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【矢神サラ】LGBTQ、めんどくさいよねー、何でもよくない?みたいな。

矢神サラ
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【矢神サラ】LGBTQ、めんどくさいよねー、何でもよくない?みたいな。

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昨年11月に公開されたMAXのカバー「情熱のZUMBA」が話題の矢神サラさん。ニューハーフ集団「東京オカ卍会」とともに出演していて、一見では登場人物が全員男性というのは信じられないほど。一方でモデルとしてパリコレやTGCにも登場、また六本木で寿司店を経営する実業家でもありと、さまざまな顔を持つ矢神さんって何者? ご本人にいろいろと伺いました!

自称は「オカマ」。「自分でオカマって言っちゃうのって、面白くないですか?」

──avex portalには初登場になるので。何をしている方なのかというのを教えていただけますか?

矢神 取り上げていただいて光栄です! 私はもともと、「東京オカ卍会」っていう会をやってたんですよ。これはどこかに属してるわけでもなく、自然発生で集まったオカマたちが飲み会する集まりだったんです。それがあまりにも規模が大きくなってきたので、「オカ卍会でいろいろやろうよ」って話してたタイミングの時に、ちょうど私もエイベックスに所属して、モデルの仕事だとか、しゃべりが得意なのでイベントの司会とか、あとは曲を出させていただくだとか、何か面白いことやろうっていう話をしてたんですね。でも、オカマが1人で歌って踊ってもあんまり面白みもないし、「安室奈美恵 with SUPER MONKEY’S」みたいなノリで、「オカ卍会のみんなを私と一緒にセットで出したいんですよね」っていうことをエイベックスのスタッフと話してて。それが形になったのが、昨年11月にYouTubeで公開された「情熱のZUMBA」のカバーなんです。

──同時に、社長さんでもあると伺っています。

矢神 そうですね。実業の方は全然別でやっていて、夜の水商売も10年ぐらい続けてるんですけど、独立して5年ぐらい前から六本木で「GENIE」っていうニューハーフの子たちが働く、ちょっとキャバクラっぽい感じのお店を経営していて、自分もお店に立ってます。それと、あと、おばんざい屋さんを2年前に六本木で、そっちは友達と共同で出して。

──YouTubeの動画で松浦勝人会長が訪れていた店ですよね?

矢神 そうです、そうです! 今は同じ場所で、1年前からお寿司屋さんに業態変更して、「鮨とき」という名前でやってます。

──では簡単に言うと、実業家でモデルで、タレントということですね。

矢神 はい、何でも屋です(笑)。

──ところで先ほども「東京オカ卍会」の話が出て、ご自分でも「オカマ」っていう呼び方をしてますよね。今、公にはいろいろある言葉だと思うんですが……。

矢神 時代背景的にはそうですよね。でも「オカマ」っていう3文字って、何か面白いじゃないですか。昔はいじめられる時とかに使われてた言葉っていう人が多くて、嫌がる人も確かに多いんですけど、逆にここまで来たら、一周回って「オカマ」って言ってるのが面白いなと思って。そのタブーをあえて言っていくっていう感じですかね。例えば海外の飲み会で、日本人がいろんな国の人と飲んでて、自分のことを「ジャップ」って言ってたら面白いじゃないですか。「ジャップって呼んでるよ、自分で!」みたいな。でも外国人が自分に向けてジャップって言ったら差別ですよね。そんな風に、自分で言うのがちょっと面白いとか、自虐っぽくなるっていうところを狙ってて。「オカマ」っていう言葉を自分たちで使っていく面白さみたいなところを狙ってる感じですね。

──なるほど。今はコンプラの関係もあって、メディアなど一般的には使われなくなってますからね。

矢神 確かにいろいろ微妙だし、そう言っちゃいけないのかな、みたいな空気はありますよね。だから、ウチらは飲み会で乾杯する時は必ず「LGBTQ、はんたーい!」って言うんですよ(笑)。オカマが20人ぐらいで。そんなノリです(笑)。めんどくさいよねー、何でもよくない?みたいな。

──他の人から言われるのも大丈夫なんですか?

