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倖田來未

倖田來未にしか出来ない音楽エンターテインメントをずっと続けていきたい

2024.04.17
アーティスト
話題
音楽
インタビュー
倖田來未の全盛期は倖田來未が決める──。
そんな気概を感じさせるインタビュー記事をここに公開。25周年直前に歌唱力も表現力も、そして本人の幸福感も「今がいちばん楽しいの!」と語るほどのキャリアハイを迎えている彼女が完成させたニューアルバム『UNICORN』について。そこから派生して今の日本の音楽シーンや、その中で自分がどんなアーティストでありたいか。シングルベスト的な全国ツアー、相川七瀬やglobeのKEIKOと会ったときの心情などなど。見どころ満載の内容となっているので、ぜひご覧頂きたい。


もっとジャパン頑張ろうよ! 日本の音楽を創っていかなきゃ!


 
──コロナ禍でも歩みを止めず、ステージに立ち続けて24年目を迎えたわけですが、今はどんなモードで音楽活動をされていますか?

倖田 コロナ禍でお客さんが会場に足を運びづらい時期もありましたけど、本物のライブをやっていれば、自ずと人は集まってくる。そう信じて今まで活動してきましたし、今年もライブは頑張っていきたいと思っています。やっぱりエンターテインメントにしかない高揚感って唯一無二だと、自分も他のアーティストさんのライブを観ていて実感しますし、ステージに立ち続けること。これが私の歩み方なのかなと感じています。仮にまわりに止められたとしても、その自分が信じるスタンスは崩したくない。
 
──その在り方が倖田來未のアイデンティティになっていますよね。音楽の聴かれ方は多様化していますが、倖田さんの場合は何があろうとステージに立ち続ける。その格好良さはファンの皆さんも感じていると思います。
 


倖田 そう言って頂けると嬉しいです。気付いたら24年目になっていて、今年の12月で25周年イヤーを迎えるんですけど、その25周年を笑顔で迎えられるように今年はシングルベスト的なツアーで全国をまわらせて頂くので、そこで改めて倖田來未がどんなアーティストなのか感じてもらいたいと思っていて。テレビで聴いたことのある曲だらけのセットリストになっているので、より多くの人に私のライブを観てもらいたいですね。楽しくならないわけがないライブなので、ぜひ足を運んでもらいたいです。
 
──そんな今年も全力疾走でエンターテインメントしていく倖田さんから見て、今の音楽シーンってどんな風に映っていますか?
 
倖田 「もっとジャパン頑張ろうよ」と思っています。K-POPも素晴らしいと思うんですけど、近年は日本のアーティストもどんどんK-POP化しているじゃないですか。それはちょっと寂しいなと感じていて。私はそういう流行りに乗っかるんじゃなくて、やっぱりオリジナリティ溢れる日本の音楽を創っていかなきゃいけないと思っているので、自分が自分らしく届けられる音楽を生み出していきたい。そこは常に心がけていますね。
 
──たしかに、今ってK-POPの中でトレンド化している音楽をJ-POPに取り入れていくパターンがひとつの主流になっていますけど、今回のニューアルバム『UNICORN』にその要素はないですよね。これぞ倖田來未のダンスミュージックと思わせる音楽、その進化系を今回も変わらず提示している。
 
倖田 そうですね。私らしいサウンドは今回も追及させて頂いています。ただ、今回はすでにリリースしている既存曲がほとんどなんですよ。例えば「Trust・Last -TYPE K-」は元々『仮面ライダーギーツ』主題歌ですし、「Vroom」は【TOKYO AUTO SALON 2024】の為に創った楽曲。「Silence」は映画『ゴールド・ボーイ』主題歌で、「Let's fight for love!」もタイアップ曲なので、シングルコレクション的なアルバムでもあるんです。普段のアルバムだったらもっとドープにコアな路線の楽曲も収録しているんですけど、今回はカバー曲も多いですし、キャッチーな路線に振り切れている。そういう意味では、私らしい音楽をあらゆる方向に幅広く表現した楽曲群でありながらも、倖田來未初心者にも楽しんでもらえるアルバムになっていると思いますね。
 
──倖田さんは【a-nation】が歌姫たちの祭典的なフェスだった頃から、次第にK-POP中心のボーイズグループの祭典化していった近年まで出演し続けた稀有な女性アーティストじゃないですか。というか、最後まで大暴れしていた(笑)。
 


倖田 ハハハハ!
 
