Powered by Google 翻訳翻訳

【上野大樹インタビュー】ここが始まり 帆を上げるタイミング

上野大樹

【上野大樹インタビュー】ここが始まり 帆を上げるタイミング

シェアする

  • X
  • Facebook
  • Line
  • X

12月15日、1年ぶりの2ndアルバム『帆がた』をリリースするシンガーソングライター上野大樹さん。昨年の1st『瀬と瀬』に続いて、少し風変わりなタイトルはどういう意図でつけられたのか?収録されている全10曲にはどんな思いが込められているのか?などをガッツリ語っていただきました!

アルバムタイトル『帆がた』の意味とは?

──まずは1年前の前作『瀬と瀬』から振り返っていただきたいんですが、前作のアルバム制作で感じたことはどんなことでしたか?
 
上野 僕は去年、今の制作チームに入ったばっかりなので、本当に本格的な制作というのが初めてで。1年通してシングルを3枚ぐらい出したんですけど、アルバムは『瀬と瀬』が初めてで、「アルバムを作るのってこんな大変なんだ!」と思いました。しかも出した後、「こんなに大変なのに全然広まらないんだ」って思ったんです。
 
──ほう。
 
上野 みんな本当に、アルバムというものをアルバム単位で聴かないんだなと。1年経った今頃、その時発表した曲がフューチャーされ始めて、「この曲いいね」みたいな。こっちとしては「もう2枚目出すぐらいなんだけど」って感じなんですけどね(笑)。本当にそんな感じで、アルバムごとボン!といかないというか、その時出した1曲がピックアップされて、ちょっと時代が変わってるなあと思いつつ、だけど、自分のお客さんに向けては本当に喜んでもらえるし、アルバムとして出してよかったなとも思いましたね。
 
──ご自身は、アルバム単位で聴きますか?
 
上野 そうですね。いい曲があって、購入して聴いたら、「アルバムはあるのかな」って探します。その曲がシングルなのかアルバムの中の1曲なのかは調べて、僕はアルバムで聴くんですけど、多分今聴いてる子たちが、アルバムというものをそもそも知らない可能性もあるのかなと。
 
──そうですね。「CD」で「アルバム」という形では手に取らないまま来てる人も多いでしょうし。
 
上野 CDを再生するものを持ってないんじゃないかなというのもありますよね。だから、本当に曲を1曲ごとに聴くという世代なのかなと思って。ただ、アルバムをCDという形でパッケージすると、上の世代の人はすごく喜んでくれましたね。
 
──そういった経験を踏まえて、本作に関して「こうしよう」みたいなものはありましたか?
 
上野 前作の時は本当にバタバタしちゃって、「やらなきゃ」みたいな感じでずっと曲を作っていたので、その時できなかったこととかがけっこうあったんです。それをやりたいなというのを、作り終わったぐらいに思って。
 
──具体的には?
 
上野 そもそも僕がフォークとかを聴いたり作ったりするのにハマっていて、そういうルーツからあんまりサビという感覚がなかったんです。AメロとBメロとサビが必要という感覚がなくて、とにかくいいメロを各セクションごとに作るみたいな感じでずっとやってたんですけど、やっぱりサビが強くないとダメだなと、前の作品で思って。音楽をもっともっと周りに広めたいと思った時に、そういう曲を書きたいなと、前のアルバム作りを終えたぐらいから思っていたので、今回のアルバムは前作よりも、曲ごとにちゃんと起承転結があったり、ストーリーがあったり、そういう風に仕上げられたかなと思いました。
 
──その新作のタイトルが『帆がた』。パッと見、「何だろう?」と思う言葉ですよね。
 
上野 前作のタイトルが『瀬と瀬』だったので、普通の名前はつけられないなと(笑)。そういう自分のプレッシャーもありつつ、候補を3~4個出したんですけど、スタッフさんからは「ピンとこないな」みたいな反応だったんです。僕も何か変わったタイトルをつけたいとはずっと思っていたので、いろいろ考えました。『瀬と瀬』は瀬から瀬に渡るみたいなイメージだったんですけど、そこからつながっているようなストーリーにしたかったし、僕の地元が海のすぐ近くなので、また海に関連するものがいいなと。2枚目でやりたいことも分かってきたし、自分がどういうミュージシャンになりたいかというのも見えてきたので、いよいよここが始まりだということで船に乗り始めるというか、帆を上げるタイミングかなということで、「帆が立つ」というのを、『帆がた』とまとめて造語みたいにしてみました。まだ自分は帆が上がってない状態というか、これからだなという未完成な感じで、この帆を目印にみんながついてきてくれて、そこが拠り所になっていけばいいなと思ってつけたタイトルです。

──なるほど。アルバム・タイトルが『瀬と瀬』と『帆がた』。曲名も「波に木」や「て」など変わった印象の言葉が多いですよね。
 
上野 もともと人と同じというのが好きじゃないから、曲名を考える時に「この曲、あの人の曲にあったな」というのが頭をよぎっちゃって、候補の中から削除されていく感じですね。自分の大事な作品には自分らしい名前をつけたくなるという性分なのかなと思ってます(笑)。
 