矢神 私の場合は気にならないですけどね。でもメディアとかで文章とか映像の中で、誰かが私たちのことを「オカマ」って呼んでると、いろんな見方があるから、相手に攻撃が行く場合があるじゃないですか。だから言いづらいだろうなっていうのも分かるんですけど、私は全然何と呼ばれても大丈夫です。こう見えて、成人男性なんで!(笑)

──成人男性だという事実と、目の前にいる姿のギャップで、脳がバグりそうですが(笑)。

矢神 そうですよね! 何が起きてるんだろう?みたいな(笑)。

──そしてモデルとしては、パリコレにも参加されたりと活躍されてますよね。

矢神 ありがたいことにキャスティングしていただいて、参加させていただきました。たまたま背が高くて、ご縁があって。

──いやいや、背が高いだけじゃないでしょう(笑)。

矢神 あれって、運の部分もけっこうあると思うんですよ。海外のコレクションとかって、現地に行ってオーディションを受けて頑張ってるモデルの方もいっぱい知ってるし、メチャメチャ顔がよくてイケメンとかでも、ランウェイを歩くのは難しいって言われてて。だからタイミングと運もあると思います。誰と出会ったかとか、それがけっこう大きいと思いますよ。

──どんな仕事でも、縁の力はあるでしょうけどね。

矢神 あとは身長ですね。女の子って、パリとか行くと175センチ以下は相手にされないって言われてて。私はたまたま175センチなので、ギリセーフでした。そういうところもあったかもしれないです。

──実際にランウェイを歩いた経験はいかがでしたか?

矢神 実は日本で舞台の上に立ったり、コレクションに出る時の方が緊張するんですよ。

──そうなんですか?

矢神 海外のファッションショーって、いろんな国の方が来るじゃないですか。人種も様々だし、そもそもの体の作りが国によっても全然違うので。アジア人の美の基準っていうのもありますけど、正直、日本の中でモテる人と、海外に出て美しいって言われる人って、ちょっと感覚が違うじゃないですか。それもあるので、海外のランウェイでは緊張しないんです。みんな自分に自信を持ってそこに来ているし、あんまり他人の目を気にしてないんです。だから現場では、みんな褒め合いなんですよ。他の国のモデルたちから「そのドレス、超素敵!」って英語で言われたりとか、「スタイル最高ね!」とか「あなたの肌ってキレイだね」とか。私がすごいドヤ顔でランウェイを歩いていても、観客の人たちも「アジアの美の基準だよね」って感じで見ているから、自信持って歩けるんですよ。

でも日本のコレクションだと、ルッキズムの形がちょっと特殊だと思うので、日本でランウェイを歩く時の方が緊張しました。「島国特有の美」みたいな感覚ってあるじゃないですか。目が丸くて大きいとか、二重とか、顔が小さいとか、肌がツヤツヤで小柄なのがかわいいとか。そういう概念を持った子たちが見てるので、「今、自分って『メッチャでかいオカマ』だと思われてるかな」とかっていう、あらぬ心配があるんですよ、日本の方が。だから海外のコレクションとかの方が、もう私は緊張しないですね。

──日本の現場だと、「こう思われていそう」と先走って気を使っちゃう、という感じですか?

矢神 そうですね、考えなくていいことを考えちゃう、みたいな。小学校とか中学校で培った謎の同調圧力というか。日本は大好きなんですけど、そういうのはある国だなと思ってるので、ちょっとそれがよぎる時はありますね。

──ではモデル活動という点では、海外の方が気持ちが楽?

矢神 のびのびやれる感じはします。確かに日本の方がちょっと緊張しますね。

二丁目の定番だった? MAX「情熱のZUMBA」カバーが話題!

──そして、先ほども話が出たMAXのカバー、「情熱のZUMBA」についてなんですが、もともとこの曲がお好きだったんですか?

