「2022ミスティーン・ジャパン・グランプリ」「D-UP賞」をダブル受賞し、3月から「Seventeen」の専属モデルを務めている石川花(はんな)さんがデビューシングル「空に咲いて / 星空の約束」をリリース。ドラマ『運命警察』のEDテーマとしてオンエアもされていた「空に咲いて」の初レコーディングの感想、中学卒業の気持ちとリンクした「星空の約束」のことなど、いろんなエピソードを伺いました!
自分の気持ちと重なった「空に咲いて」の歌詞
──芸能活動を始められて1年ほどですが、歌を歌うということも最初から考えにはあったんですか?
石川 最初のオーディションの時に特技披露で歌を歌っていたので、いつかそういうお仕事はしたいなと思ってました。思っていたより早く機会を頂きました。
──デビュー曲「空に咲いて」は7月に配信リリースされていて、今回CDという形で発売されます。この曲を初めて受け取った時はどういう印象を持ちましたか?
石川 自分が思っていたよりも、明るい印象のある曲だなと思いました。
──「思っていたよりも」というのは?
石川 普段からそんなに明るい歌は歌わないので、実は2曲目の「星空の約束」の方が自分に合った雰囲気だなと思ったんです。それに比べると、「空に咲いて」はサビのメロディーや歌詞も明るいなと思って。
──あ、明るい曲はそんなに歌わないんですね。
石川 普段は静かな曲が多いですね。ただ、好きな曲と歌う曲はまた違うので。でも実際に歌ってみて、そこまでチャレンジした感じでもなくて、明るい曲も自分に向いてるなとは思いました。
──レコーディングの時は緊張しましたか?
石川 しました。レコーディング・スタジオに入ること自体も初めてで、プロデューサーさんとかがいる中で「じゃあ歌ってみよう」という感じだったので、一番最初は緊張しました。それから、ある部分をちょっと違った雰囲気で歌ってみたりとかして何回も録ったんですね。私は歌うことが好きなので平気だったんですけど、「こんなにいろんな苦労があるんだ」というのをすごく感じました。
──歌詞で気に入ったフレーズは?
石川 サビの「重ねた日々は裏切らない」というところですね。最初の曲ということもあって、これから歌のお仕事でも他のお仕事でも、自分を広げていきたいなと思っていて、そういう気持ちも重なった歌詞だなと思ったので、ここが好きです。
──この曲はドラマ『運命警察』のEDテーマとしてオンエアされました。
石川 1回目はリアルタイムで、「いつ流れるんだろう?」とドキドキしながら見てました。学校の友達も見てくれていてたんですけど、普段カラオケとかで私の歌を知っているので、「歌がうまいね」とかよりは「歌のお仕事が決まったんだ。よかったね」って言ってもらうことの方が多かったですね。友達はモデルのお仕事をすることもビックリしてたと思うんですけど、インスタの投稿で歌を出すことを知って、もっとビックリしたと思います。
──仲のいい友達は、歌声は普段から聴いていたわけですね。そんなによくカラオケに行くんですか?
石川 今、中学3年生なんですけど、1、2年生の時はよく友達と行ったりしてました。そこではUruさんのバラードの楽曲や、YOASOBIさんの明るい曲などを歌います。
──そもそも歌はいつ頃から好きだったんですか?
石川 小さい頃から歌うことは好きでした。お風呂とか家の中でもずっと歌っていました。
──ご両親も音楽が好きなんですか?
石川 私はいろんなジャンルが好きで「これ」っていうものがないんですね。最近だとK-POPも好きだし、洋楽もたまに聴くし、日本語の曲もたくさん聴くんですけど、お母さんはよく宇多田ヒカルさんの曲を聴いてて、その影響で私も好きになったりとか、お父さんからは洋楽を勧められたりしていて「セプテンバー」(アース・ウィンド&ファイアー)とかを昔よく聴いていたのですが、その曲が最近またちょっと流行っていて、懐かしいなと思いながら聴いてました。
──小さい時からそれだけ歌が好きだったら、歌手になりたいとか、歌を仕事にしたいとか思ったことは?
石川 将来の夢ということではなかったです。本当に何もしてなかったのがいきなり変わったという感じで、今モデルの仕事をしてるのも改めて考えたらビックリしますし、いろんなことが速いスピードで進んでいるので、自分がいま「歌を出してる!」って考えたらもすごいなって思います(笑)。
──そうなんですね(笑)。歌という面で憧れの存在は?
