01. ノスタルジア
02. Arthur's Theme (Best That You Can Do)
TSUYOSHI Collection Album 『LOVE』 Liner Notes冒頭から小言を並べて失礼するが、今の日本におけるR&Bシーンというのは鎖国状態だと思っている。独自のスタイルへと進化していく事はなんら悪い事ではないが、外してはいけないピンが必ずある。R&Bで言えば、それはソウルフルさであったり、ブラックネスであったり。しかし、これらのインテグラントを無視したフェイクと思わざるを得ないミステリアスなジャパニーズR&Bが蔓延している。
「リアルなR&Bとは何か?」その答えはTSUYOSHIそのものである。TSUYOSHIがひたむきにリアルなR&Bを追求し続ける稀代なアーティストである事は、TSUYOSHIのこれまでの作品を1度でも耳にすれば、それは直ぐに理解出来る。オーディエンスはおろか、アーティストやクリエイター達までも魅了してきたその絶世の歌声、麗しい佇まいで綴られる詞に込められた一語一語、そこには一途なR&B愛が育んだR&Bマナーを感じさせる。「とにかく良いモノを作る」という曲作りにおける妥協を一切しないスタンスで、『ALL ABOUT LOVE』『Song For Love』『BEAUTIFUL』という3枚の名盤をリリース、日本美を描写したリアルなR&Bを生み出し続けた。歌唱力しかり、立ち振る舞いしかり「世界に最も近いリアルなR&Bシンガー」という表現は決して大袈裟ではない。そんなTSUYOSHIが、1つのマスターピースを作り上げた。それがコレクション・アルバム『LOVE』である。
以前、某海外R&Bアーティストがこんな事を言っていた。「いつの時代も、アルバムを1枚もリリース出来ずにアーティスト活動を終えるアーティストが無数にいる。そんな中、ベスト・アルバムをリリース出来る事は、アーティスト冥利に尽きる」誰でも容易に作曲ができ、誰でもそれらの楽曲を世界中に向けて発信する事ができ、誰でもアーティストになれる今の時代だからこそ、よりこの言葉には重みがあり、その事実に価値がある。つまり、今の時代にこそベスト・アルバムをリリース出来る事は快挙であり、いつの時代でもこの快挙を成し遂げられるアーティストは本物の証なのである。シンプルながらTSUYOSHIの音楽性を一言で表現した無類のワード『LOVE』、TSUYOSHIの代表曲をメインにセレクトされたこれらの楽曲を聴けば、TSUYOSHIからのメッセージの真意を理解できるはずだ。更に、奇跡とも呼ばれるTSUYOSHIの歌声を最大限に活かした、ピアノとTSUYOSHIのヴォーカルのみという構成の新曲”ノスタルジア”に、クリストファー・クロスの名曲”Arthur’s Theme (The Best That You Can Do)”のカバー曲を収録。大人の男が歌い上げる洗練された上品なR&B、他の追随を許さない唯一無二のキャラクター像を更に加速させた。
コレクション・アルバム『LOVE』は、これまでのTSUYOSHIの1つの集大成である。しかし、これはただの通過点にしか過ぎない事は言うまでもない。円熟の域に達し、TSUYOSHIにしか表現出来ないR&B。この男の歌声が鳴り響き続ける限り、日本のR&Bシーンの行く末が明るく照らされ続ける。
西崎信太郎 (Urban NEXT)
収録内容
1.DISC 1
- ノスタルジア
- Arthur's Theme (Best That You Can Do) 邦題「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」
- 優しい涙
- Progress
- Love You Better
- Ooooh
- Beautiful
- For Real
- 雨音
- Always
- Love Song ~ヒカリアビテ~
- 心の熱
形態数:1
歌い継がれる12のLOVE
TSUYOSHI初のコレクション・アルバム
− 西崎信太郎(Urban NEXT)