3月29日、30日の両日、品川ステラボールで開催されるDJ KOO PRODUCEのアイドルフェス「DJ KOO presents 『KOOmic idol Festa』」。全39グループが出演するこの豪華イベントに、DJ KOOさんはどのように関わり、どんな意気込みを持っているのでしょうか。そもそものアイドルとの関わりも含め、吉田豪さんとともに語っていただきました!
DJ活動45周年の記念に、ずっとやりたかったアイドルフェスを!
──今回開催される「DJ KOO presents 『KOOmic idol Festa』」はKOOさんの「念願」だったということですが、どれぐらい「念願」だったんでしょうか?
DJ KOO エイベックスではもう10年以上前からa-nationをやっていて、その流れで何日かやっている中で、2012年から2017年までは「IDOL NATION」というのもやってたんですよ。
吉田 ああ、ありましたね。あれももう10年ぐらい前ですか。
KOO はい。あれをやらせていただいてからもう1回やりたいとずっと思っていて、そのうちにアイドルさんの形もいろいろ変わってくるのを見てきたんですけど、やっぱり今年は僕がDJ活動45周年ということで、周りのスタッフの人にも「とにかく自分のやりたいことをやらせてくれ!」と言って、そこから開催に至った感じですね。
吉田 IDOL NATIONにはけっこう関わっていたんですか?
KOO 一応、僕がオーガナイザーみたいな形でやらせていただいていました。
吉田 あれにも今回同様、SUPER☆GiRLSが出てましたよね。
KOO 出てますね。アイドリング!!!とかも出ていて、僕が「アイドルにDJをやってほしい」と思っていたので、アイドルがDJに初挑戦するコーナーとかもあったんですよ。その頃ちょうどメンバーだった朝日奈央ちゃんとかがDJに挑戦したりしてましたね。
吉田 まだ「アイドル戦国時代」的な流れで盛り上がってた時期ですね。
KOO そうですね。エイベックスも「iDOL Street」というレーベルを立ち上げて、本当に始まったばかりの時代でしたし。
──今回のイベントは大きくそこからの流れということですよね。出演者も出揃いましたが、そのチョイスにも関わられているんですよね?
KOO 僕も関わっていますし……僕は「コミフェス」って呼んでるんですけど、コミフェス・スタッフでアイドル好きの皆さんが「どうですか!」「どうですか!」って、逆に僕の知らない初見のアイドルさんにもアプローチしてくれて。
吉田 ラインナップがメチャクチャ幅広いですもんね。PIGGSとか「そっち系のグループも出すんだ!」っていう幅にも驚きました。
KOO そうなんですよ。だから僕も楽しみなんです。最終弾発表としてBEYOOOOONDSの出演も発表させてもらったんですけど、ビヨとはちょうど去年、彼女たちのツアーに映像で参加させてもらったり、あと1stアルバムから一緒にやらせてもらっているので、ここに来て一緒にできるのはメチャメチャうれしいですね。
吉田 KOOさんのHello! Project、BEYOOOOONDSへの思い入れの強さは伝わってますよ(笑)。
KOO ハハハ! ただ今回は「Hello! Project ひなフェス 2025」と日程が丸被りだったこともあって、いろいろ調整が難しくて。もっといろんな人に出てほしかったんですけど、ライブの合間を縫って(笑)何とかビヨに出てもらえることになりました。あと、29日はJams Collectionも出ますし、振付師の槙田紗子がプロデュースするHey!Mommy!も去年ライブを見に行かせていただいたんですけど、仕上がりもすごいし、しかもまだメチャクチャ伸びしろがあるし、注目してます。それからやっぱりスパガですよね。我が後輩としては頑張ってほしいところですよね。
吉田 スパガはこのキャリアでまだ続いてるだけでもすごいですよね。
