3月23日に2ndアルバム『ハラミ定食2~新メニュー揃いました!~』をリリースするハラミちゃん。1月4日には「第1章」の区切りとなる日本武道館ライブも実現し、メディア露出もさらに増えて活動の幅がより広がっている中でのニューアルバムは、どんな仕上がりになっているのでしょうか。サンリオピューロランドで開催されるファミリーコンサートや、4月からの全国ツアーのことも交えてお聞きしました!
“夢の舞台”日本武道館ライブで、一番グッときた瞬間は……?
──まずは、少し時間が経ってしまいましたが、1月4日の日本武道館公演についてお聞きします。終わってしばらく経った今、どんな思い出として残っていますか?
ハラミちゃん あー、2ヵ月経ったのか……。ついこの間の感じもしますし、メッチャ前のような感じもするし、自分にとっては本当に……大げさかもしれないですけど、自分が亡くなる時に流したい映像というか(笑)。それぐらい集大成のような感じもするし、今も映像をチョコチョコ見たりもしますし。やっぱり自分の第1章の区切りとして最高のステージで演奏させていただいたなあと思います。
──ずっと言っていた夢の舞台だったわけですよね。実際に、あのセンターステージから見た景色ってどうでしたか?
ハラミちゃん まずは、やっぱりとってもキレイだったっていうのと、あと自分の想像以上で驚いたのは、おばあさまからちっちゃいお子さままで、本当に老若男女のいろんな層のお客さんがいたんですね。自分の活動がこんなに幅広い世代の方に支持していただいていたんだというのを改めて感じて、胸が温かくなりました。
──武道館だからこそできるセンターステージで、回転したり昇降したりしてましたよね。そこはいかがでしたか?
ハラミちゃん 私、ステージが回転したり上がったりしてたことに本番中は気付かなくて。
──えっ、そうなんですか!
ハラミちゃん そうなんです。それぐらい緊張と不安があって、あと集中してたのもあって、いつ回ってたのかとか、いつ上がって戻ってたのかとか分かんなくて。「あ、そういえばこの曲は回る曲だ」と思って下を見てたら回ってて、それで気付くみたいなことはよくありました。
──そうなんですね。逆に言うと、それで演奏に支障はなかったということですね。
ハラミちゃん それは全然なかったですね。ふと見渡した時にいろんな方の顔が見えるので、すごく新しい楽しみ方ができました。弾きにくいとかは一切なくて、むしろ楽しかったですね。今後も回るステージをやりたいなと思うぐらいよかったです。
──他にもいろいろな演出がありましたが、今回、特にご自身で提案されたものはありますか?
ハラミちゃん ライブチームの方とたくさん打ち合わせをする中で、一番大きな軸としては、「“ザ・ピアニスト”らしいコンサート」というよりも、ハラミちゃんが出せる、もっとエンターテインメントに振ったピアノのライブ、コンサートというよりライブをしたいね、という話はずっとしていたんです。その中で、せっかく武道館という大きな舞台なので、ステージが回ったり上がったりという演出をピアノでやるというのは一つの大きな挑戦でした。あと、今回は照明演出にこだわり、「ドットイメージ」という、光る点を集合させいろんな形に見せる演出をたくさん使いました。
──たしかに、あちこちで効果的に使われていましたね。
ハラミちゃん バンドとかダンスがあるライブだと、ステージ上でパフォーマーが動ける分、その動きとドットの動きでゴチャゴチャしちゃうと思うんですけど、私が動かない分、逆にドットイメージが動いたり回転したりしてコントラストがついて、自分込みの一つの“作品”になって舞台が完成するんじゃないかという話になったんです。だからドットイメージでいろいろ演出するというところには、すごく力を入れました。
──セットリストを決めるのは、けっこう悩みましたか?
