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【Novel Core】2ndアルバム『No Pressure』インタビュー「過去のネガティブごと愛せる/許せる自分でありたい」

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【Novel Core】2ndアルバム『No Pressure』インタビュー「過去のネガティブごと愛せる/許せる自分でありたい」

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昨年12月にメジャー1stアルバム『A GREAT FOOL』をリリースしたばかりのNovel Coreが、早くも2ndアルバム『No Pressure』を発表した。前作からさらにサウンドの幅を広げた本作は、彼の中からマグマのように吹き出る活発なチャレンジ精神が詰まった一枚。「え、これがNovel Core!?」というほどの新風もいたるところで吹いている。過去の自分と向き合って前作を作り終えたあと、Novel Coreはどのような境地に辿り着いたのか。制作途中で変わってきたというタイトル『No Pressure』の意味合いや、新境地を切り開いたリード曲「独創ファンタジスタ」制作の舞台裏、さらに今後の展望まで、いろいろな角度からNovel Coreの今を語ってもらった。
 
 
ニューアルバム『No Pressure』の位置づけとは……
 
 

――前作『A GREAT FOOL』はリリースと同時にiTunes総合アルバムチャート1位となりました。まずはその感想から教えてください。
 
Novel Core びっくりでした。過去と向き合いながらの制作だったので、かなりしんどい部分もありましたけど、そのアルバムが目に見える形でも結果を残したことは嬉しかったし、自信に繋がったという意味でも大きかったですね。
 
――そのアルバムを携えて今年4月から5月に全国ツアーを展開し、6月にはバンド編成による初のワンマン「I AM THE TROUBLE」をKT Zepp Yokohamaで行いました。
 
Novel Core 「I AM THE TROUBLE」はファーストワンマンだったので自分たちがどこから来て、どこに向かっていくのかっていう指針を示すためのライブにしたかったんです。バンドでドラムを叩いてくれた(佐藤)響さんは、僕が6年前に路上でラップをやっていた頃にセッションしていた方なんです。そういう意味では自分の人生の伏線回収でもありましたし、過去と未来と現在をひと繋ぎにするようなワンマンライブができました。
 
――バンドとのセッションはどうでしたか?
 
Novel Core ムズいっす(笑)。
 
――どの辺が?
 
Novel Core 自分たちの場合は全部生演奏じゃなくて、原曲にある打ち込みの音と生演奏の音を混ぜていくので、どこをどの程度削るか、逆にどこを足すか、お客さんに聞かせる音を想定しながら1曲1曲作っていく作業をしたんです。
 
――バンドサウンドにアレンジする作業がムズかったと。
 
Novel Core そう。ライブでは21曲やらせてもらったんですけど、新曲を21曲作るような、それくらい1曲1曲と向き合う作業でした。実際にステージで鳴らして、あとから映像を見て気付くこともたくさんあったので、そういう引き算と足し算のバランスが難しかったですね。
 
――今回のアルバム『No Pressure』は、『A GREAT FOOL』から1年も空けずにリリースとなりました。最初からこんなハイペースでのリリースを考えていたんですか?
 
Novel Core 『A GREAT FOOL』の制作が終了したタイミングで、チーム全員で会議をして、2024年くらいまでのプランを一通り決めたんです。そこから逆算したときに、ここに2ndアルバムが必要だと決めたので、これは計画通りのリリースなんです。
 
――計画通りとはいえ、かなり大慌てなスケジュールじゃないですか?(笑)
 
Novel Core 大慌てですね(笑)。僕は歌詞を書いて録ればいいですけど、スタッフさんたちがマジで大変なことになっていて。決めたのは僕なので本当に申し訳なかったです。
 
――今回のアルバム制作にはどのような気持ちで取りかかりましたか? ワンマンライブのときの「どこから来て、どこに向かうのか?」の向かう先がこのアルバムになるんでしょうか。
 
Novel Core 前作やそれ以前の作品は過去や自分と向き合った内向的なアルバムだったのに対し、今回はもっと外に向けていく感覚や、音楽を心置きなく楽しむ感覚を大事にしたかったんです。ワンマンで示した「自分達がトラブルやエラーを請け負うことでこのシーンに正解を増やす」という命題と、その先に向かっていくための切符というか、今後に繋げていくための通過点としてすごく大事になるアルバムだと考えていました。

――今回のアルバムを聴いたとき、新章の幕開けというよりは、『A GREAT FOOL』の続きのような1.5枚目みたいな印象を受けたんです。前作からの延長線上にあって、まだ切り替えポイントではない、みたいな。
 
Novel Core まさにそうですね。次のサードアルバムが自分のキャリアで凄く重要になる作品になるだろうと考えているんです。そこに向けた構想は2年くらい前からあるし、今回のアルバムはそこに辿り着くためのステップだと考えています。
 
――『No Pressure』というアルバムタイトルはどんな思いから?
 