KOO そうなんです。初期メンはいないですけど、今年で15周年ですからね。また去年の1月には「KOOFes」というのをやったんですけど、その時にニコニコチャンネルの方で高嶺のなでしこ、たかねこちゃんとかも出てくれてすごくインパクトがあったので、印象に残ってます。それから、本当にまだデビューして間もないんですけど、エイアイカとは一緒にラジオ番組をやっていて。ただライブは初めて見るので、楽しみですね。もう一つ新しいところでは、iLiFE!。
吉田 彼女たちは勢いもあるし曲もどうかしてますね。
KOO iLiFE!は実際、大阪のクラブとかでめちゃめちゃバズってて。僕もDJでのセトリの中に入れているので、彼女たちも実際にライブで見られるのはうれしいです。
吉田 やりすぎなぐらいの楽曲でボクも最初聞いたとき笑っちゃいました。
KOO そうなんですよ! 僕は関西地区と関東地区とでDJの楽曲を変えてるんですけど、iLiFE!は関西ではもうド定番の、大人気アゲソングですね。
吉田 ホント、もちろんKOOさんがハローにハマってることは、もうすっかり有名になってますけど、「アイドルフェスをやるんだ!」ってことでまず驚いたし、もっとど真ん中の人たちを集めるのかと思ってました。
KOO まさにおっしゃる通りで、まだ知らないアイドルの皆さんとか、これからバズっていくんだろうなという人たちの……登竜門というとおこがましいですけど、このフェスからまた有名になってほしいみたいな、そういう願いもちょっと込めてますね。逆にここで、いろんな絡みがまたできるかもしれないっていう可能性もすごくあります。例えば坂道系の方とかスターダスト系だとか、みんな集めてやったらそれはそれでもう素晴らしいフェスができますけども、逆にこれから出ていくであろうグループの皆さんを集結させるっていうのもメチャメチャ面白いだろうなと思いましたね。実際、去年何度かアイドルフェスに見に行かせていただいたら、まだまだ知らないんだけど面白いグループ、カッコいいアイドルグループがたくさんいたので、そういう開拓もすごくしたいなと思っています。
吉田 アイドルフェスの視察にも行ってるんですね。
KOO 行きました。渋谷のO-EASTなどでのフェスにも行って、会場がいくつかに分かれていたんですけど、全部見たんですよ。気がついたら6~7時間ぐらいずっといて。それぐらい面白いなと思いましたね。
──新鋭グループがこういう舞台に出ることで、バーンと伸びるということもありますよね。
KOO ありますね。だって変な話、ウチの後輩ではわーすたがいるんですけど、去年の11月に彼女たちが主催した「にゃんぽこらフェス!」にCUTIE STREETが出てたんですよ。「よくブッキングできたね」って言ったら、CUTIE STREETがガーン!と人気が出る前からオファーしてたらしくて。その何ヵ月の間にバズっちゃったみたいな、そういうこともあるじゃないですか。だからコミフェスの出演者も、これから本番までの何週間かの間にドカン!と行く人がいるかもしれないですよ。
吉田 だからこそ若手からベテランまで並べて。
KOO そうなんですよね。そういうことで言うと、まねきケチャとかも面白いですよね。
幅広い音楽性を味わえるのが「アイドルフェス」ならではの良さ!
──今回は「コラボステージ」とか「チャレンジコーナー」も企画されているそうですが。
KOO 僕的には、やっぱりTRFの曲をアイドルのみんなにも伝承していきたいなと思ってるんです。エンディングとかにみんな集まってもらって、まあ全員は無理かもしれないけど、「やりたい人!」みたいな感じで募って、TRFの曲でみんなで盛り上がるシーンを作りたいなと思ってます。あと、今企画中なんですけど、やっぱりお客さんにもアイドルにも、DJを楽しんでもらいたいので、アイドルがDJをやるコーナーも作ろうかなと思ってるんですよ。誰がやるかは全然まだ決まってないんだけども、僕がちゃんとDJをレクチャーして、お客さんの前で何人かDJをやってもらうみたいな。
吉田 以前、朝日奈央さんがやったように。
KOO そうです、そうです。そのへんでそれぞれの魅力を発揮してくれると思うので。
吉田 やっぱり当時、朝日奈央さんはそういうことへの対応力もあったんですか?
