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【Natumi.】『アトムの童』の劇中歌で話題の謎多き女性シンガー!?に迫る

2023.01.18
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TBS「日曜劇場」枠で昨年10月から12月にかけて放送され、好評を博したドラマ『アトムの童』。その第4話と第6話で劇中歌として流れ、「あの曲は誰が歌ってるの?」と話題を呼んだのが、Natumi.さんの「ラストノート」でした。そのアレンジを変えた「ラストノート -full arrange ver.-」が1月18日に配信リリースということで、ドラマで流れた時の反響や2つのバージョンの違いなどについて、Natumi.さんにお聞きしました!
 
 
こだわって歌った部分で、ドラマを盛り上げられた!
 
 
──「ラストノート」がドラマ『アトムの童』で流れたことから、ネットでの露出が増えてますよね。
 
Natumi. そうですね、取材も何件かしていただきました。
 
──「アトムの童 曲 誰」みたいな検索ワードが表示されますからね。まとめ記事もたくさん上がっていますが、「謎多き女性シンガー」というタイトルがついていて。以前お話を伺った時、そんなキャラだったっけ?と(笑)
 
Natumi. ですよね(笑)。ジャケット写真の感じとかが、ちょっとミステリアスに見えるのかもしれません。「あー、謎が多いんだー」と思って(笑)。中身もぜひ知っていただいて、好きになっていただけたらと思います。

──『アトムの童』では第4話と第6話で2回流れたんですよね。ドラマ自体も好評でしたが、反響も大きかったのでは?
 
Natumi. 私もドラマはリアタイしてからツイッターを開いたりしてたんですけど、ありがたいことに、「歌が素敵」だとか「声がいい」だとか、「この曲好き」みたいないい反応があって、すごくうれしかったです。

──デビュー曲の「pARTs」もアニメ『境界戦機』のエンディングテーマとして放送されていましたが、放送時間帯からして違うし、あの時とはまた違った反応だったのでは?
 
Natumi. そうですね。『境界戦機』でもありがたい声をいただいてたんですが、今回の『アトムの童』はTBSの「日曜劇場」の枠ということでその分反響もすごく大きかったです。改めて劇中歌を担当させていただいたことはすごく光栄だなと思いました。

──ドラマの中で自分の歌が流れたシーンを見ての感想は?
 
Natumi. どの場面で流れるかというのを知らないまま、ドラマの内容に没入して見ていたんですね。だから聞こえてきた時には「あ、流れた!」と思いました(笑)。レコーディングの時に、どういうシーンで、登場人物がどういう心情の時に使われるものなのかというのを少しお聞きしていたので、4話目は特に、ドラマを盛り上げる要因の一つになれたかなと思いました。
 
──いい場面で、効果的に使われていましたよね。
 
Natumi. 本当にありがたいですね。自分自身、歌い出しの部分にはこだわっていたので、そこが劇中でいい感じに流れたのはすごくうれしかったです。
 
──こだわったというのは?
 
Natumi. 劇中使用バージョンはピアノでしっとりとしたイメージの楽曲なので、出だしの部分は心にスッと入ってくるような、語るような感じを意識しました。それにプラスして、雰囲気と声色を意識して、優しくなりすぎず、ちょっとまっすぐさもあるような歌声を目指して歌いました。
 
──今回配信される「ラストノート -full arrange ver.-」は、劇中使用バージョンとは雰囲気がかなり変わってるんですよね。
 


Natumi. はい、全然違いますね。歌詞は同じですが、「ラストノート」というのは香水の最後の香りということで切ないラブソングなんです。元のバージョンとは全然印象が違うと思うので、聴いていただけたら皆さんがどう感じるのか、ちょっとドキドキして反響が気になってます。

──聴き比べてほしい?
 
Natumi. そうですね。パッと聴いた感じが全然違うものになっているので、ぜひ聴き比べてほしいです。
 
──ボーカルも新しいバージョンのために録り直したんですよね?
 
Natumi. はい、別でレコーディングしました。劇中使用バージョンの方はドラマのストーリーをイメージしてスッと入ってくるような感じを意識して歌いました。私の中では、「-full arrange ver.-」の方がちょっと素直というか、少女のようなイメージの歌い方になっていて、少し明るい感じになっていると思います。
 
──この「-full arrange ver.-」のサビで歌い上げる部分が、本領発揮だなと感じたんですが。
 
Natumi. はい(笑)。後半の方は特に私の得意というか、好きな歌い方で、盛り上げる感じになってます。


父親とは共有できない「好きな香り」って?



