし方として気をつけていることはありますか？

桑畑　お風呂ですね。舞台とか仕事の時は、お風呂に入って「今日はこうだった」「明日はどうしようかな」というのを考える時間を取るようにしています。

──しっかり湯船に浸かって？

桑畑　はい。最近、サウナにもハマってるんですよ。やっぱりすごくリラックスできるし、疲れてる時とかちょっと考えたいなという時にはサウナとかお風呂がいいですね。携帯も見られないし、マジの自分の時間ができるので、集中したい時は入るようにしてます。浸かってる時間は10分とか15分とか、そんなに長くないですけどね。でもあの時間って、マジで一人じゃないですか。素っ裸だし。「何もない」のがいいんですよね。

──それはいいですよね。

桑畑　やっぱり、どうしても携帯とか見ちゃうじゃないですか。「飲みに行かない？」とか誘われたりもして、断るのもちょっとストレスだし。そういうのがない、マジの一人の空間は好きですね。

──いいことだと思います。

桑畑　あと前の舞台の時は、毎日なるべく同じ時間に起きるようにしてました。稽古が午後からとかでも、9時なら9時って決めて。

──そのために夜更かしをしないようにとか？

桑畑　夜更かしはすることもあるんですけど、起きる時間はルーティーンみたいな感じで揃えてました。早く起きて、朝ごはんをちゃんと食べて。

──稽古から本番を通じて、特に楽しみにしていることは？

桑畑　直属の先輩の芝居を見ることってなかなかないので、それは楽しみですね。仲間ですけど、ライバルとも思っているので、吸収できることは吸収したいし、「僕だったらこうするな」というのも出てくると思うので、そこに一番ワクワクしてますね。

──今回の作品も一つの節目になると思いますが、その先はどうしていきたいですか？

桑畑　舞台は楽しいし、実になることもいっぱいあるから、すごくいい経験になるんですけど、映像の方もこれから少しずつでもやっていきたいと思っていて。あの空気感に慣れていきたいなというのもありますね。

──将来的にこういう仕事がしたいというのはありますか？

桑畑　一つは、地元の宮崎でも流れるドラマとかに出たいです。親とかも見られるように。舞台とかも見に来てくれるんですけど、やっぱりちょっと大変じゃないですか。親が家にいても見られるような存在にはなっていきたいですね。

──宮崎県は民放局が少なくて、「一部地域を除いて」の「一部地域」になりがちなことで有名ですからね（笑）。

桑畑　民放が2つしかなくて、月9もやってないですからね（笑）。だから東京周辺出身の人と話して「こんな番組を見てた」という話になると、「何それ？　知らないよ、そんなの」ってなるんですよ。「えっ、宮崎じゃ流れてなかったの？」ってバカにされたりもするんで、そういうところで自分が出てる作品が流れたらカッコいいじゃないですか。地元の友達も見てくれるし。それは一つの目標ではありますね。

──今回の『無垢ども』、見に来たお客さんにはどう楽しんでほしいですか？

桑畑　今って、SNSとかが盛んで、見知らぬ人同士で言い争ったり、アンチコメントしたりとか、いろいろあるじゃないですか。そういうことをして楽しむよりも、何かを真面目にやってる人たち、意志を持って何かをやり遂げようとしている人たちを見て、その姿に影響されてほしいなという思いがあるんですよね。人の目も気になると思うんですけど、そういうのも気にせず突き進む勇気みたいなものを見てもらえたらなと思いますね。

──その中で、「井岡」を演じる桑畑さんのここを見てほしいというポイントはどこでしょう？

桑畑　ぶん殴られるところですね。

──ぶん殴られるんですか！　ああ、そういえば「武闘派」の役の人がいましたね（笑）。

桑畑　メチャメチャ、ボコボコにされます。かわいそう過ぎませんか（笑）。

──でも、殴られるようなことを言ったりしたりするんですよね？

桑畑　まあ、そうなんですけど（笑）。どういうリアクションをするのか、楽しみにしててください。今は他人を殴る人もそんなにいないし、女性に殴られることってなかなかないんで、楽しみですね。まあ、殴っちゃいけないし、そこに影響されてほしくはないですけど（笑）。

──では、どういう流れで殴られるのかも注目ということで（笑）。ありがとうございました！