エンタメの世界で活躍したい!と憧れている子供たちのために、エイベックス・グループが2007年から開催している「キラットエンタメチャレンジコンテスト」(通称「キラチャレ」)。3歳から中学3年生までという対象年齢、書類審査も参加費もないこと、1次・2次予選は全国各地のイオンモールで行われること、そして多くのモデルやアーティストがここから巣立っていることなど、他のコンテスト、オーディションにはない特徴を多く兼ね備えたイベントです。11月10日の決勝大会が迫る中、「キラチャレ」の狙いや特徴について、担当部署で運営に携わっている3名にいろいろと伺いました!
「オーディション」ではなく「コンテスト」。その理由とは……。
──まずはそれぞれのお名前と役職、そして「キラチャレ」での役割を教えていただけますか?
三上雄亮 エイベックス・エンタテインメント株式会社 事業開発本部 avex Youthグループのゼネラルマネージャーをしております三上雄亮(ゆうすけ)です。「キラチャレ」での立ち位置は、責任者として全体を統括する立場になります。
佐藤絵里 同じくエイベックス・エンタテインメント株式会社 事業開発本部 avex Youthグループ第2育成開発ユニットの佐藤絵里です。「キラチャレ」ではプロジェクトリーダーをやっています。
鈴木祐穂 同じくエイベックス・エンタテインメント株式会社 事業開発本部 avex Youthグループ第2育成開発ユニットの鈴木祐穂(さちほ)です 。「キラチャレ」ではプロジェクト担当になります。
──まずは、「キラチャレ」とは?というところについて伺います。そもそも、いつ始まって、どういうコンテストなのでしょうか?
三上 「キラチャレ」は2007年からスタートして今年18年目を迎えている、3歳から15歳までを対象とした総合エンタメコンテストになります。「チャレンジすること、それが大事。」というキーワードを設立当初からずっと掲げていて、とにかく子供たちがチャレンジする場所になってほしいなという思いを込めて続けているコンテストです。
──3歳からというのは、一般的に他でもあるものなんでしょうか?
三上 いえ、他にはそれほどないと思います。やはりこういうコンテストでは、中学生や 高校生がメインなのかなと。「キラチャレ」は、とにかく一番最初にチャレンジする場所がここであってほしいなという思いも込めて、3歳という小さい時から受けられるという形にしています。
──現在は「モデル部門」「ボーカルラップ部門」「ダンス部門」の3部門が設けられていますが、この部門設定は年によって変化がありますか?
三上 昔はそれに加えて「エンタメ何でも部門」というのがありました。あとは時期によっては「キッズ」と「ティーン」でちょっとした区切りを設けていたりしていた頃もあったんですが、今はシンプルに「歌」「ダンス」「モデル」の3部門という形になっています。
──このオーディションの主な出身者というと?
佐藤 出身者はたくさんいるのですが…最近の話題で言えば、NHK朝ドラヒロインに決定した髙石あかりさんもキラチャレ出身です!他にも生見愛瑠さんや石橋陽彩くん、セブンティーンモデルの上坂樹里さん、GENICの金谷鞠杏さん 、宇井優良梨さん、小池竜暉くん、雨宮翔くんの4名なども「キラチャレ」出身ですね。
──それから「キラチャレ」の大きな特徴として、書類審査がないこと、参加費が無料であることが挙げられると思います。書類審査がないとなると、単純な話、審査が大変なのでは……?
三上 そうですね、全員を見なければいけないので、もちろん大変は大変なんですが…… 書類審査って、あくまで 書類でしかないなと思っていて、書類でその子の全部はもちろん分からないと思っています。やはり実際にその子を直接見ると「書類見るよりもこの子はとても可能性がありそうだな! 」と思う子たちもいっぱいいるのも事実なので、特に小中学生 に関しては、全員と会うというコンセプトは、とても合っていると思っています。
──なるほど。
三上 もちろん人数的には多いんですけど、「キラチャレ」の審査は不思議と、大変というよりは楽しいんです!