──パターンも豊富ですよね。
 
上野 本当に、常に探してます。歩いている時とかでもタイトルのアイデアをずっと探してメモって、これは違うなと自分の中で消去したり。曲を作る時間と一緒で、そうやってタイトルを考える時間も、曲に寄り添ってる感じがして、すごくいい時間だなと思ってますし。あとは本当にピッタリなタイトルが生まれて、自信を持ってみんなに披露できれば、みんなも愛着が湧いてくると思うし、上野大樹にしかない造語があるんだったら、それはそれでみんなに愛される象徴になるかなと思っているので、タイトルは大事にしていますね。
 
──もしかしたら、今一番たくさん造語を作っているアーティストかも(笑)。
 
上野 そうですよね(笑)。サザンオールスターズとか見てると、「こんなにカッコいい造語があるのか!」って思うんですよ。でもそういうのを考えるのも楽しいし。もともと音楽を始めた時も、この世にないものを作ってたくさんの人に知ってもらいたいというのが目的だったので、そこは楽をしないで、これからも悩んでいこうと思っています。

「後悔の先の後悔」を歌った「波に木」

──では、今作に収録されている10曲について、お話しいただければと思います。1曲目の「航る」はバンドサウンドでの幕開けですね。前作では「水浅葱」がバンド曲でしたが、今回はバンドらしい曲は少なくなってますよね。
 
上野 前回はバリエーション豊富なアルバムを作りたかったので、「水浅葱」とか「夕凪」とかはちょっと邦楽ロックっぽい曲にしたんです。そこから1年経って自分の中でもある程度やりたいことが絞れてきた中、もうちょっとポップに、街中で聞いてもらえる曲にしたいなと思って、自分の中でもそういうのを作るのが苦手だったんですけど、やっと今の自分にできるものを作れたかなという感じで、気に入ってます。

──歌詞も、しっかりと一歩踏み出す感じでオープニングにふさわしい感じになっていますね。
 
上野 僕は9月生まれなんですけど、自分の誕生日の歌を書こうと思って、9月に書いた曲なんですね。宇宙船が停まって乗り込んで……みたいな、この前世と来世のちょうど間の現世のところで、時代が変わっても、あまりやることは変わらなかったりとか、自分が生きてるものをちゃんと見ていこうと思って書いた曲です。すごく自分の内にあったものを開放したつもりだったんですけど、いろんな人に聴いてもらうといろんな捉え方があって、面白いなと思ってます(笑)。
 
──本来の意図とは違う捉えられ方をしている?
 
上野 そうですね。本当に夢を追っているようなストーリーを描く人もいるし、不思議だなあと思っています。
 
──全体的には一歩踏み出すという雰囲気がありながら、「変わらない」という言葉に引っ張られる人がいるかなとは思いました。
 
上野 そうなんですよね。本当にちっちゃい頃から変わらないことで、25歳の今でも18歳とか19歳ぐらいの気持ちなのに、世間はそういう見方をしてくれないじゃないですか。それがつらいなと思って、「変わらないんだぞ」って示したいなとは思いました。その中で僕の思想とかが、もっともっと馴染みやすい形で伝わればいいなって思って書きました。
 
──これはもう作った時点で、オープニングにという感じだったんですか?
 
上野 曲順の案はいろいろあって、この曲も最初は「B面の1曲目」みたいな感じで、中盤に置いていました。でもいろいろ曲を作っていった中で、自分の誕生日で作った歌というのもあるし、始まりにふさわしいリズムとか勢いがあるから、1曲目に持ってきたという感じですね。
 
──先ほどのアルバムについての話もそうでしたが、今も普通に「B面の1曲目」って、普通は25歳の口から出てくる言葉じゃないですよね(笑)
 
上野 そうですね(笑)。ウチのチームがスタジオ制作のレーベルなので、そういう世代の人に囲まれてるんですよね。だから僕の周りでもそういう会話が飛び交ってるわけですよ。松田聖子とか、昨日も「佐野元春のこの曲みたいの作ってよ」と言われて、「聴いてみますね」とか(笑)。僕も兄貴が39歳だったりして、世代的にもMDとかカセットテープとかCDとかを通ってきた人たちと一緒にいたし、この見た目で若く見られがちですけど、25歳ってギリギリCD世代だと思うので、やっぱり自分の作品が手元にあるというのはうれしいんですよね。それを残していきたいなと思うし、いつかアナログでA面B面という構成もやりたいなと思ってます。
 
──2曲目はリード曲の「波に木」。今、気付きましたが、「波に木」って声に出して言うとちょっとまた印象が違いますね。
 
上野 そうだと思います。もともとのタイトルは「波ニキ」という表記だったんですよ。ちょっと尖りすぎてて、自分っぽくないって周りからツッコまれたりして変更しました(笑)。でも、ちょっと変わったタイトルなのがキャッチーでいいなと思ってつけました。


