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【SUPER☆GiRLS 10周年!】メンバーが感じる「スパガらしさ」とは!?

2020.12.30
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インタビュー
2010年、「avex初のアイドルグループ」の誕生に向けたオーディションが行われ、中野サンプラザで行われた決勝大会で誕生したSUPER☆GiRLS。「アイドル戦国時代」とも呼ばれる時代の中を王道アイドルとして駆け抜けてきて今年で10年目を迎えた。
そんなスパガ10周年イヤーの締めくくりとして2020年12月23日にリリースされたのが、スパガ初のオールタイムベストアルバム『超絶少女☆COMPLETE 2010~2020』だ。全シングル表題曲に加えて、結成オーディション課題曲「NIJIIROスター☆」の10年後を描いた新曲「NIJIIROロード☆」を収録。スパガの過去から現在、そして未来が詰まった一枚だ。
今回は渡邉幸愛・阿部夢梨・長尾しおり・金澤有希・樋口なづなの5人にベストアルバムの魅力と、10周年といってもデビュー時期は違うだけにそれぞれの視線から見た「スパガとは?」を聞いてみた。
 
オーディション落選で涙、初めての上京、ソファから落ちて骨折……それぞれの10年前は?


──10年分のベストということで、唐突ですけど10年前ってみなさん何してました?


 
渡邉幸愛 12歳かあ……小学6年生の時にスパガのオーディション受けてたんですよ。それがけっこう年末だったと思うのですが、落ちちゃって泣いてましたね(笑)。
 
──渡邉さんは2期加入で、最初のオーディションの時は選ばれなかったんですよね。
 
渡邉 別のアイドルグループに入って活動してたんですけど、10年後にスパガにいるとは思わなかったですよね……頑張って、踏ん張り続けた結果スパガに辿り着きました!
 
阿部夢梨 わたしは小学2年生ですね。すごく元気な子供で、覚えてるのが家のソファから落ちて手をケガして、めちゃめちゃ腫れたのですが「骨折はないだろうな」と思って一週間くらい過ごしてたらまさかの骨折だった……ってことですね(笑)。そんなことがたびたび起きる活発な子供でした!
 
長尾しおり わたしは小学校1年生。夢梨と真逆で、家でおままごととかお人形遊びとかするのが好きな子供だったんです。外に出れば必ず転ぶ子だったので、なるべく外には出ずにおうちで遊ぶようにしてました。
 
樋口なづな わたしは小学校3年生でしたが、友達があんまり多くなくて、どちらかというと学校では静かなタイプでした。家では元気で、学校から帰ったらゲームするかテレビ見るかたまごっちするかって生活してましたね(笑)。ひとりでいるのが好きな子でしたね。
 
──金澤さんは10年前はもうアイドル活動を始めてますよね。

 

金澤有希 そうですね。17歳でグループ活動してました。その頃の話で覚えてるのが、初めて上京したのが17歳になりたての頃で、電車に乗るのが怖かった(笑)。地元が最寄り駅まで徒歩40分くらいのところで、電車に乗る習慣がなくって……。ひとりで電車に乗る、って経験が高校2年生で初めてなので、何に乗るにも一駅一駅が怖くって!
 
──5人の中で10年前にアイドルやっていたのは渡邉さんと金澤さん。他の3人は一般人というか普通の小学生だったわけですけど、その頃アイドルに対する憧れってありました?
 
長尾 わたしはなかったです。そもそもアイドルというものをまだそんなに知らなくて、お人形遊びに夢中でした(笑)。
 


阿部 その頃ってAKB48さんの「ヘビーローテーション」とか流行ってましたよね。その直後くらいに大島優子さんきっかけでアイドルにハマりはじめたくらいで、自分がなるとかそういう考えはまだなかったです。
 
樋口 わたしもアイドルにハマりはじめたくらいで、なりたいって気持ちはなかったなあ。小3くらいでiPodTouchを手に入れて、それでYouTubeにハマりはじめて、アイドルの動画をよく見てたのを覚えてます。
 
──では当時すでにアイドルやっていたおふたりは、10年後も自分がアイドルやってると思ってました?
 
