一昨年末からテレビ東京系列で放送されている視聴者参加型新世代オーディション番組「ヨルヤン」。その第1弾オーディションを勝ち抜いた5人によるボーカルグループ「mzsrz(ミズシラズ)」が11日、DECO*27(デコニーナ)さんの作詞・作曲・プロデュースによる『夜明け』でメジャーデビューを果たしました。5人それぞれが特徴的な歌声を持ち、その声が集まることで新たな魅力を発揮する彼女たちはここまでの道のりをどのように辿り、そしてどこへ行こうとしているのか? いろいろと聞いてみました!
5人5色……オーディション応募の理由とは?
──今回、デビューということでこのコラム・コーナーにも初登場なので、まずは自己紹介と、『ヨルヤン』のオーディションを受けようと思ったきっかけを教えてください。
大原 大原きらりです。高校3年生です。 私はnanaというアプリを元から使っていて、自分の歌や声を使って演技をしたものを投稿していたんですけど、そのアプリの中で『ヨルヤン』の企画があって。いつもならそういう企画に応募することはないんですけど、副賞が「DECO*27さんの生レコーディング権」って書いてあって、もともとDECO*27さんが大好きなので、レコーディングしてほしい!と思って応募しました。
作山 中学2年生の作山由衣です。私は歌手になりたくて、通っていたボーカル・レッスンの先生に勧められて応募しました。
実果 実果(みのか)です。高校2年生です。私もきらりちゃんと同じでnanaというアプリを使ってたんですけど、ただダウンロードしただけみたいな感じでほぼほぼ投稿したこともなかったんです。たまたま開いた時に「お知らせ」でDECO*27さんの名前があって、「何これ?」って思って。私もDECO*27さんが大好きだったので、それで音源を投稿してみたんですけど、オーディションだということもほとんど分かってなくて。こんなことになって驚いてます。
──こんなこと(笑)!投稿も実際、初めてだったんですよね?
実果 そうなんです。何が起こってるのか分からなくて、今も全然実感も湧いてないです。夢みたいな感じで、自分じゃない誰かの人生を生きてるんじゃないかって感じがしてます。
ゆゆん ゆゆんです。私もnanaを使っていて、音源を投稿したりしてたんです。そしたらやっぱり「お知らせ」でこの企画を知って、課題曲がDECO*27さんの作られた曲になっていて。私もDECO*27さんが好きだったので、「これは歌わないと」と思って投稿しました。応募する時に投稿先が2つあって、私はnanaの中だけで投稿したつもりだったんですけど、実は番組のオーディションの方にも投稿されてたらしくて。だから番組スタッフの方から連絡をいただいた時はビックリしました(笑)。
──でも、もともと歌手志望だったんですよね?
ゆゆん 歌手にはなりたかったんですけど、自己肯定感が低すぎて、なれるなんて思ってもなかったんです。でも、音楽は好きだから歌ってた感じで、信じられない感じです。
よせい よせいです。私はもともとTikTokをやっていて、それがきっかけでavexの方に声をかけていただいてRupoTimeという、様々なアーティストの楽曲をカバーするグループに所属することになったんです。そのスタッフの方に「『ヨルヤン』のオーディションがあるんだけど、受かったらメジャーデビューだし、受けてみたら?」って勧められて応募しました。
──では、オーディションには自信があった?
よせい いえ、「あるよ!」みたいなことを言ってたんですけど、本当は全然なかったです(笑)。最終審査はライヴ審査だったのですが、他の人の歌が聞こえてきて「うまっ!」って・・・「あー、私、受からへんかも」と不安でした。
──皆さんはそのオーディションを勝ち抜いて、今回この5人でmzsrz(ミズシラズ)としてデビューすることになったわけですが、5人組という点についてはどう思いましたか?