石川 やっぱりUruさんとか、YOASOBIのikuraさんですね。よく歌うし、お二人のように歌えるようなれたらいいなと思います。
──その中で、自分の歌を聴く機会も増えたと思いますが、客観的に今の自分の歌はどうですか?
石川 「星空の約束」をはじめて聴いたときに「うまく歌えそうだな」と思って……いろんなことが速く進んでるなとは思ってるんですけど、その中でも自分の好きな雰囲気があったりするから、これからもっと自分らしさを出せていけたらなと思います。
中学の友達との日々を思い浮かべて歌った「星空の約束」
──その「星空の約束」は今回、「空に咲いて」の曲としての印象、それからレコーディングで苦労したところは?
石川 始まり方がすごくカッコいいなと思いました。このレコーディングの時は「いろんな歌い方していいよ」って言われて、新しい挑戦もしたので、そこがちょっと苦労したところの一つかなと思います。
──これまで家やカラオケで歌ってきて、でもレコーディングとなると全然違いますよね。どういう部分に違いを感じましたか?
石川 まず自分の曲を歌うのと、アーティストの方の歌を歌うので全然違って、アーティストの方の歌を歌う時は、その人の歌に寄せたりするんですけど、自分の曲は元からあった曲を歌うわけじゃないから、「自分の歌い方」を表現するのが難しいなと思いました。
──自分で作っていかないといけないところですからね。
石川 一つの歌詞の歌い方をちょっと変えただけでも、それで全く違う曲の印象になるから、練習の時も一つひとつ考えて学ぶようにしています。
──今、中学3年生ということは、あと半年ぐらいで卒業ですね。入学当初はコロナでかなり大変だったのでは?
石川 そうですね。中学の間はずっとコロナの期間で、休校とか時差登校とかしてました。
──その時期に、「星空の約束」の歌詞って卒業にも通じるイメージがあって、余計に歌詞が刺さったんじゃないかと思うんですが。
石川 レコーディングで歌う前に、「恋愛でも友情でも、自分の中で思うように歌ってね」って言われたんです。自分の中では、中学卒業の気持ちに自然と照らし合わせてて、そういう意味ですごく刺さりました。
──いろんな取り方ができる歌詞ですよね。その中で一番イメージしたのは?
石川 私の中では、中学で一緒だった友達のことを考えて歌ってました。
──歌詞の中で一番印象深いフレーズは?
石川 「それぞれの行く先でいつかまた出会えること」のところが、別れの雰囲気が表現されていて、好きですね。
──この歌詞から特に思い出す出来事は?
石川 中1の時に仲がよかった女の子5人のグループがあって、男の子も5人のグループがあって仲よくなって、そんなにずっと一緒にいるわけじゃないんですけど、今でも遊んだりとか花火を見に行ったりしてるので、その10人のことを自然と考えてたかなと思います。
──それは楽しそうですね。
石川 10人もいるから全員揃うこともそんなに多くないんですけど、「月に1回は遊べたらいいね」って感じで今も遊んでます。カラオケには女の子5人で行くことが多いんですけど、そのうちの1人が中1の終わりに転校しちゃってて、その子の引っ越し先の近くでカラオケに行ったりすることもあります。
──2曲ともMVが公開されています。「空に咲いて」は外での撮影もありましたね
石川 撮影したのが、その時期でも特に暑い日で、けっこうスタッフさんも大変そうでした。川の近くで撮影したんですけど、カメラマンさんが裸足で、私が歩くところを撮影したりするのが大変そうで。私は札幌からお仕事の時に通っているので、東京の夏は初めて体験しました。
──今年は特に猛暑だったから、大変だったのでは?
石川 私は暑いのはけっこう平気なんですよ。札幌も夏はしっかり暑いので、そんなに驚きはしなかったんですけど、その中でもすごく暑い日だったので、スタッフさんも大変だったと思います。
──「星空の約束」のMV撮影はどうでしたか?