鈴木 私も審査に入らせていただいているのですが 、確かに楽しさはありますね。他の多くのダンスコンテストとは、単純に「レベル感」を求めているわけではないという点が大きく違うところなのかなと思っていて。 完全にスキルでしか見ないような、厳しいコンテストではないので、審査員側、運営側も楽しみながら、どんな未来のスターの卵がいるのかというところを見ているイベントだなと、実際にやっていて感じます。
佐藤 全体の運営に関わらせていただいている中で私が感じたキラチャレならではの特徴は、結果発表で生まれる涙や参加者と家族との間で生まれる絆です。 通過して感動の涙を流す子もいれば、悔し涙を流す姿を家族が励ますような場面も間近で見られるので、そういうところもリアルで、家族の大切さやチャレンジすることの大事さを改めて感じることが出来る感動ポイントなのかなと思いますね。私自身、他のオーディションもいろいろ担当しているのですが、他のオーディションでは通常、ご家族 は審査室に入れないことが多いので、そこは「キラチャレ」独自の「生の声」が感じられる点だなと思います。
──ただ、3歳から参加できて、全員が書類審査なしでイオンモールの舞台に立てるわけですよね。そうすると、ものすごくレベルの幅があるのではないかと思うんですが……。
三上 確かにあります(笑)でも、それも「キラチャレ」の魅力のひとつだと思ってます。先ほど鈴木も言いましたが、キラチャレに参加してくれた時点で、歌がどれだけうまいかというのはそんなに大事じゃないと思っているんです。ただ、どういう日々を過ごして今このレベルなのか、これだったら私たちYouthチームがレッスンなどを提供してあげたら、もっと伸びるんじゃないか、将来avexグループで活躍してくれるんじゃないか、みたいなことを想像しながら見てるんです。だからスキルの幅はあるんですけど、最初から「そういうものだ」という大前提があるので、そこは全然苦ではないです。
佐藤 3歳から参加できるコンテストなのでハプニングは毎回あります(笑)。今年は、ボーカル・ラップ部門では緊張してしまったのかステージで寝転がって歌えなくなってしまった子もいました(笑)。モデル部門でもウォーキングがうまくできなくて、スタッフに抱きかかえられて登場したり、本当にハプニングだらけでかわいいんです(笑)!それが会場全体が暖かい空気感となって笑いを生んだり、すごく雰囲気がいいなと思うので、それがまた「キラチャレ」の魅力のひとつでもありますね。
──うまくできない子が、そこからどうするかも見ているんですか?
三上 そうですね。僕らは「オーディション」というより、「コンテスト」という言い方に実はこだわっています。ステージを全然歩けない子が、それでも頑張って歩いてる姿だったりとか、泣いちゃって一度はステージに上がれなかったけど、そこから頑張ってもう1回歩こうとしてる姿とかを見ると、お客さんがみんな拍手したり、声援が飛んだりするんです。そういう、まさに「チャレンジすること、それが大事。」のコンセプトを体現してるような子に関しては、また見てみたいなと思います。
──では、「キラチャレ」における合否というのは、単なる順位によるものではないということなんですね。3歳の子は15歳の子より上回らないと勝ち残れないというわけでもないと。
三上 その通りです。3歳なり、5歳なりのスキルに対してどうか、という目線で見るようにしてますね。これが面白くて、「7歳でこんなに上手に踊れるの?」っていう子は、15歳でそれなりに踊れる子よりも魅力的に映るんですよね。そうなると「この子は決勝進出だね」と、審査員の意見がバチッと決まるんです。審査員も大変だとは思うんですけど、絶対評価じゃなくて、その子に対する評価という物差しで見ている感じがありますね。
決勝大会に進めなくてもチャンスが!? 受賞が全てじゃない!
──鈴木さんは審査にも参加されているとのことでしたが、審査の上で印象に残ったことは?
