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【ヘラヘラ三銃士】エイベックスからのメジャーデビューはYouTubeドリーム!?

ヘラヘラ三銃士

【ヘラヘラ三銃士】エイベックスからのメジャーデビューはYouTubeドリーム!?

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YouTuberとして幅広すぎる活動をこなすヘラヘラ三銃士の1st&メジャーデビューアルバムがリリース!『HANGOVER』(「二日酔い」の意)というタイトルにふさわしく、また彼女たちらしく、「飲み」を歌った曲やアゲアゲの曲が満載。その一方でしっとりとしたバラードもあったりして、バラエティに富んだ内容になっています。メンバー3人にこのアルバム制作のエピソードや飲みの失敗談など、いろいろお聞きしました!

エイベックスはヘラヘラに一番ピッタリなレーベル?

──1st&メジャーデビューアルバム『HANGOVER』は今回CDでリリースされますが、7月26日から先行配信されてますよね。その反響はいかがですか?

ありしゃん アルバムを出すのが初めてで、ヘラヘラの今までの人気曲だったり新曲も入ってるんですけど、デジタル先行配信の時点では聴けない曲とかもあったんですね。ツアーに来て初めて聴く方もいたので、「どんな曲なんだろう?」っていうワクワクも入りながらのアルバムって感じでしたね。

まりな エイベックスさんからのリリースということで、自分のいとことか親戚とか、身近な人たちから「すごいね!」って言われたのがうれしかったです。

ありしゃん 私も周りの友達とか、SNSのコメントとかでも「めっちゃ エイベックスっぽいね!」「一番ヘラヘラにピッタリなレーベルだと思う」って言ってもらえて、みんなが知ってるエイベックスというレーベルから出させてもらえたのはすごくうれしかったです。LINEとかもけっこう来て、思った以上に反応がありました。

さおりん 私は昔からエイベックスさんが一番好きなレーベルだったんです。エイベックスさんのアーティストをいろいろ聴いていたので、そこでアルバムを出せるって聞いて、周りも喜んでましたし、もちろん自分自身もうれしかったです。それとこのアルバムの中で初めてソロ曲をリリースできて、自分の中でも濃い、思い出の詰まったアルバムになりました。

──初のソロはドキドキしたのでは?

さおりん そうですね。YouTubeではソロで歌ったこともあったんですけど、サブスクとかだとまた違うので、緊張というか、まだ恥ずかしさもあります。

──皆さんの1stシングルが2019年だからもう4年ぐらい経っていて、そこから30枚近いシングルを出されてますよね。それがこのタイミングで1stアルバムというのは、どういう感じですか?

ありしゃん 正直、あんまり音楽のルールが分かってなくて(笑)。アーティストさんだと、「ここでアルバムを出すからこういう風に曲を作っていこう」とか「アルバムを出すからツアーをやろう」とか、いろいろルールがあると思うんですけど、そういうのが全く分かってないんですよ。わりと今回のアルバム制作で音楽を知ったという感じなんです。今までは「アルバムを出す」という前提で曲を作っていなかったので、正直、実感みたいなのはそんなにないですね。自分たちが好きなタイミングで好きな曲を作ってて、いつの間にか曲数が増えてアルバムになってたって感じで(笑)。

──ああ、なるほど。今回、アルバムで初披露の曲が4曲ありますが、7月から9月にシングルで出た曲も入っていますよね。それもアルバム用に作った楽曲ということですか?

さおりん そうですね。5曲はアルバム用に作って、先行シングルみたいな形で出したものです。

──それ以外の4曲は過去のシングルから選ばれたものですよね。それはどういう基準で選んだんですか?