ハラミちゃん そうですね、メチャクチャ悩みました。昼と夜の2回公演だったので、昼と夜に弾く曲の棲み分けにも気を使いましたし、お客さんの幅が広いので、みんなに楽しんでいただきたいという意味で偏りすぎないようにと考えて。コンセプトが自分の活動してきた947日間を振り返るという公演だったので、最終的には自分の思い出深い曲を弾いていくというセットリストにしました。
──そのセットリストで実際に演奏してみて、いかがでしたか?
ハラミちゃん 自分の中では、このセットリストにしてすごく満足しています。演出も最初から全部出さないで、まずステージが回る、次は上がる、それから……というように小出しにして、何回も「おお~!」と驚いてもらえるような構成を考えました。あとは自分の演奏する音に対して照明が動くのを1秒2秒の単位で調整したんです。曲全体ではなく、その中の音単位で細かく指定して、光と音をシンクロさせたんですけど、評判もすごくよかったので、すごく狙い通りにいったなあと嬉しく思います。
──演奏中、何度も感極まった表情をされていたように見えたんですが、一番グッときた瞬間は?
ハラミちゃん 私がストリートピアノで最初に弾いた「前前前世」を弾き終わった時に、拍手がずっと続いてたシーンは、今思い出してもグッときちゃうぐらい感極まりました。
──まさに集大成になった感じですね。そこで「第1章」がひと区切りとなったわけですが、その時点までを今の段階で振り返るといかがですか?
ハラミちゃん ひと言で言うなら「奇跡の連続」という感じだなと思っていて。そもそもこの活動を始めたきっかけが、「ピアニストになってやる!」とか「有名になる」「武道館でやる」みたいなすごく大きな目標を掲げてスターとしたわけではないんですよね。いつの間にか、いろんな方たちに導いていただいて、そこで奇跡に奇跡が重なって武道館という場所にたどり着いたと思うので、奇跡を起こしてくださった皆さんに本当に感謝というか(笑)。自分はただ楽しく弾いてただけで、何もしてないぐらいなんですけど、皆さんが背中を押してくださったので、そこに感謝したいです。
──特にこのところ、メディア出演の幅も広がってますよね。何気なくCMを見ていて、「あ、ハラミちゃんだ!」と思うことも多いですし。そういう面で感じることは?
ハラミちゃん 自分の中では、「一番親しみやすいピアニストになりたい」という思いが強くて、その意味ではメディアの力をお借りするのはすごく効果が絶大で、自分の顔や演奏が出ることによって覚えていただき声をかけられることも増えました。たくさんメディアに出させていただいて、そこで多くの人がハラミちゃんを知ってピアノを好きになってくれるというのは、すごく理に適ってるというか。メディアも本当にありがたい存在ですね。
──特にテレビでは不思議な立ち位置ですよね。単に「アーティスト」というわけでもないし、もちろん「タレント」というのとも違うし……という。
ハラミちゃん ちょうどさっきもマネージャーさんとそんな話をしていて、ユーチューバーでもありピアニストでもあり、タレントっぽい活動もやっていて、「自分って何者なんだろう?」って。それがどっちつかずで、「どうしていけばいいんだろう?」って悩む時もあるんですけど、今は逆にそれが、「ハラミちゃんにしかできない」ということを生み出せている一つの要因だし、もしかしたら唯一無二の存在になれるかもしれないという気持ちもあったりするんです。だからこれからも「私はアーティストだからバラエティには出ません」とか、逆に「アーティストっぽくなりたくないからいっぱいテレビに出ます」とか、そういう縛りは持たず、いろんなことにチャレンジしていく中で、親しみやすさって作られていくと思うんで、自分の音楽魂とか、表現したい部分は絶対閉ざしちゃダメなんですけど、そういう心は燃やしつつ、タレントっぽい動きもしていくことによって、自分がなりたい、親しみやすいピアニストになれるのかなと。だから縛られずにやっているという感じです。
──もちろんその中心にはピアノがあるわけで、幅が広がったからこそ、ハラミちゃんにとってピアノの大事さというのはより強くなってますよね。
ハラミちゃん そうですね。やっぱり自分は「ピアノを弾く人」ですし、もちろんピアノありきの存在だと思っているので、そういう意味でも、自分のキャラクターも磨いていかないといけないんですけど、音の技術とかアレンジの幅とかも、もっともっと探っていかないとなあと思っています。
ニューアルバムのコンセプトと、オリジナル曲3曲に込めた思いとは?