──この曲は、進む強さはあるものの、その前提としてちょっと苦い後悔がありつつも進んでいく、みたいな感じかと思いました。
 
上野 自分が全部経験し終えた後にする後悔みたいなものってあるじゃないですか。恋愛して別れた時に、「ああ、もっとこうしておけばよかったな」という後悔の後、吹っ切れた後のもう一個先の後悔というか。「あの時、ああいう忘れ方しなきゃよかったな」みたいな、もっと大人になった後悔というか。後悔の先の後悔じゃないけど、そういうものを描きたいなと思って書いた曲ですね。「忘れるよりもっと違う形で乗り越えたかった」という歌詞があるんですけど、僕も25歳で、くすぶっていた時代もあったし、そういうことをいろいろ経験して、今一つ目の後悔のドンピシャの世代だったりとか、もしかしたら僕よりももっと経験している人たちに、今の25歳が書ける歌をちゃんと書こうと思って書いたものです。人によって聞こえ方はすごく違うかもしれないし、若いなと思われるかもしれないし、「そういうこともあるんだ」って思う世代もいるかもしれないしっていう。
 
──ただ、若い人には普通あまり書けないような世界にまで踏み込んでるかなという気はします。
 
上野 どうなんだろう、意識したことないな(笑)。もともとこのサビは、3~4年前から自分の中にあったサビで、詞もほとんど変わってないんですよね。他のAメロとかBメロとかを25歳になって付け足した感じなんですね。さっき言った「忘れるよりもっと違う形で乗り越えたかった」というのも25歳になって書いた詞だけど、サビの「忘れたくないような夜も~」というところは、その頃の自分が書いた曲で、まさに1曲の中で成長してるんですね。そういうものもあって自分もいつ出そうかなとずっと思っていたので、このタイミングで出せてよかったなというのもあるし、本当に聴く人によって、いろんなものをピックアップしてほしいし、どう思うのかを僕も聞きたいです。
 
──この歌詞に触れて、逆に聴いた人がどう感じたか。
 
上野 そうですね。歌詞もそんな難しい言葉は使っていないので、その言葉がどんなイメージになるのかも、人によると思うんですよね。「忘れたくないような夜も」とか「飛び越えたい距離も時間も」「愛されたい心も体も」みたいなのって、若い子からしたらすごくメンヘラの方に聞こえるかもしれないけど、もっと年を取った人には、本当に愛のある言葉になるかもしれないし、ピンとこない人もいるだろうし、だからこそ、どう思ったかを聞いてみたいです。
 
──続いて3曲目「白花」なんですが、まずこれは何と読めばいいんですか?
 
上野 「しらはな」どこにも読み方を書いてないので、「しろはな?」とか言われるんですけど、スルーしてます。「しろはなっていいよね」って言われても、「そう、ありがとうございます」みたいな(笑)。僕の責任なので(笑)。
 
──正式なというか、上野さんにとっては「しらはな」だけど……。
 
上野 どう読んでもらっても構わないです。「白い花」というイメージが頭の中に描けていれば、もうタイトルとして成立してるので。
 
──この歌詞について説明していただけますか?
 
上野 もともとは僕の友達のお父さんが余命宣告されたと聞いて書いた曲なんです。映画みたいな世界が、より自分の中でリアルになったというか、僕が話を聞いたときはまだお父さんも生きていて、だけど終わりがあるというのを聞いていたので、その間に聴ける曲ってもうほとんどないというか。だから、悲しいけど、ちゃんと向き合える曲をと思って書いた曲ですね。
 
──「どうして選ばれたのはあなたなの」という歌詞の「選ばれた」という言葉が、すごく印象に残りました。
 
上野 僕も、どうして「選ばれた」って書いたんだろう?って時々思うんですけど……でも、そう思うしか救いがないというか。その友達もお父さんも、「余生」ではないけれど、残りの時間をすごく大切にしていたんですね。この曲は別に暗い曲というつもりはなくて、温かい曲なので、そういう意味での「選ばれた」だったのかもしれないし、すごく素敵だなと思ったんですよね。僕は、もしかしたら父親がいつか死んじゃうってなったときに、何もわからず急に死んじゃうかもしれないし、急にいなくなっちゃうかもしれないけれど、リミットがある中で、お互いがちゃんと最後に向き合えるのはすごくうらやましいなと、一瞬感じたというか。僕もそういう意味で、常日頃からちゃんと大事にしておかなきゃいけないなとか思ったので。
 
──この曲は、そのお友達には……。
 
上野 聴かせました。「ありがとう」と言われて、そんなに深くは話してないですけど。その後、もうお父さんは亡くなっちゃったけど、曲はずっと残っていて、たぶん曲を聴くたびに思い出してくれたりとか、その時間が濃いものとしてフラッシュバックしてくれるかなと思って。わりとその時期に、死について考える曲をたくさん作っていたので、自分の中でもそういうモードだったのかなとも思いますね。だから今聴くとちょっと不思議にもなるし、この曲も本当に聞こえ方次第で、みんなにとっていろんな意味合いの曲になっていると思います。白い花を「キレイな花」と思う人もいれば、「死の花」をイメージする人もいるし、不思議な曲になったなあと思います。

曲をリスナーに「委ねる」ことの意味とは?