ありしゃん 自分たちの好きな曲(笑)。

まりな あとは人気の曲ですね。

さおりん 曲調とか雰囲気とかも含めて、バランスを見てという感じですね。

ありしゃん 選ぶのはけっこう大変だったんですよ。飲み曲ばっかりにならないようにしようとか、だからといって既存の曲ばっかりだとアルバムらしさもなくなるし……みたいな。自分たちがライブで歌ってて楽しい曲を、バランスを見て選んだっていう感じですね。

──ではその13曲について、1曲ずつお聞きしていきます。まずは1曲目、「We’re lucky」。ありしゃんさん作詞で作曲がチバニャンさんですね。

ありしゃん チバニャンに「Hello Mr. Monkey」のような雰囲気の曲を作ってほしいって言ったんですよ。

──アラベスクというグループが1978年に出して大ヒットした曲ですね。ディスコ・ブームの代名詞のような曲で。

ありしゃん 私のお母さんが大好きな曲なんです。それまでお母さんの好きな曲なんて知らなかったんですけど、急に「これが好き」っ言ってきたんですよ。「こういう曲を作ってほしいのかな?」と思って。ジャケットを見たらアラベスクも3人組で、私たちっぽいなと思って。チバニャンにはそこまで詳しくは伝えてなかったんですけど、「こういう感じで、ちょっと懐かしさもある曲を作ってほしい」って言ってたら、彼も同じ曲をリファレンスにして作ってくれてて。普段から仲がいいんで、ピタッと意見が合ったんですよ。

──一致したんですね。

ありしゃん だからチバニャンがデモの仮歌で入れてたメロをそのまま使わせてもらった部分もあったりして、わりとすんなり作れた曲です。詞も全然苦戦せずにできて。

──最初からアルバムの頭に持ってこようと?

ありしゃん そうですね。オープニングに使いたくて。この曲は最初からコンセプトとかも固まってたので、わりとピタッと決まった感じでした。

記憶がなくても宣伝中!? リード曲「恋のマイアヒ ~ヘラヘラ三銃士と毎夜HEAT!!~」

──次の2曲目が「恋のマイアヒ ~ヘラヘラ三銃士と毎夜HEAT!!~」ですね。カバー曲ですが、原曲は20年前のリリースなんですね。

さおりん ああ、そんなになるんですね。

ありしゃん 小学生だったよね。あんまり分かってないまま、ノリがいいから歌ってましたよね。

さおりん 意味は分かってなかったですね。

──たぶん、意味はほとんどみんな分かってないと思います(笑)。

ありしゃん だから、この令和にこの曲が帰ってきてる感じは不思議ですね。詞は3人でいろいろ出し合って作ったんですよ。普段飲んでるお酒の名前とか。

──本当に、いろんなものが好き勝手にぶち込まれてる詞ですよね。

まりな 怒られるんじゃないかっていうところもあるよね(笑)。

ありしゃん ギリ大丈夫かなと。あとはエイベックスさんに何とかしてもらって(笑)。

さおりん 安心感があるよね(笑)。

──普段よく聞こえてくるようなフレーズが、こんなに詰まった歌詞はなかなかないですよ。

ありしゃん リスペクトを込めたオマージュです(笑)。

まりな 作るのは楽しかったよね。

ありしゃん サビの元の部分は崩さずにいこうっていうのは絶対だったし、歌うよりもノってる部分の方が多かったから、「詞」ってそんなにないんですよ。これもチバニャンがアレンジしてくれてるんですけど、クラブでガンガンに踊れるようにやってもらったんですよね。

まりな EDMバチバチで。

ありしゃん だから歌ってるというよりもノってるという感じです(笑)。

──またMVがギラギラでいい感じですよね。

まりな 今までもMVはいっぱい撮ってきたんですけど、見たことないようなLEDパネルとかが使われてたし、スタッフさんもいっぱいいて、「あ、すげえ……」みたいな(笑)。