大原 歌手というのはあんまり考えたことがなかったんです。私はもともと声優になりたくて、そっちの方の勉強を主にしていたので。だから1人でデビューということになっていたら心細かったので、5人でデビューできることは心強かったです。
作山 歌う時に苦手な技術とかがあるので、私も1人だと心細いなと思ってたんです。5人だと一人一人、別の長所があって、それぞれを補い合えるので、5人でよかったなとすごく思います。
ゆゆん 合格する前は「ソロよりはグループの方がいいな」と思ってたんですけど、グループと言っても2人ぐらいのイメージだったんです。そしたら5人ということだったので一瞬「多っ!」と思ったんですけど、結果的には、この5人で本当に良かったと思ってます。
よせい もともとソロ活動を希望してましたが、レッスンとかレコーディングとかで一緒の時間を過ごすうちに「5人でよかったな」と思えるようになりました。それぞれ5人のよさがあるので、自分の足りないところを他の子がパッと言ってくれたりもするし、それから、5人で合わさったときの声が大好きなんですよ。6人目の声って感じ!1人じゃできない音楽ができるなって感じました。
「イルカのような声」って一体!?
──5人それぞれに違った声の持ち味があるという点がグループの特徴ですが、それぞれ他のメンバーを1人選んで、その特徴を紹介していただけますか?
大原 せいちゃん(よせい)は、暖かみがあってホッとする声です。誰かに寄り添うような歌でもせいちゃんの声はすごく暖かくて、優しい歌声なので、本当に親友とかが隣で慰めてくれるように聞こえて、身近に感じられて素敵だと思います。それに人柄も、さっきの彼女の話でも分かったと思うんですけど、すごく明るいんですよ。いつも場の雰囲気を楽しくしてくれたり盛り上げたりしてくれて、笑顔いっぱいで話してても楽しいです。
作山 私はゆゆんちゃんを紹介したいと思います。普段の声はかわいいんですが、歌になると声がちょっと男の子っぽいというか、ちょっとボーイッシュなところがあるんです。そのギャップがすごくよくて、声のカラーリングだけで歌詞に込められた感情とかを表現できるところがすごいと思います。自分は苦手な部分なので、本当に尊敬してます。
実果 きらりちゃんを紹介します。きらりちゃんの歌を動物にたとえるとイルカみたいだと思っているんです。
──イルカ?
実果 イルカショーとかで見るイルカって、二頭で飛んでたりしててもカッコいいし、すごくいろんな技があるじゃないですか。きらりちゃんの声も、「キレイ」と「カッコいい」の両方を感じられて、聴いてて楽しいなって思える歌声なんです。「これやって」って言われた時も、何でも表現できて、すごいなと思ってます。
ゆゆん 私は由衣ちゃんです。歌が安定しすぎてて、初めて聴いた時は怖かったんですよ(笑)。「こんなに安定した歌声の子がいるんだ!」って思って。大人っぽくてキレイな歌声で、ロングトーンもキレイにできるし、明るい曲にもバラード系のおとなしい曲にも似合う歌声です。それに彼女自身、「ホントに中2なの?」って思えるぐらいしっかりしてるんですよ。ずっと聞いてくれたり、優しい子です。
よせい みのかなんですけど、消えかかりそうな声の時もあれば、魂を込めて何かを訴えかけるような歌声も出せるし、いくつもパターンを持ってるんですよ。『夜明け』の冒頭は彼女が歌ってるんですけど、そこは「大丈夫? 消えそう?」って思わず言ってしまうほど弱々しくて、一人で悩みを抱え込んでる少女って感じなんですけど、サビとかになると「いいんだよ」って感じでスパーン!と来るので、「え? ホンマの人格はどれ?」って思っちゃいます。本人はステージに立つと人が変わるみたいになって、オーディションの時も待機室では「えーっ、どうしよう……」みたいな感じだったのが、堂々と歌ってたので、すごくギャップ萌えを感じました。歌声にもギャップ萌えがすごくあると思います。