──4曲目は「揺れる」ですが、まずビートが印象に残る曲ですよね。上野さんの曲の中では珍しいなと思ったんですが。
 
上野 初めて四つ打ちの感じでやりました。この曲のアレンジをしてくれたのがtasukuさんなんですが、最初のアレンジが返ってきた時には、僕もイメージしていなかったぐらいのものになっていたんですね。いろいろやりとりがあった中で、tasukuさんの熱い情熱みたいなものを感じて。聞けば聞くほど自分の中でも詞とマッチしていくし、本当に僕の曲の中でも珍しい曲になったので、それも逆に刺さるなと思いました。このビートにも残るような詞と歌をまずレコーディング前に歌いたいなと思いました。僕も気に入ってます。

──詞については?
 
上野 まずtasukuさんから「“揺れる”の意味が分かんない。何が揺れてるの?」って言われて(笑)。「揺れる」って普通は横だけど、僕の「揺れる」はタテのイメージというか、ちょっと進むんだけど戻って、それで一歩ずつ進んでいくみたいなイメージなんですね。風に押される時もあれば返される時もあるし、3歩進んで2歩下がるじゃないけど、そういう意味で進んでいるようなイメージだったので、それも四つ打ちのビートと本当に奇跡的に合ったんです。もともと、この曲をアルバムの1曲目にしようと思ってて。
 
──ああ、そうなんですね。
 
上野 僕からリスナーに向けるメッセージみたいなものを書きたいなと思った時に、いろいろな出会いがあって今があるし、いろんな言葉を投げかけられて今があるし、自分の中でアルバム出すというのは毎回特別のことなので、みんなにもメッセージを伝えたいし、アルバムのその頃の特別な気持ちを残したいし……という意味で、このリリックになったのかなあと思います。
 
──最初聴いた時に恋心を歌っているのかなと思ったんですけど、それよりも意味としては広めですね。
 
上野 そうですね、広めだと思います。「知らない誰かに会えるような 誰も知らない場所」という詞があるんですけど、僕からしたら音楽はそういう場所だし、たぶんみんなが音楽を聞く場所もそうかもしれないというか、いつもとは違う自分になれる場所が、僕は音楽をする側なのに、みんなは聴く側ということで、この詞は人によって捉え方が変わるんですよね。そういう意味でも、僕の歌でもあるし、みんなの歌でもあるなと思ってますね。
 
──そこも、どう解釈してもらってもと。
 
上野 そうですね。みんなに委ねながら、みんなの中で曲の色が変わればいいなと。それはタイミングもそうだし、人によってもそうだし。

 ──詞においては、具体的な描写をわりと避けて作っている感じですか?
 
上野 意外と具体的なことも書いてるつもりなんですけどね(笑)。だけど、それも本当に日本語マジックというか。最初は意識して抽象的なことを書いてたんですけど、本当に途中から自分の書きたいことを書こうと思うタイミングになって、自分の中で具体的なことを書いてても、わりとそういう感じになっていっちゃうというか。たぶん、僕の中で曲を書くのは、そういう風景ごとパッケージするのが好きなんだなと思ったので、そうなってるのかなあとは思います。
 
──それで結果として、わりと広く解釈できるようなものになると。
 
上野 あとは歌入れの時とかに、自分の感情は入れはするんだけど、もっと遠くの方でフラットに歌って、自然に届くように意識しているところはあります。ディレクションもそういう風にしてもらっていて、「今のちょっとうるさいね」とか「暑苦しいね」「違うんじゃない?」みたいな声が飛び交うぐらいなんですよ(笑)。詞もそうだし、歌の立ち位置として「代弁する」ことを意識して歌ってるので、もしかしたら詞そのものというよりも歌と一緒に聴いた時に、そうやってみんなの中でいろんなものに聞こえるようになっているのは、そういう理由もあるのかなあと思います。
 
──ご自身の主観というよりも、ちょっと客観に沿うような形を意識されているということですね。それは最初からですか?
 
上野 今のチームに入って、ディレクションしてもらって気づいたというか、発見でした。僕もそれまでは、歌は感情を込めて歌って、その言葉がどういう言葉なのか伝えるべきものだと思ってたのが、一歩引いて、その言葉を置いた瞬間に、今まで一つの角度しかそれが受け入れられなかったのが、いろんな角度から受け入れてもらえるんだって知った時に、歌うのがもっと楽しくなったというか、もっと遠くの方で何を考えているかを考えて、あとは自然に歌った方がより響くし、残るんだなと。それはすごくうれしい発見でしたね。
 