──さて、「第2章」の始まりとしてニューアルバム『ハラミ定食2~新メニュー揃いました!~』がリリースされます。前作は「はじめまして」という意味合いも強いアルバムだったと思うんですが、今作のコンセプトはどういうものでしょう?
ハラミちゃん 「武道館が終わったらアルバムを出したい」と思っていて、前作から1年経って、その間にインプットしたものとか、引き出しが増えた部分を、今の武道館を終えたハラミちゃんが出せる全てのことを入れようというコンセプトで作りました。その中で、やっぱり「カバーアルバム」という軸はずらしたくなくて。カバーが売れると、オリジナルに挑戦していくという文化ってありますよね。自分もやりたいというのはあるんですけど、自分の活動の根幹である「親しみやすい存在になりたい」「ピアノを身近にしたい」ということを考えた時に、カバーは外せないというか。オリジナルのインストゥルメンタル曲って、やっぱりどうしてもハードルが高いし、カバーだと入りやすいじゃないですか。自分はその垣根を崩す存在でありたいと思っているので、ずっとカバーしていきたいという思いを込めて、タイトルもあえて「2」にしました。「3」「4」と、どんどんどんどんカバーをしていきたいという気持ちがこもった「2」です。
──ただ、今回はその中に、この間に発表されたオリジナル曲も3曲入っていますよね。
ハラミちゃん はい。基本はカバーアルバムなんですけど、自分が表現したいオリジナルを数曲入れていくみたいなスタイルがいいのかなあと思っていて。カバーの延長線上で私のオリジナルも聴いてもらえたらいいなという感じで入れています。
──ではまずそのオリジナル曲3曲についてお聞きしたいんですが。まず「雨」は、タイトルとは裏腹に軽快な演奏ですよね。
ハラミちゃん 雨のしずくをイメージした曲ですね。「今日は雨でイヤだな」という方もいらっしゃると思うし、私も雨の日は嫌いだったんです。でも雨の日って、自分の気持ちが外じゃなく内側に向かう日だな、逆にそういう日って、自分を見つめ直せる素敵な時間なんじゃないかなと、ふと思うようになったんです。だから雨の日の曲が作られてもいいんじゃないかなと思うようになって作った曲です。
──オリジナル曲全般の話になるんですが、作曲の過程はどのように?
ハラミちゃん フレーズを思いついたらピアノを弾いて、ボイスメモとかに録音するんですけど、それが溜まって1曲にできそうだなと思ったら、そこからは集中して作る感じですね。
──この曲は特に、「Aメロ」「Bメロ」「サビ」という構成がハッキリしていて、歌詞があってもおかしくないように聞こえました。そういう想定はされていたんでしょうか?
