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【大阪☆春夏秋冬】しゅかしゅん注目の2ndアルバム『BRAVE SOULS』を徹底解説!【ロック?ダンス?!】

2020.07.22
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インタビュー
昨年のミニアルバムに続き、2年ぶりとなるメジャー2ndフルアルバム『BRAVE SOULS』をリリースする、大阪在住の6人組ダンス&ヴォーカルグループ、“しゅかしゅん”こと大阪☆春夏秋冬。よりロック色が強くなった新作について、時間いっぱいに使って語り尽くしていただきました! 6人の溢れる思いを、アルバムのお供にどうぞ!


10曲で30分あまり。「しゃべるテンポに合わせてハイスピードなアルバムになりました!」

──ニューアルバムは昨年のミニアルバム『ガチ上がるハイテンションまで夢じゃないこの現実』よりも「ロック・アルバム!」という感じになってますね。そして全10曲あるのに全体で30分ちょっとというコンパクトさも印象に残りました。

YUNA 前回のミニアルバムと今回のアルバムを合わせてセットリストを作れるようになってるんです。その意味で、ライブを中心としたアルバムになってます。

MAINA あと、メンバーそれぞれが大阪・河内で生まれ育ったので、ほとんどの会話が普通のグループより5倍ぐらい速いんですよ。だからこそ今回、1曲1曲のテンポを速くしてもウソにならないというか。テンポからも「これが大阪☆春夏秋冬だよ」っていうのが伝わったらうれしいなと思いました。



──しゃべりのテンポに曲のテンポを合わせるグループも珍しい(笑)。

一同 (笑)

ANNA でも、一緒やんな。

EON うん。

MANA 既存曲では5分とか7分の曲もあるんですけど、経験として「ライブだと5分の曲は間延び感があるな」とか、「これぐらいの長さがやってて気持ちよさがあるな」っていうのを、プロデューサーのmasasucksさんとさせていただきながら、一緒に研究しながら作っていただきました。

ANNA もちろん、「長いからいい曲」っていうのもいっぱいあると思うんですけど、長ければ必ずいい曲になるというわけでもないじゃないですか。だから今回、1曲1曲の濃さがあるので、「逆にこれ以上あるとしつこいな」って思う部分もあるので、30分ぐらいがちょうどええなって。自粛中に自分たちでアルバムを聴いててもそう感じましたし、それこそ短いからこそ出せる味っていうのもあるなと思います。1分11秒しかない曲もあるんですけど、「えっ、もう終わり!?」という驚きも見せれると思うので、そこもいい意味で裏切れるアルバムになったかなと思います。

──今回、アルバムコンセプトとして「アメリカ西海岸のアンダーグラウンド・カルチャーをふんだんに取り入れたサウンド」と掲げられています。作るにあたってイメージしたアーティストなどはありますか?

YUNA メンバーの方が曲を提供してくださったKEMURIさんのライブに実際に行かせていただいたり、そういうサウンドのバンドを見に行かせていただく機会がすごく多くて。去年はいっぱいフェス行ったよな?

ANNA 確かに、いろいろお邪魔させていただいて。

YUNA やっぱり一人で行くよりメンバーと一緒に行くと、より共感できるものもあったし、お客さんのノリも振り付けに入れたり、そこもけっこう大きかったです。

MAINA それで、「曲を短くしたい」って決めたもんね。「短い曲がほしい!」と思って。パンクとかのバンドを見させていただいて、感じるところは多かったですね。

──確かにああいうライブって、演奏時間はそこまで長くなくてもお客さんは完全燃焼してますよね。

YUNA ロッカーの前でくたびれる感じ(笑)。

MANA あー、いいなあ!

