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瀬戸さん、瀬戸さん、増子さん

高校ダンス部日本一決定戦「DANCE CLUB CHAMPIONSHIP」が創る未来

2024.07.20
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エイベックスが主催する、高校ダンス部日本一を決める大会「avex presents DANCE CLUB CHAMPIONSHIP 第12回全国高等学校ダンス部選手権(以下、DCC)」が、8月20日(火)に東京ガーデンシアターにて開催される。2013年に初開催され今回で12回大会を迎えるDCCは、ニチレイ「本格炒め炒飯®︎」のサポートや、朝日放送でドキュメンタリー番組が地上波放送がされるなど、次第にその規模は大きくなっている。今回はDCCに携わって4年目を迎え、大会の運営統括を務める増子さん、営業窓口を務める瀬戸さん、メインスポンサーであるニチレイフーズのDCC担当である大津さんにDCCに対するそれぞれの想いを語ってもらった。


高校生ダンス部とダンスの盛り上がり
 


昨今のダンスブームを顕著に表している現象の一つとして、高校のダンス部が増えていることが挙げられるだろう。そんな高校ダンス部が高みを目指して挑む場として、今回で12回目の開催となるDCCは、漢字2文字のテーマをダンスで表現するという、表現力を重視したダンスの大会である。過去には「扇舞(ジュリアナ)」をテーマとして出場した大阪府立登美丘高等学校がバブリーダンスを披露し、メディアに多数取り上げられるなど、社会現象となった。

増子「DCCの出場者は年々増加傾向にあり、今年も予選大会を行ったのですが、昨年も実施した関東地方大会と関西地方大会に加えて、東北、中部、九州地方大会も新設しました。多少増減はありますが、今年も200チーム程度のエントリーをいただいています。映像提出でのオンライン予選も行っているので、コロナが蔓延していて、他の大会が開催できなかった時も、高校ダンス部の目指す場所としてあり続けられたと思っています」
 
瀬戸「今年は関東予選大会の参加者を募集している段階で、早々に募集定員を超えてしまったので、急遽、関東予選大会をもう一回実施することが決まりました。DCCが盛り上がっているなと実感する場面が増えています」

今年から決勝大会の形式が変わり、2ステージ制となった。ファーストステージでは、予選を勝ち抜いた全チームがブロックごとに分かれ、表現力を重視しつつも、より技術力に重きを置いた審査を行い、ファイナルステージではファーストステージを勝ち抜いた上位10チームで、審査員も入れ替え、より表現力に重きを置いた審査を行う。この形式にしたことで、審査の順番による不公平さを軽減することや、一般にも馴染みのある形式でさらに盛り上がる大会にすることを期待しているという。

ダンスといえば、2024年にブレイクダンスがオリンピック競技になったことなどもあり、知名度や競技性が高まり、ダンスの人気は増しているように感じる。
 
増子「肌感覚ではありますが、今まではダンス部は“女子の部活動”というイメージが強かったところ、今年はブレイクダンスの流行もあり、男子だけでの出場チームも増えていて、男女ともにできる部活動に変わってきていると思います。朝日放送では、DCCのドキュメンタリー番組を放送してもらっているのですが、普段見られない練習の様子や高校生ならではの青春の様子も見られるので、他の部活動と同じように真剣にダンスに取り組んでいる姿が伝わり、世間からの高校ダンス部のイメージが変わってきている感覚があります」

大津「オリンピックの競技になったこともあり、来社されるお客様がダンスに興味を持ってくださって、『今年もDCCやるの?』といったコミュニケーションが増えました。DCCに限らずダンス自体の露出が増えることで、世間一般にもダンスの注目が上がってきているんだろうなと思います」
 
一般的なダンスの大会では、参加費などの費用がかかることが大半だが、DCCでは参加費を無料に設定していたりと、高校生ダンサーにとって寛容な場であると言えるだろう。
 


増子「私がDCCの運営において、一番大切にしていることは”高校生ファースト”ということです。DCCは高校生のための大会なので、参加する高校生にとって一番良い大会になるように心がけて運営をしています。大会の仕様を変更をする際や、新しい施策を行う時には、高校生のためになるかどうかを一番に考えつつ判断をしています。」
 