──そもそもこの曲に最初に触れた時の印象はどうでしたか?
 
Natumi. 私がこれまであまり接してこなかったタイプの楽曲で、自分がこれまで聴いてきた楽曲よりもちょっとかわいらしいなという印象がありました。試しに録らせてもらった時に、「あ、意外と自分の歌声に合うな」という発見があって、すぐに楽曲のことが好きになりました。
 
──「-full arrange ver.-」の完成版を聴くと、すごくNatumi.さんらしい曲に聞こえるんですが、最初はそういう印象でもなかったんですね。
 
Natumi. ですね。「pARTs」はどちらかというとキレイめというか爽やかな感じだったんですけど、「ラストノート」はしっかりとしたラブソングかつミディアムテンポで、最初はもっとかわいく聞こえて。でも回数を重ねて歌っていくごとに、自分の歌い方だったり楽曲の良さに引っ張られて、ああいう感じに完成できました。
 
──「-full arrange ver.-」と劇中使用バージョンでは楽器の数も音数も対照的ですよね。そもそもご自身としては、フルバンドの中で歌うのとピアノなどシンプルな構成で歌うのでは、どちらが好きですか?
 
Natumi. どっちも好きなんですけど……今回で言うと劇中使用バージョンの方が、自分のやりたかったイメージ、その時にやりたかったことをやり切れたなと思うんですね。特に歌い出しの部分と1番は気に入ってます。自分にとって新しいことに挑戦するきっかけになって、それを自分の中で落とし込んで表現することができました。

──歌詞についてはいかがですか?
 
Natumi. 切ないですよね。でも最終的には、その経験を自分の力にして乗り越えていくという内容になっているので、切ないながらも未来に進んでしっかりと立ち向かっていくという歌詞かなと思っていて。最後の「青すぎた月日を連れて 明日へ向かう」という部分がすごく素敵で、メロディや歌った時の雰囲気がとても気に入っています。
 
──先ほど出たように「ラストノート」は香水の香りにまつわる歌ですが、ご自分ではどんな香りが好きですか?
 
Natumi. 香水は、そんなに香りが強くないものが好きですね。フルーツ系が好きで、青リンゴとかピーチのものなんかを使ってます。今もピーチ系のウッディなものをつけてます。
 
──香りって、記憶と結びつくことがありますよね。この香りを嗅ぐと何かをパッと思い出す、というような者ってありますか? 例えばキンモクセイの香りを嗅ぐと、子供の頃のあの曲がり角を思い出すとか。
 


Natumi. それこそキンモクセイが実家の前に咲いてたんですよ。登下校の時に香っていたので、その頃のことを思い出しますね。ただ、私は自然の香りの中でキンモクセイが一番好きなんですけど、父親が秋花粉がダメで、キンモクセイを嗅ぐと鼻がむずがゆくなるらしくて。だからキンモクセイの香りを嗅ぐと、いつも父のかゆそうな顔が頭をよぎるんです(笑)。
 
──そこは共有できないんですね(笑)。さて、リリースとしては3曲目になりますが、成長は感じられていますか?
 
Natumi. はい。レコーディングでも成長は感じましたし、バラードに挑戦したいという思いがあったので、劇中使用バージョンではそれに近いものに挑戦できたのもよかったです。これまでバラードがちょっと苦手というか、それほど歌ってこなかったんですけど、これをきっかけにチャレンジすることができました。レコーディングでは私自身、納得できる歌い方ができたというか、その時の全力を出せた感じがして、そういった部分ですごく成長できたかなと感じています。一歩一歩確実に進めているかなと。
 
──それがドラマでの露出と相乗効果を生んでいると思いますが、広島から上京してきた時点から見ると、現状についてどう感じていますか?
 
Natumi. すごくいい環境で皆さんに支えていただいて、いいデビューができたと思います。ただ、コロナもあって私の歌う姿を見ていただく機会が少なくて、やっと少し増えてきたところなので、もっと皆さんに聴いていただいて好きになってもらえたらなと思っています。

──今は人前で歌う時はどんな感じですか?
 