渡邉 思ってなかったです! 活動の節目に「辞めようかな」ってことを考えたりするんですよ。でもそういう時に何か起きたりして、気づけば目指してたスパガの10周年を迎えることができました。
 
金澤 一緒ですね。やりきれてないって心残りがある中で「あと一年やろう」って思って頑張ってたら、新しいきっかけがあったりしてやってこれたというのはあります。気づけば長くなりましたね。
 
 
「忘れ桜」「明日を信じてみたいって思えるよ」で変化を見せた10年目
 
 
──改めてこの一枚を聴くと、現在のスパガにはデビュー時のメンバーはすでに卒業していないですが、それでも歴史を感じさせますね。スパガはこれまでもベストアルバムは発売してますけど、『オールタイムベスト』を銘打った今作が発売されると聞いた時はどう思いました?
 
渡邉 今年はコロナウイルスの影響もあってなかなか活動できていない状況だったので、うれしかったですね。こう並べてみると10周年というのをより実感しました。
 


樋口 10年って振り返ってみると本当に長くて、スパガにも重い歴史がある。自分がまさかそこにいられると思ってなかったですし、メンバーの一員として10周年を迎えられることはすごくうれしいなと純粋に思いましたね。
 
阿部 話をいただいた時には「10年の歴史に恥じない作品にしたいな」というのがあって、新曲の「NIJIIROロード☆」もいいものに仕上がって、いいアルバムになったんじゃないかと思ってます。
 
──特に4期の二人は活動としては2年。最初から10周年の節目にいるぞ、と思って入ってきたわけではないでしょうけども。


 
金澤 そうですね(笑)。改めて順番に聴くと、自分が見てきた曲、聴いてきた曲から自分の声が入っている曲につながっていくのが不思議です。先輩たちの声も聴こえるのですが、でもジャケットは今のスパガで自分もいるというのが不思議でもあるし、うれしい気持ちがあります。
 
長尾 10周年に歴史を詰め込んだものをリリースさせていただくのはファンの皆さんの支えや応援があったからこその実現だなと思っていて、10年前応援していた皆さんから最近知ってくださった皆さんまで、色々な方に聞いていただきたい作品ですね。
 
──メンバーは変われど、普段歌っている曲ばかりのベストアルバムですが、改めて並べてみてスパガの変化って感じますか?
 
渡邉 めちゃくちゃ感じますね! いろんな試行錯誤が見えるし、10年の曲調の変化も感じ取れる、ほんとに満足できるベストアルバムだと思います。
 
阿部 曲調は違ってたりするのですが、でも変わらず王道を突き進んでるなって思いますね。
 
長尾 少し聞いて「あっ、スパガの曲だな」ってわかるのが多い。何がっていうのがわからないですが……スパガだな! って。
 
──スパガの楽曲らしさって元気いっぱいの王道感というのがひとつあると思うんですけど、その中では今年の2曲「忘れ桜」「明日を信じてみたいって思えるよ」がしっとりした曲調の大人っぽい曲で、ある意味今年を象徴しつつ、ある意味10年目のスパガらしさでもあるのかなと。
 
渡邉 たしかに! 今年のシングル2曲だけ聴くとちょっと印象が違うかも。
 
長尾 毎年リリースしていた夏シングルがコロナウイルスの影響で出せなかったのが、大きな影響かな。
 
渡邉 メッセージ性が強いシングル2曲に加えて、今回の「NIJIIROロード☆」もメッセージ性が強いんです。10年といってもメンバーは新しい子も入れて変わり続けているので、ずっと同じではいけないと思うんです。そんな変化を見せられた一年でしたね。
 

「感じ取れ!」「お姉さま!」「これ人間なのかな?」……それぞれのスパガ


──10年の総まとめというべきアルバムが出たことで、改めて「スパガらしさ」とは? みたいな話ができればと思ってるんですが、最もキャリアが長い渡邉さんは加入した時に「スパガらしさってこういうこと」みたいな話を先輩から聞いたりしなかったんですか?


 
渡邉 具体的に言われたりはなかったのですが、自分は2期メンバーとして加入して、9人の1期生と一緒の時期があって、「スパガってこういう感じ」ってそれとなく教えられながら学んでいって、それから3期4期と入って先輩が変わりながらも受け継いでるのかなと思います。

長尾 「感じ取れ!」って感じですよね。
 
渡邉 どっちかというとそう(笑)。「自分で頑張れ!」が基本。個人的に思うのは、けっこうダンスが細かいんですよ。見てる人は簡単そうに見えるかもしれないけど、ひとりひとりの振り付けだけじゃなくて、大人数を生かしたフォーメーションも丁寧にやらないと雑に見えてしまう。そこは強みだし変わっていったところじゃないかな。
 
──金澤さんは以前姉妹グループのGEMに所属していて、近いところからスパガを見る機会が多かったと思うんですけど、入る前と入ってからの印象の違いってありますか?
 