鈴木 私は今回、ダンス部門の審査に参加したのですが、一番心に残るのは表現力がある子です。失敗したからどうとかは、正直、あまり見ていなくて、日々どれぐらいダンスに打ち込んでいて、ダンスがどれだけ好きなんだろうとか、そういうところを見ています。中でも「ダンスが好きなんだろうな」「心から楽しんでいるんだろうな」というのは、踊りだけじゃなくて表情とかからも伝わってくるので、そういう子が特に魅力的に感じ、印象に残ります。
──やっぱりスキルの上下ではないと。
鈴木 はい。スキルはそこまで高くなくても、表情や目力、パフォーマンスとしての魅せ方が上手い子がいて。逆にその子は、スキルとしては通らなかったのですが、個人的には、審査員に対してや、見ているお客さんに対してパフォーマンスをしてくれる子にすごく惹かれ、メチャクチャいいなって思います。レッスンで教わるようなことではない表現力というか、惹きつける力みたいなものを持っている子や、ダンスに対して「好き」や「楽しい」の気持ちが強い子はこれからもっとスキルが伸びていくんだろうなと思うので、そういう子の方が見ていて心が動かされます。もちろんスキルも見ていますが、そこを一番に重視というわけではないですね。
佐藤 鈴木も幼少期からずっとダンスをやっていたので、そういう視点でも見られるんですよ。プロジェクト担当ではありますが、ダンスのこともしっかり見れるので、審査員としても起用させてもらいました。
──自分が幼少期からやっていたから、見る目が厳しくなるということはないんですか?
鈴木 私は「キラチャレ」を受けている子たちと同じ、小学生の頃からダンスをやってきたんですけど、逆に私はコンテストとかにあまり出てこなかったんです。大人数で発表会に出るということしかしてこなかったので、そもそもあの年齢で1人でステージに立てるというのが、本当にうらやましいぐらいなんです。予選を通過した・しないにかかわらず、うれし涙を流したり、逆に悔し涙を流せるというのをあの年でできることに、それだけ本気で挑戦していることにリスペクトしかないです。
──むしろ甘くしたくなってしまうぐらいというか(笑)。
鈴木 はい(笑)。もちろん気持ちの部分だけですけど。
──伺っていると、「キラチャレ」は他のオーディションとは違う面が多々ありますね。
三上 そうですね、全然違うと思います。エイベックスも含めて、いろんな事務所がやっているオーディションというのは、ある程度「こうなりたい」という思い、例えば「アーティストになりたい、モデルになりたい」というような夢を決めた子が受けに来ることが多いと思うのですが、「キラチャレ」の年齢の子たちというのは、これから夢がどんどん増えたり変わったりすることがある中で、このキラチャレにチャレンジしたことがきっかけで、アーティストやモデルやダンサーになりたいって夢を持ち始める子もいるかもしれないなんてことを期待しています。そういう意味で言うと、他でやってるオーディションとはちょっと性質が違うものなのかなという気はします。
──なるほど。
三上 「キラチャレ」は18年続いていますが、毎回、6~7割ぐらいが「初めて受けました」という子なんです。ここは他社からもすごくうらやましがられる点で。人材に一番最初にタッチできるかどうかが新人発掘の視点ではとても重要だと思っています。僕らが、「キラチャレ」がきっかけで最初に声をかけて、そこからコミュニケーションが続いて、アーティストだったりモデルになったというケースも本当にたくさんあるので、そういう意味では「最初に受けるオーディションが『キラチャレ』である」という点は、ものすごく他と違っていて大事な部分だなと思っています。
──ある部門で、例えば7歳ぐらいで受賞した子は、その後どういう道を辿ることになるんですか?
三上 受賞したら、基本的にはavex Youthと育成契約を交わさせてもらって、その子の夢に沿ったサポートを無償で行ってます。分かりやすく言うと、レッスンの無償提供ですね。そういうものを受けてスキルをさらに上げてもらって、具体的なデビューのプロジェクトとか、デビューに繋がっていくようなオーディションにチャレンジしてもらって、そこで本当に巣立っていってもらう。それが一番の成功例というか、僕らが一番期待している形ですね。
──佐藤さんは、「キラチャレ」に関わり始めてから何年になるんですか?