RUNA 好きに音楽を楽しんでほしいって思うんですけど、しゅかしゅんのライブってお客さんの年齢層がすごく広くて家族で来てくださる方もいるんですよね。それは私たちが今まで届けてきた音楽がつなげてきたものもあると思うんですけど、やっぱり一番楽しめる方法で音楽を聴いて楽しんでほしいなと思います。

──それができるアルバムができたということですね。では収録曲について1曲ずつ語っていただければと思うんですが、まずオープニングチューンの「MOVE AROUND」。アルバムの中でも意外にファンクな曲になってますね。しかも全員が入り乱れるラップになってて。

MANA 個人的には、メッチャ苦戦した曲なんです。

──ほう。

MANA 私はセカンドボーカルとして、MAINAの歌い方に合わせて歌うのを練習してきたので、自分を出して歌うというのがほとんど初めてで。それに今までは、リズムかMAINAの息づかいのどっちに合わせるかというと、MAINAの息づかいの方だったんですね。しかも私は滑舌も悪いので、リズムに乗って自分を出しつつ滑舌よく届けていくっていうのが、すごく難しくて。だからこそ、メンバーが入れ替わり立ち替わり入ってくるところはすごく面白いと思います。しゅかしゅんが好きな人はメンバーがやってるから聴いてて楽しいっていうのもあると思うんですけど、ちょっと引いて見るといろんな声がラップでバーッと聞こえてくるのは、飽きへんなと思います。かと思うとMAINAとMANAで軽くメロディに乗るようなラインがあったり、聴いてて全く飽きない曲になってるので、最終的には私自身、すごく好きな曲になりました。早くライブでやりたいし、ライブでCDを越えるパフォーマンスができるように練習してる最中です。



ANNA この曲はANNAが立ち位置と構成と振り付けを担当させてもらったんですけど、初めて聴いたときに「一番遊べる曲やな」って思ったんです。だからとことん遊んでやろうと思って、あえてAメロとBメロはフリーで踊るようにしてるんで、ライブではみんなの動き方やノリ方、身振り手振りが毎回違うと思うんで、それこそ「ザ・ライブ!」な1曲に仕上がると思います。だから早くやりたいし、回数を重ねるごとにどんどん進化していくと思うので、2回目3回目と変化していく私たちも見て、聴いていただきたいです。

EON 仮歌でもらったときには、男性が歌ってたんですよ。それを聴いて「ヤバい! カッコよすぎる! コレを超えられるかな?」って思ったんです。普段はMAINAがメインで歌うんですけど、この曲はメンバー6人でラップするからって最初から言われてたんで、「じゃあ余計にこのカッコよさを超えないといけない」と思って、すごくチャレンジした曲でもあります。出だしでYUNAとRUNAがバツン!って一発飛ばしてくれてるんですけど、そこがカッコよくて! その後も一番パンチあるところをこの2人がやってくれてて。あとで完成バージョンを聴いたときに、「あ、あの仮歌を超えれたな」って自信も出た仕上がりになってます。

MANA しゅかしゅんの新しい可能性がキラッと光る一曲になってます。

ANNA MAINAはいつもと逆でCメロとサビしか歌ってないんで。

RUNA そこで出てくるときのラスボス感がすごいんですよ!

EON ホンマそう!



RUNA ホンマ、番長ですから! それで最後にフェイクしちゃってるんですよ。アレはメッチャいいですから。アレ来たとき、「これは売れますなあ」って思ってしまいました(笑)。

MAINA 当初の予定にはなかったんですけど、「あ、ちょっとフェイク入れていいですか?」ってやったのが「それ、いいやん!」ってなって採用されたんです。


「大阪のオバチャンがワイワイな曲」とは?

──次は「AxMxMxRx to The End」。読み方は「アメムラ・トゥー・ジ・エンド」でいいんですよね?

ANNA 合ってます! これこそこのアルバムの中で一番短い曲なんですよ。1分11秒しかなくて。大阪にあるアメリカ村、アメ村っていう街をイメージしやすい曲になってて、大阪感を漂わせる歌詞がたくさんあったり、その中で「大阪のオバチャン6人がワイワイしゃべってる」みたいなイメージなんです。それが大阪☆春夏秋冬の6人なんですけど、それこそしゃべってるテンポ感で言うと、この曲が一番速いんです。BPMも一番速いし、日頃のリハーサルとか寮でしゃべってるときのテンポ感とかホンマにこのままで、「しゅかしゅんがワイワイしゃべってるのを1分11秒にギュッと詰め込んだ曲」になってます。あっという間やし、ユニバ(USJ)のアトラクションに乗ってる感覚で聴いていただきたいなと。MAINAがリードボーカルで、メロディラインをずっと歌ってくれてるんですけど、合いの手では各メンバーが圧を入れてたり、EONが大阪のオバチャンみ溢れるセリフをガツンと言ってるところがありまして。