──他のメンバーを誉めてもらったところで……「私は5人の中でここは負けない!」という部分はどこですか? では、今度はよせいさんからお願いします。
よせい うわっ、どうしよう!? ゴメンな、みんな。僭越ながら言わせていただくと……私は「キレイな歌声」でお願いします。透き通り具合というか、TikTokでは「天然水ボイス」とよく言われるんです。なので、そこをアピールしておきたいなと(笑)。歌以外の部分では……コミュニケーション能力はメンバー1だと思います。私は「距離感が近い」ってよく言われるんですけど、会ってすぐにメチャ話しかけてしまうんですよ。すぐに仲良くなりたいので。その面では、みんなをキュッてまとめられたかなと勝手に思ってます(笑)。
ゆゆん 私、そもそも、自分のいいところを見つけようとしないんです。だから周りに言われて「あ、そうなんだ」って思うんですけど……これから見つけていきたいと思います。一番負けないって自信を持って言えるのは、うるさいところです(笑)。たぶんメンバーもみんな共感してくれると思います。
実果 私は、その歌の主人公になりきった声が出せるというところ……が一番できるかな、とは思います。歌以外の面では、好きなことを見つけると、ひたすらまっすぐに向かっていくところだと思います。歌い手さんを好きになると、「メチャクチャ好きーっ!」ってなってその人の歌をずーっと聴いてるし、夢中になるって部分では誰にも負けないかも・・・。
作山 努力することです。
大原 メンバー全員、高音もきちんと出て、すごくキレイなんです・・・その中で、私は誰よりもガツンとした高音、「キレイな裏声」じゃなくて、ハンマーで殴る感じでガツンと高音を響かせられます。
デビュー曲『夜明け』は救いのメッセージが込められた一曲!
──では、デビュー曲の『夜明け』について伺いたいと思います。先ほどのお話でもDECO*27さんが好きという方が多かったですが、今回は作詞・作曲・プロデュースを担当されてますよね。まず曲と歌詞を受け取った時にはどう思いましたか?
実果 始まりがすごく静かな感じで、今まで聴いてたDECO*27さんの曲とは違うなと、まず思いました。でも曲が進んでいくにつれて「ああ、DECO*27さんだ!」ってなって、これを自分が歌えると思うとすごくうれしかったです。あと、途中で早口になるところが速すぎて、「速っ!」と思ってずっと笑ってました(笑)。でもレコーディングでは全然歌えなくなっちゃってパニック状態になって、レコーディング・ブースの中で泣き出してしまって、心がバキバキに折れてしまったっていう大事件を起こしてしまうんですけど・・・それでレコーディングが続けられなくなって、由衣ちゃんに順番を代わってもらって。よせいちゃんにパピコをおごってもらって立ち直れたので、よかったです(笑)。
よせい パピコになったのはわけがありまして(笑)。最初はオシャレなカフェに行って、オシャレな飲み物をおごってあげようと思ったんですよ。歩いてたらカフェがあったんですけど、値段を見て「高ーい、どうしよう!!!」みたいな感じになってたら、みのかが「コンビニでいいよ」って言ってくれたんです(苦笑い)。それで不甲斐なくコンビニに行って、カッコつけて「好きなの選んでいいよ」って言ったら、みのかが選んだのがパピコだったんです。だから、パピコはみのかのチョイスです(笑)。
