11月24日にデビューEP『toi et moi』をリリースするet-アンド-(読み:アンド)。SKE48時代から歌唱力には定評があった野島樺乃さんを筆頭に、「歌」をテーマに集まった4人による新世代女性ボーカルグループです。7月のデビューデジタルシングル「#tokyo」以来、菊池一仁プロデュースの楽曲でそのスキルを見せてきた彼女たちが、いよいよ本格始動。そんな4人に、グループのこと、デビューEPのこと、そしてこれからのことなどをお聞きしました!
会って1年以上、グループの現状は「最高」で「抜群」!
──初めてのご登場でもありますし、自己紹介と、グループの中での自分のウリを教えていただけますか?
モラレスきあら 香川県出身の20歳、モラレスきあらです。私は元から明るくて、現場を盛り上げる担当です。
野島樺乃 愛知県出身の野島樺乃、20歳です。私はet-アンド-のリーダーをやっているんですけど、自分的にはリーダーシップは全然ないと思っているんですね。でもどういうリーダーになりたいとかいう「リーダー像」というのはあえて持たないようにしていて、自分的にはet-アンド-の4人全員が楽しめて、言いたいことも言いやすい環境作りを自分が率先してできたらなと思うので、そこに注目してみてほしいです。
栗本優音 東京都出身、16歳の栗本優音です。私は最年少なので、妹感をグループ内で出していけたらなと思っています。楽曲の中ではセリフとハイトーンボイスをウリにしていて、「#tokyo」で初めて挑戦したので、そこにも注目して聴いていただけたらなと思います。
山崎カノン 北海道出身、21歳の山崎カノンです。私は普段ふわふわしてるねって言われるんですけど、パフォーマンスになるとガラッと変わるので、そのギャップをウリにしています。よろしくお願いしますす。
──この4人が「et-アンド-」として初めて集まったのは、いつの話になるんですか?
野島 もう1年以上前ですね。いつ頃だろう……。
モラレス 4人がちゃんと集まったのは、2020年の5月あたりですね。
──そこから準備期間に入ったわけですね。
モラレス 全員で集まる以前に、今回もプロデュースをしてくださっている菊地一仁さんのところで歌わせていただいたりとかもあって、個々で会ったりとかあったんですよ。だから私が樺乃とかに会ったのはもっと前で、2019年の11月とかになりますね。
──では、デビューからはまだ時間が経ってないように思えますが、皆さんの中ではもうけっこう長い付き合いということですね。この4人でグループ結成となった時は、どう感じましたか?
栗本 最初、1人1人のメンバーのプロフィールとかを見させていただいたんですけど、その時は本当に1人1人の今までやってた活動がバラバラで、それが個性豊かでいいなって思いました。それが第1印象ですね。
──野島さんは、最初からリーダーに任命されていた感じだったんですか?
モラレス デビュー前に決まった感じだったよね。
野島 デビュー前に、「リーダーは野島ね」って言われて、私も「そうなのか!」って思ったんですけど(笑)、でも私、SKE時代は全然リーダーシップとかなくて、グループの中でもマイペースに、自由気ままに羽を広げてやっていたので、「リーダーなんてできるかな?」と思ったんですよ。でもet-アンド-の活動の話を事務所からいただいた時は、それぞれが以前にやってたことはバラバラですけど「歌手になる」という夢は共通認識としてあるなと。一応、私がリーダーということにはなってますけど、一人一人が自覚を持っている中で、その自覚、意見をまとめるようなリーダーでありたいなと思ってます。
──山崎さんは別のグループなどでの経験もありますが、この4人になった時はどう思いましたか?
山崎 et-アンド-は歌に特化したグループだと言われていたんですけど、みんな声質も全然違うので、その違った声質が1曲にまとまるというのは、すごく面白いし、楽しみだなって思いました。
モラレス 今カノンが言ったように、全然声質が違う4人が集まって歌うというのは、他のグループではあんまりないと思うんですよね。そこでこの4人を選んだ菊地さんはすごいなって、まず思いました。楽曲とかも全部含めて、何か新しいことに挑戦しててすごいなって。
──そこからデビューも経て、今の4人のチームワークはどうですか?
モラレス 最高じゃない?