Natumi. デビューした頃は本当にすごく緊張していたんですけど……今も緊張はするんですけど、ちょっとずつ慣れてきて、MCの方で逆に緊張してます(笑)。
 
──そうなんですか(笑)。
 
Natumi. 歌い始めると歌に入っていけるんですけど、MCを始める時は逆に緊張して構えちゃって。でも最近は、MCをどういう風にするかとか何をしゃべるかとか、そこも徐々に徐々に、一歩ずつ前進できてるかなと思ってます。まだ課題はあるんですけど、少しずつ成長はできてるかなと。


もしワンマンライブができるなら、歌うのは……



──ワンマンライブもしたいですよね。
 
Natumi. したいです! 今回ドラマで使っていただいて、「その曲は聴いたことあるよ」という方もいらっしゃるかもしれないですけど、まだまだNatumi.としては認知されていないので、もっと認知されてワンマンもしたいなと思ってます。「アーティストになりたい」と思ったきっかけが、広島時代にステージの上から見た景色だったので、そこにはすごく憧れがありますね。
 
──今は持ち曲が3曲ですよね。完全に仮定の話ですが、もし「来月にワンマンライブが決まったよ」となったら、あとは何を歌いますか? もし、10曲ぐらい歌うとしたら。
 
Natumi. えーっ(笑)。あと7曲ですよね……。私の好きなアニソンは入れさせていただくとして、『アトムの童』きっかけで私を知ってくださった方を引き込めるような、歌唱力を伝えられるような歌を歌いたいなと思いますね。歌唱力を見せられるようなものと、ちょっとアップテンポで皆さんと一緒に楽しく盛り上がれるようなものを入れられたらと思います。
 
──やっぱりアニソンは欠かせないんですね(笑)。
 
Natumi. そうですね(笑)。私はアニソンをすごく歌ってきていて、私自身の活動としてアニメに関わっていけたらという思いも変わらずにあるので、「アニソンにもこんな素敵な曲があるんだよ」というのを、微力ながら伝えていければと思いますね。だからアニソンは必ず歌いたいです(笑)。
 
──デビュー曲でアニメのエンディングテーマは歌っていましたが、もっともっとと。
 
Natumi. はい(笑)。もっとたくさん関われたらうれしいです。
 
──それこそアニサマとかにも?
 
Natumi. ああ、アニサマは憧れの舞台です(笑)。
 
──アニメにどんどん関わってアニサマなどにも出演して……となると、やっぱり「ミステリアス」と言われてる場合じゃないのでは(笑)。
 


Natumi. そうですね(笑)。歌ってる時の姿といい意味でギャップを感じてもらえれば。MCになるとミステリアスは保てなさそうなので(笑)。でも「Natumi.」というアーティスト名には「ナチュラルに自分らしく」という意味も込めているので、「あ、しゃべったらこんな人なんだ」という感じに思ってもらって、そこもプラスになればいいかなと思ってます。

──上京して2年ぐらいになるんですよね。東京でもずっとナチュラルでいられていますか?
 
Natumi. どうなんですかね?(笑) 地元の友達からは「東京の女になったね」って言われるんですけど、「えっ、本当~? 中身は変わってないよ!」って言ってますから(笑)。でもそう言われた時は、ちょっと垢抜けられたかなと思って、うれしかったですけど。
 
──ところでデビュー年となった2022年は、自分にとってどんな年でしたか?
 
Natumi. 一歩スタートさせていただけた1年でしたね。デビュー当時は夢のようで実感も湧かなかったんですけど、アーティストとしての意識も少しずつでてきて、MCもすごく緊張してたのが何とか皆さんの前で自分らしさを出せるようになってきて。そういう点でも一歩踏み出せたかなという1年でした。

──そこから2023年はどうしたいですか?
 
Natumi. 2歩目、3歩目ですね。慎重派というか、真面目なので1歩ずつ、1つ1つのことに真摯に向き合って、成長していけたらなと思います。
 
──ピョーン!と飛び出したいわけではないんですね(笑)。
 
Natumi. ピョーン!ってできたらうれしいんですけど、ピョーン!って飛び出して転ぶのもイヤだなと思って(笑)。ちゃんと地に足をつけて頑張っていきたいなと思ってます。
 
──では最後に、改めて今回の「ラストノート -full arrange ver.-」、どう楽しんでほしいですか?
 
Natumi. 劇中使用バージョンでは抜いているところをちょっと強めに歌っていたり、裏に行っているところを引っ張ったりとかしているところがあるので、ぜひ両方を聴き比べてみていただきたいです。皆さんがどちらが好きか、私自身すごく気になるんですけど、「-full arrange ver.-」の方も好きになっていただけたらうれしいです。
 
──ありがとうございました!
 
 
撮影 長谷英史
 
 
「ラストノート -full arrange ver.-」
2023/1/18 デジタルリリース



 

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高崎計三
WRITTEN BY高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。

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