矢神 はい。この曲って2014年に出た曲なんですけど、MAXさんってあの時期、3部作みたいな感じで、すごくオカマっぽい曲を出してたんですよ。この曲の一つ前に「Tacata’」っていう曲がバズったじゃないですか。あの曲も、オカマはすごく好きで。

──そうだったんですね。

矢神 あの頃のMAXって、絶妙なスタイリングで絶妙な曲を真面目に踊る感じだったんですよね。まず「Tacata’」がウケて、続いて「情熱のZUMBA」が出た時に、振付師さんがゲイの方で、首をタテに振ってるのが「これ何?」みたいな感じで話題になったんです。ハロプロオタクとかの間でもよく使われる言葉で「トンチキソング」っていうのがあるんですけど、オカマって、そういうトンチキソングが好きなんです。特に新宿2丁目とかでアツい!みたいな。いつからかニューハーフの子たちがそれを踊るようになって、Instagramの普及と同時に、オカマたちがあの曲で首を振ってるストーリーを上げるようになって。「ニューハーフがすごく首振ってるよね」みたいなのがいつの間にか定着してて。ここ数年、どこの飲み屋でも、シャンパンコールでシャンパンが入るとみんなあの曲を踊り出して、ショータイムみたいになるっていうのが定番化してたんです。だからavexで「1曲目は何をやりますか?」となった時に、やっぱオカマとして分かりやすく、みんなに伝わりやすく、さらに振りも覚えやすいから「情熱のZUMBA」じゃない?となって、MAXさんの許諾も得てやらせていただきました。

──じゃあその界隈からすると、この曲というのは自然な流れだったんですね。

矢神 「ZUMBAじゃん、ガチカバーしてんじゃん」みたいな。「踊ってみた」とかじゃないレベルで作ろうって話して。今は六本木のどこの飲み屋さんに行っても、シャンパンコールはあのMVが流れていて、うれしいんです。

──実際、歌もダンスも映像も、すごく作り込まれてますよね。歌やダンスは、このために改めてすごく練習したんですか?

矢神 はい、オマージュさせてもらって頑張りました。基本、頭を振るところとか腕の動きとかの軽い振りはみんなできたんですけど、1曲丸々は踊れなかったので。メンバーで土日に集まったりして練習しました。

──ちなみに東京オカ卍会というのは、全部で何人ぐらいいるんですか?

矢神 もともと自然発生イベントなので、名簿とかつけてないんですよ。だから会員ナンバーとかはなくて、たくさんいます。だいたいよくいるメンバーだと、40人ぐらいいるんじゃないですか。だから今後、東京オカ卍会で曲を出すとなったら、メンバーは変動制ですね。AKB48みたいな感じで、今回の選抜はこの人たち、っていう感覚に近いです。

──そのメンバーを決めるのは……

矢神 私なんですよね(笑)。飲み会の時は別にその時いるメンバーって感じなんですけど、楽曲とか映像とかになったら、ちゃんと衣装とかも合わせなきゃいけないじゃないですか。だから私が「今回はこのメンバーでいこうかな」みたいなのを一応選んで。体型とかも皆さんいろいろなので。

──バラバラですよね(笑)。

矢神 だから衣装を合わせるのが一番大変で。サイズがないんですよ!(笑) けっこう大きめの子もいるし、ガリガリの子もいるので、みんなで同じ服っていうのはかなり難しくて。それが一番大変ですね。

──女性アイドルグループとは違いますよね。

矢神 メッチャ大変だと思いますよ。女性アイドルはだいたい細くてみんな同じような体型なので、衣装さんも比較的楽だと思うんですけど。しかも男性なので、私は足のサイズが28cmあるんですよ。靴がまず揃わないんです。28cmまであるかわいい靴ってなくて、大変です(笑)。でも今後活動していくのであれば、やるしかないので、頑張ります!