──なるほど(笑)。いい流れなので曲についても伺いましょう。
よせい あ、その話でしたよね(笑)。私は普段、バラードかK-POPを聴くことが多いので、「新しいジャンルだな」と思って聴いてたんです。そしたらみんなが言うように、急に早口のパートが入ってきて。「これ、人間が歌える?」みたいな(笑)。歌詞は、励まして、守ってくれる感じが、すごくいいんです。
ゆゆん 私も最初に聴いた時は、すごく静かな始まりの後にすごく速くなって「ハッ!?」ってなって。「こんな早口なの?」と思ってすごくビックリして、同時に「ここの歌詞割りどうするんだろう?」と思って。2行なのか1行なのかも分からなくて。で、サビの部分はパーッと明るく「そばにいるよ」みたいな歌詞で。苦しんでる子たちの背中を無理矢理に押すんじゃなくて、「ここにも同じ気持ちの味方がいるから大丈夫だよ」って励ますみたいな感じで、「あー、DECO*27さんだ……」って思いました。
大原 DECO*27さんはもともとボカロのプロデューサーさんなので、最初に聴いた時、早口の部分で「試されてるんだ!」と思いました。普通の曲だったら、普通に歌ってしまってたかもしれないんですけど、あえてBメロの速い部分があることで、自分を奮い立たせられるというか、「頑張ろう!」と思える曲だなと思いました。歌詞では、「泣いていいよ」「違ってもいいよ」「逃げよう」っていう言葉がいっぱい出てくるんですけど、普通に生きてると「逃げちゃダメだ」って言われたり、泣くこともいいことじゃないと思う場面が多いじゃないですか。その中で救いのメッセージがいっぱい込められてる歌詞なので、すごく安心するというか、落ち込んだ時に聴いたら心が軽くなると思って。すごくいい音とすごくいいテンポと、すごくいい歌詞だと思いました。
作山 曲をいただいた時は、使われてる音源とか音がすごく好きで、最初はその音をメインで聴いてました。この曲って、1番だけで見たら、Aメロは落ち込んでいて、Bメロになると主人公の葛藤とかが表現されていて、Cメロで感情が爆発するっていう、起承転結のある曲だと思うんです。Aメロでは人の吐息みたいな音が少し入っていて、それが呼吸が荒くなった時の息づかいみたいで、そこもすごく好きです。歌詞も共感できる内容で、「逃げよう」って言ってくれる歌ってあんまりないと思うので、そこも好きな部分です。
──レコーディングではどうでしたか?
ゆゆん まずDECO*27さんの曲を歌えるってことがすごくうれしくて、ご本人にも会えてまたうれしくて(笑)。でも早口のところで一番苦戦しました。歌えないし、速いので音程が取りづらくて、間違えてばかりでした・・・もっと、頑張らないとです。
よせい 私も最初は苦戦してしまって。最初、曲全体のイメージとして「難しい」って感じてたんです。歌っていくうちに「この曲、メッチャいい!」って思うようになっていったので、是非、皆さんにも、聴くだけじゃなく、歌ってもらいたいです!
大原 私もすごく練習したので、できてればいいんですけど……。でも、DECO*27さんに誉めてもらえたので、ちょっとはできてたんじゃないかなと思ってます。
作山 私はすごく滑舌が悪くて、特に早口のところは歌うのに精一杯で感情を込めるのが難しくて、苦戦しました。でも、これからもしTVとかで歌わせていただく機会とかあったら噛んじゃダメなので、今後、もっと気を付けていきたいと思います。
──すでに完成した楽曲も公開されているわけですが、「私の聴きどころはココ!」というのはどこでしょう?
