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『ストグラ』などで人気の配信者・ファン太が主宰するJ STAR RECORDから、宙星ぱるが新曲「天晴れパラダイス」を11月5日にリリースした。J STAR RECORDから完全書き下ろしの新曲がリリースされるのは今回が初めて。普段の配信では明るくドジっ子なキャラクターで人気の彼女が新曲「天晴れパラダイス」に込めた想いを語ってもらった。
「ありのままでもいいんだ、みたいなことを「ありのままでもいいんだ、みたいなことを元気に楽しく歌った『天晴れパラダイス』」
──活動5年目の生誕日11月5日(水)にシングル「天晴れパラダイス」配信おめでとうございます! まずは今のお気持ちをお聞かせください。
宙星 もう5年も活動しているとは思っていなかったので、まずそこにびっくりしています(笑)。オリジナル曲は今回で2曲目なんですけど、自分がオリジナル曲を出すとも思っていなかったし、そもそも人前に出たり、配信活動をしている自分に過去の自分はびっくりしていると思います。
──「天晴れパラダイス」は聞いているだけで元気になれるメロディと声、そしてなんだか身につまされる歌詞が印象的でした。宙星さんとしては、この曲のどんなところが好きですか? お気に入りポイントを教えてください。
宙星 最初に自分が理想としていた、明るくて元気でやさしくてみたいなテンプレ的なアイドルに自分は結局なれなくて、でもありのままでもいいんだな、みたいことを明るく、楽しく、お祭り的に歌った曲です。
──ありのままでいいんだと思えたのはきっとこれまでの5年の活動があったからなんですよね。

宙星 そうです。最近やっとそう思えるようになりました。口が悪くても、料理とかしなくても、だらしなくても、そんな自分でも認めてくれている人がいるんだ、みたいなことがわかってきたという感じはします。
──かてらざわさんが作詞作曲を担当していますが、宙星さん自らラブコールして実現したと聞きしました。
宙星 普段からよくYoutubeを観ているんですけど、ショート動画でかてらざわさんの曲がふと流れてきて、「なんじゃこりゃ!?」と思ったのがかてらざわさんを知ったきっかけです。それは「重音テトはこんなパーティ二人で抜け出せるのか」という曲だったんですけど、とにかくトリッキーな曲なんですよ。言えるのか言えないかわからないくらい、早口言葉みたいな歌詞で。もともとセリフ調の曲が好きだったのもあって、すごく惹かれました。おもちゃ箱みたいな曲を作る人だなって思ったし、そういう人と曲を作ってみたいと思ったんですよね。でも依頼を受け付けてくれるかはわからなかったので、ダメ元でお願いしてみようというところからはじまりました。OKをいただいて、曲を作るとなってからは、明るくて楽しくて、その中でかてらざわさん節が入っていて、イカれてればイカれているほどいい、ぶっ飛んでてほしいということでお願いしました。
──曲の中でかてらざわさん節を感じるところはどこですか?
宙星 特に、「まんまる可愛い理想図が」からはじまるところと、「真っ黒黒な昔話」ではじまるところは、完全にかてらざわさん節だなと思っています。よく見るとストーリーが繋がっていて、かてらざわさんなりのルールが見えるんですよね。それを見た時に、「これが欲しかった!」って思ったんです。宙星ぱるのイメージに寄りすぎてかてらざわさん節がなくなるのだけはいやだったので、これは絶対入れようと思って入れました。
──「天晴れパラダイス」は自己紹介的な歌詞でもあるなと思いました。この記事で初めて宙星さんを知ったという方のために、自己紹介をお願いします。