EON 「ほんまにな ナメとったらあかんど」って(笑)。

ANNA そういう色合いも含めて、大阪色としゅかしゅん色がバランスよく1分ちょっとに収まってる曲だと思うんで、テンポ感もついていけなくて「何言ってんの?」ってなると思うんですけど、それについてきてほしいなって思います。

EON 私的には一番ライブでやりたい曲です。かけ合いのところはファンの人に全部叫んでほしくて。飛沫も飛沫なんで、今の状況ではとてもできないんですけど(笑)。そういう曲って今までなかったんで、ホンマに一緒に盛り上がって熱くなれる曲やなって思います。

MANA 今までのしゅかしゅんの曲って、エールを送るとか「これを伝えたい」というのが明確にあったんですけど、この曲はどっちかというと「何や、この歌詞は?」みたいな曲なので……

ANNA そう!

MANA ライブハウスで何も考えずに、ただ単にリズムとその場のノリを勢いに任せて、ちょっとバカになって、ただただ楽しんでほしいと思います。

ANNA アルバム全体がそうなんですけど、masasucksさんが歌詞を含めて楽曲に遊びの部分をたくさん組み込んでくださってるんです。そういう部分を、聴いていっぱい見つけていただけたらなって思います。

──これだけ速い曲だと、振りも大変そうですね。

ANNA 今の時点では振り付けはまだなんですけど、RUNAがやってくれる予定なので。

RUNA どないしようかなって思ってます(笑)。

──3曲目はタイトル曲の「Brave Soul」です。正統派ビートロックな一曲でシンガロングも印象的ですね。



RUNA これはすごく私の思い入れがある曲です。私の親友で、プロスケーターの中村貴咲選手に私から手紙を書いて、その手紙を元に作っていただいた曲なんですけど、彼女は高校入試のときからすごくパンチのある子で、「この子、何やってる子なんやろう?」と思ったんです。後々、仲良くなったらスケートボードで世界で活躍してて、「うわ、すごい!」と思って。それから大親友になった大切な子なんですけど、この曲の元になった手紙を書いたとき、「何でRUNAはこの子と一緒に仕事したいなって思ったんかな」って考えたら、他の5人のメンバーと彼女に共通する部分があるなと思ったんですね。どんなときでも味方でいてくれることとか、言葉に説得力があるところとか、どんなときでも自分の足で地面を蹴って進んでいくところとか。「だから貴咲のこともこんなに好きなんやな」と思ったし、ジャンルは違うけどそれぞれのてっぺんを取りたいなと思って。普通に高校で知り合った友達のことを大阪☆春夏秋冬として歌えるのもうれしいですし、ファンの方とかこれから出会う方たちに届けていけるのもすごくうれしいなと思ってるんで、この曲ができたからには、てっぺんの景色を見なアカンし、それを共有していかないとアカンなって、改めて思う曲になりました。



EON メッチャまとまってて、泣きそうになったわ(笑)。ありがとう。

MAINA どんな手紙を書いたか気になるよね。

EON それは気になる!

RUNA けっこう手紙の内容がそのまま入ってるんですよ。仕上がりの歌詞が送られてきたときに、「大丈夫かしら」と思ったぐらいで。

MAINA 貴咲と私たちが似てるって言ってた通り、貴咲に向けて書いた手紙なんだけど、私たちに向けたメッセージでもあるのかなって思ったりもする。

RUNA 手紙を書く前に、「似てる!」って思ったんですよ。好きって思えるところが全部一緒で、それってすごい!と思って。16歳とか17歳で、こんなに大切に思える人に出会えるって、なかなかないじゃないですか。それは自分の中でメッチャ大きいです。

