スクウェア・エニックスがプロデュースし、ディアステージに所属する新たな形態のアイドルグループ「GEMS COMPANY」による待望のメジャーデビューアルバム『precious stones』が2020年10月21日にリリースされます。
GEMS COMPANYは歌手や声優などそれぞれ異なる夢を持った女の子たちが集まって結成されたグループで、2018年8月にデビューするとメンバーによるYouTubeでの配信を中心に活動しながら、楽曲のリリースやイベント出演を重ね、2019年6月には初となる単独ライブ「Magic Box」を大成功させました。その後も「TOKYO IDOL FESTIVAL」に出演するなど精力的に活動を続け、活動2周年を迎えたタイミングで満を持してのメジャーデビューとなります。
今回はGEMS COMPANYの皆さんが抱える思いや覚悟をうかがい、彼女たちが放つまばゆい輝きの根源を探っていきます。
──本日はよろしくお願いします。GEMS COMPANYは10人の女の子によるグループですが、今回はその中から一文字マヤさん、音羽雫さん、長谷みことさん、水科葵さんの4人にお話をうかがっていきます。
一文字マヤ GEMS COMPANYの呑んべぇ担当。マヤたそこと、一文字マヤです。
音羽雫 群馬が生んだポンコツ姉さん。ポン姉こと、音羽雫です。
長谷みこと ぶりっ子担当みこみここと、長谷みことです。
水科葵 大阪のあんこ大好き音楽大好き。猫耳女水科葵です。
──撮影もワイワイとこなされていましたが、普段から皆さん仲良しなんですね。
一文字 今はレッスンもトレーナーさんとだけになってるので、メンバーみんなで集まる時間が限られているんです。だから集まるとうれしくてテンションが上がっちゃって、こんな感じになっちゃいますね(笑)。
──活動2周年を迎えたタイミングでついにメジャーデビューということになりましたが、現在のグループの皆さんに心境はどのようなものなのでしょうか?
音羽 メジャーデビューが決まってうれしい気持ちはもちろんあるんですが、まだ実力も経験も足りてないので、もっと多くの人に届けるにはどうすればいいんだろうって心配がありつつ、もっとライブをやってみたいってワクワクした気持ちもあります。
長谷 ライブを軸にやっていきたい子が集まっているので、そこはもっと力を入れていきたいですね。
水科 メジャーデビューといっても、私たちの実力だけでここまで来れたわけではありません。スタッフの方々はもちろん、ファンの皆さんに支えられてやっとここまで来れたと思っています。だから本当にメジャーデビューしていいのかなって気持ちも少しあるんです。
一文字 確かに私たちはここまで配信をメインに活動してきているので、配信者としての自分とは違うアイドルとしての自分の見せ方や、振る舞いの違いに悩むメンバーもいました。
でもそんな悩みも話し合って共有して、少しずつ成長するうちに結束力も高まり、そこにいろんな方々の支えが重なってメジャーデビューにつながったと思っています。だから今はメジャーアーティストという大きな肩書に負けないように、みんなで頑張ろうって気を引き締めてるような状態ですね。
長谷 100点!
──絆の深さやチームワークのよさを早速感じさせていただき感激です。活動開始から2年も経っていると、出会った当初とはイメージが変わったメンバーの方もいたりするのでしょうか?
一文字 あんまり変わったようには感じないけど、でもみことはよくしゃべるようになったかな。
長谷 ただでさえ個性が強いメンバーが集まっていますし。私はグループ最年少でもあったのでやっぱり最初は緊張してたんです。でも今はいろんな子がいて楽しいと思いますし、みんなと仲良くできていますね。
水科 ぽんぽん(音羽さん)はしゃべり方が変わったというか、最初は清楚なお姉さんだったのにポンコツ要素が強くなったというか。
音羽 そうかな? そうかもしれない(笑)。でもみんなと会って、もっと自分をさらけ出してもいいんだなって思えたから今の形になったんだよ。
一文字 それを言うならみずしー(水科さん)も最初の自己紹介動画とずいぶんキャラが変わったよね。
水科 最初と違うのはみんなそうだと思うけど、私のアレは黒歴史というか…陰キャがイキるからあんなことに…。
長谷 でも各々配信を始めていなかったらこうして出会えなかったから、それもいい思い出だよね。
輝く宝石たち それぞれの個性
──水科さんは作詞をされていたり、普段から弾き語り配信をしたりとグループの中でもアーティスティックな活動が多い印象です。そうした魅力的な活動を展開する豊かな感性はどのように培われたのでしょうか?