ハラミちゃん 自分の中で、インストゥルメンタル自体がすごく街中に溢れているわけではないと思っているので、あまりにも奇抜な構成にしてしまうと、ただでさえピアノのオリジナル曲ってあんまり聴かないのに、さらに「?」になってしまうと思うんですよね。だから皆さんが分かりやすいように「Aメロ」「Bメロ」「サビ」「間奏」みたいな、本当にJ-POPみたいな作り方を意識しました。「次はこれが来るな」というフレーズが、ちゃんと気持ちよく来るのって、インストへのハードルが下がると思っているので、そこは意識しました。
──ただ、「947」の方はまた違いますよね。
ハラミちゃん さっきと言うことが逆になってしまうんですけど、もともと自分の聴いていたルーツがポストロック(独特のリズムや構成を持った、ロックのいちジャンル)とか変拍子の音楽なので、そういう要素をいつか入れられたらなと頭の片隅では思ってたんですよ。でもこれは、「それを絶対入れてやろう」と思って作ったわけではなくて。タイトル通り947日間の思い出を集めた曲なんですけど、武道館への道のりは、ひと言で言うなら「冒険」でした。この「冒険」を表す時に、自分の好きだった変拍子とかが、冒険っぽいフレーズにすごくフィットしたので、たまたまこうなった感じです。でも、サビっぽいところはちゃんとキャッチーに、そこは普通の4拍子にしていて。そこは口ずさめるようにして、イントロ部分は崩してというのにチャレンジしてみたという感じです。
──もう1曲は「ひとり」。これはしっとりとした曲ですね。
ハラミちゃん これは今年作らせていただいた曲です。「春に1曲出したいな」と思っていて、どういう曲にしようかと思った時に、自分にとって春はすごく心が揺らぐ時期だなと。別れもありますし出会いもありますし、そういう歌や曲もよくありますよね。そういう春の季節って、自分がひとりになる時期だと思っていて、「ひとり」ってネガティブなイメージだったんですよね。でも、人間って本来ひとりですし、ひとりで自分の行く道を見つめ直すこともできるじゃないですか。「ひとりでいいんだよ」「ひとりが正解だよ」というのを伝えることによって、皆さんが春に一歩踏み出す時に応援するような曲ができないかなと思って作ったという感じです。
──こうやって、正式に発表されたオリジナル曲は今後も増えていくと思います。それと、しっかりと自分のものにされたカバー曲というのは、ご自分の中での存在として「違うもの」なんでしょうか。それとも同列なんでしょうか。
ハラミちゃん カバーの時って、その曲を作った方のことをすごく思うんですよ。「この人はどうしてここをこういうコードにしたのかな」とか、「ここはなぜ半音下がっているんだろう」とか。そういうところで考察っぽいことをしていく過程があるんですけど、オリジナル曲はその必要がないですよね。でも本当にそれぐらいの差で、カバーでは原曲の考え方を抽出する過程が、オリジナルだと省かれているみたいな感覚で、その分を作る時間に回せているみたいな感じなんです。だから自分の中で向き合うスタンスみたいな点では、あまり差はないかもしれないですね。
──全13曲中3曲がオリジナルですが、そのバランスについても考えましたか?
ハラミちゃん そうですね。この1年で新たにカバーしたりして、入れたい曲もすごくたくさんあったんですが、その中でどうしても入れたい曲と、オリジナルも3方向の曲が入れられたというのは、バランスがよかったと思ってます。
──カバー曲も、時代的にも方向性的にもバラエティに富んでると思いますが、ご自身にとって一番チャレンジだった曲というとどれですか?
ハラミちゃん チャレンジという意味では、「夜に駆ける」ですかね。私の弾き方っぽくなく弾いたというか。自分の弾き方って、わりとテンポが揺れたり、ダイナミクスを大幅につけるタイプなんですけど、それをあえてやらなかったというか、YOASOBIさんって、あんまり感情を露わにするタイプじゃないですよね。歌詞の世界観とかもすごく淡々としているイメージで。その、打ち込みの感覚みたいなものをピアノで表現するというのはあんまりやったことがなくて、普段は感情をグーッと込めて弾くことが多いんでが、それを、あえて滑らせていくというか、そういう弾き方にチャレンジしたとことで、自分の幅も広がったなとは思いました。
──「BOHEMIAN RHAPSODY」も収録されていますが、この曲は今回のカバー曲の中でも一番複雑で、原曲はコーラスやエフェクトを重ねた作りですよね。これを再構成してカバーするのは大変だったのでは?