さおりん 普段は自分たちで指示しながら撮ってるだけっていう感じだったからね。

ありしゃん 監督が私たちで、あとはカメラマンさん2人だけっていうね。

さおりん 今までは撮影場所も構成も自分たちで決めてたんですけど、たくさんの人たちが動いてくれて、いろいろ決めてくれるから楽でした(笑)。

ありしゃん よくアーティストさんのメイキング映像で見るヤツだなって思いながら。

──いやいや、皆さんが「アーティストさん」じゃないですか(笑)。

ありしゃん いやでも、そう思った瞬間に「本物ってこうなんだ!」って思って、緊張しました。

さおりん 負担が減って楽になった分、失敗もできないよねって。

ありしゃん だから練習だと踊れてたのに、本番では踊れなくなっちゃって、転換の時に楽屋で3人で練習したよね(笑)。

まりな したした(笑)。

さおりん 「ヤバいヤバい、これだけの人が関わってるから、ちゃんとやらないと!」って(笑)。

ありしゃん だからワンカット目の映像とか、実は表情が固いもんね(笑)。

──この「恋のマイアヒ ~ヘラヘラ三銃士と毎夜HEAT!!~」が、アルバムのリード曲になるわけですよね。この曲で勝負する!と。

ありしゃん 恥ずかしいことに私、いろんな飲み会とかで酔っ払ってこの曲を歌っちゃってるっぽくて。そういうのもプロモーションの一環ですから(笑)。

さおりん でもさっきまで知らなかったよね?(笑)

ありしゃん そう! さっきスタッフの人から「こないだどこかで酔っ払って『マイアヒ』歌ってたらしいですね」って言われて(笑)。誰かに見られてたらしいです(笑)。流行らす気満々で日頃生活してるんだなって思いました。飲み界隈からジワジワ攻めていこうかなって感じですね。

──記憶がなくても(笑)。

ありしゃん はい、記憶がなくても宣伝してるっていう、一番志が高いヤツです(笑)。

まりな すばらしい!

3人が飲みで一番失敗した事件とは?(書ける範囲で!)

──で、3曲目が「愛、示しーや」。これもありしゃんさんが作詞ですが、アルバムタイトルの『HANGOVER』(「二日酔い」の意)にまさにピッタリな。

さおりん 実話です。

ありしゃん このタイトルの「愛、示しーや」っていうのは、まりなが酔っ払って言った名言なんですよ。で、詞の中身も私たちが日頃飲んでる時のことを歌ったもので、意味もないっていう(笑)。これって、けっこうまえに作った曲だったよね?

まりな 3年ぐらいじゃない?

──2020年のリリースですね。

ありしゃん 歌詞に「給料袋おとしたよ」とか出てくるんですけど、当時さおりんは普通にバイトしてたので、本当に給料袋を失くした時の話なんですよ。「右足痣だらけ」とかも……

さおりん いまだになります。

ありしゃん 変わってないんだなーって(笑)。

さおりん 財布の中身が次の日ないとか、普通だもんね。

──「あの頃はこうだったなー」とかじゃなく(笑)。

さおりん 「今も変わってないな-」って思います。「知らん男のLINEがある」とか「記憶が無いのに記録はある」とか。

──一番気まずいヤツですよね。

さおりん 誰?みたいな(笑)。

──ではここで、皆さんの「酔っ払っての一番の失敗」をお聞きしたいんですが。書ける範囲で(笑)。

さおりん こないだ酔っ払って帰って、たぶんトイレで潰れちゃったんですよ。その後普通にベッドで寝て起きたらトイレが詰まってて。ヤバい!ってなって業者さんに来てもらったらパンツがトイレに詰まってて。たぶん、洗濯機だと勘違いしてトイレに入れてしまったんじゃないかと思うんですよね。修理代が10万円近くかかるし、業者さんとも気まずいし、最悪な空気でしたね。

──でしょうね(笑)。

さおりん 私、トイレでやらかすことが多くて。潰れて、ウォシュレットの水を顔にかけちゃうとか。完全にトイレと友達になっちゃうパターンですね。

──ちなみにパンツの件はいつの話なんですか?

さおりん 半年前とかですね。けっこう最近で(笑)。

まりな 私は……書けないのが多すぎるなあ。前にありしゃんと2人で飲んでて、バカみたいにワインを飲んだことがあって。3軒ぐらいはしごしたんですけど、3軒目でテキーラを飲んで記憶がなくなったんですね。そしたら次の日に動画が送られてきて。その日、お金を持ってたはずなのに、全部なくなってたんですよ。

ありしゃん 財布に1円も入ってなかったもんね。

まりな そうそう。3~4万円ぐらいあったのに。その動画を見たら、すしざんまいに行って大量に寿司を頼んでて、それが映ってるんですよ。でも酔っ払ってるから食べられるわけでもないし。たぶんそれでお金を全部使ってるんですけど、動画の中で私がぶっ倒れるんですね。そしたら知らない外国人の方が英語で「大丈夫ですか?」って介抱してくれてて。

ありしゃん 倒れそうになった瞬間、横にいたその外国人の方が、サッと手を伸ばしてましたからね(笑)。

まりな あの日どうやって帰ったんだろ? 送ってもらったのかな?