運営統括の増子さんが、過去DCCに高校生ダンサーとして出場していた経歴があることや、DCCの運営のメンバーが若いメンバーで構成されていたりと、運営チームが高校生と近い価値観を持ち合わせているからこそできる”高校生ファースト”があるようだ。
 
増子「高校に直接訪問してDCCについてのインタビューを行う企画を行ったのですが、歳が近いということもあり、高校生がラフに話してくれるので、DCC出場者の生の声を聞けているという実感があります。またDCCのキービジュアルを、若い運営メンバーで良いなと思ったイラストレーターさんに制作を依頼させていただいているのですが、そのイラストが入ったDCCのステッカーをスマホケースに挟んでくれる子がいたり、好評をいただいています。

また高校生に届くようにSNSの発信にも力を入れていて、大会を盛り上げるように決勝進出校の紹介動画を投稿したり、大会の副賞としてSNSの”いいね!”数に応じて決定されるオーディエンス賞を設けたりしています。昨年の決勝大会後に投稿した、決勝出場校の衣装をイラスト化して紹介した企画は、出場者が自身のSNSに引用投稿していたり、特に反応が良かったですね。若い世代ならではのコミュニケーションが取れている実感があります」


DCCだからこそ実現できる企業とのコラボレーション


DCCの一つの特徴として、スポンサー企業が大会をサポートしていることが挙げられる。
 
瀬戸「私はDCCの営業周りを担当しているのですが、特に高校生と企業様の良い接点を作ることを大切にしています。企業様からの一方通行や、企業様に還元がないような形ではなく、両者にとって良いコミュニケーションを取れるように心がけています。DCCに出ていた高校生やOB、OGとニチレイさんとで懇談会を開催し、直接コミュニケーションを取れる場を設けたりしています。」



大津「ニチレイ『本格炒め炒飯®︎』といった形でDCCに協賛させていただいているので、懇談会でのヒアリングや、リサーチデータをもとに、商品を通じていかに高校生の力の源になっていけるのか、大会当日のブースでどのような形で支援していけるのかなど、高校生をいかにサポートするかと、商品と高校生との関わりを最大化することを考えています」

メインスポンサーであるニチレイフーズ は2020年から協賛を行っているが、その背景にはダンスに対する先見の明と、高校生、ティーンズというターゲットとの合致があったようだ。

大津「DCCに協賛する以前は、ニコニコ動画などのサービスで、チャーハンの”パラパラ”とかけて”パラパラダンス”という企画をやったりしていたのですが、時代的に”ダンス×企業CM”の効果が見え始めていた頃でもありました。私たちはティーンズに向けた施策をほとんどやってこなかったという背景もあり、将来顧客となり得る高校生に、自分の経験や体験とともにニチレイ商品を自分ごと化してもらえればと思い、協賛をはじめました」

今年5年目となるDCCへの協賛だが、実際に大会に関わってみて感じた点も多いという。
 
大津「DCCを実際に生で見ると、想像していたものと全然違うなと思いました。初めて生で見た時は、プロ顔負けのパフォーマンスだと思いましたし、大会の中で起きるドラマや感情の揺れ動きを感じる部分が多かったです。この大会を協賛という立ち位置で、より盛り上げていければと強く思いました。DCCの知名度や、ダンス自体の知名度がどんどん高まっていることで、ニチレイを知ってもらうきっかけにもなっていると思います」
 
また、DCCのメインスポンサーになったことで、若年層を意識することや社内の熱量の高まりを感じているという。

大津「『本格炒め炒飯®︎』はロングセラー商品であり、世界一売れている冷凍炒飯として、ギネス世界記録を獲得したりしているのですが、現状に満足することなく、常においしさを追求し改良を重ねています。協賛活動を通し、ダンスで上を目指している若者達に負けないように、ニチレイも常に良いものを目指して開発しているという熱量が伝わればいいなと思っています。若年層にも商品の良さや想いが届くようにCMキャラクターに若い女優さんを起用したり、ニチレイフーズ賞のダンス映像で初めてTikTok広告を出したりと新たな施策を打つようになりました」



DCCだからこそ実現できる、企業×高校生ダンサーのコミュニケーションも実際に起きている。ニチレイもDCCに出場していた高校生やOB、OGとの懇談会などの機会を通して、ネクストステップを考えている。

