4月3日にミニアルバム『HONO』をリリースした歩乃華さん。昨年6月に「いらないものはいらないんだ」でデビューした彼女は、何とチャンネル登録数48万人を誇る大物YouTuberでもあります。そんな彼女にYouTuberとしての日常とアーティストとしての活動、そしてミニアルバムや今後のことについてお聞きしました!
動画制作はiPhone1台で!
──歩乃華さんは有名YouTuberということですが、今や小中学生も「YouTuberになりたい」って言ってる世の中ですよね。
歩乃華 ああ……小中学生にはあんまりオススメしませんね(笑)。いろいろやり過ぎちゃうこととかもありそうだし、住所とか学校とかもバレちゃったりするじゃないですか。
──たしかに。今でも「YouTuberっていったい何なの?」みたいに言われることってありますか?
歩乃華 最近はなくなってきた気がしますね。ここ1年ぐらいでだいぶ定着してきたんじゃないかと思います。
──活動のきっかけはツイッターだったんですよね。ただ、ツイッターとYouTubeでもいろいろ違う部分があると思います。YouTubeで顔と名前を出して活動するのは、抵抗なかったんですか?
歩乃華 私の場合はYouTuberになろうというよりは、ツイッターからSNSをやっていたら思ったより伸びたという感じなんですよね。
──動画制作は独学で?
歩乃華 そうなんですよ! 誰も教えてくれなかったので。そもそもパソコンを持ってなくて、ずっと撮影も編集も公開も、全部iPhoneだけでやってました。
──iPhoneだけで全部できちゃうものなんですね。
歩乃華 すごいですよね(笑)。今でもやり方はほとんど変わってないですからね。たまーに、他の人にお願いすることもあるんですけど、ほとんどは自分で全部やってます。
──公開されている動画は、1本でだいたい5~10分ぐらいのものが多いですよね。1本制作するのにどれぐらいの時間がかかるものですか?
歩乃華 撮影は20分ぐらいなんですけど、編集は長いと5時間とかかかったりしますね。
──そんなに!
歩乃華 撮影したものをカットして、字幕と音をつけていくんですけど、「もうちょっとこうしたいな」とかこだわり始めると、長くなるんですよ。こだわらないと2時間ぐらいでできるんですけど。
──やっていくうちにどんどん気になっていく?
歩乃華 逆に気にならなくなるからダメなんですけどね(笑)。「ここにこだわっても一緒か!」とか思って。
──手間をかけた分に比例して視聴数が伸びるというものでもないですよね?
歩乃華 比例しないことも多いですね。何が伸びるか分からないから難しいなと思いますよ。人にもよりますしね。都市伝説のネタを上げたらすごく伸びて、そのシリーズでずっとやるようになった人もいますし。何か一つに絞ったらいいと思うんですけど、私の場合はそれが何なのかまだ分からなくて。何してもビックリされないというか(笑)。
1曲目を発表してすぐ「ミニアルバムを出したい!」と思いました
──でも昨年、「avexから歌手デビューします!」と発表したときはビックリされたんじゃないですか?
歩乃華 ファンの子とかまわりの人たちの反応はすごかったですね。リツイートとか「いいね」の数がすごくて。前からずっと「歌手になりたい」って言ってたので、「やっとやな!」みたいな反応が多かったです。
──もともと配信でも歌を歌うことが多かったんですよね?
歩乃華 YouTubeでは歌ってないんですけど、ツイキャスの生配信ではたまに歌ってました。カラオケみたいな感じなんですけど(笑)、今思えば、エイベックスの方の歌が多かったですね。浜崎あゆみさんとか。実際、カラオケで歌うことも多かったので。
──デビュー以降に発表された曲は、ご自分で作詞をされてますよね。もともと詞を書いたりしてたんですか?
歩乃華 作詞というほどではないですけど、思ったことを歌詞っぽい感じでバーッとノートに書いたりはしてました。そこから歌詞に使ったりもしてます。
──その時に書いていた作業と、改めて「作詞」という形で歌詞を書くのは、やはり違いましたか?
歩乃華 けっこう違いましたね。全然違う時に書いたものから抜き取って組み合わせたり、語尾とかを変えたり。書き始めたときと、最終的にできたものが違ってたり。最初は「何を書いたらいいんだろう」というのもあって難しかったんですけど、2曲目からはちょっと慣れてきたかなって感じですね。
──歌詞の内容が、本当に「自分のこと」ですよね。2曲目の「母子家庭」は特に赤裸々で。
歩乃華 思ってること、今まで経験したことをありのままに書きたいなと思ってたので、「母子家庭」とかになっちゃったんですけど(笑)。
──各曲を発表したときの視聴数の伸びはやっぱり気になりましたよね?