宙星 今まで「歌ってみた」くらいしかしたことがなくて、歌に触れるのがほぼ初めてみたいなものなので、レーベルの他のメンバーみたいに、歌を突き詰めてきた人生を送ってきたわけではないんですよね。なのでどちらかというとフレンドリーな感じだし、自分の中ではわりかしアイドルみたいな立ち位置でやっています。もとも声優とか演劇をやっていたので、その一環で歌を少し学んではいたんですけど、普通くらいに歌えるようになったらうれしいよね、みたいな感じだったので、まさか今こうなるとは思わなかったよね、というところはありますね。 声優と演劇をやっていた時は、演じ分けがめちゃくちゃ下手だったんですよ。それは演じるうえでは致命的な欠点だったけど、でもどうしても治せなくて。それでも何かやりたいと思っていた時に、配信者という存在を知ったんです。 自分らしくいられるそんな場所に憧れて配信者としての宙星ぱるは生まれました。
──「猫のギャラクシー伝説」以来、3年ぶりのオリジナル曲ということで、意気込みと期待していること、この曲がどんなふうにみなさんに届いたらいいかということについて教えてください。
宙星 レーベルに入ったからには歌にチャレンジしてみたいというのがあったので、ぜひファンの方にも見ていただきたいですし、音楽活動を通じていろんな新しい出会いが増えて、誰かのライブに出たりとか、自分のライブをやってみたりとか、そういう新しいチャレンジにつながっていくといいなって思っています。
──ファン太さんが主宰するJ STAR RECORDからのシングルリリースということで、まずJ STAR RECORDにレーベル所属することになったきっかけ、ファン太さんから声をかけてもらった時のお気持ちを教えてください。

宙星 きっかけは、わかんないです(笑)。ある時、ファン太さんともう1人の配信者さんとお昼を食べてて、ファン太さんに「これからミーティングやるからおいでよ」と言われて、そのまま事務所の会議室に行ったんですよ。何のミーティングかも知らないまま行ったらそこにレーベル担当の方が2人いて、ファン太さんに「レーベル作るんだよ」って言われたんですよね。それで「あ、そうなんだ。すごーい」ってのんきに言ってたら、「お前も入るんだよ」って言われてびっくりしました。レーベルができることもその時初めて知ったのに、「お前も入るんだよ」って言われて、冗談だと思ってたら本当だったっていう(笑)。
J STAR RECORDに所属している人は「ストグラ」(※『GTA』(グランド・セフト・オート)というゲームの中に作られた仮想都市“ロスサントス”に暮らす人々のロールプレイ)でもシャンクズプロモーション(「ストグラ」内でファン太さん演じるシャンクズが社長を務める事務所)に入っている人がほとんどなんですけど、自分はそこではスタッフ的な役回りだったので…。ただ、「ストグラ」の中の世界と現実とでの違いがあったほうが面白いよね、という話は聞きました。
もともと「ストグラ」でファン太さんが作った団体に所属してはいて、そこに入ったことで自分は人生助けられたと思っているんですよ。配信者としてだけじゃなくて、路頭に迷ってたところを生活できるようにしてくれてた人なので、なんかお返ししたい、みたいなところがあったんですよ。それにファン太さんっていつも何かを用意してくれるんですよね。ぱるが立てるように。なので、J STAR RECORDに入れてもらった段階でやれるだけのことはしようって思いました。何かしら暴れ散らかすことが自分に求められていることだと思うし、それが自分のためになるとも思っています。ちなみに、ファン太さんからは特に何も言われたことはないです、本当に自由なレーベルなんで(笑)。
「3Dライブをやってみたい……けど、普通のライブにも出ろと言われたら『はい』と言える覚悟はあります」

──J STAR RECORD所属になった今、あらためてこのレーベルについて思うことはありますか?
宙星 音楽の知識がないのでオリジナル曲を作りたいとか、歌の相談ができる場所ができたというのは自分的にもすごくでかくて。相談できる大人の方がいるのやっぱり助かりますね。大変なことはないですね。自由でいいという雰囲気のレーベルなので、何かを無理強いされることは絶対にないと思っているし、そこに関しては何も心配してないですね。
──今後、レーベルに期待することは?
宙星 妄想レベルですけど、3Dライブをやってみたいです。バーチャルの方ももしかしたら今後レーベルに入るかもしれないですし、3Dライブとかあったらやりたいです。
──これまでファン太さん主催のリアルイベント「激動 -HOT LIMIT-」(2024年8月31日@パシフィコ横浜)、「超激動 SUPER GEKIDO」(2025年4月12,13日@両国国技館)にも参加されています。リアルイベントに参加した時のお気持ちやそれぞれのイベントで印象に残っていることは?また、リアルイベントに参加したことでその後の活動に変化はありましたか?