瀬戸「DCCと組んでいただく企業様のメリットとしては、高校生と直接コミュニケーションが取れるという点があります。ヒアリングの場を設けたり、高校に訪問したりといったリアルマーケティングを行えるというのが魅力の一つとしてあると思っています。また、リアル大会のみならず、メディアパートナーとして朝日放送テレビ様とも連携しているため、特別番組内でもメッセージを伝えることも可能です。
このようなコミュニケーションの「深さ」はそのままに、これまで以上に沢山の企業様と沢山の高校生たちが繋がれるようなコミュニケーションの「広さ」の部分も広げていけたらいいなと思っています」

大津「協賛し始めた初年度はコロナ禍で、DCCもオンラインでの開催でしたし、しばらくは試食ができなかったりと制約があったのですが、やっと昨年から試食ができるようになったこともあり、実際に商品に触れてもらう場を通し、高校生がどんなものを求めているのかなどの意見を商品に反映できるような施策をまさに考えているところです。これからもコミュニケーションを取りつつ具体的なコラボレーションを進めていければいいなと思っています」


DCCが創る高校ダンス部の未来


企業スポンサーと共に、大規模のDCCだからこそ創りたい未来がある、と運営の2名は語る。



瀬戸「スポンサーになることを検討、ご判断してくださる方は、40~50代の男性が多いのですが、当時ダンス部というものがなかったので、ダンスに対してポジティブなイメージや、“青春”というイメージをお持ちでなかった方もいらっしゃると思います。高校生が真摯にダンスに向き合っている姿を、私たち20代世代から伝えていきたいし、その橋渡しの役割ができればいいなと思って取り組んでいます。もちろん高校生が主役の大会ではあるので、高校生やZ世代がターゲットの企業様もそうですが、社会的貢献という側面にも力を入れている企業様ともご一緒できれば嬉しいなと思っています」

増子「運営としては、DCCを地上波全国ネットに持っていくことを目標にしています。地上波全国ネットで大会の放送ができると、この大会の魅力や高校生たちが青春している姿を様々な世代に届けられるし、甲子園の高校野球で結果を残すことと同じぐらい、DCCでの結果が世間一般にも評価されるようになると思っています。高校生たちが大学受験をする際の実績としても使えることも見据えて実現したいところです」

またDCCでは、各チームのリーダーが一緒にオープニングのショーに参加するリーダーズショーケースや、DJが流している音楽をみんなでステージに上がり、踊って楽しむDJタイムという企画を組み込んでいる。
 
増子「ダンスの大会は各校の戦いではあるものの、もともとダンスはみんなで楽しめるものだと考えているので、まずはみんなで一つの作品に出るという意図でオープニングショーケースを行っています。大会なので順位は出てしまうのですが、勝ち負け関係なく、みんなでダンスを楽しんだり、仲間を増やしていけるようにDJタイムも設けています」
 
瀬戸「DCCに出た高校生の話を聞いていると、とにかく楽しかったということを伝えてくれる子もいるし、いくつか高校生ダンス部の大会がある中で、『3年生の引退を懸けた最後の大会はDCCにしたい』と言ってもらえるような大会になってきているので、これからより良いものにしていければと思っています」
 
増子「私も実際に高校生ダンス部に所属して、DCCに出場していたのですが、私にとって高校ダンス部はとても大切な場所であったし、今の高校ダンス部の子たちも同じように感じていると思うので、一生残る思い出としてDCCがあったらいいなと思います。全員が出て良かったと思ってもらえるような大会にしていきたいと思っています」
 
DCCを通して高校ダンス部はますます発展し、DCCは高校生ダンサーの目指す場所、ダンスの甲子園のような存在としてさらに確立していくことだろう。
 
撮影 長谷英史


決勝大会
2024年8月20日(火)
東京ガーデンシアター
【開場】13:20
【開演】14:30
【Final Stage開始時間】19:00



【DCC公式サイト】
https://dcc.avex.jp/

【ニチレイ×DCC 特設サイト】
https://www.nichireifoods.co.jp/brand/dcc/


 
roto
WRITTEN BYroto
株式会社duep代表。ダンサー/クリエイター/DJとして、様々な領域で活動している。ダンス関連の企画や運営に多く携わっている。

SNS総フォロワーは200万人超。
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