水科 私は語彙力も欠けてるし、感情が豊かでもないし、今でも自分には冷たい部分があるなと思って生きてるんです。
でも地元大阪にいた頃に二人の師匠から学んだ音楽に対する向き合い方や人間性をベースに、デビューしてからメンバーやファンの方々と触れ合う中で、感情の出し方や表現方法を磨いて今の水科葵が出来上がっていきました。
──長谷さんは普段から独創的な企画配信をされていて、Twitterでの振る舞いも含めてかなり独特なセンスを感じますが、鋭敏な感性は普段どのように磨かれているのでしょう?
長谷 もともと友達もいなくて、教室のすみっこにいるような子だったんですが、そういう環境や自分を変えたくて今の活動を始めたんです。
でも配信をしたりアイドルとして活動していく中で、自分にはこんなことができるんだって発見があったり、もっとあんなこともしてみたいって可能性に気付いたりして、どんどん自分のことを知っていった感覚があります。
他のメンバーのみんながしっかりしてるから、私は安心してはっちゃけられるんです。
──音羽さんはグループにおけるお姉さんという立ち位置でもありますが、先ほども話に上がったようにポンコツアイドル的な側面でも愛されています。
一文字 集合場所間違えたりするのはしょっちゅうありますし、あと料理もヤバいんです。
音羽 早めに着くようにしてるので遅刻はしないんですが、場所は結構迷っちゃいますね。あと料理はアートですから…。
水科 ハンバーグを爆発させてたこともあったよね。
長谷 本当に成人してるの?
音羽 してるよ!バリバリの成人女性!
長谷 でもそれだけぶっ飛んでても、いい声で歌うから尊敬できるんですよね。
──元気なギャル的なイメージも持ちながら、積極的にゲーム配信をするなどオタク文化への理解もあって、いろいろとハイスペックな一文字さんですが、ここまでもみなさんの話をまとめてくださっていたりと頼れる姉御肌なところも見せていただいてます。
一文字 みんなと一緒にいる時はこうすればもっとうまく場が回るかもしれないって考えるタイプなのかもしれません。
メンバーはそれぞれがいいところがあるので、私はトークとか統率力で引っ張っていければいいなって思いますね。自由にやってくれた方がみんなの魅力も出ると思うので、私はしんがりを務めればいいって気持ちでやっています。
長谷 オタクに優しいギャルってオタクの幻想で実際には存在しないと思われがちですが、ジェムカンにはいるんですよ。
ライブは成長できる機会
──活動開始から振り返って特に印象深いことは何ですか?
一文字 1st LIVEの「Magic Box」はやっぱり思い出深いですね。
初ライブだったから緊張もありましたし、メンバーの中には舞台の上手と下手が分からない子もいるような状態で、最初は正直どうすればいいか全然わからなかったんです。
不安でいっぱいでしたけど何とかやり切って、千秋楽が終わった後はもうみんな大号泣だったのでとても印象に残ってます。
音羽 それまではファンの人たちと配信を通してしか交流できてなかったから、1st LIVEが初めてファンの人の熱を感じられた機会でした。初めて生の声が聞けて、本当にファンの人とコミュニケーションできてるって達成感を感じられたんです。
この間の「Life Like a Live!(えるすりー)」もいろいろ考えるきっかけになったよね。メジャーデビューするからといって、そこで満足なんて絶対にできないし、今の私たちに足りないものはまだまだあるから、今後グループとしてどうなりたいかを一人一人考えていかないといけない。そう思い直せた機会でした。
長谷 私も「Life Like a Live!(えるすりー)」の時に共演した”まりなす(仮)”と”えのぐ”の皆さんリハーサルを見てめちゃくちゃ泣いたんです。配信でも生でも形態に関係なくライブの熱を伝えようとする姿勢にとってもいい刺激をもらいました。ライブってやっぱり成長できる機会ですし、これからももっとライブしたいですね。
※「Life Like a Live!(えるすりー)」
2020年9月に行われたONLINEライブフェス。GEMS COMPANYやまりなす(仮)を含め多くのアイドルユニットが参加し、大盛況をみせた。
新曲に込める熱く強い思い
──いよいよ発売されるアルバム『precious stones』にはこれまで発表した楽曲に加え、メンバー全員で歌唱している新曲も収録されています。先日MVも公開された「ときめきドリームライン」はまさに王道のアイドルソングで、夢へ向かって歩みだす希望を歌う明るい楽曲になっていますが皆さんはどのような思いを込めて歌われているのでしょう?