山崎 抜群ですね。
野島 我ながら最高だと思ってます。
──自分たちで褒めまくりですね(笑)。
全員 (笑)
モラレス でも本当に、キレイに分かれてるんですよ。一番年下の優音がが何もツッコまないタイプだし、樺乃はツッコむ時はツッコむけど、ツッコまん時はツッコまんし、カノンが一番ボケて私がツッコむし、みたいな。すごくバランスが取れてると思うんですよ。でも、ちゃんと話をするときはちゃんと話し合うし。
野島 表面だけの話じゃなくて、みんな深く考えて発言するんですよ。優音は一番年下ですけど、彼女もしゃべりやすい環境になってると思います。ちょっと1人が違うことを言ったからって、それが悪いとかじゃなくて、「そういう意見もあるんだ」っていう感じで全部プラスに持っていけてると、個人的には思います。それに、個性が豊かだからこそ、かぶらなくて、お互い尊重し合えるので、それも自分たちの強みかなとすごく思います。
──先ほどのSKE時代の話で、気ままに羽を広げていたという話がありましたが、今もその羽は広がってるんですか?
野島 いや……SKEの時とet-アンド-になってからでは、性格とかも変わったなって自分でも思うし、ファンの方にもすごく言われるんですよ。以前が笑ってなかったとかじゃないんですけど、et-アンド-にいる時はいつも笑ってるねって言われますし。それはやっぱり、みんなで一つのものを作り上げたりとか、奥深くまで話し合って、悩んで、いいものを作り上げていることを、心の底から自分も楽しめているし、みんなも楽しめているからだと思うんですよね。だから今は、違う羽を広げているという感じです。
ウチのメンバー、ここがすごい!
──チームワークが「最高」で「抜群」ということなので、お1人ずつ、他のメンバー1人を挙げていただいて、いいと思うところを教えていただけますか?
モラレス じゃあ私は樺乃を。彼女とは同い年だから、プライベートでもけっこう仲がいいんですよ。樺乃はすごく周りが見えてて、でもノリもいいし、だけど真面目なところはすごく真面目なんですよ。一番好きなところは、言い方は悪いかもしれないですけど、仲良くしたいなと思う子としか仲良くしないタイプなんですよ、どちらかというと。それって、しっかりと人の見極めができるということなので、そういう選択ができるところとかも、私はすごく好きです。
野島 照れる!(笑) 本当に、「この人はこのまま」ってよく言われますね。「周りをよく見れてる」とか言われるのも、それこそSKE時代、何十人もいるグループの中で這い上がっていくには、周りを見てないと何もできないんですよ。自分しか見てなかったら何も成功しないので、その部分は前の活動で経験を積み重ねて、自分の中で成長できた部分が、今こうして生きてるなって思います。
──では野島さんのメンバー紹介は?
野島 じゃあ、私はのんちゃんで。山崎カノンちゃんは、第1印象は人見知り。極度の人見知りで、緊張して全然しゃべってくれなかったんですけど、出会って1年経った今はもうずっと笑ってるし、本当に何かいつも幸せのオーラを身にまとってるから一緒にいてハッピーになれる人だなって思います。きあらもムードメーカーですけど、彼女ともまた違うというか。個人的にすごくいいなと思うのは、自分の世界観にすごく入るんですよ。言っちゃえば私と逆で、あんまり人目を気にしないというか、周りを見ない、いい意味で。
──いい意味で(笑)。
野島 私はわりと人目を気にして、「恥ずかしい」とか「こういうのできない」とか最初に思っちゃうことがあるんですけど、のんはそういう、人目を気にするっていうことがないんです。人に流されないで自分をしっかり持っているというのは、この芸能界で、表現者としてメチャクチャ大事なことなんじゃないかなと思います。だからこそ、何か自分が迷った時とかに相談しても、のんの回答が返ってくるし、のんの世界観があるので、そういうのは自分にないところだから、いいなと思います。
──これを聞いたらどう返ってくるんだろうなという楽しみがある?
野島 想像を超えてくるんですよ。想像してるような答えは返ってこないし、いつも予想外の行動とかするので、面白いです(笑)。逆に、一緒にいると「私ももっと人目を気にしなくていいんだ」と思えます。
栗本 私はきあらで。きあらは本当にet-アンド-のムードメーカーで、彼女が現場にいるだけで本当に明るくなります。私はあんまり自分からいろいろ意見とか言えないんですけど、きあらはet-アンド-のメンバー4人で話し合いしてる時も、自分の意見をしっかりちゃんと言ってくれます。いつも楽しくワイワイしてるけど、しっかりするところはしっかりするっていうのは、私的にすごくいいところだなと思います。パフォーマンスも、ラップはet-アンド-に入って初めて挑戦してるんですけど、きあらのノリとセンスで何でもこなせちゃいますし。本当に歌も透き通った声をしてますし、そういう風に自分のセンスで何でもこなせてしまうところはすごいなと思います。
──では山崎さんは?