大原 DECO*27さんがすごくいい歌詞を書いてくださって、音と仮歌を入れて渡してくださった時点で、素敵な曲だったんですよ。でもさっきも言ったんですけど私としてはずっと「試されてる、試されてる……」と思っているので、その素敵な歌を私が歌うことで、最高の100の状態から、120ぐらいまで上げたいなと思って挑みました。今までは、カラオケで歌ってても加点とかを気にしちゃって「感情を込めて歌う」ということをしてなかったんですね。でも今回はせっかくこんないい歌詞と曲があるので、人に寄り添えるように、歌詞の主人公になりきって歌うことを心がけました。だから、そこを聴いて感じてもらえればいいなと思います。
実果 私はトップバッターが本当に苦手で、番組で「シンセカイ案内所」を歌わせていただいた時も、「何か要望ある?」って聞かれたので「トップバッターはやめてください」って言ったぐらいだったんです。でも今回はトップバッター(この曲は実果のソロから始まる)になったので「オワッター」って思ったんですけど(笑)、でも「この子、消えるの?」ってぐらいにものすごく声を震わせて表現できたので、そこは聴いてほしいなと思います。あとサビの「絶望を照らした偶然が」っていう歌詞のところは、今まで助けてもらった音楽だったり友達だったりを思い浮かべながら、「この曲は自分たちが初めて歌うんだから、自分になるしかないんだ」と思って歌いました。そんな感じで、無機質に歌うところもあれば本当に感情むき出しで歌うところもあるので、いろんな表情を探しながら聴いてほしいなと思ってます。
作山 5人それぞれソロパートをいただいたんですけど、私は2番の最初なんですね。1番が終わった後に静かな間奏があって、2番に入るとちょっとリズミカルになるんですけど、歌い出しのところで雰囲気を変えようと思って、自分の強みである声の透明さと、歌詞に合った声色を出すように意識して頑張ったので、そこから雰囲気がパッと変わるところと、歌詞を再現したような歌声を聴いてほしいなと思います。
よせい 私としては「一番聴いてほしいところ」というのは特になくて、全部をちゃんと聴いてほしいんです。さっき由衣ちゃんも言ってたように5人全員がソロパートをもらったんですけど、一人一人がレコーディングの時も全力をかけてたんですよ。それこそ、泣き出すぐらい(笑)。だからどの部分もしっかり聴いてほしいんですけど、私のソロパートはみんなのAメロとかと違って、サビが終わって切り替わるところをもらったんです。そこは急にスパーン!と高く歌わないといけない場面だったので、最初は「大丈夫かな?」ってなったんですけど、自分の持てる限りの力を込めたので、そこも注目しながら、みんなが力を込めたサビもすごくいいので、ラストまで全部を聴いてほしいです。
ゆゆん 私は、レコーディングの時に自分なりの解釈でまず歌ったんですけど、それはエッジボイス(※ノドの奥から絞り出すような発声法)を使った、ちょっと強めの歌い方だったんです。でも、DECO*27さんと編曲のRockwellさんからは「もっと弱い歌声で」って言われて、エッジボイスもなしにして。私のソロパートは1番の、みのかちゃんの後で早口の部分の前になるんですけど、そこでちょっと雰囲気が明るくなるんですね。だから私の解釈のままで歌ってたら合わなかったんだなと思って。あとサビ前も歌ってるんですけど、そこはみのかちゃんの消えそうな歌声の後で「目をそらせばいい」っていう歌詞のところで、そこは最初、優しく歌ってたんですけど、「強く歌って」ってアドバイスを受けて。結局完成したものを聴いたら全体に波があって、アドバイスを受けて変えた歌い方でよかったんだなと思いました。そういう努力をしたので、聴いてほしいです。
世界に通用するアーティストになりたい!
──この『夜明け』は12月下旬から1月上旬にかけて、段階的にタイトル、歌詞、サビ、1コーラス……という感じで徐々に公開されてきましたよね。その中で反響もいろいろあったと思うんですが、いかがでしたか?
よせい YouTubeのavex公式チャンネルでリリックビデオが公開された時にコメントを見させていただいたら、「やっぱり!」と思いました。みんな反応がすごくよかったんですよ。みんな満場一致で「この曲いいよね!」って思った曲だったので、曲には自信があったんです!皆さんの反応がよくて「やっぱり!」ってなったし、不安だった自分が歌ったことへの自信も少しつきました。
──高評価で安心した部分も?
よせい 安心したと言うよりは、「DECO*27さんのこの曲でよかった……」としみじみ思いました(笑)。
──MVについてはどうでしょう?
