2016/12/14(水)の本日、両A面シングル「オリオン座/YABATAN伝説」をリリースする“大森靖子(おおもり せいこ)”がavex portalコラムに初登場!!
「オリオン座/YABATAN伝説」
激情型シンガーソングライターとしても知られる “大森靖子”さんですが、プライベートでは一児の母。
結婚や出産を経ても全く勢いが変わらない(むしろ増している!?)大森さんに、結婚と出産前後の意識の変化や独創的なプロモーションとファンとの緊密な関係etc…について話を聞いてきました。
“大森靖子”を知らない人、名前は聞いたことあるけど…という人たちにこそオススメしたい“大森靖子”の第一歩的なインタビューです。
──今回のインタビューの前に「かけがえのないマグマ」(著:大森靖子+最果タヒ)と「TOKYO BLACK HOLE」の初回盤についていたエッセイを読ませてもらいました。
大森 ありがとうございます。
──アレを読んだら大森さんに聞きたいことはだいたい書かれてるのでは?というぐらいの内容でした。
大森 あ、じゃあ写してもらって大丈夫ですよ(笑)
──いや、そういう訳にもいかないので(笑)よろしくお願いします。
大森 お願いします。
結婚と出産を経た大森靖子の現在
──2014年の大森さんの結婚というニュースを聞いてすごく驚いたんですよ。しかもそこからあまり間を置かずに妊娠というニュースもあって…。大森さんにとってご結婚と出産前と後で作品に入れるメッセージや取り組む姿勢に変化はあったんでしょうか?
大森 「変わるといいな」と思ってしたところもあるんです。いつまでも一人暮らしの女のあれこれを歌ってるのはもういいかな(笑)って思ってたのと、あと自分のことを歌うよりも見たものに刺激をもらうというか、女の子が言ってることや「本当はこういうことを口にしたいんじゃないかな?」とか。
そういうことを歌詞にする方が好きだったので、そういう刺激がもっと増えたり広げたい気持ちがありました。
──最初にお話した本の中で書かれていた中ですごく印象的なエピソードがあったんですが。(結婚をして)名前が変わったことで意識が変わったというようなことを書かれてましたよね。
大森 名前が変わる少し前から乖離している感覚はあったんですけど。“大森靖子”を作品として『この人にはこういう作品を書いてあげよう』みたいな感覚が「マジックミラー」辺りからありました。「“大森靖子”さんには次にこういう仕事をしてもらって世の中に肯定感を与えてもらって…それは重たいことではあるけど私のことじゃないから。だってもう私は“大森”じゃないし」みたいな。
──なるほど。もう“大森靖子”自体がフィクショナルな存在という感じですかね。
大森 私は『芸能人になりたい』とかじゃなかったんです。活動していく上で「売れたい」という気持ちはあったし、聴いてくれる人が増えればいいな、たくさんの人の人生を肯定できるような言葉が与えられる人になれればいいなとは思っていたけど、みんなが必ずアガれるようなキラキラしたものを与えたいとかではなかったので。
そういう重みには耐えられる人間じゃなかったので。「じゃあ(“大森靖子”に)押し付けちゃおう」みたいな気持ちになったというか、もう違ってていいやっていう。
──ご結婚や出産の前後でファン層の変化とかってあったりしましたか?
大森 ちょうど同じタイミングで出産するお母さんがファンの方にいっぱいいたんですよ。なので、そういう人たちと子供について話したりはしてますね。あと、出産とかは関係なく若い女子は増えてます。男女比も半々…おじさんと若い女の子って感じで、珍しいなって思います。
──確かに大森さんの現場はそういう感じがしますね。
大森 私ずっとおじさんと若い女の子が好きって言ってきたので、自然と自分が好きな人が向こうも好いてくれるんだなって思いました。
プロモーション資料をブログで即公開。ライヴで観客にマイク。ファンとのリアルタイムで身近な盛り上がりは「昔からやってきたこと」
──では、次に大森さんがやるプロモーションについてなんですが、例えばコレ(新譜のプロモーション資料)をブログで公開されてたじゃないですか。
大森 はい。
【該当ブログ:http://lineblog.me/oomoriseiko/archives/12752309.html(公開は終了しました)】
──こういう資料って取材する側の人はもらうことが多いんですけど、もらう時に『コレって絶対ファンの人も欲しい資料だよな』っていつも思ってたんですよ。
大森 そうですよね。ふふふ。
──しかもこの資料、大森さんが自分で相当書いてるじゃないですか。
大森 書いてます。インディーズの時は全部自分で作ってたんで。
──その資料が僕らがもらうタイミングとほぼ同じぐらいにブログで公開されていたのでびっくりしました。あと、今回のシングルに入ってる「オリオン座」もファンの人の投票で選んだり。こういうファンの人とリアルタイムに盛り上がっていこうみたいな発想はいつ頃からあったんですか。
大森 私の世代はネットが最初からあった世代なんですけど、私と同じ世代のクリエイターってネットの評判でまずくじけちゃうというか。最初って何かしらの“型”をマネてやるじゃないですか。バンドをやるのだって“バンドという型”をマネてるってことだし。
で、そうすると音楽オタクかアイドルのオタクみたいな本当に詳しい人から「◯◯のマネ」って言われるじゃないですか。でも、私はそれに対するリアクションでやってきたところがあって。傷つくけど、それを面白がれたりもしたので。誰かが「大森靖子は次こういうのやったらいいのに」って言ってきたら「それ面白いね!」って普通にやったりしてましたね。
──その感覚は今もずっと続いてる!?