MAINA ラッキーガールですね。

──続いて4曲目、「Start Over」です。

YUNA このアルバムでのギターは1曲を除いて全部masasucksさんが弾いてくださっているんですけど、そのmasaさんのギターで私が一番好きな曲です。Aメロの一音目が高くて、そのキーが個人的に好きで。今までしゅかしゅんの曲ってAメロはそこまで高くなくて、サビでパン!って弾ける曲が多かったんですけど、ここでは一発目の音が高いことがMAINAちゃんの殻を破ったという感じで、そこがすごく好きです。あとギターの音がメッチャいいです。Bメロに入る前の「ギューン!」って音がメッチャ好きです。

──これぞポップ・パンク!という曲ですよね。

YUNA そうなんです! 歌詞も女性が恋愛を含めた経験を経て成長していくストーリーになってるんですけど、この曲を届けるときにすごく「姉妹感」がある曲やなと思って。「メンバー」じゃなくて「姉妹」と思って届けようと思ったんですね。「HAIM」っていうアメリカの三姉妹のバンドを聴いたときにすごくいいグルーブ感をもらって、「この曲でそれをやりたいな」と思いました。いいんですよ、この曲は! 最後の終わり方とかも新しいよね。

一同 うん!

ANNA ロックには向かってるんですけど、そんなに重くなくて聴きやすいし、それこそ今回のアルバムで幅を利かせられてる曲になってるんかなと思いました。しかも全部英詞で、そこもMAINAにとっては新しい挑戦やったかなって思います。発音もアメリカ人の方がひと単語ひと単語指導して、自然な英語に仕上げていただいてるんですね。仮音源の段階でネイティブの方に聴いてもらったらしいんですけど、「日本人が歌ってたんだ!」って言ってくださったぐらい、MAINAの英語がキレイだったみたいで、日本だけじゃなくてグローバルにこの曲が浸透していったらいいなって思います。



YUNA アルバムで聴くと、ポップさはあるけど意外とコアなんですよね。ポップさでは「SUNSHINE LOVE」とか「Brave Soul」の方が上かなっていうぐらい。

RUNA 色がちょっと違うよね。

MAINA 分かる! ちょっとマイナーな感じに聞こえるよね。失恋ソングだからなのか、アップテンポやけど切なさを感じるというか。

MANA 普段はMAINAの主線のメロディが送られてきて、私たちのコーラスは「考えてきて」とか「こうするから覚えてきてね」という形だったんですけど、この曲はレコーディングスタジオで「じゃあここちょっとハモってみようか」とかやりとりしながら、その場で作っていったんですね。その感じがすごく新鮮でうれしかったし、「ああ、みんなで音楽を作ってるな」っていうのをすごく実感できた曲でした。

──実際、英詞はいかがでしたか?

MAINA 念願ではあったんですよ。4~5年前にレインボーの「キル・ザ・キング」をカバーして歌ってたんですけど、「いつかカバーじゃなくて英語の曲を出したいね」って言ってたのが5年後に叶って。ディレクターの方とは、去年のミニアルバムのときから「MAINA、英詞はどうなの?」っていうやりとりはしてて、「いや、全然アリやし挑戦してみたいです」って言ってたんですね。それで今回のアルバムでは10曲中2曲が英詞なんで、メッチャうれしかったです。YUNAが言ってくれたようにメッチャはまって、洋楽な感じが出せたのは、私の声質もあったんやろうなと思います。

YUNA MAINAちゃんの声にパンチがあるからこそ、合う曲やなと思いますね。


ライブでの定番曲が再録で「100点満点から200点に」!

──次は「BABY CRAZY (Re-recording ver.)」。今回、再録バージョンが2曲入っていますが、これはライブの定番としてということですよね。原曲のよさもありつつ、今回のアルバムにもアレンジ的にすごくなじんでいるように聞こえました。

ANNA 「BABY CRAZY」も「Let you fly」も、私たちがこの曲に育てられてきたし、自分たちも曲を育ててきたと思うんですよね。月日が経った今やからこそ、私たちも楽曲も、少し大人になったところが出せたんじゃないかなというのを、すごく感じますね。今やからこそ出せる自分たちもあるし、今やからこそ歪んでる音が自分たちに合ってたりするんで。今まで歌ってたバージョンも100点満点やけど、今回200点になった、っていうイメージです。



MANA 新譜が出たら、ライブではそっちの曲の方がどうしても多くなるじゃないですか。新作の新しい方向性というのも私たちがやりたいことなんですけど、これは今まで歌い続けてきた曲を今の私たちに合わせて作り直したからこそ、これからもより歌い続けたい曲になったなと思います。