ありしゃん 送ったんじゃないかなあ。まりなは酔っ払うと何でも買ってくれたりするんですよ。私は寿司を奢ってもらったのを覚えてます(笑)。

まりな そうなんだ!

ありしゃん 私、「持ち帰っていいですか?」とかすごく交渉した記憶がありますもん。

──しかし、ワインをしこたま飲んで3軒目でテキーラって、明らかに潰れるために飲んでますよね?

まりな いや、私は当時あんまり飲み慣れてなかったんですよ。ワインをガバガバ飲むこととかもなかったので、楽しくなってウェーイ!ってなっちゃって、気付いたらぶっ飛んじゃってたみたいな。お酒は本当に気をつけた方がいいです。

さおりん それっていつの話だっけ?

まりな 8年ぐらい前。でも今も何も変わらず。

ありしゃん ホントに変わってないよね(笑)。

──ありしゃんさんはどうですか?

ありしゃん 私は夏のツアーで、全公演飲み過ぎて新幹線とか飛行機代を全部ムダにしました。ホテル代とかも全て。

──マジすか!

ありしゃん 飲み過ぎて起きられなくて。初日の仙台公演(7月29日)は、前の日の飲み方を見てみんなが「アイツ、もう無理だ」って思ったみたいで誰からも連絡が来ることなく、置いていかれました。私は昼近くまで飲んでたから、ほとんど酔っ払ってるんですよ。で、ホテルから駅までが絶妙に近くて、タクシーに乗る距離じゃないから歩いたんですけど、その距離で死にかけて。

さおりん 二日酔い?

ありしゃん それと暑さで。その瞬間が、今までの人生で一番、酒で死にそうになった瞬間でしたね。で、新幹線に乗るじゃないですか。その新幹線の中でチケットを失くして。駅に着いてメッチャ並んでる改札口でチョー死にそうになりながら「すみません、チケット失くしました」って言ったんですよ。でも私があまりにも死にそうだから「今回だけですよ」ということで、そのまま改札から出してもらえて。

さおりん 相手にもしたくなかったんじゃないの?

ありしゃん 絶対そう。ヘアメイクも前の日のライブのままで、お風呂も入ってなくて、メチャクチャ酒臭かったでしょうしね。だから誰も私の周りに近寄ってこなかったですからね。

──マジすか……。

さおりん インタビュアーさんに引かれてるやん(笑)。

ありしゃん 打ち上げはマジでヤバかったですね。打ち上げを超えて、打ち上げからの「破壊」でした。名古屋公演(8月16日)は唯一、次の大阪公演が翌日だったのでそこまでは飲まなかったんですけど、その分が大阪公演の後に2倍で来ちゃったんですよ。

──「来ちゃった」っていうか、飲んだのは自分ですよね(笑)。

ありしゃん そうなんですけどね(笑)。ちなみに大阪では昼にも帰れなくて、帰ったのは夜でした。私だけ延泊して。

おふざけのつもりが絶妙アイドルソングに!「真夏のファンタジー」

──しかも本当につい最近のエピソードでしたね(笑)。で、4曲目「あー言えばこーいぇい!」がさおりんさんのソロということで。タイトルと裏腹にしっとりした曲調ですよね。

さおりん でも歌詞を見ると、飲み友に向けた曲なんですよね。すごくたくさんの曲の中から選んだんですけど、これは作ってくださった方がヘラヘラを知ってくださっている方で、ウチがすごくお酒を飲むことも飲み友が多いことも知ってくれてるんですね。その飲み友を夜中の2時とかに誘っちゃうんですけど、「何で飲みに来てくれないの?」っていうところを歌った曲です。

──いますね、夜中になると呼び出す人。

さおりん 自分がされたらすごくイヤで、メッセージとか電話も無視するんですけどね。でも結局、「お酒も飲み友もみんな大好きだよ」っていう曲になってます。

──ソロ曲ということで、一人で歌ってみてどうでしたか?