山崎 じゃあ優音の紹介を。本当にすごくしっかりしてて、パフォーマンス前とかも「緊張する!」って言ってるんですけど、いざステージに立ったら、「一番堂々としてたよ」って言われるぐらいしっかりしてるんですよ。「本当に緊張してたの?」って思うぐらい、どっしりと構えてて、すごいなといつも思います。それはステージ上でも感じるし、たぶんパフォーマンスを見てくださるファンの方々も感じるぐらい、最年少には見えないぐらい大人っぽいし、しっかりとした表情とか本当にすごいなっていつも思いますね。
──ありがとうございます。そんな4人が活動を正式に開始して、7月に第1弾シングルが配信リリースされたんですよね。そこから3曲が世に出て、ライブなども始まっているところですが、ここまでの活動はどうですか?
モラレス 月に1回ぐらいのペースで曲とMVも出させていただいて、けっこう順調だなとも思うんですけど、ハードなスケジュールでもあるじゃないですか。なので、自分自身も「ついていけるかなあ?」と思ったり、実際、ついていくのに必死なときもありますね。ファンの皆さんからも活動に「いいね」とか「うれしい」とも言っていただけるんですけど、「ペース早いからついていけるか心配」とか、「見落としちゃうとかがないか心配」とか、そういう言葉をもらう時もあって。でも、まだデビューしてちょっとしか経ってないのに、キー局の番組とかに出演させていただく機会をいただいたりして、ペースとしては早いかもしれないけど、自分たちはこのペースでいいし、これをずっと続けていきたいなって、私自身は思います。
山崎 本当に楽しくやらせていただいてますね。すごくありがたい環境だなっても思いますし、カノンは個人的に、et-アンド-のホームページがアップデートされていって、どんどん情報が増えていくのがすごくうれしいんです。あれを見ると実感も湧くし、すごくありがたいことだなっていつも思ってます。
栗本 私は、他のアーティストさんよりすごく勢いがあるなって自分で思ってて。私自身、応援しているというか、推しているアーティストさんがいなくて、et-アンド-に一番自分が集中して努力している分、結果がどんどん出てくるので、それは本当にうれしいし、ありがたい環境だなって思います。
野島 でも、順調だし楽しいんですけど、例えば9月のワンマン、初めての自分たちのライブに向けて、8月は丸々1ヵ月、みんなで毎日レッスン漬けでリハーサルの日々を送ったんですよ。やっぱりその中では楽しいだけじゃなくて、個々に思うことだったりとか、パフォーマンスに対してもっとこうしたいっていう意欲が出てきたりもしてるんですね。1個1個やることが増えるに連れて、聞く人のハードルもどんどん上がってくるし、そこに自分たちも追いついていかないといけないっていう中で、楽しさの中にもそれぞれの葛藤とかがあったアルバム制作だったなとは思います。
いろんなサウンドが詰まっていて、聴いていて面白いアルバム!
──というところで、デビューEP『toi et moi』についてお聞きしたいと思います。1曲目の「Newton」は、まさに「これからやっていくぞ!」というような歌詞だと思うんですが、まず最初この曲を受け取った時はどう感じましたか?