音羽 私は歌いだしを担当しているのですが、メジャーデビューによってまだ私たちを知らない人に歌を聞いてもらう機会も増えてくると思うので、もっとたくさんジェムカンの魅力が届いたらいいなと思って歌いました。
MVもとにかく可愛いので、もっともっと見てもらいたいですね。
一文字 「ときめきドリームライン」は、曲調が可愛いけど歌詞に芯の強さを感じる今までジェムカンにはなかったタイプの曲で、レコーディングの時はめちゃくちゃ緊張していました。歌詞の意味を理解して歌わないと深みが出ないとも思ったので、自分の中で言葉を解釈していくのに時間もかかりましたね。
新しいスタートを切るにあたって、これまで関わってくださったスタッフさんや卒業していったメンバー、いろんな人も思いを込めて歌っています。
長谷 そもそも全員で歌う曲が久しぶりだったので、素直にうれしい気持ちがありました。歌詞の内容も私の境遇に重なる部分があったり、背中を押してくれるような言葉もあるので自信を持って歌わないと届かないし、失礼だと思ったんです。
特に「憧れが道案内」という歌詞は私自身の気持ちと重なる大好きな歌詞だったので、絶対に歌いたいと思っていたのですが、メンバー内のオーディションで担当に選んでもらえたので特別思いを込めて歌うことができました。
水科 私は根本がめちゃくちゃネガティブなので、この曲のように明るく未来へ突き進むきらきらした曲の中で自分を表現するのはとても苦労しました。でも2番にある「最初はひとりで願った」という歌詞は、自分自身の今までとリンクする内容でもあったので、水科葵を表現できましたし、元気がもらえる歌になったと思います。
──もうひとつの新曲「ゴールデンスパイス」はタイトルの通りゴージャスな曲で、ライブでの披露が楽しみになる元気いっぱいの曲になっています。皆さんのこの曲のお気に入りポイントはどこですか?
水科 コール&レスポンスがいろんなところに入っているのがお気に入りです。ライブでファンの皆さんにハイハイ言ってもらうのが今から楽しみですね。
一文字 衣装もこれまでにない色味ですごくかっこいいんです。少しずつ違いもありますが黒メインで揃っていて、今までと違うイメージの私たちになってると思います。
音羽 色もそうなんですが、パンツスタイルなのも珍しいんですよね。みんな脚がすごい出ていて、ジェムカン史上最大の露出度なんて言われてもいるんです(笑)。
長谷 MVを見てもらえれば分かると思いますが、脚は本当にすごくて、長さも太さもハリも違う脚があんなに揃って見れる機会はなかなかないんじゃないでしょうか。いろんな部分に注目してMVを見てほしいですね。
──これまでの曲に比べるとダンスも激しめになっています。
長谷 ジャンプも多いしダンスは本当に激しくて、後半になると意識が朦朧としてくることもあるので私は脳震盪曲って呼んでるんですよ(笑)。それくらい激しく熱い曲です。
音羽 フォーメーションも複雑で難しかったですね。MV撮影の時も細かく指示を出してもらいながら、何とか踊ることができました。
一文字 複雑なリズムに合わせて振り付けしてもらってるので、ステップとかが少しずれるだけで全然ダメになってしまうんです。全員で合わせるのはとても難しかったですし、ダンスの経験が少ないメンバーは特に大変そうでした。
水科 私は本当にダンスの経験がないので、練習も泣きながらやってました。ミスしちゃいけないと思うほどに間違えてしまうし、フォーメーションを変えるのも大変で、悔しい気持ちにもなりましたが、乗り越えていい経験にすることができたと思います。
ダンスが難しい曲も含め、今後はアイドルとしてもっといろんな曲に挑戦すると思うので、いい修行になりました。
一緒に成長できるアイドル
──メジャーデビューによって今後さらに多くの人に見つかっていくと思いますが、今後どんなファン層を開拓していきたいですか?
水科 私は女の子のファン欲しいな。
音羽 いいね!女の子!