Novel Core 『A GREAT FOOL』を出したときに、次はプレッシャーや重圧を振り切って純粋に音楽を楽しむアルバムを作りたいと思って、『No Pressure』という言葉だけがまずあったんです。ただ、制作していく中で、『No Pressure』という言葉の捉え方が変わってきて。最初は「プレッシャーがない」とか額面通りに受けとめていたんですけど、プレッシャーとか不自由さとか、今まで感じてきたネガティブな感情のおかげで、今は自由やポジティブを感じられているんだという気付きがあって。ネガティブな感情の存在あってこそ、本当のポジティブが歌えるわけだから、過去のネガティブごと愛せる/許せる自分でありたいっていう。そういう思いを込めてこのアルバムを作っていきました。
 
――今回は、前作以上にサウンドが幅広くなりました。
 
Novel Core 楽曲自体のテンションも含めて、今までにやったことがないテイストに、いろんなプロデューサーさんと新しいチャレンジができたと思います。今までビビっていた部分とか、ここまでやるのはちょっとNGかな?と自分で制限をしていた部分に挑戦したことは大きかったですし、できあがったものを聴いてみても「もっとこういうのもやれそう」とか「こういうのも試してみたいな」とか、期待やワクワクが増えるようなアルバムになったので、それがすごく良かったです。
 
――全体的に、前作よりハッピー感が増したように思います。
 
Novel Core 吹っ切れた感というか、ひとつ先に進んだ感は出したかったので。当初は、前作から半年でそういうテンションに辿り着けるか不安だったんですけど、全国ツアーやワンマンライブをやって気付かされたことがいっぱいあったぶん、のびのびやれたところがあります。
 
――ライブで気付かされたことというのは?
 
Novel Core 人に任せることにチャレンジしたというか。今まではライブの演出にしろ、楽曲制作にしろ、プロモーションにしろ、自分が思っている正解みたいなものをドンと出して、チームに結構細かく指定して作って行くことが多かったんです。だけど、現実的に自分の手が回らなくなってきたこともあって、各セクションのスタッフさんたちに任せたり、アイデアを求めたりすることが増えて、チームでゼロからイチを作るようになってきた。そのおかげで、自分が思っている正解以外の正解も許容できる、面白いと思える、かっこいいと思えるという心が育ってきたし、それによってレンジが広がったんだと思います。
 
――あと、今回のアルバムは、ライブやショーを思い浮かべながら作ったんじゃないかと思ったんです。
 
Novel Core はい。まさに。当てられちゃった(笑)。
 
――やった、当てました(笑)。
 
Novel Core 明確にその意識はありました。ライブをしながら制作したアルバムでもあったので、自分が今後どういうライブをやっていきたいかとか、今の自分のライブに足りない要素は何かとか、少しずつ球数を増やしていくという意味でも、自分のライブに欲しい要素やパーツを意識して作っていったんです。
 
――ヴォーカルの表現手法も、ラップというより、歌に近いスタイルに変わってきたように思います。
 
Novel Core 前作のときは「DOG -freestyle-」とか「WIN (feat. AK-69)」とかボースティング要素が強い曲もやっていたんですけど、もっと開けた感覚で音楽と向き合うことが増えたので、自分のなかにある仮想敵と闘うみたいな感覚が薄れて、自分の思っていることをただ自由に発信するという方向に進んだんです。そのぶんラップのスタイルも、激しいラップというよりは、たとえば「No Stylist」のようにノリの良さを求めている感じだし、それ以上に今回は今までにやったことがない歌い方にアプローチする、チャレンジするという意識が強かったです。
 
 
全方位狙い撃ちみたいな楽曲になった「独創ファンタジスタ」
 

 
――リード曲「独創ファンタジスタ」はどのようなイメージから作ったんですか?
 