佐藤 プロジェクト担当として入ってからは今年で2年目になります。実はエイベックスに入社して、最初に新人開発の部署に所属していたのですが、そこで「キラチャレ」の運営をお手伝いしたりもしていました。その後、異動した部署ではマネジメントとして当時担当していたFAKYが「キラチャレ」のゲストアーティストとして呼んでいただき、運営以外のところでも私の中では「キラチャレ」とはずっと関わりがあったんです。
──これまでに新人発掘に関わってきた中で、印象深い人とか出来事というのはありますか?
佐藤 そうですね、今まで様々なオーディションや新人タレント・アーティストの発掘育成に関わらせていただいたのでたくさんあるのですが(笑)、オーディションからデビューまで長い時間を一緒に過ごすこともあるので、デビューメンバーが決まる瞬間やデビュー後に初めてステージに立った瞬間に立ち会えたことはわくわくしますし、今でも印象に残っている出来事ですね。
あとはキラチャレに関連する話としては、現在、エイベックスで活動している現役ニコ☆プチ専属モデルは、なんと6名もいるんです!青島希愛と藤田蒼果の2人は昨年(2023年)のキラチャレで数年振りにニコ☆プチ賞をダブル受賞していますし、山腰理紗や外山凜夏も、キラチャレ受賞がきっかけでニコ☆プチモデルになっていて。ありがたいことに、数ある賞の中のひとつである「ニコ☆プチ賞」という賞はモデルに憧れている参加者の一つの目標としてすごくいい影響をいただいているんです。「キラチャレ」は未来のスターを生み出すきっかけとなっていることを実感しますし、無名の頃から一歩一歩、活躍していく姿を近くで見届けられるのは新人発掘だからこそ味わえる幸せな仕事だなと常に思います。
家庭でも「チャレンジすること、それが大事。」が合い言葉に!
──そうやってエイベックス所属で活躍する人もいれば、先ほどお話が出たように、他社で活躍している人もいると。「キラチャレ」がエイベックスだけでなく、結果を出しているということですよね。
三上 まさにそうだと思います。僕は毎回、予選の後に総評みたいなことを言わせてもらっていて、参加してくれた子供たち全員に対してメッセージを伝えてるんですね。やっぱり最初にチャレンジする時って、1人でステージに上がることが不安だったり、それこそ泣いちゃって上がれない子とか、緊張してうまくできない子とか、メチャクチャいると思うんですよ。ただ、結果発表の時に、ステージが終わった後の子供たちを見ると、みんなすごく楽しそうな顔をしてくれてるんです。「今日楽しかった人?」って聞くと、みんな手を挙げるんですよ。
──いいですね。
三上 その時にみんなにメッセージしているのは、「何かにチャレンジする時って、心配とか不安とかあると思うけど、でもやってみたら楽しかったよね。だからこの楽しかった気持ちを忘れずに、勉強でも部活でも、ぜひみんな、何か次のチャレンジをしてください。僕らエイベックスも、みんながチャレンジできる場所をこれからも作り続けますね」ということなんです。こういうことを最後、締めの言葉にさせてもらっていて。活躍してくれる先がエイベックスだったらもちろんいいですし、この楽しかった気持ちを他のチャレンジに生かしてもらって、「キラチャレ」がきっかけになった、受けてよかったなって思ってもらえるようになっていけばいいなと思ってますね。
佐藤 参加者の方からいただいたアンケートを見ていると、「『チャレンジすること、それが大事。』が家族の合言葉になっています」という回答もいくつかありました。まさにキラチャレの合言葉でもある「チャレンジすること、それが大事。」がすごく心に響いてくれているんだな、誰かの日常の一部のキーワードになっているんだなというのを感じ嬉しかったですね。
──年齢層的にも家族のサポートがないと、参加できないですもんね。
三上 本当にそうです。だから保護者の方々にも、その最後の総評では改めて感謝を述べています。拘束時間も長くて、しかも2日連続でやるので、お父さんお母さんは本当大変だと思います。その中で決勝大会に行くような子たちは、本人たちよりもお父さんお母さんの方が泣いてたりする場面もよく見かけますし、いい意味で家族行事みたいになってるのかなとも思いますね。
──18年やってこられている中で、エントリーされる方たちの変化とか傾向みたいものというのは、何かありますか?