──「情熱のZUMBA」のカバー動画が公開されてから、いろんな人とコラボしていますよね。

矢神 「ZUMBAチャレンジ」というのをやり始めて、自発的に知り合いに連絡して「出てくんない?」みたいな感じで。松浦会長には、たまたまゲスト出演したホリエモンのミュージカルが毎年冬にあるんですけど、公演ごとに日替わりゲストがいらっしゃって、矢神サラ with 東京オカ卍会の日が1回あって。その時に松浦会長はサプライズで、最前列のチケットを買って見に来てくれたんです。私は声をかけてなかったんですけど、たぶんInstagramのストーリーとかで知って、チケットを取って来てくれたらしくて。ミュージカルが始まって、マネージャーさんが「サラさん、あそこに松浦会長の秘書さんが」って言うので「そんなはずないよ、似てる人だよ」とか言ってパッと覗いたら、その横にメッチャ松浦会長がいたんです。そういうところがカッコいいなと思いますし、すごく嬉しかった反面緊張しました。笑

──「ZUMBAチャレンジ」はそういうノリで撮ることが多いんですか。

矢神 そうですね。遊ぶ約束してたインフルエンサーの子とかに、「今日ZUMBA一緒に踊ってくんない?」とか言ってやってもらったりとか、そんな感じですね。

──これまで撮った人で、一番「おお!」と思った人は誰ですか?

矢神 avex dream 2020のオーディションに出てた、DREAMの長谷部優さんかな。長谷部さんが、たまたまそのミュージカルに出てたんですよ。最初はそれも気づいてなくて、「あの人、DREAMの人じゃない?」ってなって、楽屋に挨拶に行かせてもらって。「実は私たち、こういう活動を今エイベックスでやってて、一緒に『ZUMBAチャレンジ』してくれませんか?」って言ってやってもらったのは、ちょっと感慨深かったですね。エイベックスならでなので、うれしかったです。そもそも、予想以上に反響が大きかったんですよね。最初からこんなに広がるとは思ってなかったので。

──そうですか。

矢神 やっぱりオカマが首振ってるって、私たちの界隈では当たり前の日常なんですけど、そうじゃなかったんだなっていうのも改めてメタ認知したというか(笑)。そこから着想を得て、「オカマの日常」を今自分のInstagramで上げたりしてるんですけど、それがけっこうバズるんです。「やっぱりこれ、普通じゃないんだな。自分にとっては別に普通の日常だったけど、他人からしたら変わってるんだ」って気づきました。

──いろんな発見があるものですね(笑)。

矢神 ありますね! やっぱり人生って長い旅だなって思いますよね。

──でもそういうのも結局、エイベックス・クラン所属になってから気づくことが多かったという感じですか?

矢神 そうですね。今までは昼間にオフィシャルな場に出るというか、昼間に渋谷に行って撮影をしたりとかって、あんまりない動きだったんですよ。そういう経験をすると、それに付随して今まで行かなかった場所とか、出会わなかった人にたくさん出会うようになったので、世界が広がったというか。「そっか、常識が非常識で、非常識が常識なんだ」っていうのを知るきっかけにもなったし、いい経験させてもらってるなというのは思いますね。

──同じ場所でも、昼間来たらこんな感じなんだ! みたいな。

矢神 そうそう! 「そっか、こういう人も生活してるよね、日本」みたいな。価値観とかも違いますからね。恋愛に対する考え方とか、結婚に対する考え方とか、お金の価値に対する考え方とか、人それぞれじゃないですか。いろいろ知れるし、いい経験です。

──仕事としての活動自体もだいぶ変わった感じですか?