大森 そのままって感じですね。ライヴも最初の頃って友達とその友達みたいな人しかいじゃないですか。私はその期間が結構長くて4~5年あったんです。だからファンの人が友達って感覚がありすぎて。
もちろん、お金はもらっているのでその分はパフォーマンスで返そうと思ってたけど、基本的な感覚としては友達と思ってます。
──ライヴ中もよくフロアに降りてきてパフォーマンスをしてますよね。
大森 そうですね。
──ライヴ中に演者さんがフロアに降りてくることはよくありますけど、時々お客さんにマイクを向けたりもするじゃないですか。
大森 私はいつも歌ってるけどこの音で歌いたくない?って気持ちがあるんですよ。ライヴはみんなで作っていくものって感覚が人よりも強いというか、弾き語りって結構音が小さいじゃないですか。
ギターが鳴ってない時は無音の時間もあるし。その時間に「わっ!」って声を出したらその人のステージになりますよね。
──実際にお客さんにマイクを向けるとびっくりする人もいると思うんですが、そういう人を見て大森さんはどんなことを思ってます?
大森 「かわいい」って(笑)
──歌ってくれないからつまらないって感じじゃない!?
大森 ないです。ないです。
──大森さんのライヴを見てると「もしあのマイクが自分に向いたらどんなリアクションするだろう?」っていつも思うんですよ。
大森 俺に来たらどうしよう?って緊張感がね(笑)
──その感覚を味わってる人って結構いるんじゃないですかね!?
大森 みんな「あ、ターゲットにされた!」って苦笑いになりますよ。「今日は俺か!」って顔して(笑)
──学校で先生に当てられそうになる瞬間ですよね。
大森 そうそう。それです(笑)
の子(“神聖かまってちゃん”)、あの(“ゆるめるモ!”)etc…
話題のアーティストやアイドルと次々コラボ。“ワンダーロマンス三連福”のキーワードは「ワクワク」。
──では、今回のタイトルについてお話聞きたいんですが。「オリオン座/YABATAN伝説」は“ワンダーロマンス三連福”というコンセプトでリリースした3作目になる訳ですが、最初はどういうコンセプトではじまった企画だったんですか。
大森 売り方的にコラボしろっていう…圧力!?
──(笑)それを感じたってことですか!?
大森 はい(笑)それに加えて、元々私が人に楽曲を提供できる人になりたい、音楽的に勉強になりそうだなって思ってる人と関わっていきたいっていうのがあったので。(神聖)かまってちゃんは“一緒に作ろう”って前から言ってたし、あのちゃん(ゆるめるモ!あの。「勹″ッと<るSUMMER」でコラボ)も縁がある人というか…。
──そうやって今回コラボした人たちは、みんな尖っているというか今までの価値観を壊すような人たちが多い印象があるんですが、それは意識していたことですか?
大森 “大森靖子”と組み合わせた場合に惹かれる人という感じですね。“大森靖子”と組み合わせて面白いことが起こせそうな…自分がそこにワクワクできるか?とか。
──の子さん(“神聖かまってちゃん”)とコラボした「非国民的ヒーロー」のMVが、二人ともすごくいい顔で歌ってるのが印象的でした。MVの中での子さんがあやしてるお子さんって大森さんのお子さんですよね?
大森 はい。そうです。
──の子さんのああいう表情を見たことなかったです。
大森 それの子くんのファンにめっちゃ言われました。あと、あそこまでやってお互いのファンに叩かれないのってすごくないですか?お互いの家まで行ってるのに(笑)
──確かにそうですね。
大森 すごくうまくいったんだなっていう感覚はありました。
──“ゆるめるモ!”のあのさんとのコラボではどうだったんでしょうか?
大森 あのちゃんにはホントに曲を書いてみたいなっていうのがあって。言ってしまえばもっと書きたいんですけど(笑)仕事来ないかな?って思ってたぐらいで。
──あ。じゃあワンダーロマンス三連福は、大森さんの曲というよりはコラボした人たちのために書いた?