YUNA プロデューサーがmasasucksさんになってから、自分たちの今までの持ち曲の中で録り直したい曲のランキングを決めたんですね。そのときに上位に来たのが今回の2曲やったので、自分たちからお願いしました。聴き直しても分かりやすいし、もし今後ベスト盤が出るときがあったら、そのときにもまた録り直したいなと思いますね。

ANNA 私は個人的に、管楽器の音がすごく好きなんですよ。自分たちの曲以外でも管楽器を使った曲をよく聴くんですけど、今回はいい歪み具合が出てるんですよ! スルメ楽曲じゃないですけど、何回も何回も聴いて、リズムとかメロディだけじゃなくて楽器のよさを感じてもらえたらなと思います。加工されてない、ホントに人の息で吹いてることが分かるリアルさがあるので。

EON 大阪☆春夏秋冬が他のグループと違うのは、ある曲は誰かがマイクを持ってなかったり、ある曲はMAINAとMANAしか歌ってなかったりとか、逆にある曲は全員で歌ってたりというのがあって、ライブのときに音響さんがバランスを取るのがすごく大変なグループだと思うんですよね。それだけでも大変やのに、avexに入ってからの曲とそれ以前の曲のバランスが違いすぎて、「BABY CRAZY」も「Let you fly」も、やりたいけど「ここに入れるとバランスが取れへんな」ということで外したこともあったんで、再レコーディングさせてほしいってみんなで出したのもあったんですね。今回このアルバムに入れさせてもらうことで、前作と2作でセットリストが組めるようになったのは、この2曲の存在が大きいと思います。



──次は「mellow mellow」ですが……KEMURIの津田紀昭さん作曲で、イントロから「スカコアきた!」とうれしくなりました(笑)。

一同 わぁ!(拍手)

MANA この曲は、いつの間にか自分の中にずっといる曲だなと私は思ってて。アルバムを通して聴いたときに、一番印象に残る曲というわけではないんです。でも、聴いてるうちにいつの間にか頭の中に流れてたりとか、無意識に口ずさんでて頭から離れないのは、実はこの曲なんですね。知らん間に自分の深いところに入ってきて、ずっと存在感を放ってくれる曲ってなかなかないなと思うので、そこが新鮮な感覚ですし、そういう部分が魅力的な曲だなと思います。

YUNA この曲のAメロBメロはYUNAとANNAちゃんでチームに分かれてて、サビはANNAちゃんがハモりはMAINAちゃんメインなんですけど、レコーディングのときにそのサビのインパクトが「あ、メッチャカッコいい!」ってなった曲なんです。バンドで言ったら、ステージにいる何人かの楽器とボーカルが同じパンチで走っていくみたいな感覚が個人的にほしかったので。

MAINA この曲はYUNAが振り付けで、スカダンスが入ってるんですよ。そこがポイントです。

YUNA やってほしいですね。

ANNA 歌詞も、ちょっと大人なんですよ。

YUNA 女性の方が書いてくださってて。

RUNA ちょっとエッチなんですよ!

ANNA そう、しゅかしゅんは今までそんなのなかったから。別にパフォーマンスの中でエッチな何かがあるというわけではないんですけど(一同笑)、大人な部分を感じていただけたらと思います。

MANA 歌詞もメロディも全部が魅惑的な曲だなと感じます。

RUNA でも実は裏テーマがあるんですよね。

MAINA てっきり不倫の歌かと思ったら……的な。

ANNA そこもちょっと考えてもらえるといいかなと思います。

──次は「太陽と月とピザ」ですね。バラード調ではありますが、「ロック・アルバムの中のバラード」という雰囲気ですね。



MAINA アヴリル・ラヴィーンを意識してるんですよ。それで余計にロック・バラードという感じになってると思います。

MANA アルバム全体に言えることなんですけど……作ってるときは意識もしてなかったんですけど、コロナでこういうことになって、人と会うのが簡単じゃなくなったじゃないですか。近くにいるのに会えなかったり、距離的な問題で会えなかったり。そういう人との心の距離をすごく感じるときにこの曲を出せたのは、偶然やけどすごいタイミングやなと思って。皆さんの気持ちを代弁できるという意味では、自粛期間に曲を出せることは悪いことばっかりじゃないと思わせてくれる曲でした。

