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カラダンス!

マンツーマンで自宅にいながらダンスレッスンできる 「カラダンス!」 とは?   <後編>

2022.11.18
話題
ダンス
インタビュー
今年5月から展開されている子ども向けオンライン・ダンスレッスン「カラダンス!」について、株式会社ハグカム 代表取締役CEOの道村弥生さん と、エイベックスマネジメント株式会社マネジメント本部 アカデミー事業グループ ゼネラルマネージャーの鎌田博さんのお2人に語っていただいている対談の後編をお届けします。今回は実際のレッスン内容やその狙い、そしてこのサービスが今後目指している展開についてお話しいただきました!


必要なのはこれだけ! レッスンを始める準備は楽々!




──実際にレッスンを始めようという時に、必要なものというと?

道村 iPadですね。今はiPhone版もあるんですけど、画面が大きい方がいいので。あとはWi-Fi環境ですね。それから、両手を広げてもぶつからない2畳分ぐらいのスペースがあれば大丈夫です。

──それだけしかいらないという点では、非常に楽ですよね。

道村 そうですね。家にいる時間にできるので、もう本当にパジャマでもいいですし、お母さんは映らないのですっぴんで大丈夫です。送り迎えもないので、本当にレッスンが始まる1~2分前にタブレットを開いて待っていてくれれば先生がアプリ画面に出てきて、あとは先生が進行してくれるという感じになります。

──レッスン時間は、希望の時に予約するという感じなんでしょうか?

道村 そこも我々の「夢中メソッド®」が入っているんですが、時間は毎週何曜日の何時からということで固定してもらっています。習い事って普通そうだと思うんですよね。オンライン上でも都度予約をするのではなくて、◯◯ちゃんの曜日時間のレッスンに対しての先生の予約とかマッチングは全部我々のシステムの方で行っています。



──ああ、そういう形なんですね。

道村 そうすることで、しっかりと子どもたちの生活習慣の中に入れ込んでいくと。ご飯の前にレッスンするのか、お風呂上りにレッスンするのかはご家庭の生活に合わせてもらっていいんですが、何曜日の何時はダンスレッスンだよというのを、その子たちの生活の中に入れていくというのをやってます。そうやって習慣化するのが絶対いいんですね。これはもう勉強でも何でもそうで、幼少期に継続して習慣化するということがすごく大事ですから。

──レッスンの間、親御さんは見てるだけでいいんですか?

道村 見てるだけで大丈夫です。むしろ見ていなくてもいいぐらいです。先生が全て進行とアドバイスを行いますし、もちろん動画教材も用意しているので、もう全部先生に任せていただいて大丈夫です。

──サイトではレッスン動画のサンプルが見られますが、ゲーム要素も入っているんですね。


道村 そこはもう、エイベックスさんのノウハウというかコンテンツ作りの素晴らしさですね。

鎌田 オリジナルで製作しました。今まで、映像コンテンツを使って指導することはそんなになかったので他ではやっていない新しい取り組みでした。今、国内外のオンラインレッスンでは、リアルレッスンで行ったものを撮影してアーカイブにしています。いわゆる通常のレッスンをオンラインで配信してるみたいな形が多いんですよ。

道村 例えば「サイドステップとは何ぞや」ということを説明するだけの動画って、正直面白くないし、一般的にYouTubeに転がってるじゃないですか。でも子どもがどうやったら楽しめるのかというのを、今回のプロジェクトの皆さんで話した時に、いろんなステップとかメニューを、1分半ぐらいの面白いコンテンツに1回落とせばいいんじゃないかという案を出してくれました。それを1回見せれば「サイドステップはこうやるんだ」とか「三日月のポーズはこうだ」ということを子どもがインプットできて、絶対に「これやりたい!」って思うコンテンツにしてくださってるんですよ。それを踏まえた上で、「よし、まねっこしてみよう」ということで、動きを説明するちょっと真面目な動画を一緒に見て、まねっこするという。その流れを作るための導入として大事な映像です。

──なるほど。

道村 いろんなパターンがあるんですよ。「三日月のポーズ」というのをゲームに落としたコンテンツは、逆さまになって文字を読もうみたいなゲームの面白動画になっていて、それを見せると子どもは「よし、この三日月のポーズをやってみよう!」となって、すんなりとその練習にいけると。鎌田さんたちにはすごくご苦労をかけたと思うんですけど(笑)。