さおりん 今までカバーを歌ったりはしてたんですけど、今回みたいにダンスもある自分の曲となると、やっぱりうれしいですよね。聴いてくれた方からも「耳に残る曲だった」って言ってもらえることが多くて、うれしいです。ツアーでも1人で歌いながら踊ったんですけど、ステージで1人でっていうのは今までアイドル人生でもなかったことなので「1曲を1人で歌うのって大変なんだな」って思いました(笑)。だから、ダンス&ボーカルユニットの人たちって、ホントにすごいんだなって。

──5曲目が「狂騒マリオネット」。2年前のシングル曲ですね。曲自体がボカロっぽいですが、皆さんの歌もすごくボカロっぽいのはどういうことなんですか?

ありしゃん チバニャンがこの曲すごく好きなんだよね。当時、「ヘラヘラにない曲を出してみよう」って言って作った曲です。確かにすごくボカロっぽいんですけど、「ヘイ!ヘイ!ヘイ!」とかってコール&レスポンスがあったりするので、ステージではすごく使い勝手のいい曲なんですよ。

──なるほど。

ありしゃん ヘラヘラのコンセプトとして、一つにとらわれないでいろんな曲調を歌うというのがあるんですね。アイドル曲だったりバラードだったり、飲み曲もあったり。その中で当時、「ボカロみたいな曲はないな」ってなって作ったんです。

──加工したわけじゃなくて、生身の人間が歌っててこんなにボカロっぽいのはすごいなと思ったんですよ。

ありしゃん 私はちょっと音痴なので、逆にちょっと合ってるんだと思います(笑)。

まりな ちょうどいい感じになるんだよね。

ありしゃん そうそう(笑)。

──6曲目は「それでも生きていく」。これはまりなさんのソロですね。

まりな これは、私がYouTubeの「街録チャンネル」に出た時の内容というか、私の人生を歌にしたものですね。ありしゃんから「まりな、こういう曲歌ってよ」とか言われて歌うことがけっこう多いんですけど、これも「バラード歌ってよ。まりなの人生について書きたいんだよね」みたいな。自分から「こういう歌を歌いたい」とかよりは、そういう感じで決まることがわりかし多いんで。

──これはライブで歌ってどうでしたか?

まりな けっこう暗い曲なんですけど、ファイナルの幕張メッセではリフターっていうのに乗って、高く上がりながら歌ったので、いい感じで歌えましたね。リズムを取るのが難しくて、私はバラードがけっこう苦手なんですよ。クリック(レコーディングの時などに目安となるリズムの音)がないと本当に分からなくなるので。レコーディングの時は自分で指揮をしながらリズムを取る練習をずっとやってるし、その部分がすごく大変でした。

──普段は勢いのある曲の方がやりやすい?

まりな そうですね。テンポが分かりやすい曲の方が得意なんですけど、バラードはリズムだけじゃなくて息継ぎとか抑揚とかも全部ちゃんとできてないとうまく聴こえないので、この曲はけっこう難しかったです。挑戦に近かったですね。ツアーでも歌ってきたんですけど、まだ練習が必要ですね(笑)。バラードは本当に練習しまくらないと難しいので。

──これからも育っていく曲という感じですね。で、7曲目も新曲で「発破かけ隊」。この曲はピコピコ感がいいですね。

ありしゃん いいですよね。この曲は、もともと私のソロ曲になる予定だったんですよ。でも1回歌ってみたら「3人で歌った方が面白い」と思ったので、急きょ「3人で歌おう!」ってなったんです。だから、レコーディングまでけっこう時間がない中、私は練習してたからいいんですけど、2人はいきなり言われて慌てて練習することになって(笑)。

さおりん でもけっこう覚えやすいというか耳に残りやすい曲なので、わりかしすぐ覚えられました。

まりな けっこうすぐいけたよね。

──さっきからお聞きしていると、ありしゃんさんが思いついて他の2人を巻き込むことが多そうですよね?