矢神 ですね。今までは仕事も個人で受けてたんですけど、今はエイベックス側から私、矢神サラっていうタレントを売り出しに行ってくださるじゃないですか。だから、例えば日本テレビのオーディションだったりとか、雑誌のオーディションの話が来てますとか、そういうのは今までにない動きだったので、やっぱり新しいなと思います。それに、そういう場所に行く時には「エイベックス・クランから来ました矢神サラです」って挨拶しますからね。大好きな会社だから、それを背負ってるからちゃんとしなきゃ、みたいな。今までにない緊張みたいなのはちょっとあります。私だけの責任じゃなくて、会社の名前がつくじゃないですか。だからちゃんとしようっていうのは、思うようになりました。

「バラエティ番組で落とし穴にも落ちたいし、ダンス&ボーカルグループもやりたい!」

──本当にエイベックスのことがお好きだったらしいですよね。

矢神 はい、大好きですね。もともと音楽好きっていうのもあって、3歳から高校生までピアノをやってて、ちっちゃい頃から音楽が周りにある環境で育って。それこそglobeさんが出てきて、TKサウンドの衝撃、あと浜崎あゆみさんとか、倖田來未さんとか。物心ついた時からオカマだったので、ああいうのって刺さるんですよ。女性で輝いてて、自立してて、カッコよさもあるみたいな。なりたい存在の追いかけやすいイメージモデルみたいな感じですよね。ネイルもかわいい、髪もかわいい、音もカッコいい、パフォーマンスもカッコいいって、やっぱり刺さるんです。

あと音楽的なことでいうと、聞いてて、耳当たりがメッチャ気持ちいいじゃないですか。ユーロビートとかも、世界的に見てもオカマってああいう音が好きみたいで。周りのオカマに聞いても、みんな好きなんですよ。だからちっちゃい頃から、気がつけばCMとかでも「(口調をまねて)avex trax」って。アレがいつも流れてくるみたいな生活を送ってましたね。

──それこそ当たり前に周りにある、みたいな。

矢神 ホントに。お小遣いとかでCDとか買えるようになる頃には、もうエイベックス全盛期で思春期を迎えてるから、どのCD買っても中身もいいし、ちょっとオシャレですごくて。「エイベックスアゲ~」みたいなところで育ってきて。girl next doorさんも、day after tomorrowさんも、Every Little Thingも、Do As Infinityももちろん、みたいな。男女セットのグループ、私もこういうのやりたい、みたいな学生時代を過ごしてました。それでオーディション受けてたんですよ。

──あ、そうなんですか!

矢神 それこそDREAMさんのオーディションもそうだし、受けれそうなオーディションはだいたい受けて全部落ちるっていう(笑)。そういう思春期を過ごしましたね。

──では今、本当に所属になって、願ってもない状況ということですね。

矢神 そうなんですよ! 20年ぐらいかけて今、夢が叶った感じなので、やっぱり諦めない気持ちで毎日生きるって大事だなっていうことは、すごく思いました。けっこうビックリです。

──そのエイベックスだから、こういうことをやっていきたいということはありますか?

矢神 やっぱりエイベックスといえば、ダンス&ボーカルユニットみたいなのが多いじゃないですか。やっぱりそれってオカマの憧れでもあるんですよ。もちろんタレント活動もやっていきたいし、バラエティとかも全部出たいし、落とし穴にも落ちたいし。それ全部やりたいのはもちろんですけど、やっぱりちっちゃい頃からの夢である、歌って踊る人、見た人から「カッコいいな」って思ってもらえる楽曲とかを映像付きで出せるように、いろんなとこでお金稼ぎたいなと思います。

──その資金の足しになるように。

矢神 はい。別に、そのためにバラエティ番組に出るわけじゃないですけど、可能性を広げて、自分にいただける仕事の裾野を増やして、そうすると出演料とかもすぐはもらえなかったとしても、いい意味でお金が循環するじゃないですか。そういう環境を作って、それをそういう楽曲とかパフォーマンスの映像化に充てられるような活動をしたいなと思います。

──気持ちの中で柱にしたいのは、歌って踊ることなんですか?