鎌田 ですね(笑)。これはもうダンスのレッスンから生まれたものではなく、いかに子どもに楽しんで体を動かしてもらえるかということで、幼児教育やリトミックなど、非常に参考にしてますね。

──それに加えて「シーズンダンス」というものがあると。

道村 これはエイベックスさん側からのアドバイスで、トレーニングするだけだと面白みは子どもには伝わらないと。通常のダンスレッスンでも、最後に「振り入れ」と呼ばれる、1曲振り付けをして完成させるという過程が後半に盛りこまれていて、それがあるからこそ楽しいだろうという話があったので、構成としてはトレーニングする時間と、シーズンダンスで1曲の振り付けを覚えていきましょうというものを考えていただきました。


──そういう20分のレッスンを、週1回、行うわけですね。

道村 はい。今は週1で、今後は週の頻度を増やすコースを出していきたいと思っています。レッスンを受けた後は、次のレッスンまでアプリで動画を見て、復習するという形です。

──講師も募集されているんですよね。その採用の基準というのは?

道村 まず我々目線としては、オンライン上、画面越しでコミュニケーションを取っていただくので、子どもにモテるかどうかというのが第1前提として入ってきます。もちろんダンスの先生なので、ダンスのスキルがあるかというところもチェックをしていくので、その両軸ですね。ダンスのスキルと、人としてのコミュニケーション能力と。

──それは、もともとダンスアカデミーで教えられていた方とは限らないわけなんですね。

鎌田 そうですね。今後より展開していく時に、とにかく教える方を獲得していかなければならないと。まだまだ指導者という部分でいくと、全体的に不足しています。ダンスに限らず、幼児教育に携わってきた方や、スポーツコーチをやってきた方などそういった方で、道村さんが言われたように、子どもにモテる要素を持ってる方ですね。子どもたちにダンスの要素を教えるというのは、決して難しいことではないので、プロダンサーでないとできないものにしてしまうと、逆に広がらないと思ってるんですよ。なので、昔ちょっとかじったことあるよという方とか、部活動で友達がやっていて何となく踊るのが好きな方、それから知識を身につけらているという方たちも、どんどん教えられるようにしていきたいなと思っています。

──よくTVCMで見る、自宅で英会話を教えませんかというものに近いところがありますね。

道村 要はダンススキルさえあれば、別にそれ以外の経験は特に問わず、我々の面接のフローとかで、子どもとちゃんとコミュニケーションできる人だなと思ったら採用して、あとはもうカリキュラムも教え方もこちらでご提供できるシステムがあります。ある意味、ダンス講師経験がなくても先生になれるというコンセプトになっています。

──では現在は生徒だけでなく、講師も絶賛募集中と。それから皆さん気になるのが料金だと思うんですが、今は週1回のコースのみで月額8,900円ということですが。

道村 はい。入会金も教材費もなく、もうそれだけで全て完結するという形になってます。でもダンスの習い事だとグループレッスンが前提になっているので、安いところだと月に5,000~6,000円ぐらいなんですよね。

鎌田 安くて5,000円ですね。エイベックス・ダンスアカデミーのプログラムはだいたい8,000円で、それと同じぐらいにはなっていますが、グループレッスンでの価格です。「カラダンス!」のプログラムはマンツーマンじゃないですか。ダンスのプライベートレッスンを行うことは、まずないんですよ。リアルでやると、1本10,000円ぐらい取られてしまいます。そこを月8,900円で実施するというのは、面白い時間と金額設定の掛け算だなと思っています。

道村 今後に関して、週2回とか3回とかの頻度を高めるコースを作っていくか、一度に複数の生徒でレッスンをするグループレッスンを提供するか、そこは検討中ですね。


将来は「カラダンス!」からスターが誕生!?


──現状、利用されているお子さんは何歳ぐらいが多いんでしょうか?



道村 現在、4歳から12歳を対象にしているんですが、5歳ぐらいの会員登録が多くて、入会する方は6歳~7歳ぐらいが多いかなというのは傾向としてありますね。5歳の登録が多いのは最初に狙った通りで、たぶん小学校に入る前に運動神経とかリズム感を養っておきたいというニーズがあるのかなとは思っています。

──鎌田さんのアカデミーの経験から照らして、子どもたちの反応で意外なものはありましたか?