Novel Core フェスとかに進出していくイメージで作りました。僕のことを知らない人たちの前に立たされたときに、1曲やったらがっつりロックできる曲。プラス、Novel Coreの名刺代わりになるような曲を作りたいというオファーをKNOTTの2人にさせてもらいました。
 
――KNOTTは姫路市を拠点にするプロデュースユニットで、同郷のShurkn Papやweek dudusをはじめ、多くのヒップホップ楽曲を制作しています。
 
Novel Core KNOTTの2人は、ヒップホップはもちろん、それ以外の楽曲のプロデュースもされているので、いろんなジャンルと時代感が混ざったテイストが欲しかったんです。なので、たとえばオーケストラヒットをわざとTHE打ち込みのような昔っぽい音にしてくれていたり、世代感やジャンル、いろんなクロスオーバーを大事にした曲にしたかったんです。

――ロックンロールの要素もあるし、EDMの要素もあるし、80sポップなテイストもありますからね。
 
Novel Core あとはN.E.R.Dのテイストとかも参考にしました。後半にスクラッチが入るアイデアもすごく良いなと思いましたし、本当に1曲の中にいろんな要素が詰まっていて、場面ごとに雰囲気が変わる曲になったし、全方位狙い撃ちみたいな曲ができました。
 
――KNOTTとは初めてのコラボになりますが、彼らを起用した理由は?
 
Novel Core Shurkn Papくんとかweek dudusくんとか友達のラッパーの曲をやっていたこともあって、ずっと興味があって、いつか何かをやりたいと思っていたんです。そしたらAile The Shotaが「IMA」という曲でKNOTTさんを起用していて、その曲がめっちゃかっこよくて。
 
――ちくしょう!と(笑)。
 
Novel Core そうです(笑)。「ちょ待て、俺もやろう!」と思って、すぐに連絡して一緒にやらせてもらいました。
 
――彼らのホームスタジオは姫路にありますが、リモートで制作したんですか?
 
Novel Core いや、姫路に行きました。ツアーファイナルが大阪だったんですけど、その翌日に姫路に行ってレコーディングしました。もともとトラックだけできていて、なんとなく雰囲気でメロディーは入れてあったんですけど、ツアーで頭がいっぱいになっていて歌詞が1文字も書けていなくて。当日、姫路のスタジオで書きました。
 
――リリックはどんな思いを書いたんですか?
 

Novel Core 想像の世界では自分をスーパースターにすることも、モテモテの人生にすることもできるじゃないですか。それくらい現実の世界でも、のびのび生きる瞬間があってもいいんじゃないかって思うんです。たまにはバカになって、でまかせを言うような瞬間があってもいいんじゃないか、みたいなことをテーマに書きました。
 
――自分の中でどんどんポジティブな空想を広げていこうよ、と。
 
Novel Core そうです。そうしていったら楽しいじゃん、っていう。あとは夏にリリースということもあったので、いい意味でバカな感じが欲しかった(笑)。ハジけてる感じが欲しかったんですよね。今までの自分はわりとマジメなリリックが多かったんで。
 
――とはいえ、『No Pressure』というアルバムのコンセプトにちゃんと繋がる歌詞になっています。
 
Novel Core ネガティブを受け入れるとか、ネガティブがあったからポジティブが見えるっていうところに帰着させようと。逆境も捉え方によっては最高に素晴らしいステージになるんだっていう思いで書きました。

――「独創ファンタジスタ」のMVはどんなコンセプトで作ったんですか?
 
Novel Core フザけるをテーマに作りました(笑)。女装とか、やったことがないけど興味があることをそのままスタッフさんに伝えてやらせてもらいました。
 
――ミュージカルの雰囲気も感じましたが?
 
Novel Core それもありました。ヒップホップミュージカルみたいなイメージもあったので、それをやるとしたら自分がどんな役柄かな?と考えて、今の自分と正反対のものや全く想像がつかないものになってみたいと思ったんです、そのときに、めちゃめちゃ気の強い女性になってみようというアイデアが浮かんで。あとはダンスを意識して作った曲だったので、ダンサーに入ってもらって、僕自身もダンスに初挑戦したんです。
 
――女装してみた感想は?
 
Novel Core 女性はすごいなと思いました。高いピンヒールを履かせてもらったんですけど、次の日、脚が筋肉痛でとんでもなくて。脚の形をきれいに見せるために内股を意識したり、ああいうドレスを着ると肌も露出するので常に肌荒れしないように気を付けなきゃいけないんだなと思って。女性の日頃の努力が身に染みてわかって、女性へのリスペクトが増すビデオになりました。最初はフザけるがテーマだったのに(笑)。
 
 
下半期はガンガン外にアプローチしていきます!
 

 
――タイトル曲の「No Pressure」は、どのようなイメージで作ったんですか?
 