──次は「朝が来る」。この曲は、アルバムの中でも一番歌い上げている感じですよね。
 
上野 この曲がA面のラストです(笑)。「朝が来る」という映画を見て、朝が来るっていいなと思って。「朝が来る」っていうのは朝でもないし、夜でもない感じというか。ときどき僕も酔っ払って深夜そういう時間があるけど(笑)、「何かこのまま出るのもあれだし……」みたいな独特の時間ってあるじゃないですか。それを自分1人じゃなくて誰かと過ごしたらどんな感じになるんだろうと思いながら、書いた曲です。その映画に対して書いたわけじゃないんですが、歌い上げたというの、わりとキーも高かったし、バンドだし、この曲もいつもの自分とちょっと違う歌にしたいなというところで、わりと尖ったこともしたいなと。だから今までにはない感じにミックスしてもらったのもあるし、アルバムの中では異質ですよね。
 
──アルバムの中では尖り担当というか。
 
上野 挑戦担当ですね(笑)。「こんな曲も今回やるぞ」みたいな。最後いきなりリズムが変わる部分もそうだし、自分の中でやりたいことが決まってないことも挑戦したいというか。ちょっと変わったことできるのがアルバムの醍醐味じゃないですか。だからこの曲はそういう意味合いですね。
 
──今言われた、その最後の部分がすごく印象的でした。
 
上野 ちょうどたぶん、さっき言った、朝と夜の間みたいな空間というか、これが終わりでもないし、始まりでもないし、「何でこのパートがあるの?」みたいな感じなんですけど、まあ今までの決意表明でもあるし、これからの決意表明でもあるみたいな、かぶった時間みたいなことを表現したくて。

「フィルム」は、「聴いてくれてなくてもいい曲」!?

──次が6曲目の「フィルム」で、また全然トーンが変わりますよね。ただそう考えると、ここでA面とB面が切り替わっている感じはしますね。
 
上野 いきなりグッとマイナーになるというか、急に暗くなりますよね。この曲は最初に書いた時はもっと短くて、Aメロ、サビ、Aメロ、サビしかなかったんです。曲を書く時って、わりと理由を求めがちじゃないですか。何のために書くかとか、どういうふうに届いてほしいかとか、迷いがあって、正解があって、みたいなことを決めがちなんですけど、この曲に関しては、風景だけをピックアップして、みんなが何を感じるかに委ねたいなみたいな。「超つまんない曲書いてみよう」みたいなイメージだったんです。だから詞も本当に風景しか書いてないので、風景はちゃんと思い浮かべてもらえると思うんですけど、そこになどんな感情があるかは僕も想像できないというか。僕が聞いた時も、僕にしか浮かばない感情があるし。「風の音が強くなる」とか「雪の音が強くなる」という歌詞を恋の歌だと思う人もいるかもしれないし、誰かが死んじゃった時の歌だと思うかもしれないし年末年始の寂しさかもしれないし、それはもう人によって違うんだろうなと。
 
──ただいろんな描写があった上で「暗いことを考えてもいいことがないこと わかってるけど」という部分がすごく上野さん「らしい」と感じたんですが。
 
上野 そうですねえ(笑)。最初、ピアノを弾いてくれた村田昭さんには、「この曲は部屋の中に1人でいて、一つの窓をずっと見ているイメージです」みたいなことを伝えたんです。そういう風に、1人対一つの窓というか、見えてる景色が一つしかないみたいなイメージなので、委ねるとは言いましたけど、ちゃんと全部の曲に僕の主観も入ってるんですよね。その中で、アルバムの中のこの位置に空白を作ったというか、みんな1回ここで、もう曲なんて聴いてなくてもいいぐらいな、この曲の時は何か考え事をして、次からまた僕の曲を聴いてくれればいいかなみたいな(笑)。そういう、何も描いてないことで、みんなの頭の中には何かが描かれてる時間みたいな感じですね。
 
──そういう時間をアルバムの中に作るっていうのは、確信犯ですよね。
 
上野 でも、アルバムでしかできないですよね。
 
──確かに。
 
上野 通して聴かないとできないことでもありますからね。だからもちろん、この曲を単体として聴く人もいるだろうし、その時にはまた何か違った捉え方をするんだろうけど、アルバムを通して聴いたときに、ここでちょっと1回みんな集中力が切れてもいいかな、みたいな感じですね(笑)。
 
──集中力が切れた瞬間を想定して曲を作った人は初めてです(笑)。で、次の「アカネ」に行くと、ちょっと明るさがありますよね。パッと明るいわけではないんですけど。
 
上野 ちょっとアンニュイな感じというか。この曲はもう、もともとあったんですよね。たぶん20歳ぐらいの頃に書いてて、1回弾き語りでやって、しばらくやってなくて。でも、この曲を歌うと僕のリスナーが喜んでくれるというか、僕が思った以上にみんなが好きな曲なんですよ。この曲をアルバムに入れようというのは最後に決まったんです。9曲ぐらいは決まってて、あと2曲を何にしようかなとなった時に、この曲にしようと。弾き語りでやったときも、暗くないけど、そんなに明るいわけでもないし、応援歌でもあるけれど、何か自分を見つめ直せる曲でもあるし……みたいな、この独特の雰囲気をちゃんとサウンドに落とし込めたらいいな、というのをちゃんと言葉にしてアレンジの方に伝えて作りました。
 
──それを言葉にする作業ってけっこう大変だったのでは?
 