鎌田 わりと、家でテレビを見ている子という感覚は想像できていたので、テレビの前で好きな歌が流れたり、アニメ番組の歌に合わせて踊ってるような想像はつくんですよね。自分の娘もそうですが。だからものすごく新しい発見ということではないですが、やはりこのニーズはあるなという再確認にはなりました。あとは親御さんたちに、「このレベルでもダンスクラスってあるの?」みたいな認識がまだ浸透してない気がするんですよ。ダンスを習うイコール、レッスンに行くという感覚になってると思うので。アーカイブ映像を見るだけのレッスンはあり、宣伝も盛んにされているんですけど、「映像だけじゃなくて、ちゃんとアドバイスもらいたいな」みたいな。「カラダンス!」は、ちょうどその融合じゃないですか。「こんなのあったんだ!」と思ってもらえるだろうなとは思ってますね。

道村 ダンスと思わずに、もうちょっと前の段階というか。初心者でもと言ってるのはその狙いがあって、運動神経とか体作り、リズム感みたいなキーワードからこのサービスに来てくれるといいなというのは今も思ってます。そこにどうアプローチしていくのかが正直まだ課題ですね。

鎌田 世の中的に、ガッツリじゃなくライトに、とりあえずやってみよう、やらせてみようみたいな空気感があると思うんですよ。そういう時代の流れみたいものにうまくハマると、すごく面白そうだなと思います。

道村 ダンスをやるって、どうしてもガチ勢に限られがちというか、「ヒップホップが踊りたくて……」となりがちですけど、その前の基礎的な運動能力を高めておきたくなる時期の方に、「カラダンス!」の存在に気づいてもらいたいというのはありますね。

──ここで基礎になるものを作って、興味が進めばもっと先もあるよという。

鎌田 そうですね、子どものモチベーションで言うとそういうことになりますし、あと意外と、親御さんの忙しさもけっこう重要な要素なのかなと。働いていて、送り迎えもなかなかできないけど、レッスンの始まる5分前に入ってきてネットを繋いで、20分間それやってる間にご飯の支度もできるし、迎えに行かなくてもいいみたいな。「やらせたいんだけど、やらせてあげられないんだよね」という親御さんたちは、けっこういそうな気がするんですよ。

道村 その需要はありますね。

鎌田 その親御さんたちに、「あ、こういうのあるんだ!」と。でも映像を見せるだけだったらYouTubeと一緒で、YouTubeを見せるのって、親の都合でたまに見せたくないシーンもあるわけですよ。でもそこにちゃんとリアルな先生がいて教えてくれるという。この二つは、忙しい親御さんたちにとってはけっこう目から鱗じゃないかなと思うんですよね。そのあたりにしっかりと情報が届くようになると、「一度試したい」と思うんじゃないかなと。そうやって試してくれた時に、ゲーム性がすごくあるので、そこに子どもが「これ面白い!」となって、これだったらやらせてみようかなとなっていく、この段階かなという感じはしますね。だから忙しい親御さんたちにとにかく知ってほしいですね。



道村 また今回、レッスンの中で使う曲や歌、ウォーミングアップダンスやシーズンダンスなんかも、全部オリジナルで作ってもらったんですよ。一般的には名の知れぬ曲や歌なんですけど、実際の受講生の方は週1回、毎回聞いていると覚えるらしくて、よく口ずさんでくれていますね。そうやって当たり前のように浸透していくのは子どもならではだなって思いますし、先生のことをすごく楽しみにしてるというのも聞きますね。

鎌田 オリジナルで作っているので、そのうちTik Tokなんかでバズっちゃうかもしれないですよね(笑)。何の曲だ?みたいな感じで。

道村 ですよね(笑)。そのコンテンツ作りはさすがだなと思いました。レベルが違うというか、本業だなという感じがしましたね。

──まさにお互いのいいところが融合している感じですね。

道村 いろんな業務提携がありますけど、私個人的には、こんなに両者がガチッと意見を出し合ってやってる業務提携って、実際そんなにないんじゃないかなと思うぐらいなんですよ。普通はどっちかがパワーを持ったりすると思うんですけど、本当に議論をぶつけて「我々のメソッドはこうだ」「でもダンスはこうだ」というのを、いろんな観点で話し合いをしてましたね。