金澤 自分が入る前は「スパガって王道アイドルだな」って思ってたんですけど、実際加入してからはこんなにパフォーマンスが難しいグループだったとは、と驚きました。わたしは王道アイドルがもともと好きだったんですけど、スパガに加入してみて「こんなにフォーメーション移動があるんだ」「細かい振り付けあるんだ」って思うことが多くて苦戦したのを覚えてます。
 
──研究生からスパガに入った阿部さん、長尾さんから見て、加入前はスパガってどう見えてました?
 


長尾 ほんとに「お姉さま!」って感じでした。自分が入ったのが12~13歳の時で、先輩はみんなすごいお姉様方で遠い存在でした(笑)。グループとしてはスパガはきらびやかなイメージでしたね。アイドルストリートの中でも色味からしてきらびやかというか。
 
阿部 同じくですね! キラキラ輝いてるグループだなって。それに加入当初はほんとにスキルが劣ってて、先輩に追いつかなきゃってことに必死でした。今は多少は自分でも成長したなってところもありますけど、まだまだ満足はできてないので、もうちょっと頑張らないとな……って思ってます!
 
長尾 特に最初は大変でした! 現場に行っても大人しかいなくて先輩たちについていくのも大変だし、歌も振り付けもいちから学ばなきゃいけないし、岐阜から出てきて都会の電車の乗り方もわからないし……。
 
──スパガも東京もわからない(笑)。
 
長尾 「スパガらしく」とか考える余裕もなかったですね、もう毎日が生きるか死ぬかみたいな……。
 
──そこまで! 樋口さんはオーディションからの直接加入ですよね。
 


樋口 入る前からスパガはザ・アイドルな眩しい存在で、見てると「これ人間なのかな?」って思うくらいのイメージでしたね。全力なのに美しい、暑苦しさがない。とにかく完璧だな!って。
 
──そこまで言いますか!
 
樋口 劣ってる部分を見つけるのが難しいくらい。ただ、オーディションの時に見ていたのは今のファンの方と同じ目線だったので、実際に入ってみてからはあの輝きの裏には努力があったんだなってことを身にしみて分かりました。もちろん裏は大変だろうなとわかってはいたのですが、自分が経験することでより深く感じましたし、努力をステージ上では全く見せないところがプロだったんだなって。
 
──今は自分もプロになれましたか?
 
樋口 (笑顔で)はい!
 
──胸を張って言えるのは今のスパガの自信を感じますね。
 
 
メンバーとスタッフ10年分の思いを乗せた新曲「NIJIIROロード☆」
 
 
──そんなそれぞれの思いから始まって10周年のスパガがあるわけですが、今回のベスト盤には新曲として「NIJIIROロード☆」が収録されてます。
 
渡邉 10年前の結成オーディションの課題曲「NIJIIROスター☆」のアンサーソングになってるのですが、作ってくださった作詞家・作曲家さんも「NIJIIROスター☆」と同じ方だったりと、私たちだけでなく関わってきたスタッフのみなさんそれぞれの思いも詰まっていて、歌詞なんかもリンクする部分もあるんです。
 
──デビュー当初から見ている人にはたまらないですね。
 
渡邉 スパガを列車にたとえていて、「NIJIIROスター☆」がこれからの期待感みたいなのが歌われているのに対して、「NIJIIROロード☆」ではこちらは10年間の重みや経験したことが込められていて、自分たちも歌っていてしみる部分が多いです。今までスパガに携わってきた方皆さんに聴いていただきたいし、プラスしてここからまたスパガを見る方全員にこの曲を愛してほしいな。
 
──みなさん「NIJIIROロード☆」の歌詞や振り付けで印象的な部分ありますか? 個人的にここが好き、とか。

 

阿部 これけっこう好きになるポイントが一緒なんですよ! 「10年前に見た星……」から始まるDメロの歌詞が、満場一致で好きなポイントです。アガりますね!
 
渡邉 本当そうだよね。10年前はみんなバラバラの場所にいたわけじゃないですか。そんなメンバーたちが今一緒に活動できてるのが不思議だし、尊さがこの歌詞に込められてて共感しちゃいます。ちょっと泣きそうになります。
 
長尾 わたしその後の幸愛さんを神様みたいに崇める振り付けが好き! 振り付けが「神様ー!」って感じになるんで(笑)。
 
渡邉 全員が私に向けてやってくれるんです(笑)。
 
阿部 幸愛さんの声質とフォーメーション、それと歌詞がすごいエモいなって思ってて、振り入れの時に泣きそうになりました。切ない声をフォーメーションがさらに高める感じがいいんですよ!
 