ありしゃん 基本的にそうですね(笑)。動画も音楽活動もそうですけど、「やっぱこっちの方が面白いよね」って急に思うことが多いので、それによくついてきてくれてます。

──8曲目は「真夏のファンタジー」。これも2年前のシングルで、さおりんさんが作詞ですね。

さおりん この曲はヘラヘラ初のアイドルソングという感じで、それまでこういうガッツリしたアイドル系の曲を歌ったことがなかったので、振りもしっかりダンスがあるし、MVも可愛めに作って、初の挑戦という感じでしたね。あと、夏っぽい爽やかな感じで。

──タイトルからして真夏ですもんね。

さおりん 最初はわりとふざけた感じで出したんですけど、けっこう反響がよくて、しっかりとアイドル曲として聴いてもらえたんですよ。ライブでもお客さんと一緒にタオルを回したりして、盛り上がる曲になりました。

まりな たぶん、最初に思ってたよりも曲もよくできちゃった……「できちゃった」ってこともないんですけど(笑)、それにMVもいい感じにしっかりできてるんですよ。

さおりん そう。水着を着て爽やかな感じなんだよね。

ありしゃん ウチらはおふざけのつもりで始めたんですけど、それがいい意味であまり伝わらなかったのがよかったって感じですね。これがアイドルのカツラとか被り始めたら「ああ、ふざけてるんだな」って思われたでしょうけど。

さおりん そこが絶妙にちゃんとなっちゃってたんだよね。

ありしゃん それにファンの方が乗ってくれて、「いいじゃん!」って思ってもらえた感じですね。けっこうヘラヘラの曲ってそういうことが多くて、ファンの方が受け取ってからが完成、みたいな感じなんですよ。

メンバーを祝福するための初のウェディングソング!「友愛~Blessing~」

──9曲目の「menヘラ」は青山テルマさんの作詞・作曲で。まさにチルな曲ですが。

ありしゃん そういう要望をしたわけじゃないんですよね。テルマちゃんと夜に電話してたら、その数時間後に「寝れなくてヒマだから、こういうのをちょっと作ってみたんだけど、私がカラオケで歌いたいから、ヘラヘラで歌ってよ」って送られてきて。さっき電話で話した内容とかが歌詞に盛り込まれてて、バーッと作ってくれたんですね。テルマちゃんも「私がカラオケで歌いたいだけだから、気に入ってくれたらどうぞ」みたいな感じで、リリースの予定もなかったし、何か自然とできてたって感じの曲ですね。テルマちゃん的には遊びで作った曲っていうか。

──そんなことがあるんですね。

ありしゃん でも聴かせてもらったら、私たちも「メッチャいい!」って思ったので、「歌います」って言ったらしっかり作り込んでくれて、この曲になりました。

──10曲目は「SU-WAY-YEAH」。これは2020年のシングルですね。

ありしゃん この曲はわりとマジメにやったよね?

さおりん マジメに作ったね。「某音楽番組風のMVを撮りたいね」っていうところから始まって。

ありしゃん そこから「その番組で歌ってそうな曲を作りたいね」ってなって。だから、動画の企画を思いついたのが最初なんです。

──その発端を聞くと、そこまでマジメには聞こえないんですが……。

ありしゃん あー、ちょっとふざけてたか。

さおりん そうかもね。

ありしゃん 「真夏のファンタジー」でやったアイドルのきっかけはここなんですけど、モデルが違うんですよね。「真夏~」はザ・王道アイドルって感じなんですけど、「SU-WAY-YEAH」は某男子アイドルグループみたいにしようっていう感じで。ジャンル的にはノリノリアイドルって感じにしました。

──その次がありしゃんさんのソロで「What does it mean? (feat. DJ社長)」。これもバラードですよね。

ありしゃん はい。私も初のバラードで、作ってくれたDJ社長も恋愛ソングをマジメに書くことがなかったから、お互い初の試みで。「男女で一緒にカラオケで歌える曲がいいよね」っていう話から生まれましたね。

──イメージしたデュエット曲はあったんですか?