──そういうアーティストが『UNICORN』みたいなアルバムをリリースするのは、めちゃくちゃ説得力がありますよ。自分を貫いてきた人に相応しい音楽を続けているなって。
 
倖田 【a-nation】はエイベックスの歴史でもありますし、どんな形に変わっていったとしても怯んでいられないと。そういう気持ちは常にあったと思います。自分のファンじゃない人たちがたくさんいたとしても、その人たちにも楽しんでもらえるようなライブを提供したいなっていうフェス魂。KICK THE CAN CREW主催の【復活祭】や小林武史さん、ミスチルの桜井和寿さん主催の【ap bank fes】に参戦させて頂いたときもそうでしたけど、やっぱりアウェイな場所ほど如何に自分の存在を残していくか。それを長年続けてきたからこそ、自分の土俵でもある【a-nation】で怯んでなんかいられなかった。そういう意味では、心のどこかで戦っていましたよね。東方神起とかみんな仲間ではあるんですけど、私は旧アクシヴ時代からのアーティストなんで(笑)。
 
※アクシヴは、エイベックスグループ内の芸能プロダクション。2017年にエイベックス・マネジメントに吸収合併。
 
──倖田來未のブレイク後しか観ていない人は知らないかもしれませんが、それ以前はみかん箱の上で歌ったこともあったりして、アウェイを長年経験されてきたアーティスト。その下積み時代があったからこそアウェイでも強いんでしょうね。
 
倖田 それはあると思います。ただ、24年も音楽を続けさせてもらっていて、しかも毎年EPも含めてアルバムぐらいのボリュームの作品をリリースさせ続けてもらっているので、そこはすごく恵まれているアーティストだと思うんです。そこまでコンスタントにアルバムを出せているアーティストってほとんどいないじゃないですか。特に近年は。それは本当に有難いことですし、だからこそアウェイであっても、どんな状況であっても、その恩に報いる為にも全力のライブをお届けしたいと思うんですよね。
 
──今やアルバムという概念なく活動しているアーティストもたくさんいるわけで、その中でアルバムをリリースし続けている=アルバムを期待され続けているのも凄いことだと思います。
 
倖田 配信で十分という時代に変わってきているし、その時代に合わせていくのもアリなんだと思うんですけど、良い意味でのオールドスクール、オールドスタイル。いつか絶対にCDもアナログレコードみたいに値打ちが出てくる時代が来ると思うし、今も実際に求めてくれている人たちがいるわけで、そういう意味でもCDアルバムを出し続けるということは時代遅れだと思っていない。なので、今後も盤というものは大事にしていきたいんですよね。
 
──ここまで話してくれたことが答えなのかもしれませんが、激動していく音楽シーンの中でどんな存在でありたいと思っていますか?
 


倖田 私はミュージックラバーなんですよ。やっぱり音楽が好きで、ライブが好きで、エンターテインメントが好きで、そのうえで倖田來未は存在しているんです。なので、このスタンスは今後もおそらく変わらない。エンターテインメントの世界が5年後、10年後にどうなっているのか分からないですけど、私なりのエンターテインメントというものはこのまま止めず、仮にお客さんが入りづらい状況になったとしても続けていくんだろうなって。なんでそう思うかと言うと、デビューして24年経った今も音楽に対して新鮮な感動や興奮をおぼえる瞬間がたくさんあるんですよ! 先日、夫のバンド・BACK-ONのライブがあって、その前の日はゼブラヘッドのライブを観て、この歳になって初めて「バンドってええな!」って心底思ったんです。今まで「ユニットやバンドには興味ないです。ソロ最強説!」と言っていたんですけど。
 
──ソロアーティストに憧れてデビューして今があるわけですもんね。
 
倖田 そうなんですよ。私はソロで売れたかったんです。なので、例えば、モーニング娘。のオーディションも従兄弟が応募したものだったし、私自身はエイベックスのオーディションに応募していて、そこでも「グループがイヤな人?」と聞かれて手を挙げていたし。何故なら私がグループに入ったら、意見がぶつかるに決まってるから(笑)。だから、その後もどんなにダンス&ボーカルグループが流行っても「絶対にソロのほうがいい」って思っていたんですけど、夫のライブを観て初めて「バンドってええな! 仲間ってええな!」って思ったんですよね。そういう今まで芽生えなかった感情を動かしてくれるもの、それがライブだと私は思っているから。私もみんなの心をそれぐらい動かすライブをやりたいし、エンターテインメントをお届けし続けたいんです。そこに何かを諦めてしまった人がいるなら、私の音楽で夢をもう一度咲かせてあげたいし、それができる存在でありたいですね。

──スマホ一台であらゆるエンタメを楽しめるようになった時代ですけど、倖田來未が命懸けでサバイバルしてきたライブ、エンターテインメントは他では絶対に味わえないものですし、自分もそこで夢を与えてもらったひとりなので、いつまでも続けてほしいです。
 
倖田 倖田來未にしか出来ない音楽エンターテインメント。これはずっと続けていきたいと思っています。例えば「それは誰もやってないから」と言われたら「誰もやってへんからやるんや!」そこを追求していくのが倖田來未の良さだと思っているんで、それは今後も絶対に続けていきたい。
 
 
すごくいい風が吹いている。これからの倖田來未を楽しみにしてください!
 