KOO メチャメチャうまかったですね。最初に3曲だけ好きな曲を選んでもらって、僕が繋ぎ方とか、ここでこうした方がいいよっていうお手本を僕が作って、そこから自分なりにやってみて、みたいなことをやってたんですけど、朝日奈央ちゃんはもう、掴みからやっぱり上手だったし、すごくちゃんと盛り上がる感じのものを作って。「あ、この子はいくな!」みたいに思ってましたね。
吉田 バラエティー対応力的にも通じる、腹の据わってる感じが発揮されたというか。
KOO そういうところがありましたね。だって、僕がサポートはしましたけど、やっぱりいつもやってることと違うことなので、緊張してましたけど、もう生き生きしてやってましたから。
──朝日さんみたいに、アイドルの枠を超えて活躍する才能も出てくるかもしれないと。
KOO 楽しみですよね、それは。それもまたアイドルの一つの魅力ですから。グループで活動する、それからソロで出ていくとか。
──当日、KOOさんはどんな感じで関わられるんですか?
KOO もちろんずっといますし、「DJが必要な時は言ってね」って伝えてあります。ステージにはDJブースもあるので、そこでどういうコラボレーションができるか。そういうこともやっていければと思ってます。
吉田 今回は無理でしょうけど、HiiT FACTORYというグループもいずれは参加してほしいですね。TRFリスペクトのアイドルグループなんですけどご存知ですか?
KOO はい、今いらっしゃいますよね。
吉田 やりすぎなぐらいにTKサウンドを現代に再現しているので、このフェスのフロントアクトとにピッタリだろうなって。
KOO (スタッフに)今から呼べる?(笑)
吉田 ダハハハハ! 基本的にはKOOさんとしては、ハローのグループを呼びたいプラス、あとはいろんな人たちと出会いたいって感じで、具体的に「誰かを出したい」みたいなことはなかった感じですか。
KOO いや、仕事で絡んだグループなんかも出てほしいなと思ってたんですけど、スケジュールとかの関係で難しかったところもあったんですよ。でもこの第1弾が楽しいフェスになれば、次にまたお声がけしていきたいなと思っています。ここに全部詰め込むと大変なので(笑)、次またやろうということは考えているので。
吉田 KOOさんは各事務所のいろんなグループと仕事でちゃんと絡んでますからね。
──今はロックフェスにもアイドルが出演するのが当たり前になってきていますよね。その中で、「アイドルフェス」というもののいいところって、KOOさんはどう考えていますか?
KOO やっぱりアイドルの音楽って、いろんなジャンルが詰まってるじゃないですか。そのアイドルが発信する音っていうのが、すごく魅力的だと思います。ロックフェスでもモーニング娘。さんとかが普通に出てるじゃないですか。それはまたすごく新鮮なんですけど、この令和にいろんなアイドルが発しているものは、EDMからドラムンベースからボカロから、いろんな音楽が詰まっているので、アイドルが集まったら、今のいろんな音楽のジャンルを楽しめますよっていう感じがしますね。
吉田 そこらのロックフェスよりも音楽的な幅は広いですからね。
KOO そうなんですよ。だからこそ、「KOOmic idol Festa」というタイトルは、「DJ KOOのダイナミックなアイドルフェス」という意味で名付けたんです。いろんな音楽をダイナミックに楽しめるというのが、アイドルフェスじゃないですかね。ヒップホップのフェスだったら、どうしてヒップホップばかりになってしまうけど、アイドルはラップもすごくいろんなことをこなしているので、そこは楽しみですね。
吉田 KOOさん的にはアイドルポップでも「基本的にはダンスミュージックの方が好き」とかあるんですか?
KOO まあ、職場なので(笑)、すごく距離は近いですね。
吉田 やっぱりハローがフィットするのはそこですよね。
KOO それはありますね。EDMでアイドルがしっかり踊ってるとか、そういうところのDNAはすごくフィットしますよね。
──吉田さんから見たアイドルフェスのよさとはどういうところですか?