三上 変化っていうのは正直あんまりないですけど……歌部門の子が選ぶ歌のトレンドとか、ダンス部門の子が選曲してくるダンスのトレンドみたいなものは、けっこう大きく変化として表れているなというのは感じますね。例えば今年はK-POPが多いですし、歌でもK-POPは多いけど、でも歌い上げ系は変わらずにMISIAが多いねとか、その時の子供たちの中でのトレンドというのが、大きな変化としてあるなというのは感じますね。
──そういうトレンドというのは、掴んでいる方が有利なんですか?
三上 今って、難しい歌が多いじゃないですか。そういう時に「ちょっと違う曲を聴きたいよね」とか「あの子はK-POPカバーじゃなくて、ああいうダンスが見たいよね」とか、そういうのはありますね。だからトレンドを押さえているかどうかは、別に審査には全然影響ないですよ。
──でもそういう子たちだから、やっぱりトレンドには敏感でしょうね。
三上 そう思います。でもたまに、本当に普段イオンモールにでかけるような服装でステージに上がってきて、とても歌がうまいという子がいたりするわけですよ。そうなるともう心掴まれるというか、「うわ、この面白い子は何なんだ?」ってなったりして。今も育成してる子で、小学校3~4年生ぐらいなのに昭和歌謡をとても感情表現豊かに歌ってきた子がいて。そういうのは「やっぱり面白いな!」ってなるんですよね。その子は今、社内の重要な新人プロジェクトの候補生になってたりするんですよ。
──昭和歌謡から!
三上 はい(笑)。ウチで育成してちょっとカルチャーを変えていって、今や世界で戦うアーティストを目指そうぜ!みたいになっていて、そういう変化が面白いですよね。
──そういう部分でインパクトを残すというのも必要なわけですね。
三上 とても大事だと思います。やっぱり一発勝負のコンテストなので。
佐藤 歴史を感じたのは、キラチャレに参加してくれたお子さんの親御さんも実は過去に「キラチャレ」に参加していたということがあったんですよ。なるほど、18年やってきた歴史というのは、2世代にわたることになるんだなって。
三上 小学6年生の時に歌部門で受けていた子で、良く覚えてたんですよね。その子がお母さんになって、彼女の子供が3歳でエントリーしてきて。
佐藤 「これが歴史ですね」っていう話を現場でもしてました(笑)。
何かにチャレンジする第一歩として、「キラチャレ」を!
──鈴木さんは、「キラチャレ」に関わられている中で印象深いことはありましたか?
鈴木 やはり幼い年齢にしてあのステージに立てるということですかね。特に5歳とか6歳の子、もちろんそれ以下の子が、一般のお客さんもいる中で1人であのステージに立てることがどれだけすごいことかと毎年見ていて感じます。ダンスでいうと、そこで堂々と踊っていることもそうですね。さらにいうと、先ほども言いましたがあの年齢で結果にうれし涙や悔し涙を流せることに驚きました。
まずそのチャレンジ精神と真剣さが素晴らしいと思って、スキル云々よりもその気持ちが何よりも大事で、その先の成長の糧になるんじゃないかなと思います。
──今年の決勝大会は11月10日に決勝大会が予定されていますが、出場者が決まった中で、楽しみにしている子だったりはいるものですか?