Novel Core 今回のアルバムで一番初めに制作に着手した曲がこれだったんです。まずは、前作のカギとなっていた「THANKS, ALL MY TEARS」でご一緒させてもらったUTAさんに、今回もタイトル曲という大事なところをお願いしたいと思ってオファーさせてもらって。その時点で、どういう曲調にするか明確に決まってなかったんですけど、ポジティブとネガティブが両方入っている楽曲を作りたかったから、明るいけどライブで聞いたら涙がほろっと出そうになるようなテイストが欲しかったんです。
 
――なるほど。二面性が共存する曲にしようと。
 
Novel Core それってどういう曲調なのかな?と考えていたら、ちょうどその時期にアヴリル・ラヴィーンが「Love Sux」を出して。それを聴いたときに、彼女のようなノスタルジーを感じるロックテイストが、この曲のテーマにハマるんじゃないかと思って、アヴリルをイメージしてUTAさんにギターを弾いてもらいながら作りました。
 
――「No Stylist」は、Trapビートにキレキレのラップが乗る1曲です。
 
Novel Core 前作で「DOG-freestyle-」と「WIN feat. AK-69」を作ってもらった韓国のYosiが作るトラックがかっこよくて、またぜひ一緒にやりたくて、DMで連絡を取り合っていたんです。で、ラップするとしたらどういうテーマかな?と考えて。ボースティングする気はまったくなかったので洋服について歌おうと。僕はファッションが大好きで、ステージにも私服で立つのに洋服に関する曲が1個もないなと思って、それを作ろうと思ったんです。Yosiからビートが届いた日、ちょうど僕は原宿で洋服の買い物をしていて。その日の格好とか会った人とか、その日のことをそのまま歌詞にバンバン入れて作りました(笑)。

――ヴァースの最後に出てくる「守谷さん」は、雑誌「SENSE」編集長の守谷聡さんですね。
 
Novel Core 僕、守谷さんが大好きで。本当お世話になっていて、いろんなブランドさんを繋いで頂いたり、今後ご飯に行こうとも話しているんですけど、僕はああいう渋い大人になりたくて、今回リリックに入れさせてもらいました。
 
――この曲のサビのフロウには、Awich「GILA GILA (feat. YZERR & JP THE WAVY)」の雰囲気をちょっと感じました。
 
Novel Core ああいうキャッチーさ、めちゃくちゃわかりやすいサビっていうのは意識しました。それこそ「GILA GILA」はYZERRくんがわかりやすさを大事にしてディレクションされたと思うんですけど、最近は複雑なラップがまた増えてきている印象があるんで、ヴァースでは複雑なフロウをするぶん、サビはわかりやすくて、みんなが口ずさめるくらいのものにしようと思ったんです。
 
――最後の「Untitled」は、アコギ1本の伴奏による静謐を湛える楽曲です。他の曲と世界観がまるで違いますが、どのような意図で作ったんでしょうか。
 

Novel Core もともとは7曲入りのアルバムを考えていて、この曲を作る予定はなかったんです。ワンマンを6月3日にやったときにバンドメンバーが入って、路上でやっていたときに一緒だった響さんが入って、彼の紹介でギターのクマさん(クマガイユウヤ)が入ってきてくれて。クマさんも話を聞くと、当時同じエリアで路上パフォーマンスをやっていたそうで、ニアミスしていた人とまた音楽で繋がれて今に至った。この奇跡のような一連の流れは、今回のアルバムでNo Pressureだと言い切る上ですごく大事なパーツになる気がしたんです。それでワンマンが終わったタイミングで正式にクマさんにオファーをさせてもらって、急遽、制作することが決まった楽曲なんです。
 
――歌詞はどんなことを思いながら書いたんですか?
 
Novel Core もし明日この星が滅びるとしたら……。もしくは自分の人生が終わるとしたら……。今日の僕は何をするだろう?ということをテーマに書きました。
 
――なぜ、そんなに大きなテーマで書こうと? 
 
Novel Core 作り終えて思うのは、自分自身のいろんなものを削ぎ落としていったときに音楽が残るということを確認したかったんだと思うんです。前作を制作していたときに、本当に自分は心の底から音楽が好きなのか?とか、商業的な目線だけで音楽を見ていないか?とか、自分は自分の歌詞に救われているのか?とか、ちょっとモヤモヤしていたところがあったんです。

――自分と向き合って制作しているんだけれど、はっきりと答えが出ない、みたいな。
 
Novel Core だから、それをもう一度確認したかったというか。自分は音楽が好きだということを、自分の心の底から出てくる言葉で聞きたいという思いがあって、このテーマになったんだと思います。そこから、この世からいなくなることになっても、どんな静かな日々でも、僕は“今を口ずさんで”っていうフレーズが出てきた。アコギ1本の伴奏にしたのも、極限まで音数を減らすことで、素直な心を飾らずにさらけ出したかったんです。
 
――アルバムの構成としては、この曲の前にスキットがあります。カセットテープをひっくり返すような音にも聞こえましたが、このスキットの意図は?
 