歩乃華 1曲目の「いらないものはいらないんだ」の時は、そこまで伸びないだろうと思ってたら、意外に伸びたんですよ。でもその後が、逆にもっと伸びるかなと思ったらそこまで伸びなくて、「何でだろう」って。動画と一緒なんですよね(笑)。でも、1曲目を出したときにすぐ「ミニアルバムを出したい」って思ったんですよね。それでここまで来た感じで。
──そうなんですね。ただ動画だと、先ほど言われてたようにほぼ全部一人で作るわけですよね。でも楽曲はそうではないわけで。
歩乃華 「こんなにたくさんの人が関わるんだ!」と思いました。インタビューの時も、「自分のこと聞かれてる!」と思って(笑)。
──ん? どういうこと?
歩乃華 YouTubeだと「ひとり質問コーナー」みたいなのをやるんですよ。自分で聞いて自分で答える、みたいな。でもインタビューだと別の人が自分のことを聞いてくれるので、それが逆に新鮮で。
──なるほど!(笑)
歩乃華 YouTuberとしての活動はほとんど一人でやるので、自分のペースでやれる面もあるんですけど、逆にそこにハマりすぎちゃうところもあるんですよね。曲を作る作業では、例えば「いらないものはいらないんだ」でコーラスするところがあるんですけど、そこはスタッフさんたちと一緒にやって、「楽しい!」って思いました(笑)。「好きなんかじゃない」からはバンドについてもらったんですけど、ステージに上がる時も「一人じゃないんだ。頑張ろう!」って気持ちになって。「昔から一緒にやってきたんだから、頑張ろう!」って言い合ったりして、全然昔から一緒じゃないんですけど(笑)。
──何ですか、それは(笑)。
歩乃華 架空の設定でバンドになりきって、MV撮影の時も「ずっとインディーズで頑張ってきたからな」とか言って(笑)。そういう楽しさはありましたね。ただ、YouTubeは一人のほうがいいかな。音楽はいろんな人に協力してもらうのが楽しいですけどね。
応援や励ましの気持ちが詰まったミニアルバム!
──今回の『HONO』は念願のミニアルバムになりますね。
歩乃華 今まで、CDって形で出したことがなかったんですよ。3曲とも配信だったので。形になるというのが楽しみですね。自分自身、配信とかストリーミングに慣れてしまっていて、CDという形はなくてもいいのかなと思ってたんですよ。でもファンの子とか友達から「CD出さないの?」って言われることも多くて、それもいいんだなと思うようになりました。
──『HONO』の収録曲を、改めて紹介してもらえますか?
歩乃華 1曲目の「いらないものはいらないんだ」は、女の子に共感してもらえるような曲にしました。嫉妬とかの感情もある中で頑張っていこうという、応援ソングにもなってます。2曲目の「好きなんかじゃない」は、素直になれない女の子の気持ちを歌った、初めての恋愛ソングです。3曲目の「空を見てよ」は……若い子って、何でもないことで深く悩んでしまうことが多いんですよね。私もそうだったんですけど。そういう子たちに、「大丈夫、大したことないよ」って言ってあげる、これも応援ソングですね。4曲目の「母子家庭」はお母さんに向けて書いた曲なんですけど、私の友達にも母子家庭の子が多いんですよね。そういう環境の人に聞いてもらいたいなという曲ですね。5曲目の「行きたくない学校」は、親友に向けて書いた歌なんですけど、学校って、通ってるときは「行きたくないなー」と思うんですけど、後から振り返ると行きたいと思う場所なんですよね。そういう、友達との思い出についての歌ですね。全体的に、応援とか励ましの気持ちが詰まったミニアルバムです。
──どういう人に、一番聞いてほしいですか?
歩乃華 10代、20代の女の子ですね。自分が10代の頃、そして今、感じたことや経験したことを歌ってますし、そういう人たちに向けた曲が多く入っているので。
──そしてこのリリースを機に、人前で歌う機会も増えてきそうですよね。
歩乃華 まだ「自分のライブ」をしたことがないんですよね。事務所のイベントとかa-nationで歌わせてもらう機会はあったんですけど。まだ曲も少なかったですしね。自分のファンに集まってもらうライブができたら、それはそれで幸せそうで、楽しみです。
──それこそa-nationなど大きなイベントで歌う機会もあったわけですが、緊張はしなかったですか?