モラレス 最初に仮歌が入った楽曲を受け取った時点で、「これは来たな」ってすごく感じました。
野島 今までの私の楽曲って、歌入りから始まる曲ってなかったんですよ。だいたいイントロ、前奏があってからの歌だったんですけど、「Newton」は歌から頭サビとして入るので、本当にきあらが言う通り、「何か難しそうなのキターッ!」って思いましたね。
──それだけにやりがいもあるし、歌を押し出すグループとしては、1曲目しかないという感じですか。
野島 ワンマンライブでも1曲目に披露している曲なんですよ。やっぱり最初にいかに引きつけるかというのは重要なポイントなので、ぶちかまして(笑)。ここは一つ、グッと人の心を掴める歌声を、et-アンド-のみんなで届けられたらなと思ってました。
──アルバム全体が都会的なサウンドで、プロデュースとかも含めて、すごく細かいところまで絶妙に計算されている印象があります。特にこの曲は「et-アンド-はこういう音でやっていくグループです」というのをこの曲で最初にしっかり見せているような感じがしたんですが。
野島 そうですね。この曲はスウェーデンのLukas Hallgrenさんが編曲をしてくださってるんですが、曲によって編曲もいろんな方がしてくださってるんですよ。それも自分たちの持ち味で、一つの曲調にとらわれない、一つの型にはまらないということで、いろんな楽曲でいろんなサウンドがこのアルバムには詰まっているので、聴いていて本当に面白いんじゃないかなと思います。
──2曲目の「Blue bird」は栗本さんと山崎さんが、Kellyさんと一緒に作詞していますね。おの共同作詞は、どういう過程を経て行われたんですか。
山崎 もともとは、1人ずつが1曲ずつの詞を書いて、いいところを抜粋していって組み合わさったのが、今の詞になってるんです。
野島 最初はKellyさんの歌詞はなくて、まずこの曲をいただいて、菊池さんから「みんな作詞にチャレンジしてみようか」って言われたんですね。みんな、4人全員がこの曲からそれぞれの思う世界観で書いて、菊池さんのそのイメージや世界観に合った、のんと優音の歌詞のいいところを取って、最終的にKellyさんの歌詞を加えて、できあがった感じです。。
──なるほど。作詞はどうでしたか?
栗本 私は生まれて初めての作詞だったんですけど、やっぱり初めてなりに本当に大変でした。最初は、曲を聞いてコンセプトを考えようと思ったんですけど、それも初めてだからなかなか出てこなくて、最初はすごく苦戦しました。でも、自分の思い通りのコンセプトが出てきたりとかした時は楽しかったですし、それが認められたというか、歌ってる時も、自分が考えた歌詞のところを歌っている時は、そこに一番思いが強く出るので、そこは初めて作詞してよかったなって思うところです。
山崎 私はもう、書きたいことを書かせていただいたっていうのが素直なところなんですけど、本当に自分が思ってることとか伝えたいことをとりあえずバーッて書いて、あとはメロディに合う言葉を探して書いたので、考えてる時間もすごく楽しかったですし、詞を書いてるとあっという間に時間が過ぎて、「あ、もうこんな時間だ!」っていうぐらい、すごく夢中になれる時間でした。
──そういう過程を経て出来上がった曲を聴いた時はどう思いましたか?
モラレス ホントにいい歌だなと思いました。
野島 きあらのラップの部分もカッコいいんですよ。歌詞ものんが書いたところだったりとか、冒頭の優音が書いたところだったりとか、みんなの共同制作だからこそ、1曲にまとまってるんだけど、いろんな色が出てるというか。「このイントロの始まりから、このラップが来るんだ!」「このラップからこういう明るいサビが来るんだ!」って思う曲だなって思います。
──次がデビュー曲にあたる「#tokyo」ですが、クールなままでずっと行くのかと思ったらサビは急にドラマチックに盛り上がる感じの曲ですね。ラップもあり、ポエトリー・リーディングもありで、これも「こういうグループです」という感じの曲になってますよね。
野島 デビュー曲に一番ふさわしい曲だなと思います。一人一人の声質に合ったパートを菊池さんがバーン!と決めてくださってるので、すごいなと思いましたし、自分たちが歌って完成した1曲を聴いても、「4人のこんなバラバラな声質をキレイに1曲に収められるんだ」って、我ながら感動しました(笑)。
──改めてですが、モラレスさんはこのグループで初めてラップに挑戦したんですよね。この曲なんかも、そう聞こえないですが。
モラレス たくさんの方にそう言っていただくんですけど、本当に初めてなんですよ。たまたま、仮でレコーディングした時があって、菊池さんが「じゃあモラレス、頭、ラップやってみて」って感じで、本当にたまたまやったところから決まったんです。そこからずっとラップしすることになって、本当に流れで、みたいな感じですね。
──最初は流れだったけど、要はそれがうまくハマってたから、じゃもうラップ担当ね、と。でも大変だったのでは?