宙星 話を聞いた時点でまず最初に思ったのは、「体を出すならここしかない」でした(笑)。何事にも出し時ってあるじゃないですか。そういう時に渋るよりは潔く出た方が面白いと思ったし、出なかったら後で絶対に後悔すると思ったんですよ。顔も体も出したくないという子はいたけど、それも配慮していただいて、アナウンスで参加させてもらったりとかしてたんですよね。でも自分としては体を出してステージに立つのも大事だなと思ったんで、そこは腹をくくりました。
ステージに立った時は「すげーっ!」てなりつつ、実はマスクをしちゃうとほぼ何も見えないんですよ。見えてるのが直線の縦列だけなんで、いい感じにちょっとずつ見えて、空気になじめたっていうか。だからびっくりとかはせず、「わあ、人がいるなあ」みたいな感じでした(笑)。自分のうちわを持っているファンを見つけて「実在するんだ…」って思ったり。自分とか「NO LIMIT」というグループを推してくれている人がいて、グッズを作ってくれたり買ってくれるくらい熱量高い人がいるっていうのがすごくありがたいなと思いましたね。 「激動 -HOT LIMIT-」が終わった後、泣きそうになりながら裏に行ったら、とあるメンバーが激泣きしてて、涙引っこんじゃって(笑)。でも本当に泣きそうになりながら、こんなすごいところに立って、こんなにいっぱいの人に名前を呼んでもらって、最高じゃん!ってなりましたね。「超激動 SUPER GEKIDO」はさらにすごすぎて、もうよくわかんなかったですね。ステージが4面だし、全部見られてるわけじゃないですか。もうよくわかんなかったです。でも実際にファンの人をこの目で見て、こんなに応援してくれている人がいるならもっとがんばろうとか、日頃の配信ももっと考えてやろうって思いましたね。こういうことをしたらみんな喜んでくれるかな、とか。やっぱり実物のリスナーを見たからこそ、より強くそう思いましたね。文字で見るより全然「いる!」ってなったし、実在してるんだったらがんばるか、みたいに思いました。
──歌手以外の活動について、現在「ストグラ」など多方面で活躍されていますが、それぞれの活動での楽しみやファンの方に楽しんでいただきたいところはなんですか?
宙星 配信では普段マイペースにゲームしていることが多くて、ゲームがちょっと下手だったりするところをまったり楽しんでもらえたらうれしいですね。のんびりおしゃべりしたり、ゲームが全然できなかったり。ゲーム下手なのが自分のいいところなんで、それを楽しんでもらえたらと思います。
──今後の活動について、やってみたいこと、夢や目標はありますか?

宙星 VTuberとしてはやっぱり3Dライブが一番やってみたいことの最上級ですね。でも体出しをしちゃってるんで、普通のライブに出ろと言われたら「はい」と言えるくらいの覚悟はあるので。ステージに立って踊るくらいのことはがんばってみようかなと思っています。あとは細く長く、できる限り楽しくやれたらいいかなって思いますね。配信者としてビッグになりたい!とかは別に思ってなくて。もちろんなれるならなりたいですけど、無理しすぎて続かないよりは自分らしくあるのが一番かなって、特に最近思いましたね。自分らしくいる方が、みんなに好きでいてもらえる感じがするし。その考え方は今回の「天晴れパラダイス」にも通じるものがありますよね。
──歌手としての宙星ぱるはどんなアーティストでありたいですか?
宙星 曲を聴いたみんなが楽しくなったり、心が揺さぶられるようなアーティストでいたいですね。かっこいいとか、キレイとかは他の方にお任せして、ワクワクするようなアーティストでいたいなと。おもちゃ箱みたいな、開けたらどうなるかわからないトリッキーなアーティストでありたいなと思っています。