歩乃華 最初は怖かったし、緊張して「ウワーッ!」ってなってたんですけど、3ヵ月経ったぐらいからはあまりしなくなって、楽しく歌えるようになりました。
──慣れたからですか?
歩乃華 そうですね。YouTubeで動画を上げたら、10万回とか100万回とか再生されるわけじゃないですか。少なくとも万単位の人が見るんですよね。だからイベントで例えば2000人のお客さんがいたとしても、「あ、再生回数2000か!」と思ったら気が楽になったんですよ(笑)。
──それはすごい!(笑) でも、さっき話に出たように「自分のライブ」となると、また違うでしょうね。
歩乃華 自分がステージに立つようになってから、a-nationなどで他のアーティストさんのライブとかの見方も変わりましたからね。改めてすごさが分かったというか。倖田來未さんのステージを見て泣いてしまったんですよね。歌詞から気持ちがすごく伝わってきて。歌で人を感動させたり泣かせたりできることができるんだ!って、改めて思いましたね。
──自分の歌にも、そういう反応はあるんじゃないですか?
歩乃華 「母子家庭」ではけっこうそういう声をもらいました。「泣きました」という感想も多かったですね。前にステージで歌ってた時に、最前列の子が泣いてるのが見えたんですよ。ずっと応援してくれてる子だったのもあって、私も泣きそうになって「危な!」と思って(笑)。泣かれると歌えなくなりそうだから、泣かないでほしいかも(笑)。
──そういうわけにもいかないんじゃないですか(笑)。どんな会場でやりたいとかはありますか?
歩乃華 最初は小さいところでいいです(笑)。いずれは……Zeppとかでやれたらうれしいですけど……無理そう(笑)。
──いやいや、それこそチャンネル登録数48万人という実績があるわけですから。48万人って、東京ドーム10回分ぐらいですよ!
歩乃華 ヤバ!(笑)
──アーティストとしては、これからどういう活動をしていきたいというのはありますか?
歩乃華 YouTubeと両立していきたいというのは思ってますね。テレビはちょっと苦手かなあ……あ、歌番組には出てみたいですね。バラエティも楽しくていいかも(笑)。
──苦手じゃなさそうですよ(笑)。
歩乃華 テンション上げていけば大丈夫ですかね。動画の撮影のときは、勝手にテンションが上がるので。
──アーティストとしてでもYouTuberとしてでも、あるいは一個人としてでもいいんですが、「究極の夢」みたいなものってありますか?
歩乃華 何だろう……家族と一緒に大阪に住むこと、ですかね(笑)。3年ほど前に上京してきて、最初は「東京、最悪!」とか思ったんですけど(笑)、仲のいい友達なんかもできて、好きになってきました。でもいずれはやっぱり、大阪に帰ろうと思っているので。いろんな活動も終えて、大阪でお店とか開いて家族でのんびり暮らせたら一番いいですね。……ミニアルバムの話のはずが、結論が「大阪でのんびり暮らしたい」でいいんですかね(笑)。
──いいと思います(笑)。では最後に、改めてメッセージをお願いします。
歩乃華 YouTubeのチャンネルを持って活動させてもらってるんですけど、少しでも私のことが気になったという方は動画を見ていただいたりしていただければと思います。今度のミニアルバム『HONO』に入っている曲も何曲か聞けますので。よろしくお願いします!
『HONO』
2019/4/3 ON SALE
AVC1-96285
¥3,500(税抜)
「HONO発売記念 お渡し&チェキ会」
<東京>
日時:4月3日(水) 12時~
会場:SOUND MUSEUM VISION
東京都渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗ビルB1F
<大阪>
日時:4月6日(土) 12時~
会場:CLUB CIRCU
大阪府大阪府大阪市中央区西心斎橋1-8-16 中西ビル
<愛知>
日時:4月13日(土) 12時~
会場:Twee Hall
愛知県名古屋市中区新栄1-5-25 第2Mビル
<福岡>
日時:4月20日(土) 12時~
会場:Pleiades
福岡市中央区渡辺通り5-14-10 佐藤ビル1F
【歩乃華 YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCH7vgFKKDZcQkyPayyqMRJA
【歩乃華 Twitter】
https://twitter.com/honoka7000
【歩乃華 Instagram】
https://www.instagram.com/honoka7000/
ライター
高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。