モラレス もう、ノリです(笑)。ラップって、決まりがないというか、音に完全にハメなくてもいいし、ちょっと遅らせてもいいし、早くするのは駄目だけどズラすのとかも全然OKじゃないですか。その微妙なところがすごく難しいっていうのはあるんですけど、「めっちゃ難しい! やりたくない!」とかはないです。
──自分に合うものを一つ見つけたなという感じ?
モラレス そうですね。全然まだまだなんですけど、それを見つけてくれた菊池さんがすごいなって思います。自分も「やろう!」って思ったこともなかったので。
──その意味では、栗本さんのポエトリー・リーディングもそうですよね。特にこの曲ではナレーションのようでもあるし、またそれもすごく堂々としてますよね。
栗本 私は小学5年生から中学1年生の約4年間、ミュージカルで活動してたので、そこで培われた演技力っていうものはet-アンド-で発揮できてるのかなと思ってて。曲としてしっかりセリフを言うっていうのは初めてなので、それも「演技する」という感覚でやってます。歌もそうなんですけど、歌とかセリフ、イコール演技というか。表現力とかもそこに繋がってくるので、そういうのは発揮できてるかなって思います。
いきなりサビがロシア語! 「えっ、これって呪文!?」
──次の4曲目が「Matryoshka」。サビはいきなりロシア語で歌っていますが(笑)。
野島 私たちも歌詞が届いた時、「えっ、呪文?」って思いました(笑)。ロシア語の表記で書いてあって、カッコ内にカタカナがあって。
栗本 しっかり調べましたしね(笑)。
──あの部分はどういう意味なんですか?
栗本 サビの「Да, меня зовут “Матрешка”」(ダ、ミーニャ・ザブ・マトリョーシカ)は、「私の名前はマトリョーシカです」という意味です。
モラレス だから「ダ、ミーニャ・ザブ・モラレス・キアラ」だったら「私の名前はモラレスきあらです」ですね。
──もうロシア語バッチリじゃないですか!
全員 (笑)
──でも、それをまた歌わなきゃいけないわけですよね。
野島 そうですね。この曲はすごく独特な世界観だなって思います。入りも、イントロから「ワフワハ」の声が入ってるんですけど、それさえも、聴いてたらどこかに連れて行かれそうな音楽だなって思います。迷宮に連れて行かれそうな、中毒性のある曲ですよね。
──イントロから、文字通りの「飛び跳ねる」という「ポップ」な感じがありつつ、でも明るいだけでもないところがちょっと癖になる感じですよね。
山崎 私はこの曲がイチ推しなんですよ。最初に聞いた時から、今までのet-アンド-にはない楽曲だなと思ったし、サビが繰り返しの言葉なので、1回聞いたら頭に残る曲だなって最初に聴いた時から思いました。
モラレス ライブでやった時も、SNSで「頭に残る」って書かれてましたね。「次々々々変わる」っていう歌詞も頭から離れないって。ロシアが関係する歌なので、私たちも歌う前にろ試合の映像とかをネットで見て、イメージを作ったりしましたね。
栗本 パフォーマンスでも、ちょっとロシア民謡を意識して、自分たちで創作したりとかもしました。
──5曲目が「BIBIBI」ですね。これは野島さんの作詞ですが、作詞は以前からされてたんですか?
野島 私もet-アンド-になって初めて作詞に挑戦していて、今回のアルバムに入ってない未収録曲で、ライブで披露している曲だったりとかで挑戦したりとかはあります。私的に、et-アンド-の活動で一番時間かかったのがこの「BIBIBI」の作詞なんですよ。さっき「Blue bird」を作詞した2人が言ったように、時間を忘れるぐらい夢中になっちゃいましたね。同時に作詞の大変さをすごい痛感しました。本当にアーティストの方々って、情景だったりとか今の自分の感情とかを歌詞にまとめるのが、本当にすごいなって、自分がやってみて改めて気づきましたね。
──自分でやってみて大変さが分かったと。
野島 最初に曲を聴いた時に、ライブで盛り上がる楽曲にしたいと思ったんです。菊池さんのイメージも「盛り上がれる曲」っていうことだったので、大きいライブ会場とかでコール&レスポンスをしたら楽しいだろうなと。サビに「LALALALA」っていう部分があるんですけど、ここは将来、大きいライブ会場でやった時に、ファンの方々と一緒になって会場全体が盛り上がれる曲にしようと思って、遊び心満載に作った曲です。あとはその遊び心でいうと、「one & the only one」っていう、冒頭にもサビ終わりにも何回も出てくるフレーズがあるんですよ。これは自分たちのet-アンド-っていうグループ名を何かしら入れて主張したいなって思って、あえてそこに「&」って入れて、意味的には唯一無二という素敵な意味があるので、自分的には、頑張ってよかったなあって思う曲です。
──それだけ頑張って作っただけあって、曲が完成版になった時には、かなりの感慨があったのでは?