実果 最初のAメロのところで、私とゆゆんちゃんが後ろに倒れるシーンがあるんですね。そこはマットを敷いて、スタッフさんにも支えられて本当にバターン!って倒れてるので、やってて楽しかったです。動きが多くてかなり疲れたんですけど、最後の5人で歩いていく場面は「この5人でやっていくぞ!」っていう感じがして、「いいな」と思いました。
──いよいよメジャーデビューして、この先はアルバムも決まっています。ここからどうしていきたいか、どうなりたいかを教えてください。
大原 まずは聴いてもらえないと意味がないので、いろんな人に触れてもらう機会がいっぱい作れるように、自分のやれることをでやっていきます。SNSとか・・・その上で、いろんな悩みを持ってる人たちに寄り添っていけるようになれたらいいなと思います。
作山 まずはこの曲を、老若男女の方々、世界各国の方々に聴いてほしいなと思います。いつか、世界に通用するような歌手になって、私たち5人の歌声を知ってもらえたらいいなって思います。
実果 私がこのオーディションに参加するきっかけになったのはもちろんDECO*27さんの名前がきっかけなんですけど、もともと以前から、元気がなかったり悩み事があったりする人たち……私自身がそうだったので……に、「つらいことがあるかもしれないけど一緒に頑張っていこうよ」って伝えられるような音楽がやりたいと思っていたので応募させていただいたというのがあるんですね。その夢を叶えたいし、どんな状況の人にも届いてほしいと思います。この曲は絶対すごく素敵な曲で、この5人も最強だと思っているので、いろんな人に届けて、いろんな人を救えたらいいなと思ってます。あと個人的には、これまで私が救ってもらった人たちに聴いてもらって、「いいじゃん、このグループ」って思ってもらえるようになっていけたらいいなって思います。
ゆゆん この曲は本当に、苦しい子たちにそばにいてあげられるような曲になっていて、最近の世の中って「生きているのがつらい、苦しい」という人も多くなっていると思うんです。私たちはこうして音楽を届けることしかできないですけど、聴いてくれた人たちが、この曲で少しでも心が救われるなら、すごく嬉しいです。
よせい 私たちmzsrz(ミズシラズ)には、「見ず知らずだった私たちから、まだ見ず知らずのアナタへ」というテーマがあるんですね。私自身も、悲しかったり落ち込んだした時、「楽しくなりたいな」という時に、音楽にたくさん救われてきて、それがきっかけでアーティストになりたいと思うようになったので、そのテーマを聞いた時に、「あ、私が目指してたような、一人一人に寄り添えるようなアーティストに、この5人でなれるんだ」と思ったんです。ライヴもしたいです!最終的にはみんなも言っているように、世界に通用するアーティストになりたいと思っています。
──活躍に期待しています。ありがとうございました!
avexの原点を思い出させてくれた5人の『声』
また今回、『ヨルヤン』番組企画チームの一員である中前省吾さん(エイベックス・エンタテインメント株式会社 レーベル事業本部 クリエイティヴグループ)に、オーディションとmzsrz(ミズシラズ)についてコメントをいただきました。
「今回の『ヨルヤン』のオーディションというのは、avexとしては、最初に細かいことを決めないというか、何をもって誰をどうオーディションするかというのを決めないで臨むという、特殊な形だったんです。今の時代って、一般の方が音楽を使っていろんな形で発信するようになってきてますよね。だから僕らの方で形を決めつけたオーディションは時代に合わないんじゃないかということで、素材の音源を用意して、『この通り歌わなくていいよ。どう使ってもいいよ』という形にしたんですが、最終的にはかなりスタンダードなオーディションになったんです。
僕らの最初の目論見としては、普通の『歌手』を選ぶという気は毛頭ありませんでした。『歌う人』のオーディションはこれまでたくさんやってきましたから、ダンサーだったり作詞をする人だったり、もしかしたら楽器を演奏する人だったりとか、企画としてはもうちょっと新しいものを期待してたんです。でも結局は、この5人によってスタンダードなものにされてしまったんですよね。彼女たち5人が出てきてくれたことによって、avexとしても『純粋に音楽を作ればいいんだな』と思い直させられた部分もあります。