RUNA この曲は遠距離恋愛の歌なんですけど、遠距離恋愛にもいろいろ形があるじゃないですか。例えば月に1回しか会えない人たちのバイバイでも、次に会う約束ができてる人たちのバイバイと、次いつ会えるか分からへん人たちのバイバイって、たぶん違いますよね。私はこの曲は、次に会う約束ができてるバイバイの曲やと思ってて。2月末に「劇団☆春夏秋冬」で舞台をやらせていただいたときにカーテンコールにも使わせてもらった曲で、その舞台は6人で大阪城ホールのステージに立つっていうストーリーだったんですけど、それも、実際私たちは絶対に大阪城ホールに立ちたいし、そこで会いましょうっていう約束……今こんな状況で、次にいつ会えるか分からないけど、絶対会おうっていう約束が個人的に感じられる曲で。だからすごく好きです。

ANNA YouTubeに「Brave Soul」とこの曲のMVが上がってるんですけど、静岡から大阪のあべのハルカスまで6人で自転車で爆走したんですね。その撮影で、私の中ではこの曲の感じ方が変わったんです。撮影以前は、RUNAが言ってくれたように遠距離恋愛だったり、自分と誰か、2人の関係性を歌った曲やなと思ってたんですけど、過酷な撮影を経て、大阪☆春夏秋冬のメンバー6人の関係性を歌った曲にも感じられるようになって。歌詞には「2人」って入ってるんですけど、自分が月で、他の5人の太陽に照らされてる部分もあるなって思うし、その逆もしかりなんかなと思うとさらにエモくて。MV撮影をしたことでそういう、新たに感じられる部分がありましたね。

MANA この曲の歌詞ですごく好きな部分があるんです。サビの「もっと近すぎたいよって/わがままの先にある/Corner of mind/2 人の出会った場所」っていうところなんですけど。「わがままの先」っていうと遠いイメージがあるけど、でもそこにあるのは自分の一番近いところ、自分の中にある思いやったりするんですよね。「ああ、そうやんな」って思って。そういうところも聴いてみてほしいです。

EON 今までの曲の中では、バラードっていうと感情がズシーン!って来るような深めのバラードばっかりやったんで、こういうミドルバラードは新たな挑戦やなという気がしてます。振りも入れてパフォーマンスすることで、新たにしゅかしゅんが成長できる曲やなと思いました。


「こんなにいいアルバムができた」ことをもっともっと知ってもらえる活動を!

──8曲目は「Get up for your right」です。

MAINA この曲は、ア●ドルに中指を立ててる曲なんですよ。YUNAのシャウトから始まるんですけど、あの低いシャウトは全員でひと通り試したんですよ。それで結局YUNAのが一番ハマって採用になって。意外とテンポも速いし短くて、ライブではモッシュやダイブができる曲ですよね。この曲だけ聴いたら、絶対「ダンス&ボーカル・グループ」とは思えないと思うんですよ。

──サウンド的にもハードコアですよね。

MAINA ですよね。この曲に合わせて、「私たちも今の世界を飛び越えて、もっともっと行ってやるんやぞ!」という思いを込めて歌って……「歌ってる」んじゃないな、何やろ?

ANNA 「叫んでる」? シャウトしてるよね。

MAINA そうそう。そういう思いを込めてレコーディングさせていただきました。

YUNA あのシャウトはいつどんなときでも出る声なんですけど……。

MAINA 発声練習しなくても出るもんな。

YUNA そうそう(笑)。いつの間にか出るようになったキーなんですけど、ただ叫ぶだけではシャウトにならないから勉強のためにいろいろ見た中で、HALESTORMのボーカルが「かっけぇ!」と思って参考にさせてもらいました。



RUNA 私たちって、他のグループと違っててしゅかしゅんらしい形があるからこそ難しい部分もたくさんあると思うんですけど、自粛中にMAINAちゃんが「キャッチコピーを考えた」って言ってて。それが「時代に逆らうパンクグループ」だったんですね。私たちもそういう思いがあって、それが一番出てる曲だなと思います。