上野 大変です(笑)。大変だったけど、エンジニアの方とまず固めて、アレンジの方にも細かく、都度都度やりとりした上で楽曲が仕上がったので、満足のいくサウンドになったかなと。弾き語りを聴いていた人も、あの空気感が損なわれずに、だけどブラッシュアップされて、よりキラキラした世界になったというか、よくできたなと思いました。

──先ほど「応援歌」という言葉もありましたが、確かに誰かへのエールが感じられますよね。ただ、そこも委ねているわけですね。
 
上野 誰かにエールするのって、すごいエゴじゃないですか、「頑張れよ」って言ったら「お前も頑張れよ」って言われそうだし(笑)。この曲は最後のミックスの段階で少し変わったことをしていて、エンジニアさんがいろいろ作ってくれたものに対して、「これコンプレッサーとか全部切ったらどうなるんですかね」と。それが結果的にハマって、ほぼほぼ録り音そのままなんですよ。ほとんどその場のマイクから拾った音だけにしてみたら、それがまた逆に新鮮で、素の自分も出ているし、それがエゴになってないなって。これがバチバチに音を作っちゃうと、「俺の歌を聴け!」っていうエゴになっちゃうけど、いい形になりました。
 
──なるほど。
 
上野 委ねるって無責任ですよね(笑)。でも、その無責任さがいいのかなと思って。誰かに曲を紹介する時も「とりあえず聞いてみて」ぐらいのテンションで進められるかなと。

──基本的に「俺の曲を聴け」じゃない方?
 
上野 キャラは「聴け」なんですけど(笑)、曲になった瞬間に委ねちゃうんですよね(笑)。「聴いてほしいけど、その後はみんなに任せるね」ぐらいな感じというか、「恋愛の曲です」とか言い切っちゃうのは、自分の中で怖いですね。自分がそう書いたとしても、そう言い切っちゃうと、曲がかわいそうというか。もっともっと違う曲のイメージがあっていいと思うので。
 
──次は8曲目、「彼方」。悲しみを知っているからこその希望というか。
 
上野 これはそんなイメージですね、本当に。これも「アカネ」とちょっと通じるんですけど、「頑張れ」と言わない応援歌というか。もともと、「1曲の中で何も起きないようなアレンジがいいんです」みたいなことを最初に言ってて(笑)。僕の中では6曲目からずっとB面なので(笑)、そんなに何も起こらなくてよかったんですけど、さすがにちょっとこれじゃまずいなっていうので、いろいろ後からやりました。ちょっとみんなが考える時間を作りたかったんです。
 
──考える時間?
 
上野 今の時代、ちょっと立ち止まって考える時間って、なかなかないじゃないですか。サブスクで聴いてもらえるようにイントロをなしにするかとか、サビまで何秒とか、そういうことばっかり考えてますよね。でもアルバムの中で、自分が表現したい形で表現できるというのは、すごく幸せなことだし、恵まれていることだと思うんです。だからこの曲に関しては、バスの中とか電車の中とか、何もない時にふと聞いた時、どんな感情の時でも聴ける曲にしたかったですね。
 
──この曲に関しては「感謝」の気持ちが強いのかなと思いました。
 
上野 曲をリリースした時の返って来る反応によって、曲を書いている部分がどこかにあるというか。2番のサビで「返したはずの言葉が 知らないうちに巡ってきたから 僕らは何処かで繋がっている 彼方の遠くを見よう」という歌詞があるんですが、何か不思議ですよね。音楽活動って、毎回自分が自分であるために曲を作って出してるはずなのに、みんなに書かされてる気分にもなる瞬間があるというか(笑)。あと2番のBメロの「眩いほどの光を集めてゴールテープを切るんだ」という歌詞もすごく気に入ってて。ゴールテープを切るのって、人生の中であんまりないじゃないですか。本当に学校のマラソン大会ぐらいしかなくて、社会に入った瞬間に、ゴールがないんですよね。だけど、自分で「ここがゴールテープ」っていうのを決めちゃえば早いなって。そう思った瞬間に最後のパワーが出るというか、ゴールテープを切る直前のラスト50mとかってすごく力が出るじゃないですか。そういうのを自分で決めてもいいなと思って。みんなの中でも寂しい時とかつらい時とかに、ゴールテープを決めちゃって、もう落ち込んでても仕方ないし、みたいな感じで書きました。だから「アカネ」に通じる応援歌というのも、そこかもしれないですね。