大森 はい。全部そうです。なので「思ったより歌わせられた」って言われました。「俺、歌わなくていいよっ」って言われても「ダメだよ。歌わないと」みたいな(笑)
──で、今回のシングルでコラボしたのが生ハムと焼きうどん(以下、生うどん)との「YABATAN伝説」ですよね。そもそも生うどんとはどうやって知り合ったんでしょう?
大森 最初は(メンバーの)東理紗ちゃんが、私を知ったこと芸能活動のきっかけになったというのをずっと言ってくれていて。私の握手会とかチェキ会にも来てくれたり、生うどんのCDを渡しに来てくれたりしてたんです。たぶん生うどんを始めたばかりの頃ですね。それから「対バンしたい」って言ってくれてるのを聞いて、一緒にライヴして…って感じですね。
──そこから今回のコラボにつながった、と。
大森 そうですね。
──「YABATAN伝説」には色々なネタを仕込んでますよね。
大森 色々やってます(笑)時事ネタっぽいこととかも。
──あと90年代のネタとか…。これはおじさんたちは釣られるなぁと思ってて。
大森 (笑)
──ジャカジャカジャンケン(※)のパロディーとか。
大森 あ、気づきました!?
※編集部注:「ジャカジャカジャンケン」とはフジテレビ系テレビ番組「ポンキッキーズ」の1コーナー
──あれ聴いてると無意味にテンション上がりますよね。
大森 (笑)ただ、サビにもってくる訳にはいかないなと思ってBメロにしたんです。
──レコーディングした時のエピソードはありますか?
大森 彼女たちは自分達のレコーディングで一行に30分かけるようなやり方をしてるらしくて。それから解放されて楽しい、みたいな感じでしたね。そりゃそうだろうよって。そんなレコーディング聞いたことない(笑)
ライヴ? CD? YouTube? 大森靖子の楽しみ方は“それぞれ”で大丈夫!!
──今回の「オリオン座/YABATAN伝説」やワンダーロマンス三連福で大森さんを知った人たちには、やっぱりライヴを見てほしいなって思ってしまうんですが、大森さんはその辺りをどう思ってるんでしょうか。
大森 来ない人は可哀想…じゃないけど、ライヴの方が絶対楽しいに決まってるので。でも、YouTubeだけでいいっていう人がいたり、私も音楽配信サービスとかから自分の曲を拾って「この曲で一緒にライヴでコラボしましょう!」って送っちゃったりするので…。
そういう時代なんでYouTubeとかで知った人がライヴに来てもらえたら嬉しいですけど…というかライヴに自信があるからYouTubeだけで終わる人がいてもいいや、って。CDで音源を作るのも楽しいですけど、私はライヴをずっとやってきてる人間だからあまりこだわってないところはあると思います。
あと、CDには質感がありますよね。開ける時の質感、あの瞬間の以上のワクワクってないじゃないですか。
──CDには物語的な楽しみがあるって話されてましたよね。
大森 ありますね。買いに行くことだったり、物質的な出会いがあるので。そういうワクワクはCDならではの楽しさだからそれぞれで大丈夫かな?って。ライヴにはライヴにしかない楽しみがあるので。
撮影・名鹿祥史
■■■■リリース情報■■■■
発売日:2016年12月14日(水)
商品名:オリオン座/YABATAN伝説
【CD ONLY】¥1,000(税抜)AVCD-83707
M1:オリオン座
M2:YABATAN伝説
M3:君に届くな
【CD+DVD】¥2,500(税抜)AVCD-83706/B
(CD)
M1:オリオン座
M2:YABATAN伝説
M3:君に届くな
(DVD)
1:オリオン座(Music Video/プライベートVer.)
2:YABATAN伝説(Music Video/DVD Ver.)
3:【LIVE】TOKYO BLACK HOLE TOUR 2016.10.15 @仙台MACANA 前編 アッパースクール
【CD+DVD(ファンクラブ限定盤)】¥3,500(税抜)AVC1-83708/B
(CD)
M1:オリオン座
M2:YABATAN伝説
M3:君に届くな
(DVD)
【大森靖子 公式サイト】
https://oomoriseiko.info/
【大森靖子 公式Twitter】
https://twitter.com/oomoriseiko
【大森靖子 公式Facebookページ】
https://www.facebook.com/oomoriseiko
【大森靖子 公式YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/user/oomoriseiko
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ライター
山田秀樹(ヤマダヒデキ)
音楽サイト【ガチ恋!】のやまー編集長。タクシードライバーの影響を受けたモヒカンスタイルでアイドル現場に出没中。