ありしゃん 清水翔太さんと加藤ミリヤさんの「Love Forever」とかですかね。ああいう男女のすれ違いみたいな曲がいいなあと思って。ライブでも、福岡公演(8月10日)では社長と一緒に歌いましたし、他の公演では私1人で歌ったんですけど、ステージでバラードを歌ったことがなかったから、立っての振る舞い方が分からなかったんですよ。だからイスに座って歌わせてもらいました(笑)。まりなはリフターを使ったりしてましたけど、私はメインステージに1人だったし、歌に自信もないから座ったんですけど、イスがメッチャ高くて!(笑)

──そうでしたか(笑)。

ありしゃん それが気になり過ぎちゃいましたね(笑)。まだバラードは慣れないかなっていうのはあるんですけど、でも楽しかったです。ファンの皆さんからは「ありしゃんが頑張ってバラードを歌ってる」っていうところにも注目してもらえてたし、これまで動画とかで社長と私の恋愛観みたいなものも出してきていたので、それを振り返って涙してる女の子とかもいたんですよ。その泣いてる姿を見て、私もメチャメチャ泣きそうになりましたね。

──それもライブならではですよね。で、次の12曲目が「友愛~Blessing~」。まりなさんの結婚がきっかけで作られたということで、ウェディングソング感がすごく出てますよね。

ありしゃん 友達を祝福する曲ですね。この曲は8月の結婚発表の後にシングルとしてリリースしたんですよ。タイトルはさおりんに付けてもらったんです。

さおりん ありしゃんがまりなに向けて書いてるので友の歌でもあるし、それに結婚という「愛」を合わせて「友愛」でいこうと。

ありしゃん いろいろ候補があったよね。「想い」とか。

さおりん 「誓い」とかね。でも辿り着いたのが「友愛」でした。

ありしゃん パッと出たよね。ギリギリで、ここで決めないと間に合わない!っていうタイミングで。

さおりん 何か急にフッと出たよね。

ありしゃん このアルバムに入ってる曲の中では、タイトルで一番悩んだ曲ですね。

──贈られたまりなさんは、この曲を聴いてどう思いましたか?

まりな 結婚発表からのこの曲だったので、すごく感動しました。一生思い出に残る曲になりますね。

ありしゃん 歌詞に「見てよホラ 祝福のキャンディレイン」っていうフレーズがあるんですけど、ライブの時にみんなにペンライトを振ってもらうところを想像したんですよ。それをキャンドルに見立ててたんですけど、自分でそのことを分かって書いてたのに、実際にその場面を見たらものすごく泣けてきちゃって。みんなと一緒にお祝いをするというところまで含めてこの曲を作ったから、ボロボロ泣きながら歌ってましたね。

──全員にとって忘れられない曲になったわけですね。

ありしゃん そうですね。ウェディングソングなんて、そんなに何曲も作るものでもないですからね(笑)。

さおりん 作りたいとはずっと思ってたんですけどね。

自分たちの主催フェスをやりたい!

──最後、13曲目が花村想太さんによる「Sounds Juicy」。「Sounds Juicy」が「三銃士」に聞こえるというのが凝ってますよね。

ありしゃん 空耳なんですよね。すごいですよね、この合わせ方は。

まりな 「Hey Up! Hands Up!」も「ヘラヘラ」に聞こえるようになってるし。

ありしゃん ヘラヘラのことをよく見て作ってくれてる、愛がこもった曲ですよね。花村さんのワードセンスがカッコよくて、私たちでは考えられないフレーズがたくさんあるんですよね。作詞もたくさんするんですけど、私じゃ思いつかないようなワードが次々に出てきて。

さおりん デモをもらった時に、仮歌を花村さんご本人がやってくださっていて、それが超カッコよくて。

ありしゃん 「もうこれでいいじゃん!」って思ったよね(笑)。

まりな 「これをリリースすればいいんじゃん?」って(笑)。

さおりん それだけに、「こういう感じで歌えばいいんだ」っていうのを想像しやすかったですね。

ありしゃん 花村さんもお忙しい中、私たちがツアーをやってアルバムを出すというタイミングでこの曲を作ってくださって、「売れてるアーティストさんってすごいな!」と思いましたね。エイベックスさんでつながったのもうれしいので、これからも大事に歌っていきたいなと思ってます。

さおりん 大先輩だからね。

──さて、これでアルバム全曲についてお聞きしました。1stシングルから4年が経ち、こうして1stアルバムもできた中で、この間の自分たちの成長ってどんなところにあると思いますか?