矢神 「これが柱」っていう一本を正直決めてなくて。人には得意不得意があると思ってるんですけど、歌がうまい人はもっといるし、ダンスがうまい人ももっといるんですけど。オカマの活動としては、自分の柱にしたいというか。オカマとオカ卍会っていうのはやっぱり、他の人とは違うものだと思ってるので。マーケティングって、人と違うものを売りにするべきじゃないですか。だからオカ卍会っていう、人と違って面白い、見てクスッて笑えたりとか、「バカだね」っていう、人がちょっと笑顔になるっていうところの活動……これはどんなものでもですよ。タレントでも喋りでも、全部一応メインにしたいです。同時にそれと並行して、自分のやりたいことをやるというか。「やるべきこと」と「やりたいこと」は違うと思うので、その「やりたいこと」を続けたいなっていう感じですね。

──そして、それが連動するのが一番いいっていうことですね。

矢神 はい、連動させたいなって。あと海外にウケたいですね。日本はもちろんなんですけど。最近、海外のオカマさんのトレンドで、どう見てもオカマの人に「Are you a lady? or ladyboy?」って聞く動画がプチバズりしてて。それを聞かれた人がどう見てもオカマなんだけど、「I’m a lady」って答えるっていう動画のトレンドで、それを最近やってるんですよ。オカマは時間あるので、インタビューしてもらって。「あなたは女ですか? それともレディーボーイですか?」って聞いて、全員が「レディー!」って答えるっていう動画を今、頑張ってます。それが今、海外でけっこう回ってて、一昨日ぐらいに出した動画はコメントが3000件ぐらいついてるんですけど、ほとんどが外国からのものなんです。コメント読んでても面白いんですよ。オカマって世界共通なんだなと思いました。だから世界でウケるコンテンツをもっと作っていきたいですね。

──先ほども少し話が出ましたが、松浦勝人会長って、矢神さんから見るとどんな人ですか?

矢神 松浦会長は、一言で言うのは難しいんですけど、すごく優しさに溢れた人ですよね。近しい人たちはみんな言うんですけど、言葉がメチャクチャ多いわけでもないし、どっちかっていうとシャイで、あんまり目立ちたくないような感じに映る人なんですけど、本質を見極めている人だなと思ってて。ちょっと会った感じとか、話した感じとかで、「この子にはこういう可能性があるな」とか、「この子はこういう風にしたらかわいい」とかが分かるんです。美的センスもすごく厳しいので、だいたいの子には「ブス」って言うんですけど(笑)。言わない時は、たぶんかわいいと思ってるはずなんですよ。褒めはしないけど、認めてるんだろうなっていうのが分かる時とかもあるし、いろんなところにアンテナを張ってる。いちいち「あれ見てるよ」「これ見てるよ」って言わないですけど。

──ちょっとした言動から分かるんですか?

矢神 例えば何だろう、コレクションの時とか、ミュージカルもそうですけど。言わないけど、情報のキャッチが早いんですよ。やっぱりそういうところはプロデューサーだなと思ってて。いろんなところに目を光らせてるというか、見てないようで見てる。気をつけてないようで気をつけてるし。すごく繊細に、細かく物事を見てる人だなと思います。

──なるほど。

矢神 そしてそこに、愛があるなっていうのを感じます。自分が作ってきたいろんなものとか、例えばエイベックスという会社に対してもそうだと思うし、自分の周りの大切な人たちに対しても、すごく愛と優しさを持って接してるというか。「いいよ、俺が面倒を見るしかないだろ」みたいな言い方するんですけど。俺が見ないで誰が見るんだよ、みたいな。そういう男気、カッコつけてくれるというか。カッコつける余裕がない時でさえ、カッコつけるような人だと思うんですよ。令和的な男性、平成的な男性っていうよりは、昭和初期みたいな、カッコつけることが男としてカッコいいことだ、みたいな時代ってあるじゃないですか。宵越しの金は持たないじゃないですけど、江戸っ子みたいな考え方とかも、そういうのに近い人かなっていう風に、私は思います。

──でも、かなり友達付き合いみたいな感じなんですよね?