吉田 TIFとか特にそうですけど、本当に頂点からかなりアンダーグラウンドなところまでが、普通に同じ土俵に立つ場っていうのが楽しいんですよね。
KOO ああ、なるほど。
吉田 最初の頃はもっとローカルアイドルとかも多くて、カオスだったんですよ。そのときしか会えないような人たちが山ほどいて、でも今はアイドルの層が分厚くなったからそういうフェスはやりづらくなっちゃいましたね。キラキラ系はキラキラ系だけ、楽曲派は楽曲派だけにまとまりがちで。だからこそ、今回のフェスがちゃんと幅を見せてくれているのはすごくいいことだなと思ってます。
アイドルフェスが「対抗戦」だった時代の空気とは?
──ロックフェスよりもアイドルの方が、ファンも含めてグループ同士の「対抗戦」みたいな要素がより強いのかなと思ったりもするんですが。
吉田 2013年ぐらいまでが、本格的に対抗戦だった時代ですよね。いまは交流戦時代になってますけど、ハローがフェスに出始めた頃はハローが出て全員潰しに行くっていう感じだったので(笑)。
KOO ハハハハ!
吉田 それが最高だったんですよ(笑)。事務所的にも本当にもう後がないというか、「お前ら、負けたら帰る場所はないぞ」ぐらいの追い込み方をして、子供の頃からキャリアを積んできた人たちが大人げないぐらいまでの能力で圧倒的な実力差を見せつけるっていう。それが2011~2013年ぐらいですかね。
KOO まだ鞘師(里保)とかがいた頃ですかね?
吉田 そのぐらいですよね。℃-uteとかスマイレージとかが外に出ていった時期で最高でしたよ(笑)。
KOO ゴリゴリな感じでね(笑)。
吉田 今はその色は薄れましたね。そこまで喧嘩腰で行ってもなということで、みんな仲良くしましょうという平和な時代になりました。
──そこが物足りなかったりしますか?
吉田 うーん……でも、いつまで喧嘩していてもっていうのはあるので。そもそもあの時代は、絡んじゃいけない時代がずっとあったんですよ。48系とハローは絡んじゃいけないとか絶縁時代がずっとあった中で、急にいろいろ雪解けというかテレビでも絡んだりするようになって、フェスでも絡む時期が来て。そうなった瞬間にいろんなものが解禁になった感じですよね。2011年~2013年頃は「負けちゃいけない」っていう時代で、裏で大人が煽りまくる時代でもあったんですけど。
KOO 僕はもう、48チームとも何度か一緒にやらせていただいているし、OGの皆さんとも仲良くさせていただいているので、そこがまたみんな垣根を越えて集まって、大人の力というよりもメンバー同士で、「よし、ここは頑張って爪痕残すぞ!」みたいな感じで、それこそ世の中に出てる出てないとか関係なく、みんながやってくれると面白いですよね。「ここは私がやりますよ!」って。
──また、これからのグループのファンからすると、「ここで行ってほしい!」「実力を見せつけてほしい!」みたい気持ちもありますよね。
KOO あるでしょうね。
吉田 最近だとタイトル未定もそうですけどTIFで見つかるみたいな流れがありましたよね。TIFまでそんなに知名度がなかったグループが一気にバズって、その翌日にはもう価値観が変わってたみたいなこともあって。
KOO PASSPO☆さんとかもちょっとそういう感じがありましたよね。
吉田 PASSPO☆はフェスで強かったですからね。わかりやすく倒しに来るタイプで(笑)。僕が彼女たちに感心したことがあって。2011年に、野音で僕が司会をやった「アイドル・フェスティバル in ヒビヤ」というフェスがあって、PASSPO☆はトリでさんざん盛り上げてたんですけど、最後にみんなで「見上げてごらん夜の星を」を歌う場面で、PASSPO☆は出てこなかったんですよ。
KOO ほう。
吉田 忙しいって理由だったんですけど、まだ会場に残っているのに超ケンカ腰で最後の和気あいあいとした場には参加しない。あれを見てすごいと思ったんですよね。
KOO 面白いな、それはそれで(笑)。
吉田 そういう時代だったんですよ。だから今は平和になったと思います。アイドル同士が「仲良くなりたい」って感じでバックステージでも交流して、普通にみんなで仲良くしようよという時代になって。ちょっと前までは仲良くなるのを事務所側が嫌がったりする時代でしたから。
──KOOさんは、今回の自分のフェスでそういうケンカ腰のグループがいてもいいですか?