もちろん、nanaとかTikTokとかいろんなものが出てきて、伝え方というのはかなり幅広くなってきてます。その幅広さを新人発掘にどういう風に活かせるかと思ってやってきたんですが……最後に残ったのは、彼女たちの『声』、これだけだったんですよ。オーディションとしてはかなり複雑に作り込んで、新しい形のトライをしたんですよ。素材を用意して、『これで遊んでください』という形で、一般の人々の中に隠れている“天才”と出会えたらなと思っていたんですが、結局僕らは音楽だな、餅屋は餅屋なんだな、と思いました。彼女たちのおかげで。
彼女たちの『声』が僕らに、音楽にきちんと向き合うことの大切さを教えてくれたなということに、本当に感謝してます。「mzsrz(ミズシラズ)」の武器は『声』なので、最終的には、ダンスを含め、声以外のあらゆることを審査対象にはしませんでした。スタンダードと言いましたが、それでも、ここまで『声』だけにフォーカスしたオーディションは実はなかったんです。その意味ではかえって新しいものになったのかも知れません。だから彼女たちには自分たちの『声』にもっと自信を持ってほしいし、avexの思惑をも変えてしまった『声』を武器に突き進んでほしいなと思います。この1年間、彼女たちには教えてもらってばかりでした」
配信シングル『夜明け』
2021.01.11 on sale
words / music:DECO*27 / arrangement:Rockwell
mzsrz(ミズシラズ)
Official Website:https://mzsrz.com/
Twitter:https://twitter.com/mzsrz_official
Instagram:https://www.instagram.com/mzsrz_official/
TikTok: https://avex.lnk.to/mzsrz
大原きらり TikTok:https://vt.tiktok.com/ZSW7BtVE/
作山 由衣 TikTok:https://vt.tiktok.com/ZSW7uRao/
実果 TikTok:https://vt.tiktok.com/ZSW7pLm4/
ゆゆん TikTok:https://vt.tiktok.com/ZSW7gTvQ/
よせい TikTok:https://vt.tiktok.com/ZSvwqMjn/
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「DECO*27(デコ・ニーナ)」
DECO*27
レフティスタイルでギターを奏で、聴くものの心に共感と共鳴を呼び起こす。作詞、作曲を手掛けるアーティスト/プロデューサー。ロックをベースにフォークからエレクロニックミュージックまで柔軟に吸収したサウンドと、一聴してDECO*27の作品だと判る印象的なメロディー。「愛」や「恋」といった万人が持ち得るテーマ、思春期に体験する等身大の感情をリアルに、かつ絶妙な言葉遊びを用いて描いた歌詞が10代~20代の若い世代に圧倒的な支持を得ている。
Official Site https://otoiro.co.jp/
YouTube https://www.youtube.com/c/deco27official
Twitter https://twitter.com/DECO27?s=20
facebook facebook.com/DECO27.Official
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「ヨルヤン」とは?
テレビ東京の次世代型オーディション番組「ヨルヤン」。次世代の音楽業界を担うアーティストやクリエイターの発掘を目的に、視聴者からの投稿作品を募集するオーディション番組。
ヨルヤン公式HP https://www.tv-tokyo.co.jp/yoruyan/
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【mzsrz】近くで囁くようでいて強迫めいたボーカルが印象的なニューシングル 「ブルーサイド」を、本日、リリース。来年、1月12日(日)には、バンドセットでのワンマンライヴを開催!
【mzsrz】取り残されようとも、純粋なままあろうとした “青さ” を歌った「タイムマシン」を再リリース。来年、1月12日(日)には、バンドセットでのワンマンライヴを開催!
【mzsrz】変わり続けるコトで変わらない “痛み” を歌った「Odyssey」を再リリース。
【mzsrz】時代という行進や更新に抗う6分強のロックオペラ「ストレイシープ後進曲」を再リリース。
ライター
高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。