 

──ちなみに、今回のニューアルバムのタイトルを『UNICORN』にしようと思ったのは何故なんですか?
 
倖田 2023年のコンサートツアー【KODA KUMI LIVE TOUR 2023~angeL & monsteR~】では「なぜエンジェルはモンスターになったのか」というコンセプトを掲げたんですけど、観に来てくれた人たちの中には「途中で終わった感ない?」と感じていた人もいたと思うんです。そこを次のツアーに繋げていこうと思っているんですよね。なので、ライブを観て頂いたら、今の質問の答えは分かると思います。という含みもありつつ、今作は今井美樹さんの「PIECE OF MY WISH」みたいな透明感のあるカバーもあれば、BONNIE PINKさんの「Heaven’s Kitchen」はラウドな感じに仕上げていたり、オリジナルだけじゃなくカバーも振り幅があるんですよ。めちゃくちゃカラフル。で、ユニコーンって空想上の動物なんですけど、私は子供が抱いているたてがみがレインボーの人形をイメージしていて。それとツアーコンセプトのイメージが繋がって『UNICORN』と名付けさせてもらったんです。
 
──天使と悪魔の話の次はユニコーン。だんだん神話みたいになってきましたね。
 
倖田 そうなの! だから「ユニコーンの次は何で繋げようかな?」って悩んでいて(笑)。でも、昔もツアーは次のツアーに繋がるコンセプトにしていたんですよ。前回のツアーで扉の中に帰っていったら、次のツアーはその扉から出てきたり、雨が降っているところで終わったら、次は水槽の中から出てきたり。ああいう続いていくシリーズをまたやってみようかなと思っているんです。
 
──そのアルバム『UNICORN』には、これまで挙げて頂いた楽曲以外にも沢田研二「TOKIO」やピンク・レディー「UFO」といった、倖田さんが生まれる前の名曲カバーも収録されています。ラッツ&スター「め組のひと」のカバーがTikTokでバズった現象も記憶に新しいですが、古き良き時代の音楽を今の時代に伝えていくこと。これも続けていきたいことではあるんですか?
 


倖田 私は「キューティーハニー」で皆さんに知ってもらえたアーティストですし、EXILEと「WON'T BE LONG」を歌わせてもらったり、それこそ「め組のひと」もそうなんですけど、倖田來未のターニングポイントにはいつもカバー曲があったんです。なので、今回もひとつひとつのカバー曲をたのしく、一生懸命創りたいなと。そしたら1年かけて出来上がったのが5曲だったんですよ。実はそれぐらい時間をかけて創り込んでいるんですよね。あと、カバーの面白いところって「め組のひと」も若い人たちからしたら新曲なんですよ。だからこそ選曲もアレンジも拘るし、それによって音楽の歴史を数珠繋ぎで広めていくことができたら嬉しいなと思っているんです。
 
──めちゃくちゃ有意義なプロジェクトですね。
 
倖田 ちなみに、沢田研二さんの曲は「勝手にしやがれ」を最初歌いたかったんですけど、倖田來未がカバーするにはあまりに王道だから「TOKIO」にしたんですよね。中山美穂さんの曲も「世界中の誰よりきっと」より「遠い街のどこかで…」、今井美樹さんの曲も「PRIDE」じゃなく「PIECE OF MY WISH」みたいな。そういう自分に合う絶妙な選曲を意識していて。あと、今回はどの世代の方々にも楽しんでもらえるように、カバーする楽曲の年代をバラけさせたりもしました。
 


──本作『UNICORN』に収録されている「Silence」や「PIECE OF MY WISH」などを聴いて感じたことがありまして。倖田來未は攻撃的なダンスナンバーと感情的なバラードで魅せるアーティストとずっと思っていたんですけど、今回新たに「歌の包容力がめちゃくちゃ増している」と感じました。
 