KOO いや、全然OKです(笑)。だって、それが個性じゃないですか。それが自然に楽しくなって、盛り上がりを生んでくれればいいわけですから。そこで何かが発生していることが面白いのであって、それがストーリーの最初になればいいと思います。
──アイドルとともに、ファンの気質も変化してると感じたりしますか?
吉田 ちょっと寂しい話ですけど、フェスでお目当てのグループしか見ない人が増えたなと思ってて。「せっかく来たんだから他にもいろいろ見よう」みたいな人が減ってるかなと。推しのライブを見て、推しの物販に行って終わっちゃうような。
KOO でもそこは、他のグループもいろいろ見てほしいですよね。そこで僕としては、DJ KOOが出たことで「何か面白いことやるかな」みたいなエッセンスになりながら、全体の雰囲気を作れればいいなと思ってます。自分の推しが普段やらないようなことをやって「こんな一面もあるんだ!」っていうのを見るのは、すごくいいじゃないですか。そこで「DJ KOOと絡むとこういう風になるんだ」とか、そんな一面をいろんなところで出していければ面白いなと思うので。
──自分の推しの出番が終わっても、油断できないぞと。そういう意味では、アイドルの評価軸みたいなのも変わってきてるんでしょうか?
吉田 今はキラキラアイドル的なものが主流になっているように、「カワイイ」部分が重要最になっちゃってる気はしますね。
──少し前までは、いかに趣向を凝らすかみたいなところもあったと思うんですが、それよりも「カワイイ」が今は前面に来ていると。
吉田 だから世間に届くためのバズと、会場で集客するためと、それには「カワイイ」が最重要ってことになっちゃってるんですよね。そういう意味ではより難しい時代に入っていて、「楽曲派」と呼ばれる音楽に特化したような人たちが、今は本当に苦戦する時代になっていて。フェスにもなかなか呼ばれないし、集客も苦戦していて、「カワイイ」に特化した人たちが中心のシーンになったというか。
KOO TikTokでバズってるとか、そういう広がりが今はすごくありますよね。でもやっぱり、こういうフェスのステージだと「グループ力」っていうのがすごく出ると思うので、良くも悪くもだけど、グループスキルの積み重ねだと思うし、デビューが浅くても、「行くぜ!」っていうものを持っているグループが会場をロックするし、楽しみになりますよね。
──そういう気概とかにも期待したいですよね。
KOO アイドルフェスって、ホームであり、アウェーでもあると思うんですよ。a-nationもそうですけど、いかに他のアーティストを見に来ているオーディエンスも楽しくできるかっていうことが、そのフェスのキモだと思うので。「自分のやることをやる」というよりも、「このフェスをみんなを盛り上げる」っていうスキルを何か持ってもらえると、うれしいですね。
吉田 a-nationはもっと「ファミリー」のイメージが強いんですけど、あそこにも「戦い」の感じはあるんですか。
KOO もちろん、もちろん! でもTRFももう32年やってるので、どんどん新しいグループが出てくるじゃないですか。だから彼らの前にお客さんが移動したりすることもいっぱいあるんですけど、それはそれで、見たい人は自分の推しのアーティストが見たいんだしっていうのもあるからしょうがないとは思います。たぶん、TRFのコアなファンってそこまで多くないかもしれないけど、でも全員が「イェイイェイウォウウォウ」やるシーンは、みんな一つになって作ろうよという思いはありますからね。
「派手、元気、盛り上がる」。これで最KOO!