野島 そうですね。ラップもあるんですけど、ラップを書いたこともないし、歌ったこともないから、どうやって韻を踏んだらいいかも分かからないし、どういう言葉の並びにしたらいいか、かなり迷いました。ちょっとワルっぽい、インパクトの強い言葉とか並べた方がいいかなとか考えたらメッチャ時間かかって、できたのはレコーディングの前日とか、すごいギリギリだったんですよ。それをキアラがノリとセンスでカッコよく仕上げてくれて。それを聴いた時は「めっちゃカッコいいじゃん!」って思いました。ラップやん中私はラップやるんだからもっと早くしなかった。いや、何かそういうのはないんです。
モラレス けっこう難しくて、樺乃が書いてくれた歌詞を音に合わせるために、一から組み直したんですよ。それで菊池さんと話し合って「これでやってみよっか」ってやってみたんですけど、けっこうワイワイしてる感じの音なので、「ちょっとワルっぽくみんなでワイワイしてる感じでやろうか」と。でも難しいじゃないですか、そんなことを初めての私に言われても(笑)。だからまず雰囲気作りから入ろうと思って、レコーディングルームの照明をちょっと暗くしたり、椅子に座ってみたり、しゃがんでみたりとかして、ちょっとワルの形から入って、収録しました。本当に時間がかかって、2時間ぐらいはこもってましたね。
──おそらく、これからはお客さんも声を出せるようにもなってくるでしょうし。
野島 それが楽しみで仕方なくて! 今はワンマンライブで、一応コール&レスポンスできる曲っていうコンセプトがあるので、ファンの方も真似できるような簡単な振り付けを提示してやってるんですけど、絶対声があった方が楽しい曲だと思うので、それができたら感動しちゃうと思います。
──それが最終的なこの曲の完成形ですね。で、最後の曲が「Eenie, meenie, miney」。またこれがサビが印象的な曲ですが。
栗本 これは「ザ・夏曲」って感じで、私もデモ曲をもらった時からすごくかわいらしい曲だなってずっと思ってましたし、完成してからも、ノれる曲、ドライブとかでも気分が上がって楽しめる曲だなって思います。周りの友達も、「サビがかわいくて頭に残る」って言ってくれるので、すごくお気に入りの曲ですね。また、MV撮影の時も本当にずっと笑ってて、ずっとワクワクドキドキした気持ちで撮影してたので、この曲は全体的に「楽しかったな」っていう印象です。聞いてても思い出がすごく蘇りますね。
──以上、6曲について語ってもらいましたが、このアルバムをこんなシチュエーションで聞いてもらいたいというのはありますか?
野島 まずは、私たちの歌を生活の一部に取り入れて、BGMにして聴いていただけるのもありがたいんですけど、やっぱり自分たちが作詞したりとか初めてラップに挑戦したりとか、初めてのパッケージなので、できれば、CDだから歌詞カードも入ってるじゃないですか。今は歌詞を見ながら音楽を聴くことって、なかなかないと思うんですけど、できれば歌詞カードを見ながら、真剣に聞いてほしいですね。曲を一緒に解釈してほしいなと思います。
とにかく「ビッグ」になりたい! 当面の目標は「2年後に武道館」!
──9月からマンスリーワンマンが開催されていて、12月にはクリスマスイブに新宿での追加公演がありますね。ここではどんなことになりそうですか?
野島 もう全員、クリスマスイブの予定が埋まったって喜びがまずあって(笑)。「イエーイ、仕事だー!」みたいな(笑)。ライブに関係ないんですけどね(笑)。
山崎 ファンの方々も「クリスマスイブにやってくれるの? すごいうれしい!」って言ってくださるので、私たちもすごく楽しみですね。内容もちょっと変えたいねっていう話もしてます。ちょっとクリスマスっぽいことも、何かしらたいねって。
──お客さんもきっと、「何かあるだろう」と思ってるでしょうし。
野島 思いますよね!