ありしゃん 今までは曲をたくさん出していても、ライブは年に1公演だけだったんですよ。それが今回のツアーでは5都市を回らせてもらってファイナルでは幕張メッセでもやって、初めて緊張より楽しさが上回ったんですよね。ゆっくりとお客さんの顔を見ながらライブできたから、ここまで曲数を増やして地道に頑張ってきてよかったなって思いましたね。

──曲数はかなり多いですからね。

ありしゃん でも、出したいタイミングで好きなように出していただけなので、将来自分たちがアルバムを作るということもあんまり考えてなかったんですけど、いつの間にかこういうアルバムっていう形になって、ましてやエイベックスさんから出させてもらえるというのは、「YouTubeドリーム」だなって思いますね。

──「YouTubeドリーム」! いい言葉ですね。これは個人的にもお聞きしたかったんですが、皆さんってものすごく働いてるじゃないですか。その原動力って一体何なんですか?

ありしゃん えーっ、原動力……? 動画とかは、仕事ではあるけど遊びに近いんですよ。忙しい中でも、楽屋にカメラを置いてしゃべってるだけだったりするから、「忙しい」と思うのは夏の音楽活動だけかなって気もするんですよね。

さおりん 苦じゃないから。忙しいし休みもないんですけど、動画を撮ってる間ってオフみたいな気持ちに近いというか。

ありしゃん 動画だって、台本とかあったらもっと大変かもしれないけど、ないし。

さおりん YouTubeの時は本当にそんな感じです。

まりな 素でやってるからね。

さおりん でも音楽活動の時はマジメにやってるんで、そのバランスがよかったのかもしれません。

──なるほど。ホントに幅広い活動をされている中で、これからやってみたいことってありますか?

まりな 私は、自分たちで大きい主催フェスとかできたらいいなと思ってます。主催じゃなくても、いろんなところに出演してみたりもしたいなと思いますね。今まではあんまりそういう場には出てなかったので。

さおりん 主催フェスの話は、昨日ちょうど話してたんだよね。

まりな 昔から話は出てたよね。来年できるかとかは分からないですけど、そういう方向に持っていけたらいいなと。

ありしゃん まず、YouTubeでは登録者数200万人を目指していて、その大台に乗りたいなっていうのはあります。最近、YouTuberでも音楽活動をしっかりやってる子も多いので、そういう子たちとフェスとか、一緒に曲を作るとかでもいいですし。今までは「歌ってみた」のようなカバーが多かったので、YouTuberたちで一から1曲作るのもすごく楽しいかなと思います。YouTuberとアーティスト活動をうまくかけ合わせて、大きなことができたらいいなと思います。

さおりん 主催フェスは来年の夏ぐらいにやれたらいいなというのもあるんですけど、あとは、YouTubeを見てない層の人たちにも知ってもらえるきっかけになるようなフェスとかに出演できるようになりたいです。そのためには実力も知名度もないといけないと思うので、そこを上げていきつつ、恥ずかしくないようなパフォーマンスを見せられるようになりたいですね。そこで知ってもらって、YouTubeにもつながったらいいかなって思います。

──知名度も実績も十分あるのでは?

さおりん いや、音楽の面ではまだまだですね。もうちょっと経験を積んでいかないといつか恥ずかしい思いもすると思うんですよ。そうならないように、レベルを上げていきたいです。

──分かりました。ありがとうございました!

撮影 長谷英史


1st&メジャーデビューアルバム
『HANGOVER』
2023.10.18 ON SALE

 
「恋のマイアヒ ~ヘラヘラ三銃士と毎夜HEAT!!~」Music Video
https://youtu.be/FwIOSOv00l8?si=ptcY55ZhyKtxmoZr

CD『HANGOVER』リリースイベント情報

・10/17(火) [東京]タワーレコード渋谷店B1 CUTUP STUDIO
19:00スタート

・10/28(土) [東京]タワーレコード渋谷店B1 CUTUP STUDIO
18:30スタート

・11/11(土) [大阪]あべのキューズモール3Fスカイコート
第1部:13:00スタート
第2部:16:00スタート

※その他詳細はヘラヘラ三銃士HPをご参照ください。
https://hera3.jp/contents/675014

【ヘラヘラ三銃士 YouTube】
https://www.youtube.com/@HeraHera.3

【ヘラヘラ三銃士 オフィシャルサイト】
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記事情報

高崎計三

ライター

高崎計三

1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。