ハラミちゃん 大変でしたね。でも、技術的な面というよりは、フレディ・マーキュリーさんの苦悩というか精神の部分を理解するというのが難しかったですね。自分のコンプレックスとかいろんな魑魅魍魎としてる自分の中身を吐き出して訴えるような曲だったので、そういう表現をどうすればいいんだろう?みたいな部分の方がすごく苦労しました。もちろん、自分の指10本では届ききれない音がたくさんあったので、それをどうピアノで表現するかというところで試行錯誤はいっぱいしました。
──アルバムだと、それこそQUEENの原曲のように音を重ねたり、エフェクトを駆使したりもできると思います。でもハラミちゃんのピアノは基本的に一人で弾くというものなので、アルバムでもそこは貫いているという感じなんでしょうか。
ハラミちゃん そうですね。今回のアルバムでも音を重ねたりとかは全くしてないです。やっぱり自分の10本の指でできる範囲でやってますね。今回、全国ツアーもありますけど、そこで写真の加工みたいに「あれ?」みたいなことを思われたらイヤじゃないですか(笑)。逆に、「10本の指だけでもこれだけできるんだよ」みたいなことを表現したいというのもあったので、そこはシンプルにやりました。
──今回のアルバムで一番の聴きどころは?
ハラミちゃん 前作よりもアレンジの幅が広がったというところを一番注目していただきたいです。今まで自分がアレンジしてきた中で、「ここまでベースは拾えてなかったな」とか「もっとこういう弾き方があるな」とか、今回のレコーディング中に自分が成長できた部分、自分の中で気付いた部分というのも何個かあったりするんです。そういう引き出しが、1年間の経験を通して増えたというところを見てほしいです。
ファミリーコンサート、全国ツアー……これからもやることがいっぱい!
──3月27日には、サンリオピューロランドでファミリーコンサートが開かれます。これをやりたいという発想はどこから出たんでしょう?
ハラミちゃん 実は、ずっと言ってたんですよ。この活動を始めてから、「ハラミちゃんに憧れてウチの子がピアノを始めました」っていう声をたくさんいただくようになって、コンサートでも親子のファンの方がすごく増えてきたんですね。で、途中で赤ちゃんが泣いてお母さんが抱えて出て行くというシーンを何回も見ていて、お母さんとしては「他の方に迷惑をかけちゃいけない」と思われると思うんですけど、一方で「お子さんに小っちゃいうちからピアノを聴かせたい」という思いもあるじゃないですか。それを実現できるようなライブができないかとずっと思っていて、子どもが泣いても騒いでもOKなライブをやりたいなと思ってたんです。ピアノだと、バンドとかよりもより静かというか、より会場の空気感が張り詰めてますよね。だから、子どもが泣いても大丈夫みたいなピアノコンサートはなかなかないのかなと思って。私が思い描いている「みんなに慣れ親しまれるピアノ」というコンセプトからも、そういうコンサートをやりたいなと思って、今回実現しました。
──もちろん、選曲もそれ用になるわけですよね。
ハラミちゃん そうですね。小っちゃい子から大人までいらっしゃるので、童謡ばっかり弾いてたら中高校生の子は飽きちゃうし、「鬼滅の刃」とかYOASOBIさんの曲とか、ジブリとかディズニーとか、小っちゃい子から大人まで幅広く楽しめるセットリストを用意しています。
──ピューロランドなので、そこにキャラクターも出てくるという感じですね。単純に楽しそうですよね(笑)。しかしこういうこともハラミちゃんならではというか、他のアーティストではなかなかないことですよね。
ハラミちゃん そうですよね(笑)。私も楽しみです。これを見たのを機にピアノを習う子が増えるというのが一番の目標なんですけど、それはやっぱりちょっとハードルが高いので、「音楽って楽しいな」とか「もっと知りたいな」と思うきっかけになれるような、将来「こんなことあったな、楽しかったな」と思ってもらえて、より音楽に興味を持ってもらえるようなライブにしたいなと思ってます。
──そして、4月から7月にかけては全国ツアーも行われます。こちらはニューアルバムの曲が中心ですよね。
ハラミちゃん そうですね。1年以上ぶりの全国ツアーということで、何よりもまず、各地を回るということが大好きなので、本当に楽しみにしてます。最近はずっと東京でライブしていて、コロナのためになかなか行けなかった地方の方から「ハラミちゃんに会いに行きたいけど行けません」という声をすごくいただいてて。だから自分から会いに行けるというのは、すごく楽しみです。
──武道館を経てからのツアーになるわけですが、パフォーマンスや演出も今、練っているところですよね?