──ゴールテープを描いちゃうわけですね。
 
上野 「誰が何と言おうと、これを頑張ったら、もう私休んじゃう」みたいな(笑)。そういう悲しみから抜け出してほしいという思いがあったので。
 
──9曲目の「リジー」は、ポジティブな曲ですね。
 
上野 この曲がポジティブになったのはちょっとした事情があるんですけど、それはまあ置いといて、アルバムの前に3ヵ月連続シングルを出すということが決まっていて、その最後の曲にしようというのもあったので、「優しいあなたに出会えたからここまで来れた気がしたよ」という、まさにその感じで書いたものです。もともと、最後の「ランララン」もそうだけど、この曲はハッピーにしたかったんですよね。ソロのシンガーソングライターでいると、どうしても1人きりで歌っている感覚になってしまうんですけど、その中でも数少ない、みんなで歌っているところをイメージした曲です。ライブも想定して「こんな風にみんなが歌ってくれたらいいな」と思いながら作った曲です。
 
──アルバムの中でもポジティブさが際立つ曲になってますよね。
 
上野 僕っぽくはないんですよね(笑)。だけどそれが新しい風になって吹き込んでくれたし、たぶんライブで絶対盛り上がるだろうから、結果的にはよかったなと思ってます。
 
──最後の10曲目ですが、これの読み方は「あいぎ」でいいんでしょうか。
 
上野 はい。何がエンディングに一番ふさわしいんだろうかと、ずっと考えていて、去年の前作は「線に沿って」という曲で締めたんですけど、今回はどの曲を一番最後に持ってきてもフィットしなかったんです。それはなぜかというと、「リジー」がかなり盛り上がった後に、もう伝えたいことがないんですよね(笑)。僕は弾き語りのシンガーソングライターから始めて、今の制作チームに入ってこういう楽曲制作のスタイルになったので、最後に等身大というか、いつもの自分で締めようと思った時に、この曲になりました。この曲は、最初はもっと長かったんですけど、もう短くてもいいやと。それから、いくつもマイクを立てて同時に録って、アナログでテープに落としてというレコーディング方法をやったんですね。「ジーッ」というノイズが入ってるのもアナログならではで珍しいし、詞もけっこうヘンテコな詞だし、その空気感ごと伝わるかなと。
 
──先ほど名前が出た佐野元春さんのアルバムで、やっぱり短く終わる締めの曲があって、ちょっとそれを思い出したりもしました。
 
上野 この曲を作った時に、星野源さんの『Stranger』というアルバムが、ノイズから弾き語りをして終わるのを思い出して、あれは素晴らしいなと思って。今まで着てきたものを全部身ぐるみ剥がした瞬間にアルバムが完成するのって、すごいじゃないですか。カッコよく見せないことがカッコいいというか。よく思うんですけど、カッコ悪い姿を見せれる人ってカッコいいなと。最後にそういう曲を書けた、レコーディングでも別に喉の調子とか関係ないぐらいに歌ったので、最後に本当に等身大で終われているかなと思います。アルバムを通して聴いてくれた人が最後に安心するような上野大樹でいられたらいいなと。曲というよりは、上野大樹というアーティスト像を最後に伝えるための曲になったかな、という感じですね。

2022年は、リスナーをもっともっと増やしたい!

──以上、10曲について語っていただきましたが……。
 
上野 面白いですよね、アルバムって。1人で作ってるわけじゃないということを、もっと伝えたいです。もちろんレーベルがスタジオのレーベルなので皆さんがいて、アレンジャーさん、エンジニアさん、アシスタントさん達がいてこそ、1人のアーティストとして立てるわけなので、僕が言うのもおこがましいんですけど……そういうことをいろんな人に伝えて、「この曲は俺がこうやって作ったんだぜ」というよりは、「この曲はみんなでこうやって協力して」みたいな背景とか、このアルバムにお力添えをいただいた人たちの労力みたいなのも、もっともっと伝わればいいなと思ってます。
 
──完成しての全体像については、改めてどう思いましたか?
 
上野 『帆がた』というタイトルっぽいというか。前のアルバムの『瀬と瀬』は、バラエティーに富んだ曲を入れようと言っていたわりには、アルバムとしてまとまりがあったんですけど、『帆がた』を作った時は、船に乗り込んでる10人じゃないけれど、何かバラバラだなと思っちゃって(笑)。1曲ずつ聴くと、「これって本当に同じアルバムなの?」と思うぐらい、似たような曲もあれば、全く違うような曲もあるし。ただ、並べて40分聴いた時に、流れ的にもすごくいいアルバムになって、周りからも「いいアルバムだね」って言ってもらえて、本当に『帆がた』というタイトルをつけてよかったなと思います。
あと、すごく短いんですよね、このアルバム。それもちょっと時代っぽいなと思います。1曲ずつ作っている時は「長いんじゃない?」って声をもらって短くした曲もたくさんあるから、わりと時代も感じられました。僕はいつか10分ぐらいの曲を書いてみたいなと思ってるんですけど(笑)。
 
──上野さんの創作のきっかけとか刺激になるものって、感情とか出来事、風景だったりとか、いろいろあると思うんですが、一番は何ですか?
 