矢神 そうですね。私はすごく年下ですし、すごく目上の方なので、こんな言い方するのも失礼かなと思うんですけど、すごく距離の近い友達のような距離感でおしゃべりさせていただいてるなっていうのは思います。もちろん私の場合は会長との出会いが会社と関係なかったっていうのもあるんですけど。何でも話せるし、恋バナとかもするし。「あれやりたい」とか言うと、「何でだよ」とか言うんですけど、ちゃんと誘ってくれたりするし。「このフェスめっちゃ行きたいんだよね」みたいに言うと、「しょうがねえな、ちょっと聞いとくわ」みたいな感じです。

──素っ気ない反応でも、ちゃんと聞いてくれると。

矢神 はい。無理な時はちゃんと「無理!」って言ってくれるんですけど。可能な限りの範囲で、本人がイヤと思わなければ。まるで父親かのように優しくしていただけてるなって思います。

──友達でもあり、ちょっと違う面もありということですね。

矢神 そうですね。ちっちゃい頃から憧れてたっていうのはあるんですけど、仕事となると、すごく尊敬できる存在というか。それに本人のパーソナリティの部分って、また別じゃないですか。その部分では、楽しいことが好きな人なんですよ。私は同じタイプなので、そういうのをシェアする点では友達という感じですね。プライベートで楽しい時間をより楽しく、みんなで盛り上がろうよっていう関係が一番近いですかね。

いろんな人の気持ちに寄り添って、笑ってもらえるような存在になりたい!

──さて、矢神さんが今年、やりたいことというと?

矢神 今年は今のところ、もう1曲出すことが決まっていて、撮影が2月に始まる予定です。その曲も前回の「情熱のZUMBA」みたいな感じで、青田典子さんが「バブル青田」という名前で出した「ジーザス」という曲なんですけど、今回はちゃんと自分の声でレコーディングしたんですよ。その歌にパフォーマンスをつけていく感じで、歌いながら踊るのは初めてなんです。新しい挑戦なので、この曲をバズらせたいですね。どんな形でも、いろんな人の耳に届くように、チラシを配るぐらいの勢いで、オカマの力を使って広めたいなと思っています。少しでもいろんな人に届ける努力をしたいです。

──いろんな活動をしていく中で、世間とか社会とかに対して何かを訴えたいという気持ちはありますか?

矢神 活動家の人たちみたいな感じで何かやりたいという気持ちは、私にはなくて。私はちっちゃい頃、あんまり自分がキレイになれるイメージが湧かなかったんですよね。男性として生まれて、中学校も高校も普通に男性として暮らしてきたじゃないですか。自分の中では女性になりたいなと思ってたんですけど、そうなった自分のイメージが湧かなかったんですね。普通に男性だから肩幅もあるし、背も高いし、顔も大きいし。自分がかわいい女性たちに肩を並べて戦えるのかな、絶対無理だな……みたいな。「将来は職業とかもかなり制限されるな」とか、自分で自分の可能性を閉ざす未来しか見えなくて。世の中的にも、性転換とか整形、豊胸とかに対して、マイナスなイメージがすごく強かったですよね。

──確かにそうですね。

矢神 今もきっと、10歳から15歳ぐらいで悩んでる子がいるはずなんですよ。でも今は、携帯でいくらでも情報にアクセスできるじゃないですか。彼らがそうやってアクセスした時に、私を含めてオカマの子たちが、たぶんそれぞれに逆境もあったろうに、いろんな「自分なりの美」っていうのを見つけて活動してる姿が、背中を押せると思うんですよ。別に、みんなニューハーフになれっていうわけじゃないですけど。でも、「自分ももしかしたらこういう人になれるかもしれない」と思ってもらえればいいんですよ。この界隈は自殺する子が多いんですけど、諦めないで、「夢に向かって頑張ろう」って一人でも思わせられるような人として生きていきたいなっていう目標はあります。

──それはいいですね。

矢神 そういう活動ができれば面白そうだなって。「こういう人生を選んでも、こんな風に楽しく笑っていられるんだ、私も頑張ろう」って思われるような人を目指したいですね。

──矢神さんがどういう人だとか、そういうのを抜きにして、「オカマだから気持ち悪い」とか、今はLGBTQという呼び方が一般的になってますが、そういうものを全く認めないという人も根強くいますよね。そこに対してはどう思っているんですか?