ハラミちゃん はい。今回は2部構成で、昼はいつものハラミちゃんのライブで、夜はあえてセットリストを作らないライブです。その場でのリクエスト祭りみたいな感じで。ファンミーティングに近い感じで、質問コーナーとかクイズとかもやりたいと思ってます。昼は「ザ・ライブ」という感じでピアノを弾き込んで、夜はセットリストなしでステージに上がり、どっちのハラミちゃんのよさも出せたらいいなと思ってます。1年ぶりに会うお米さん(ハラミちゃんのファンのこと)、初めて会うお米さんもいると思うので、武道館を経てパワーアップしたな、幅が広がったなと思えるようなライブに仕上げたいと思ってます。
──大きいホールでリクエストというのも、なかなか想像がつかないですけどね(笑)。
ハラミちゃん しかも今はお客さんが声を出せない状況なので、紙を使うとか、いろいろ工夫してやる形になると思うんですけど、大きな会場でもみんなが一つになれるような、このコロナ禍の中で少しでも安らげるような瞬間にしたいですね。
──個人的な部分で、ツアーの楽しみって何かありますか?
ハラミちゃん やっぱりグルメツアーですね(笑)。前回のツアーでも、おいしいものがいっぱいあったんですよ。中でも一番ヒットだったのは、名古屋の味仙。
──あー、分かります。人気の中華料理店ですね。
ハラミちゃん メチャクチャ好きになっちゃって、東京でも新橋にあるので、通ってるんですよ。味仙のコブクロが大好きですね。あと北海道のジンギスカンもメチャクチャおいしくて。新潟のお魚とごはんもおいしかったし、いろいろ記憶に残ってます(笑)。
──それをまた食べるのもいいし、新たに開拓するのも楽しみですよね。
ハラミちゃん そこがまた難しくて! 「あれをまた食べたい」という気持ちと、「新しく食べたい」という気持ちがあるので、一地域にメッチャいたいんですけど、その間に東京でも仕事があるじゃないですか。だから3ヵ月間、ずっと全国のどこかにいたいんですけど(笑)。
──ツアーをやればやるほど、楽しみと葛藤が増えるわけですね(笑)。さて、第1章の区切りとして一つ、武道館という夢が叶いました。ここからは?
ハラミちゃん すごく大きな目標がまたできたとか、今度はここで!というために活動するというよりも、自分が武道館で見た景色の中で一番印象深かったのが、老若男女のお客さんがいらっしゃったということです。4月に子ども向けに、私がプロデュースした「ぴあのえほん」を出すんです。オモチャのピアノがついてるもので。それからサンリオピューロランドでファミリーコンサートもやらせていただきますし、Eテレさんにも出させていただきますし、「うたのおねえさん」ならぬ「ピアノのおねえさん」みたいな存在になって、「ピアノって楽しいんだよ」というのをアピールできる存在になりたいなと、より強く思ったんです。そうやって子どもにピアノの楽しさを広めるというのもやりたいですし、ご高齢の方にもピアノの音色で癒やしを感じていただくような活動もやっていきたいなと思ってます。
──なるほど。
ハラミちゃん 自分がストリートピアノで培ったスタイルって、やっぱりいろんなところに行って、現地で弾くというものなんですね。その場の一期一会が大好きなので。他のアーティストさんだと、ライブ会場にお客さんが来るというのが基本だと思うんですけど、自分はそういうのもやりつつ、いろいろな場所に行って一期一会の出会いの中で演奏するというのも大切にしたいんです。今回、老若男女のお客さんに来ていただいたということを確認させていただき、改めて老人ホームに行ったり保育園に行ったりと、自分がちゃんと出向いて、その方たちに向けて世代を選ばず弾いていくということを、もっともっとパワーアップしながら続けていきたいなと思います。
──2月に行われた小児がん治療支援チャリティーライブ「LIVE EMPOWER CHILDREN 2022」に出演された時も、病院で弾きたいとおっしゃっていましたね。
ハラミちゃん そうなんです! そういうお話もあったんですけど、コロナでなくなってしまって。それもすごく悔しくて、そういうお仕事の時はなるべくこちらから出向きたいなって、強く思ってます。
──やることがいろいろありますね。ツアーではグルメ開拓もしないといけないし(笑)。
ハラミちゃん そうですね(笑)。いろんなプラットフォームでいろんなことをやりたいし、広めてもいきたいので、精力的にやっていきたいなと思ってます。
『ハラミ定食2~新メニュー揃いました!~』
2022.3.23 ON SALE
『ハラミちゃんファミリーコンサートinサンリオピューロランド ~あつまれ!親子米~』
ハラミちゃん初のファミリーコンサート。
親子で楽しめる名曲をサンリオキャラクターと楽しく披露します。
泣いても騒いでもOK! 大人のみの参加も大歓迎!