Novel Core あれはカセットテープを止めるストップボタンの音なんです。不変的なテーマということもあって「Untitled」というタイトルにしたし、自分の中でこの曲は、たとえば音楽から身を引くとか、人生を終える瞬間とかに歌っているイメージがある曲だったんです。それに自分のすごく本質的な部分を歌っている曲だから、その前の「HAPPY TEARS (feat. Aile The Shota)」とは切り離す必要もあるなと。そう考えたときに、未来の自分が、過去を振り返ろうと思って、この2ndアルバムを聞き直して「HAPPY TEARS」まで聞き終えたときにストップボタンを押す。そこから未来の自分が「Untitled」を歌い出す。そんなイメージから、あのスキットを置いたんです。
 
――ここまでアルバムの中身について話してきましたが、今回の制作中、よく聞いていたアーティストやアルバムはありますか?
 
Novel Core スタッフさんにオススメしてもらったプレイリストで海外のインディーポップやインディーロックを掘るようになったんですけど、そこでたまたま見つけたConfettiというアーティストを最近よく聞いています。素顔を出してないし、象のかぶり物をしてるんですけど、サーカスをイメージした作品を作ったりしていて楽曲が面白くて。「独奏ファンタジスタ」は彼らの作品からインスピレーションを受けたところもあります。
 
――今回のアルバムタイトルは『No Pressure』ですが、プライベートでいまだにプレッシャーを感じる場面はありますか?
 
Novel Core いっぱいありますよ。めっちゃあります(笑)。
 
――初めて行く飲食店とか?
 
Novel Core あります、あります。友達とゴハンに行くために店を予約するにしても事前に食べログとかでメニューをちゃんと見てイメトレをしてから行きますから。
 
――高級なお寿司屋さんとかは?
 
Novel Core そういうところは絶対個室を取ります。嫌なんですよ、大将に見られながら1個1個食べていくのが。食べ方が下手だなとか思われたらどうしようとか(笑)。しかも、カウンターだと一緒に行く人と横並びになるじゃないですか。横を向いて喋るのが苦手というか、向かい合って気楽に喋りたいので絶対個室ですね。
 
――「独創ファンタジスタ」にかけた質問ですが、「このアイデアは独創的だな」とか「この手があったか!」みたいに思った企画や演出、サービスはありますか?
 
Novel Core それもいっぱいあるけど……面白いなと思ったのはタクシーの中で流れるデジタルサイネージ広告ですね。「タクシーにご乗車のみなさん!」とか「そこの社長さん!」とか話しかけてくるCMが増えたじゃないですか。あれを初めて見たとき「うわ、話しかけてきた」と思って(笑)。あの広告のアイデアは面白いと思ったし、実際に効果的らしくて。ターゲットを明確化して話しかけると当事者意識を持つから気になるそうなんです。「うわ、話しかけられた」と思わせる仕掛けはライブの演出とかにも使えるかもしれないし、いい意味で盗みたいアイデアですね。
 
――最後に、2022年下半期の目標など、今後の展望を教えて下さい。
 

Novel Core 下半期は外に出て行きます。ガンガン外にアプローチしていくのが目標ですね。フェスを始め、僕のことを知らない、まだ見たことがないという人たちの前でパフォーマンスできる機会を頂けているので、それをめっちゃ頑張りたいです。
 
――外にアプローチというのは、自分をもっと知ってもらいたいということですか? それとも自分の知見を広げたいということですか?
 
Novel Core 両方ですね。もっとたくさんの人に知ってもらいたい、見てもらいたいっていう思いと、自分をもっといろんなフィールドで試してみたいっていう。自分のレンジをもっともっと広げたいので、対バンとかもやりたいし、他のアーティストさんと絡む機会も増やしていきたいなと思っています。
 
 

撮影 長谷英史 

 
Major 2nd Album 『No Pressure』
2022.08.03 ON SALE

 
 
 
 
【Novel Core Official Website】
https://novelcore.jp/
 
【Novel Core Instagram】
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猪又 孝

ライター

猪又 孝

1970年、新潟生まれ。音楽ライターとして国産のR&B/HIP-HOP/歌モノを中心に執筆。24時間HIPHOP専門ラジオ局「WREP」に放送作家/ディレクターとして参加中。共著に15人の著名ラッパーが歌詞の書き方を語る「ラップのことば」「同2」(SPACE SHOWER BOOKs)。