上野 ちゃんと考えると、風景だなあと思いますね。景色というか、そっちから作っちゃった方が広がるんですよね、僕の中で。例えば「フィルム」の時に、1人の一つの窓をずっと見てるとか、そこからいろんな感情がくっついてきたり、いろんなストーリーがくっついてくることが多くて、そこが始まりで、そこも終わりというか。僕の曲が抽象的に聞こえるのは、風景で始まって風景で終わってるようなきっかけだからかなと思いますね。曲を作る時って、いろんなとこで詞を書いてるんですよ。前のアルバムもそうだけど、「もう曲書けないな」という時は、行ったことないようなところに行って詞を考えてみるということもけっこうしてるんですね。一つの風景から入るんだけど、いろんなところと重ねたりすることもあるし、本当に一つの風景しか思い浮かべないこともあるし。自分の創作の中で、景色はけっこう大事かもしれないですね。僕の地元は山口で、何もないとこで育って、今は東京に7年住んでるんですけど、どっちも知っているからこそ、いろんなことを思い浮かべやすいというか。田舎に住んでる人がどういうことを思っているのかを僕は知ってるし、都会の人がどう思ってるかも知ってるし。風景の中に全部入ってるじゃないですか。感情とか出来事とか。そこから刺激を受けてます。
 
──このアルバムを引っ提げて、12月16日に渋谷WWWで単独公演があります。もう内容はかなり固まっていますか
 
上野 そうですね。セットリストは組み終わっていて、あとはリハとか音作りを決めていく段階ですね。
 
──やっぱりセットリストはこのアルバム中心ですか?
 
上野 どうなんだろうな。アルバムがこの前の日に発売なので。もちろんアルバムの曲もやるんですけど、この2年ぐらいずっと2ヵ月か3ヵ月おきにシングルを出してて、ライブもけっこうやってるんですよね、この時期なのに。今年はツアーもやったし、みんなができないできないと言ってるわりには、曲も出してるしライブもやってるし、本当に恵まれてると思うんですけど、自分は立ち止まらずにこれたし、着実にたくさんの人に知ってもらえたから、コロナ禍でも本当にお客さんが増えたんですよ。そういう意味でも、感謝の気持ちはありますね。大きいライブハウスでやるのって、アーティストの中でターニングポイントになるじゃないですか。たぶん周りは「こんなところで喜んじゃダメだよ」って言うんだろうけど、僕の中ではWWWはずっとやりたかった場所だし、みんなも大きい会場で見たかっただろうし、あと初めてバンドでやるので、楽しい日にしたいなと思います。2021年いろいろ頑張ってきてよかったなっていうのと、来年もよろしくねみたいな、そういうタイミングのライブですね。
 
──ちょうどいい言葉が出たところで(笑)、2021年はどういう年でしたか? そして2022年はどういう年にしたいですか?
 
上野 去年、『瀬と瀬』を出した時に、来年も12月にアルバムを出します、その前にこことこことここでシングルを出しますというスケジュールが決まってたんですよ。だからもう必死に食らいついてその楽曲を作ってたのと、ライブはそれまではあまりできてなかったので、今年はちゃんとライブをやろうと。そもそもそんなに今年もできてないんですけど、ツアーを回って、人間として成長しないと、この先、追いついてこないなって思ったので、今年は頑張ろうっていうので弾き語りでツアーを回ったりとかして、考え方とか、人間的にちょっと成長できたかなと思います。2022年ももちろん制作に励むんですけど、曲を作って、それをリスナーよりももっともっと前のところで、チームのみんなが待ってくれているのはすごくありがたいことなので、来年はどんな年にしたいかっていうと、今のリスナーをもっともっと増やしたいというのがまずあります。今回のアルバムを出す時に、去年のアルバムよりももっとポップなものを作って、上野大樹の名前がもっと広まってほしいというのを目的にしたんですね。だから2022年はもっとリスナーが増えてくれればいいなと思います。ファンが増えたら、僕の書く曲もまた変わってくるかもしれないし、それをリアルタイムでお届けしたいし、また来年の12月はもっと大きいところでやりたいなと思います。日常を曲に書くことが多いので、来年もいろんな場所に行っていろんなことを思って、変わらず、だけど変わっていくような作品を作っていきたいなと思ってますね。
 

撮影 長谷 英史


2ndアルバム『帆がた』2021.12.15 ON SALE
 
単独公演『寄る辺』
2021年12月16日(木)
渋谷WWW(東京 渋谷)
OPEN17:00/START18:00
配信チケット
販売URL : https://www.zan-live.com/live/detail/10148
■チケット販売期間:2021年11月21日(日)10:00 ~ 2021年12月22日(水)23:59
■アーカイブ視聴可能期間:生配信終了後 ~ 2021年12月23日(木)23:59
 
 
【上野大樹オフィシャルサイト】
https://uenodaiki.com/
 
【上野大樹YouTube】
https://www.youtube.com/user/daiki0921638
 
【上野大樹TikTok】
https://www.tiktok.com/@ueno_daiki/
 
【上野大樹Instagram】
https://www.instagram.com/uenodaiki_/
 
【上野大樹Twitter】
https://twitter.com/ueno_daiki/
 

MORE INFOもっと知りたい

関連ニュース

関連コラム

記事情報

高崎計三

ライター

高崎計三

1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。