三上 期待している子はいっぱいいます!歌部門は本当にうまい子が多いです。決勝大会には僕ら発掘や育成のYouthチームだけじゃなくて、レーベルとかマネジメントのチームも、来てもらいたくて声をかけています。僕らももちろんですけど、そういう人たちにどう刺さるかなというのがとても気になります。
去年もAMGのスタッフが見に来てくれて、あるプロジェクトが進行中です。この「キラチャレ」がきっかけで新しいIPも生まれていくみたいなことにも繋がっていくと思うので、可能性ある子たちが、何かそういう“出口”まで一緒に見えるようなステージを見せてくれたらいいなと思ってますね。
──では最後に、これから応募する人、しようかなと思っている人、子供を応募させようと思っている親御さんたちへ、アドバイスやメッセージをお願いします。
三上 「キラチャレ」は18年継続していて、本当にエイベックスがやっているイベントの中でも様々な歴史や想いのあるものになってきていると感じています。ぜひ社員の方々にも触れてほしいと思っています。あと、本当に初めて受けるコンテストとして、こんなに受けやすいコンテストはないと思いますので、興味を持った子供さんに、「『キラチャレ』っていうのがあるよ」という風にチャレンジを促してもらえると、とってもいいんじゃないかなと思います。
佐藤 今年は初めて参加してくれる子が多い印象だったのですが、2回目だけじゃなくて3回、4回と、何度でも挑戦してくれる子も多いんですよ。「キラチャレ」は「コンテスト」なので、何かに挑戦するきっかけだったりとか、自分が成長するきっかけとか、何か一歩踏み出す勇気を出すきっかけの一つとして、参加してくれたらいいなって思ってるんです。そこで生まれる家族の感動だったりとか、家族や仲間との絆とか、「キラチャレ」だからこそ経験できる部分もすごくありますし、肩の力を抜いて挑戦してもらえる、いいコンテストなのかなと思ってはいます。
鈴木 本当にキャッチコピー通り、「チャレンジすること、それが大事。」のままだと思います。少しでも迷っているなら参加してみた方がいいと思いますし、参加して損はないんじゃないかなと思います。その結果が良くても悪くても、自分の経験や思い出の一つとしてプラスになるのは間違いないので、「出なければよかった」っていうようなネガティブな気持ちにはならないと思うんです。もし悔しい結果だったなら来年もまた挑戦すればいいし、もしくは「『キラチャレ』以外のイベントにも出てみよう」という気持ちに繋がればいいと思います。まずは一回、勇気を出してチャレンジしてみてほしいです!
佐藤 これは誰にも今まで言ったことがなくて、個人的な想いもあるのですが、今年、数年ぶりに宮城でキラチャレを実施させていただいたんです。私が宮城県出身で当時、地元に住んでいたこともあり東日本大震災を経験しているのですが、被災者の体験や想い、当たり前の日常があることの大切さなど実際に聞いたり目にしたりしたんです。その中で、家族や絆とかをすごくいろいろ間近に感じて、音楽の持つ力の偉大さも感じました。震災の時からずっと、東北で何か少しでも力になれることがないかと考えていて、震災の経験がエンタメ業界を目指したきっかけでもあります。「家族」「挑戦」「勇気」という意味でも東北とキラチャレは通ずるものを感じたので、未来の子どもたちに対してキラチャレは何かできることの一つだなと思って。もちろん東北には可能性のある人材が眠っている確信も感じていたので東北での開催を希望していました。挑戦することの大切さや勇気を出すきっかけのひとつとして「キラチャレ」を感じて欲しいという思いがあったんです。これからも開催に向けて全国の子どもたちに、経験や財産の場所としても挑んでもらえたら嬉しいです。
──今年の決勝大会も楽しみです。ありがとうございました!
撮影 岡見 高秀
キラチャレ2024 決勝大会
2024.11.10(日)
品川インターシティホール
【キラチャレ2024 オフィシャルサイト】
【キラチャレ2024 X】
【キラチャレ2024 Instagram】
https://www.instagram.com/kirachalle/
【キラチャレ2024 LINE】
https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=avexaudition
ライター
高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。