──その意味では、どんなライブを見ても思うんですが、やっぱり「決め技」がある人たちって強いですよね。
KOO それはもう、プロレスと一緒ですよ。
吉田 フィニッシュホールドですね。
KOO フィニッシュホールドをいかに持ってるかっていうところ、それは強いですよ。
──その点でいくと、TRFなんかもう決め技のオンパレードですよね(笑)。
KOO それはもうありがたいことに、ラリアットとサソリ固めと延髄切りは持ってるので(笑)。
吉田 昭和プロレスの決め技をきちんと押さえてる(笑)。
──今回のラインナップの中では、「このグループのこの決め技に注目!」みたいなものはありますか?
吉田 まあ、BEYOOOOONDSとか圧倒的に強そうだなと思いますよね。
KOO ビヨは強いでしょうね。「ニッポンノD・N・A!」は決め技ですから。
吉田 盛り上がりますよ、そりゃ(笑)。
KOO 以前のフェスでも、全員集合の時に「ニッポンノD・N・A!」をラストに持ってきてましたから。強いんじゃないかな。あとはスパガの伝統の「MAX!乙女心」とか。
吉田 初期の、ちょっとハロプロ感のある名曲ですね。
KOO あとやっぱり、の槙田紗子先生のHey!Mommy!ですよね。彼女たちは体力オバケなので、面白いと思いますよ。
──そして今回は「第1回」じゃないですか。フェスの第1回って、伝説になることも多いですよね。
吉田 TIFの1回目のカオス感が伝説になってますけど、奇しくも今回、会場が同じ品川ステラボールという。
KOO そうですね(笑)。やっぱりステラボールって、「聖地」でもあると思いますね。あそこは階段が多くて大変なんですけど(笑)。
吉田 TIFの1回目が伝説になった理由の一つが、アイドル用の動線がなかったことなんです。お客さんと同じ道を歩いてアイドルが移動していて、「何だ、この距離の近さは!」という感じでバズったんです。「これは面白いから、みんな行った方がいいぞ」みたいになって。
KOO ハハハハ!
──フジロックも、1回目は伝説ですからね。
吉田 台風直撃で二日目が中止になってね。それを確認したくて中止になってるのにボクも現地まで行きましたから(笑)。
KOO やっぱり1回目の伝説ってありますよね。やっぱり、それだけエネルギーが集中するっていうことじゃないですか。集中するからこそ、何かが起こったり、何かが生まれたりするので。でもこの2~3年で、コロナも明けてアイドルフェスも普通に増えましたよね。
吉田 でも、そんな中でKOOさんが参入してくるのは想像もしませんでしたよ。クロちゃんとかしずる村上さんとか、アイドルヲタとして有名な人たちがやるのは分かるけど、「KOOさんがDJ45周年でアイドルフェスを? なぜ?」っていう(笑)。
KOO ハハハハ! やっぱりそこはもうアイドルの音楽性、溢れてるものがすごいなと思ってるので、そんなみんなに集まってもらってやりたいっていうのがあって。「派手、元気、盛り上がる」。これですから、僕のフェスは。
吉田 よく「アイドルは弱ってる人の心に入りやすい」みたいに言われることがあるんですけど、KOOさんがハローにハマったのも、もしかしたら大病をされた影響とかもあるかもしれないと勝手に思ってて。
KOO そうかもしれないですね。そこで娘が聴かせてくれたりのがハローだったりしましたから。それで一緒にライブ見に行ってたんですけど、エイベックス関連のライブをいっぱい見てる娘がハマったのがハローで。
吉田 「最初は複雑な感情があった」って言ってましたよね。
KOO そうそう、モーニング娘。さんを見てて「そうかあ、TKファミリーをいっぱい見てきてるのに、こっちにハマったのか……」って。そうそうか、って言って見に行ったら「なるほどね!」となって。「すげえな!」と思いましたからね。それでまんまとハマりました。
吉田 正直、アイドルには生命力とかも感じるじゃないですか。それもあるだろうなと思ってました。
KOO ありますね。とにかく自分の思いをステージで発するパワーの強さみたいなものがすごくあったんですよね。それは僕らもあるんだけど、アイドルの子たちがステージへ持っていくものはすごいなと。もともとは「距離が近い」「会える」というのがアイドルだったじゃないですか。そういう気持ちも含めて、ステージに持って出ているので、そこは刺さりましたね。
吉田 正直、それまでアイドルに偏見まではいかないとしても、そういう意識があったりしましたか?