この日限りのスペシャルライブをお楽しみください!
▼開催日: 2022年3月27日(日)
【1部】開場13:30 / 開演14:00 【2部】開場16:30 / 開演17:00
▼場所:サンリオピューロランド 1階エンターテイメントホール
▼チケット購入はコチラから↓
イープラス https://eplus.jp/harami/
ローソンチケット https://l-tike.com/order/?gLcode=32858
▼イベントHP
https://www.puroland.jp/spl-event/harami-spl/
ハラミちゃん最大規模の全国ツアー『ハラミ定食2 全国ツアー 2022 ~新メニューお届けするぬ!~』
ハラミちゃん最大規模14都市28公演の全国ツアーは2部構成!!
表メニュー(昼公演)はNEW ALBUM『ハラミ定食2 ~新メニュー揃いました!~』をひっさげた新曲揃いのピアノLIVE、
裏メニュー(夜公演)はハラミちゃん初のファンミーティングLIVE!トーク&クイズコーナーや、その場限りの即興ライブ、リクエストメドレーなどを予定!
▼チケット購入はコチラから↓
イープラス https://eplus.jp/harami/
mu-mo TICKET http://r.y-tickets.jp/haramichan2201
ローソンチケット https://l-tike.com/harami/
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/harami/
▼公演情報
2022年4月2日(土) 電力ホール
2022年4月10日(日) 金沢市文化ホール
2022年4月16日(土) 新潟市音楽文化会館
2022年4月29日(金) リンクモア平安閣市民ホール
2022年5月3日(火) 道新ホール
2022年5月5日(木) 若里市民文化ホール
2022年5月14日(土) はつかいち文化ホール ウッドワンさくらぴあ 大ホール
2022年5月22日(日) 大阪国際会議場 メインホール(グランキューブ大阪)
2022年5月29日(日) 東京文化会館・大ホール
2022年6月5日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
2022年6月12日(日) 京都ロームシアター サウスホール
2022年6月19日(日) 松前総合文化センター
2022年7月2日(土) 福岡国際会議場 メインホール
2022年7月9日(土) 琉球新報ホール
昼公演: 13:00開場 / 14:00開演
夜公演: 18:00開場 / 19:00開演
※全会場共通
▼チケット料金、詳細は公式HPをご確認ください。
https://harami-piano.com/
【ハラミちゃん Official Site】
https://harami-piano.com/
【ハラミちゃん YouTube】
https://www.youtube.com/channel/UCr4fZBNv69P-09f98l7CshA
【ハラミちゃん YouTube(sub channel)】
https://www.youtube.com/channel/UCDzNUObGnzyegwPYMDDJmjg
【ハラミちゃん Twitter】
https://twitter.com/harami_piano
【ハラミちゃん Instagram】
https://www.instagram.com/harami_piano/
【ハラミちゃん Tiktok】
https://www.tiktok.com/@haramipiano?
ライター
高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。