モラレス いつもと一緒じゃないだろうと思うよね。
野島 考えます(笑)。
──では最後にお1人ずつ、自分がこれから伸ばしたいところと、グループとしてどうなっていきたいか、というのを教えてください。
山崎 楽曲ごとによっていろんな表情を見せていきたいっていうのは、すごく意識していきたいなって思います。「あ、こんな表情もできるんだ」とか、「こういう歌い方できるんだった」とかっていう、新たな自分をたくさん見せていけたらいいなって思います。グループとしては、やっぱりメンバーの仲の良さを今後も全面的に出せていけたらいいなって思います。楽曲を通して。パフォーマンスをする上でも、やっぱりこのグループは仲がいいんだねっていうのが伝わると、ファンの方々も見ててすごく楽しい気持ちにもなれるし、私たちもパフォーマンスする上ですごく楽しくなるので、そういうグループに今後もなれたらいいなって思います。
栗本 私は、今セリフとハイトーンボイスが定着してると思うんですけど、それをもっともっと切磋琢磨して磨いていけたらなって思いますし、歌い方とかいろんな表現の仕方とかもまだまだなので、もっともっと努力して、いろんな表現を今後見せていきたらなと思います。グループとしてはet-アンド-っていう名前の由来にもある通り、大切な人と大切な人をつなげる楽曲を皆さんに提供していけたらなって思いますし、日本語で「安堵する」「安心する「っていう意味も込められているので、ほっとできるようなあの楽曲を全国に頑張って提供していけたらなって思います。
野島 私は9月に20歳になったので、もう大人の仲間入りということで、「et-アンド-の野島架乃」としてもそうですけど、普通に一個人として、人間性だったりとか、自分自身の芯をしっかり持てるような人になりたいと思っています。それが、今自分たちがやっている表現表現にすごくつながってくるものがあると思っていて、やっぱり誰かの意見に流されたりとか、ブームに飲まれちゃったりとかすると、自分を見失っちゃうじゃないですか。自分がコンプレックスだと思ってるところも、自分の個性なんだって思えるように……今はまだ、「コンプレックスだ!」って思っちゃうんですけど、ちょっとずつ、一歩一歩成長できて、自分の個性を認めていけたらなと思います。グループでは、今こうしてデビューして、デジタルシングルを1ヵ月ごとにリリースして、今回ミニアルバムを出せてワンマンライブもして……って、すごく順調な中ですけど、さっき最初の方にきあらが言ったように、「ペースが早くてついていけない」とか、ファンの方も、自分たちもそういう風に思うことがあるんですね。でもそこで、人と人との関係を大切にして、しっかり地に足をつけて前進していきたいなと思うので、やっぱり目先のことばかり見るんじゃなくて、今、自分たちが置かれてる環境も噛み締めて、今を大事にしていきたいなって思います。それで大きくなれたらいいなと思います。
モラレス 私は、表現力とか、自分だとラップとかのレベルアップもしたいんですけど、個人として、MC力を上げたいなと思ってます。今までライブを全部で4公演してきたんですけど、いろんな他のアーティストさんとかのライブとかに行って見ると、やっぱりしゃべりもすごくうまいし、しゃべるタイミングとか、ここでは明るくしゃべるけど、ここでは頑張ってきたことの思い出話でちょっとしんみりさせて、そのまま歌に行くとか、やっぱりうまいなってすごく思うんですよね。そういうところをもっと勉強しないといけないなと思います。グループとしては、私はもう本当に「ビッグになる」っていう、これだけなんですけど、本当に今のペースを大事に地に足をつけて、一歩一歩前進してビッグになりたいなっていうのが目標です。
──そこでイメージする「ビッグ」とは?
モラレス キリがないんです、これは。「誰に聞いても分かる」とかはすごくビッグだと思うんですけど、私からすると、地上波に出れるようになるっていうのもすごい前進だし、ずっと頑張って自分たちの実力でそういうことを続けていくことができれば、「ビッグ」に近づくことができると思うんです。「最終目標はどこですか」って言われても、今は具体的なもの、最終的な目標はないんですけど、今は「2年後に日本武道館」という大きな目標があるので、それに向かって頑張っていかないといけないなと思ってます。
デビューEP『toi et moi』 2021.11.24 ON SALE
【et-アンド- Official WEBSITE】
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ライター
高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。