KOO 一番最初、2000年代にモーニング娘。さんやAKB48さんが出てきた時に、言い方は悪いけど、「あ、これはワイワイやってることが今はいいんだな」とは思いました。TRFがいろんな活動をしている時だったので、そんな思いもありました。でもそれを知っていく上で、全然変わってきましたね。最初は正直、アイドルというのはかわいくて、踊りが上手で、キレイにしてて……みたいな認識があって、そこに音楽性というものが結びつかなかった時代もありました。でもそこに音楽性がさらにミックスされて、個性が出てきて、メンバーカラーが出てきて……みたいなことになって、それで多くの人を巻き込んで(にしてるっていうのはすごいなと思って。実際に、例えばあーりん(ももいろクローバーZの佐々木彩夏)のソロツアー「AYAKA NATION」に出たり、彼女のミックスをしたりとか、さっしー(指原莉乃)のソロコンに出たりとかしてみると、「よし、頑張ろうね!」っていう感じがすごくストレートなんですよね。ストレートな魅力を感じました。
吉田 それまで自分がやってきた世界と、ちょっと違ったと。
KOO 違いましたね、何か。「みんなストレートに楽しもう!」っていう。それが伝わりました。
──今回も、KOOさんと各グループ、各メンバーの化学反応みたいなものも面白そうですよね。
KOO はい。だから僕も最初にオファーする時のインフォメーションで、「もしDJ KOOを使って一緒に何かやりたい時は言ってください」みたいなメッセージも入れたりしてるんですよ。
吉田 積極的にイジってくださいというか。利用できるんだったらしてくださいと。
──では最後に、改めてこのフェスについてオススメのコメントをお願いします。
吉田 今年はいろんなフェスの開催に関して、噂が立ってたりもするじゃないですか。だからこそ、そういう時にこうやって大物がフェスに参入してくれるというのは感謝しかないです。ぜひぜひ続くことを祈っています。
KOO 「派手、元気、盛り上がる」。もうこれで最KOO! どんな人が来てくれても、この2日間で元気になるアイドルフェスですから、ぜひとも来てください!
吉田 スーパーシンプルですね(笑)。
撮影 長谷英史
DJ KOO presents 「KOOmic idol Festa」
日程:3月29日(土)、3月30(日)
会場:品川プリンス ステラボール
開場/開演:未定
出演者第一弾 ※50音順
[29日]
Jams Collection / SWEET STEADY / 高嶺のなでしこ / PIGGS / FES☆TIVE / WHITE SCORPION
[30日]
UtaGe! / 衛星とカラテア / SUPER☆GiRLS / Hey!Mommy!
出演者第二弾 ※50音順
[29日]
Merry BAD TUNE. / 夜光性アミューズ / Lucky2
[30日]
iLiFE! / ドレスコード / のんふぃく! / MyDearDarlin’
出演者第三弾 ※50音順
[29日]
アンスリューム / かすみ草とステラ / CiON / Peel the Apple / まねきケチャ / Onephony
[30日]
アキシブproject / エイアイカ / THE ORCHESTRA TOKYO / NANIMONO / 二丁目の魁カミングアウト / 花いろは / 瞬きもせず / メイビーME / Melty BeaR / RiNCENT♯ / ワンダーウィード 天
出演者第四弾 ※50音順
[30日]
群青の世界 / SAISON / マーキュロ / ルルネージュ
出演者最終弾
[30日]
BEYOOOOONDS
https://avex.jp/djkoo/news/detail.php?id=1123332
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