──それだけに、うまい具合に新しいものが出来上がったというか。

道村 20分という時間も、もちろん自信を持ってご提供はしてますけど、実際にやってみたら子どもって15分ぐらいからもうダラダラ、ゴロゴロし始める子もいるので、これは40分とか45分じゃ無理だっただろうなとすごく思いました。それから動画教材でまず引き付けてトレーニングに移していく、動画を見たら子どもが真似して動くという進行方法ですよね。正直、オンラインで話してる先生が動こうが、動画の中の人が動こうが、見ている子どもからすると同じなんだということも、トライアルをいろいろ重ねていって発見したりとか。そのあたりは新しい手法を見出したなということを、いまだに思っています。

──これからの展開としては?

道村 先ほど出たように、コースを増やすかグループの形式を入れるかということ、それからどうやったら多くの人に知ってもらうことができるのかというのは考えていきたいなと思ってます。



鎌田 もともと、我々のスクール事業はエイベックスの中にあるので、最終ゴールは「スター育成」なんですよ。今、日本や韓国にはいい人材が多いので、もう取り合いなんですね。どの層が取り合いになっているかというと、中学生、高校生ぐらいの即戦力的なところなんです。ただ、まだ取り合いになっていない層があって、それが4歳~6歳の、まだまっさらな可能性を秘めた子たちなんですね。これを我々は今、これからハグカムさんと一緒にやることによって、数万人にタッチできる可能性が出てくるわけです。でも、実際に親御さんたちは、「まさかうちの子がスターなんて」って思ってると思うんですよね。それが成長と同時にモチベーションもグラデーションのように色濃くなっていくので、この色濃くなっていく仕組みが僕らの強みだと思ってるんです。だから、全くの初心者、小さい子たちのタッチポイントもあれば、本当にスターを目指して育成していく中高生の子たちのスクールも、両方やっていることが最大の強みだと思っているので、今社内で「人材エコシステム」ということをよく言ってるんですよ。

──「人材エコシステム」ですか。

鎌田 この子どもたちが今スターになって売れることによって、子どもたちのビジネスがより広がっていくみたいな。そういうところでいくと年齢、レベル、モチベーションに合わせたスクール体がいくつもあるというのはすごくいい、未来のスター発掘のタッチポイントになってくるので、いずれはちゃんと繋げて、「いや実は、一番最初にダンスを始めたのは『カラダンス!』だったんです」みたいな、そういう風になってくるような未来図を描いてます。

道村 私たちには、子どもたちの「夢中の力」を信じる、というビジョンがあるんですね。子どもにはいろんな可能性があって、親のできることとか親の知見だけでその可能性を狭めたらもったいないなと。それがオンラインによって、通えないことでもできるようになるとか、今まで出会えなかった先生に出会えるというのは、意外と親も気づけなかった子どもの可能性を広げることになるので、もうウェルカムというか、ぜひそういう子たちが「カラダンス!」から出てくれたらいいなと思いますね。

鎌田 そうなれば理想的ですね。

道村 それから、今は家庭でマンツーマンで展開しているんですけど、新しい取り組みとして、保育園とか学童とかに、このオンラインのシステム自体をそのままご提供するということに取り組んでいます。もともとエイベックスさんも保育園に講師を派遣しているんですが、派遣できるところって限界があるじゃないですか。だったら、学校とか保育園とかに提供して、全国、地方も含めて津々浦々の場所でやることもできるし、通っている先でもダンスレッスンできるよというのを、新しく動いてみようかなと思っています。そこからもまた裾野が広がって、ダンスをやってみようという子が増えたらいいきっかけ作りになりますし。オンラインだからこそ場所を問わず、先生に依存しないというので、ちょっと広い場所にプロジェクターやテレビなどのモニターがあって、iPadを開けば子どもたちがレッスンできると。講師のアサインも全部我々の方でできるので、園も学童も何もタッチしなくてもダンスプログラムが提供できるというのも、同じく動いています。

──ありがとうございました!
 
撮影 長谷英史


子ども向けオンラインダンススクール【カラダンス!】
https://www.karadance.me/

 
高崎計三
WRITTEN BY高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。

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