MAINA フェイクじゃないものを世に届けたいんですよね。

ANNA 大阪☆春夏秋冬って、聴く人に元気を与える曲、「皆さんの背中を押します!」「応援します!」って曲が多かったと思うんですけど、こんな感じで直接的に挑発するような曲は今回初めてなんですよね。それこそ人生っていいことばっかりじゃないから、いいところも見せるし、うちに秘めてる激しいものもガチで見せる、さらけ出せる楽曲かなと思いますね。

YUNA レコーディング中も完全にアングリーな気持ちでやってましたし、それこそライブでもそういうものをぶつけてほしいです。そういう感情がよりどころになることもあるじゃないですか。お客さんも全部さらけ出してほしいですね。

──次は、これも再録の「Let you fly (Re-recording ver.)」ですね。

RUNA 「大阪☆春夏秋冬」という名前を一番最初に広めてくれた曲ですね。ホンマに何も知られてない私たちがフェスに出て、いつの間にかこの曲はみんなが歌えるようになってて。しゅかしゅんのことを知らん人ばっかりやったフェスが、何年か経ったら一番ステージに立ってるグループになってたりする場所を作ってくれた曲で、私たちにとってもまた時代を続けていける曲やなっていうのをすごく感じてます。さっきMANAちゃんも「BABY CRAZY」のときに言ってくれてたんですけど、再レコーディングしたことで、より歌い続けていける曲になりました。

YUNA 正直、私の中でこの曲のピークって3~4年前だったんですね。ライブの中で、誰もが知ってる、誰もが歌ってくれてる状態の曲やと自分たちで思ってたけど、時代が変わっていってファンの方も入れ替わる中で、「あれ、前はこの曲で掴めてた感覚が、何か掴めへんな」ってなって、1年ぐらい全然やらなかった時期もあったんです。でも、そこで引いてるのも違うし、ずっと大切にしてきた曲やからこそ、もう1回、「誰もが歌える曲」にしていきたいなと思ったんです。

ANNA それこそ、サビの歌詞に「歌い続ける僕らの唄」っていう歌詞があるんですけど、最初にリリースしたときは5年も6年も歌い続けられると思ってなかったんですよ。それを現実にできてるし、今回再レコーディングしたことでまた5年とか歌い続けていけるんかなって思うと、いろんなものが膨らむんですよね。今回、構成もちょっと変わってるんですよ。悩んだ時期もあるけど、そういう風に時代によっていろんな形に変わっていってもいいと思うし、そうやってこの曲を歌い続けていきたいし、歌い続けられる曲になったらいいなって思います。

MANA この曲が知ってもらえてたときに、逆にこの曲しか知らないっていう人も多かったんですよ。メンバーにも変なプライドがあって、この曲に頼りすぎたくないという思いから「他にもいい曲があるから知ってほしい」って、わざと外したりした時期もあったんですね。でも今振り返ってみると、そういう時期とかも「プライドが邪魔なの?」とか「笑顔の下には傷つくの恐れて/カッコつけてるお前」とかの歌詞とすごくリンクする部分があって。偶然なんですけどね。そういうことがあって、いろんな時期があっての今とこれからを新しく作っていけたらという願いがこもってます。

──いよいよラスト、「SUNSHINE LOVE」です。これは大阪のインディーズバンド「SUNSHINE DUB」のカバーだそうですが。

MAINA 愛の意味を歌った曲なんですけど、英語だからこそ古臭く聞こえないところがメッチャカッコいいなと思って。常に癒やされる曲やし、この曲を聴いたら人とのぬくもりを感じられるんですね。「あの人にお世話になったなあ」とか、「メンバーからの愛を感じるなあ」とか。いろんな人への愛の形を表現して歌ったのがこの曲なので、今回レコーディングさせていただきました。レゲエ・ロックな曲調も大阪☆春夏秋冬には少なかったので、いいなと。大阪のスタジオクーパーだったんですけど、いろんなバンドマンの方が遊びに来てくださってて、この曲を録る日にある方から「俺、今日パパになるんだよね」って言われたんですね。「ええーっ、超・愛溢れてる!」と思ってその気持ちのままレコーディングさせてもらったので、3テイクぐらいで終わりました。英語でしたけど、歌いやすかったです。