矢神 いや、私はそこにどうこうというのはなくて。そういうのって、「LGBTQを認めろ」とか「多様性が」とか言ってきたことに対する逆の反応というか、「どうして認めることを強制してくるんだ」っていうことだと思うんですよね。私は「認めない多様性」もあると思ってて。そもそも日本という島国は特殊なんですよ。LGBTQみたいなものが情報として整理されるはるか以前の昔から、オカマっていたわけじゃないですか。その時代も差別はあったかもしれないけど、意外と日常に溶け込んでて、戦国時代も男色を良しとしていた時代があるわけじゃないですか。キリスト教が入ってくる前のこの国って、歴史を紐解いても。男性と男性の恋愛だったりとか、そういうものに対して寛容な国なんですよ。この国の民族は、もともと。だから、それをあまりにも表立って権利を主張してるせいで、おかしくない?ってなってるっていうのを感じるので、それに対して私が何かを言ったところで変わらないと思ってるんです。

──なるほど。

矢神 何が一番大事かって言ったら、その人たちの気持ちに寄り添って、笑える存在って認められてることだと思うんです。そういう人でありたいなと思ってますね。「オカマって言わないでください、私は女なので」みたいに言ってたら、そりゃあ「お前、女じゃなくね?」って言われますよね。それを言えない社会になればなるほど、分断は進むと思うんですよ。私はそこでいい塩梅の、「こういう人もいるんだ」っていう立ち位置でやっていきたいなって思ってます。同業からは「オカマって言うなよ」って叩かれるかもしれないし、「何なんだよ、お前は」みたいな声も絶対あると思うんですけど、それもしょうがないことだと思うので。全員に理解される性的少数者なんているはずがないじゃないですか。だから私はそういう立ち位置でいたいなと思ってます。だから、そういう反対派というか、拒否してる人たちの気持ちに対して、「何で分かんないんだよ!」っ怒る気持ちはないです。「そうだよね、おかしいよね」「変態だよね~」みたいな。そういう感じでいたいですね。

──分かりました。これからいろんな活動を続けていって、最終的にこうなりたいとか、ここまでは辿り着きたいという、究極の目標みたいなものはありますか?

矢神 自分という存在をもうちょっと頑張って確立できた時に、自分がプロデュースできる商品を増やしていきたいなと思いますね。あと歌と踊りはもうずっと好きなので、私がそういう企画をすることによって、それにジョインできる子が増えるじゃないですか。これをじゃあ10年とか続けて、自分が何曲も出せるような状態になった時に、それを目標に頑張ってかわいくなろうって思って、一緒に横一線で並べる子たちが増えてくれたらいいなと思うし、そういう子たちがそれぞれでそういう活動をしやすい状況を作りたいですね。自分は自分で続けたいですけど、裾野ももっと広がればいいなと思うので。

──商品プロデュースは、例えばどんなものがいいですか?

矢神 私はすごく美容が好きなので、美容商品とかですね。カラコンとかはもうみんなやりきってるので、自分にしかできない何かをちょっと考えたいなと思ってます。あと私、すごくお酒を飲むんですよ。なので二日酔いが辛くて。二日酔い対策の薬とか飲み物ってあるじゃないですか、ああいうのをプロデュースしたいんですよ。一番私に向いてるし、即効性があってアプローチしやすいので、それをやりたいです。何より一番自分が欲しいです(笑)。二日酔いは、日常生活を破壊しますから。それの特効薬をプロデュースしたら、性別問わずみんなを救えるかなって。

──いいですね。期待してます!

撮影 長谷英史

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記事情報

高崎計三

ライター

高崎計三

1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。