石川 ステージと客席がある場所で撮って、それがすごく印象に残ってますね。自分がステージで歌ってるのがMVになるのはカッコいいなと思いました。撮影の現場で撮ったものをその場で確認したんですが、青いライトがイルミネーションみたいになってたのがキレイでした。
──そういう形でステージに立ってみて、実際にお客さんの前で歌うところはイメージできましたか?
石川 一度、「Seventeen 夏の学園祭 2022」で4公演歌わせていただきました。初めてお客さんの前で歌ったので緊張するかなと思ったんですけど、意外と緊張せず慣れていったので、そこで楽しいなと思ったし、みんなの前で歌うことを実感できました。もっとやってみたいですね。
──いずれは武道館とか?
石川 いやあ……(笑)。武道館ではDA PUMPさんのライブを見させていただいたことがあって、圧倒されました!
モデルとして、アーティストとして、これからは……
──さて、今回「空に咲いて / 星空の約束」がCDになりました。15歳だと、CDってほとんど馴染みがないのでは?
石川 子どもの頃は、車の中でCDをかけて聴いてました。今は車内でもスマホと連動して音楽をかけるんですけど、その頃はCDで。
──自分の歌がCDという形になるのはどんな気持ちですか?
石川 まだ実物を見ていないというのもあって、実感が湧かないです。ちょっとまだ想像がつかないんですけど、手に取ってみたらどんな感じなんだろうと思って、楽しみです。
──芸能活動を始めたきっかけはお祖母さんに勧められたからと聞きました。今、こうしてアーティストとしての活動も始まって、どうおっしゃってますか?
石川 お祖母ちゃんやお祖父ちゃんはすごく喜んでくれて、MVとかが出るたびにすごく写真を撮ったりして喜んでくれてます。携帯のロック画面にしてくれたりもして。
──先ほど、いろんなことが速く進んでいるというお話もありましたが、約1年が経った今、ご自分としてはどう感じてますか?
石川 すごく濃かったなと思います。本当に何も知らない中、もしかしたら受けてなかったかもしれないオーディションで、いろんなことがすごく変わって今はすごく楽しいし、受けてよかったなと思ってて。これから先、いろんな仕事をさせてもらう中で、初心を忘れずに頑張りたいなと思ってます。
──逆にオフの時とかはどうしてるんですか?
石川 基本的に家でダラダラしてたりとか、友達と遊んだり、家族とお買い物に行ったりしてます。
──友達との間で一番話題になってることは?
石川 SNSとかNetflixの話が多いかなって思います。友達の家で遊ぶ時は、韓国ドラマをTVで一緒に見たりしてますね。1話20分のものもあって、それを見るために放課後に遊んだりしてるんですよ。それも楽しみのひとつです。
──個人的に今、一番関心があることは?
石川 最近は、インスタとかYouTubeで赤ちゃんの動画を見ることが多いです。
──赤ちゃん!
石川 オススメに出てくる動画は何でも見るんですけど、特に最近は赤ちゃんの動画を見ることが多くて。赤ちゃんがただ何か食べてるのとかなんですけど。赤ちゃん動画のアカウントは、私だけじゃなくてみんなよく見てるんですよ。癒やされます。
──赤ちゃん動画は癒やされますよね。
石川 「ぽるぽるふぁみりー」っていう、赤ちゃんもいる家族のチャンネルが好きでよく見てるんですけど、海外に行ったりしてるんですよね。私も小さい頃、2~3年海外にいたので、何か似てるなあと思って見たりしてます。あとハマってるものは、最近辛い食べ物が食べられるようになったので、キムチにハマってます。辛いものはずっと苦手だったんですけど、キムチをちょっと食べてみたらおいしいなと思って。
──モデルとして、アーティストとしてこれからも活動していって、この先どうしていきたいですか?
石川 モデルさんを中心にいろんなお仕事ができるようになって、いろんな世代の方に愛されるようになりたいです。
──歌の方での目標は何かありますか?
石川 これから歌のお仕事をしていくうちに……お仕事の目標というよりは自分の中で、もっと緊張せずにうまくできるようになれればと思います。
──作詞とかに興味は?
石川 作詞……。考えたこともなかったですけど、面白そうかなって思います。
──まだ15歳で、可能性は無限にありますからね。ぜひ機会があったらトライしてみてください。ありがとうございました!
1st Package Single
「空に咲いて / 星空の約束」
2022.11.02 ON SALE
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ライター
高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。