倖田 それは自分でも感じました。こういう「Silence」や「PIECE OF MY WISH」みたいな曲を透明感のある声で歌えるようになったんだなと。気付いたらもう9年ぐらいボイストレーニングを続けていたんですけど、日々コツコツ努力し続けることによって歌の振り幅が物凄く広がったんですよね。10年前だったらこの声は出ないんです。レコーディングで「全然優しく歌えへん。やっぱりこの曲はやめます」と諦めたこともありますし。それでも自分に対して「もっと歌上手くなりたいやろ!」と鼓舞してボイストレーニングを頑張り続けたら、自分の想像通りに歌えるようになったんです。なので、このアルバムに関しては、本当に新しい声色で新しい世界を表現できているんですよ。そういう意味でもカラフルな作品に仕上げることができた。だから「今の倖田來未、良いよ。脂乗ってきてるよ」って言いたいです(笑)。
 
──25周年直前に歌唱レベルがまた一段上がるってすごい事ですよ。
 
倖田 声帯って筋肉だから、トレーニングを重ねないと年齢の経過と共に壊れていくんです。でも、毎日コツコツ続けてきたことが成果として今出てきているから、自分でもビックリしています。41歳になって新しい声が聴けるとは思っていなかったから。あと、しばらく昔の曲はキーを落として歌っていたんですけど、最近はキーを戻して歌えているんですよ。だからライブが楽しくて仕方ない!
 
──このタイミングでキャリアハイを迎えているし、ここからまた成長していくストーリーを見せていけるかもしれないと。
 
倖田 そうなんですよ。今、本当に良い脂が乗ってます。
 
──そんなベストコンディションの今改めて伺いたいのですが、倖田來未が歌い続ける理由とは?
 
倖田 笑ってくれるみんながいるからです。私は人を笑顔にするのが好きだから。だから、私が音楽活動の中でいちばん好きなのはライブなんです。作品を創っているときは、そのライブへ向かう為の下準備と言いますか。だから、私の中では完全にライブ中心の音楽活動になっているんですよね。ライブはダイレクトにみんなが笑ってる姿を見れるから、今後の倖田來未の糧にもなりますし。みんなが笑ってくれるから、私は歌い続ける。
 
──では、最後に、この先のヴィジョン。どんな未来を進んでいきたいか聞かせてください。

 

倖田 私、今が楽しくて幸せなんです。去年の今頃もそう思っていた記憶があるんですけど、ということは今を楽しく一生懸命に生きていたら、25周年の私もきっと幸せそうに笑っていると思うんですよね。なので、今のこのヴァイヴスを下げずに、ライブのクオリティもどんどん上げていきたいです。
 
──今日の話を総括すると「倖田來未の全盛期は倖田來未が決める」ってことですよね?
 
倖田 めっちゃ良い風に変換してくれてありがとう(笑)。でも、たしかにそう思います。今、スタッフ含めてチーム一丸となっていて、すごく良い風が吹いているんですよ。私自身もやる気に満ちていますし。41ちゃい、倖田來未。めっちゃ燃えてます! もうちょっとだけ話していい?
 
──もちろんです!
 
倖田 先日、相川七瀬さんとお会いしたんですけど、七瀬さんとフランクにお話させてもらう機会なんて今までなかったんですよ。でも、自分が24年歌い続けてきたら、七瀬さんから「くぅちゃん、元気!?」って。しかもそこにはglobeのKEIKOさんもいて、3人でTRFのライブを観させてもらったんです。私からしたら「え、この中に私も入っていいんですか?」って感じだったんですけど、でもそこで仲良く話せているということは「あんたはここの位置にいていいの」って言われているような感覚にもなって。自分が積み上げてきたものの成果がそういう場面にも表れるんですよね。だから、私は今がいちばん楽しい! きっと25周年の今頃も絶対楽しいと思うし。今までは「私なんか」が口癖でしたけど、自分を肯定できるようになったら、自信をもって自分らしくいられるようになって今がある。なので、皆さんもここからの倖田來未を楽しみにしていて下さい!


 
 
撮影 堀内 彩香



『UNICORN』
2024.4.17 ON SALE

 



「KODA KUMI LIVE TOUR 2024 ~BEST SINGLE KNIGHT~」
ベストシングル全国ツアー開催!

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平賀哲雄
WRITTEN BY平賀哲雄
インタビュアー、ライター、MC、コメンテーター。1999年に音楽情報WEBサイト「hotexpress」を立ち上げ、2012年より「Billboard JAPAN.com」の編集長として活動。現在は様々なメディアで活躍している。ジャンルレスにこれまで1000組以上のアーティストを取材。小室哲哉、安室奈美恵、TM NETWORK、中島美嘉、倖田來未、大塚 愛、Do As Infinity、MINMI、モーニング娘。、BiS、BiSHなど様々なアーティストのイベントや番組の司会、解説も担当している。
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