金澤 あと衣装もいいんですよね。私たちが入ってからテイストが変わって、衣装はシンプルめだったり大人っぽかったりしてたんですけど、今回のベスト盤とこの曲に合わせた衣装のジャケットがいいんです。
 
渡邉 今回はわたしとしおりでデザインにも携わらせてもらいました。いろいろイメージを膨らませる写真をいろいろ探したりしてね。
 


長尾 めちゃめちゃいろいろ考えましたね~! 最近のスパガは、以前のような王道アイドルというような衣装があんまりなかったので「ライブ映えする衣装がほしいね」って幸愛さんと話しいた時に「スパガって真っ黒の衣装ってないね」って話からこういう感じに仕上がりました。4章に入っていちばんお気に入りです!
 
──ただ最近のスパガのシングルって軽めの衣装が多かったから重そうですね(笑)。
 
渡邉 そうなんです、ジャケットの生地がしっかりしてるから重いんですよ(笑)
 
 
コロナ期間でファンへの感謝が強くなった今、ライブも再開!
 
 
──そして今年はコロナ禍でライブほとんどできませんでしたが、12月からついに再開ですね。
 
渡邉 9月に札幌のステージに立ちましたけど、その時はフルメンバーではなかったので、全員揃ったスパガでのライブは2月ぶりになります。本当にひさびさです。
 
阿部 2月か~、もっと昔みたいに感じる!
 
渡邉 ライブがしたすぎてムズムズしてた一年だったので、今年最後にできるのは本当にうれしい! 爆発しちゃうと思います。
 
長尾 札幌の時は泣いちゃいましたね。「みんながいないと無理~!」って(笑)。
 
渡邉 この一年でファンへの感謝の気持ちはすごく強くなりました。こんなに会えなくてもネットを通して支えてくださったりとか、実際に会えたときにほっとするあの感じとか、改めて大事なことに気づかされました。「会えない間に愛が育つ」っていうじゃないですか?(笑)そんな感じで感謝と大好きな気持ちが育ちましたね。
 
金澤 ずっとライブしたかった気持ちと感謝の気持ちをぶつけていきたいと思います!
 
──では最後にポジティブなまとめで締めたいんですが、今年振り返ってその中でステップアップできたなって思うことを教えてください!


 
渡邉 この期間はすごくコミュ力がついたと思っていて、オンラインでファンと触れ合う機会が増えたんですけど、画面越しに交流するのって直接会うよりもエネルギーがいるんですよね。人と関わることはもともと好きなんですけど、より届ける力がアップしたと思います!
 
阿部 何でしょう……。あ、勉学についてなんですけど、めっちゃ憲法について勉強しました!(笑)憲法の主要なやつとか定義とか覚えました! 学業として!
 
長尾 もともと2020年は始まる時に「新しいチャレンジいっぱいするぞ!」って宣言してて、中でも舞台をやることになってたのが中止になってしまって……。ただ稽古はギリギリまでやったので、お芝居や演技は学べました。あと写真集を出す発表もできたし、来年は今年鍛えたスキルを出す年にしたいと思います!
 
金澤 ステップアップかどうかはわからないのですが、10日間毎日配信をやったり、ファンの方と距離が縮まったなと思います。会えてないけど向き合う時間が増えて、お互いをより知ることができたんじゃないかな。
 
樋口 コロナで会えない期間、時間ができたことで4期メンバーはボイスレッスンとダンスレッスンに通わせていただいたんです。加入した時は未経験な子が多かったのですが、いろいろなことがスムーズに進みすぎて課題になってたことを改めて基礎から学ぶことができたんです。だからライブではパワーアップした所を見せられると思います!
 
──10年目で溜めたものをぶつける11年目のスパガに期待してます!
 
 

 
撮影 長谷英史

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大坪 ケムタ(オオツボ ケムタ)
WRITTEN BY大坪 ケムタ(オオツボ ケムタ)
アイドル・プロレス・B級グルメから大人方面と一見幅広いようで狭いジャンルを手がけるフリーライター。著作にゆるめるモ!田家大知Pとの共著「ゼロからでも始められるアイドル運営」(コア新書)、「SKE48裏ヒストリーファン公式教本」(白夜書房)など。
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