MANA この曲は私が振り付けと構成をさせていただいたんですけど、「愛って何なんやろ?」「愛ってどこから来るんやろ?」っていうのは簡単な疑問でもあるし、フッと思うこともあれば真剣に考えることもあるなってすごく思ってて。それって答えも人それぞれやと思うし、永遠の「?」やないですか。振り付けにあたって、「そういうのをいつ考えるかな」と思ったときに、日曜の朝早く起きて庭のデッキチェアに寝転びながら考えてる光景が浮かんだんですね。そんなイメージで、気楽に、みんなに幸せなほっこりした気持ちが届くようにという思いで振り付けさせていただきました。

ANNA 音楽って正解がないものじゃないですか。落ち込んでるときでも、テンションが高いときでも、それこそ何かの作業をしながらでもなじむ曲やし、生活の一部になれるっていうのも、正解の一つなんじゃないかなと思うんですよね。そう考えると、この曲って一番どの場面でもなじむ曲なんで、これはANNAの希望なんですけど、皆さんにとってもそういう曲になってほしいなと思います。

YUNA 大阪のバンドさんなので、それをカバーさせてもらったことがすごくうれしいし、先行配信が始まったときにSUNSHINE DUBのファンの方からの反応がすごくよかったんです。女性が歌ってるしアレンジも全然違うと思うんですけど、ご本人からも「コラボしようよ」って声をかけていただいてたり、また違う広がり方がある曲やなと思います。

MAINA バンドマンの方からも「聴いたで! メッチャよかった!」って言っていただけたりしてるのがすごくうれしいですね。私たちがカバーさせていただけるのもホンマに光栄なので、大切に歌わせていただきたいと思ってます。

──というわけで、全曲についてガッチリ聞かせていただき、ありがとうございます! では最後に、これからどうしたいかをお一人ずつお願いします。

YUNA 今、このライブもなかなかできない状況下でリリースができるのもうれしいですし、とにかく今はこのアルバムを聴いていただきたいです。そして、「こんなにいいアルバムができた」っていうことをもっともっと自分たちで引き出していけるような活動をしていきたいなと思います。

RUNA 今この状況で、こうして取材していただいたり、ライブを待っていてくださったり、私たちのためにすごくいろいろ働いてくださっている方々に、私たちの活動やライブを通して、感謝を届けていけたらなって思います。

EON 大阪☆春夏秋冬がホントにバーン!って売れることをファンの人たちは願ってくれてるので、「今まで応援してくれてたことは間違ってなかったんだよ」って言えるぐらい売れたいですね。今は「大阪☆春夏秋冬って誰やねん?」って言われてると思うんですけど、「ほら見てみろ」って言ってほしいので、頑張らせていただきたいと思います。

ANNA 音楽全体の時代の移り変わりも激しい中、音楽だけじゃなくて世界的に時代の流れが大きく変わるな、生活様式とかも変わるんやなっていう状況じゃないですか。大阪☆春夏秋冬の曲とかパフォーマンスの仕方っていうのは時代に逆らっていくような形なんですけど、そのスタイルは変えないで、配信ライブとか新しい時代に沿った伝え方を取り入れることで、ファンの方にもっともっと寄り添えるような、遠く離れていても近くに感じてもらえるような活動をしていけたらなと思います。

MAINA 世の中が変わっていく中で、大阪☆春夏秋冬も自分たちでMV撮って自分たちで振り付けして……ってやってるんですけど、これからももっともっと自分たちでできる何かを探していって、皆さんにこのアルバムを届けられたらなって思います。

MANA 聴いてくださっている皆さんの日常も楽しみが減っている中で、ちょっとでも楽しいとか、何らか気持ちのスパイスになるものを届けていければと思うし、そのために今できることは何でもしたいなって思いますね。

──そして少しでも早く、またライブができるようになるといいですよね。ありがとうございました!


撮影 長谷英史

NEW ALBUM
『BRAVE SOULS』
2020年7月29日(水)発売




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高崎計三
WRITTEN BY高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。

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