長谷 私は男の子も好きだけどなぁ。
一文字 またこの子は!(笑)
今はプロデューサーである齋藤陽介さんを入り口に私たちを知ってくださる方が多い印象があります。アイドルはあまり知らなかったから、ジェムカンが初めて推すアイドルという方もいっぱいいてとてもうれしいです。
熱量もすごく高くて、Twitterで少しでもジェムカンを話題に出している人がいたら、私たちより早く見つけてオススメの動画を送ったりしてくれているんですよ。これが一緒に成長していくことなんだなって日々実感しているので、今愛してくださっている方々の手を離さないのは大前提としてあります。
その上でこれから先のことを考えると、アイドルやVTuberといった私たちが加わっていくフィールドで、他に好きな人や推しがいる方たちが方たちにも刺さるようになりたいと思います。それがジェムカンの魅力を証明することにもなると思いますし、大きな舞台にもつながっていったらうれしいです。
──今後は活動もますますパワーアップしていくと思いますが、挑戦してみたいことはありますか?
長谷 私はグラビアをやりたいってずっと言っています。配信で水着姿を出してみたり、ブロマイドをグッズとして販売してみたりもしているんですが、本格的なグラビアに挑戦して、私がかわいいことをもっといろんな人に知ってもらいたいです。
一文字 私は野球が好きなので始球式をやりたいですね。
あと英語を活かして海外のファンとコミュニケーションしてみたいです。海外のイベントにもバシバシ出て、もっといろんな活躍の幅を広げていきたいと思います。
音羽 配信での活動も頑張りたいですし、歌ももっと歌いたいと思ってます。ギターでの弾き語りを配信でもずっと練習しているので、弾き語りソロライブとかできたらうれしいです。
水科 私も最初の配信からピアノの弾き語りを続けているので、カバーアルバムを出してみたいです。ファンの方からのリクエストをもらったりもしてこれまで広いジャンルの曲に挑戦できたので、成長した水科葵の歌をしっかりレコーディングしたもので届けたいですね。
――最後に、GEMS COMPANYだからこその魅力はどこにあると感じていますか?
一文字 この前出演した「TOKYO IDOL FESTIVAL」の出演アーティスト一覧を見ると、生身のアイドルもバーチャルなアイドルも一緒に名前が並んでいて、次元の差みたいなものが少しずつ越えられているような感覚を得られたんです。
これまで私たちが取り組んできたことが認められるようになってきていて、うれしくも思ったんですが、今後はそれをもっと推し進めて、二次元と三次元を越えるような存在になっていきたいと思っています。
水科 私たちは思い描いている夢がみんな違うので、最終到着点はみんなバラバラになるのは確かだと思います。でもその過程として、GEMS COMPANYという同じグループにいて高みを目指しているのは一緒です。
みんな個性が強いとまとまりがないようにも思えるかもしれませんが、こんな感じでみんな仲良しですし、反発することがあってもそれを面白く思えたり、なんだかんだまとまっています。
メジャーデビューすることで、これまで以上にぶつかりあうこともあるかもしれません。でもそれすらも糧に成長することで、ジェムカンらしさももっと強くなっていくと思いますし、それをファンの人に見てもらうのはもちろん、まだ出会ってない人たちにも届けられればいいなと思いますね、
長谷 生のライブでの臨場感だったらどこにも負けない自信があります。でも今はどうしてもイベントの開催が難しくて、配信という形になってしまっているのですが、すでに活躍している先輩たちの背中に学んで、私たちの魅力を出すためにはどうすればいいか模索して高めていきたいです。
音羽 以前、私が弾き語りに挑戦してる配信を見てギターを始めたって言ってくださるファンの方がいたんです。そうやって私たちが頑張る姿を見せることで、ファンの方もお仕事を頑張ったり趣味を始めてみようかなって思えるエネルギーを与えられてるのだとしたらとてもうれしいですし、もっと頑張ろうって気持ちにもなります。
メジャーデビューをしてライブの規模が大きくなったり、活動の幅が広がったりしてもファンの人との絆は変わりません。一緒に成長できるアイドルとしてずっと近い存在でありたいです。
メジャーデビューアルバム『precious stones』
2020.10.21 ON SALE
豪華版 8,000円(税込) ※初回生産限定盤
Blu-ray盤 5,999円(税込)
通常盤 3,799円(税込)
【GEMS COMPANY 公式サイト】
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【GEMS COMPANY 公式チャンネル】
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一文字マヤ(イチモンジ マヤ)
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ライター
オグマフミヤ
Twitter @oresamax関係各所に「なんでも知ってるな」と称される知性と感性を活かし、よき音楽とアイドルを求めて道無き道ゆく本格派平成生まれ。輝夜月世界初インタビューの企画執筆を担当して以降、キズナアイ,ミライアカリ,月ノ美兎などへのインタビュー、各種イベントレポート、考察記事などを手がける。