COLUMNコラム

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広津崇亮、ニッポン放送・増山さやかアナウンサー、天野ひろゆき(キャイ~ン)、倖田來未、ピコ太郎、木山裕策

【ELT、倖田來未、ピコ太郎 etc.出演】LIVE EMPOWER CHILDREN 2020レポート!

2020.02.25
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2月15日、東京・東京国際フォーラム ホールAでライブイベント「LIVE EMPOWER CHILDREN 2020」が開催されました。
これは、一般社団法人「Empower Children」(エンパワー・チルドレン)と朝日新聞社が共同で主催した小児がんの子どもたちを音楽で元気づけるためのチャリティーイベントです。
 
一般社団法人「Empower Children」理事 保屋松靖人氏とmoumoon YUKAさんの対談はこちら
https://avexnet.jp/column/detail.php?id=1000346
 
当日はEvery Little Thingや倖田來未、ピコ太郎ら、11組のアーティストがライブを行い、その収益金は全額、小児がん患者や治療充実のための支援、小児がんの啓発を行うチャリティー基金に当てられ、ライブの模様は国立生育医療研究センターにてパブリックビューイングとして中継され、会場に来られない小児がん患者やそのご家族の方にも楽しんでいただきました。

また東京国際フォーラム ホールAのロビーには多くの小児がんや子どもの難病の支援団体がブースを出展。その活動のPRを行い、イベント開演前には多くの人たちが足を止め、彼らの説明に熱心に耳を傾けていました。



「一般社団法人 旭くん光のプロジェクト」では、脳腫瘍のため16歳で亡くなった作曲家・加藤旭くんの楽曲CDを販売したり、プロの音楽家や同級生らによるコンサートを企画するなど、旭くんの「音楽」を広める活動、彼の音楽や生き方を「教育」につなげる活動、そして「医療」につなげる活動、を3本柱に活動しています。

【旭くん光のプロジェクト】
https://hikarino-project.com/



「特定非営利活動法人 シャイン・オン・キッズ」は、小児がんなどの重い病気と闘う子ども達とその家族のケアを目的としてファシリティドッグ・プログラムを展開しています。
特別な訓練を受けた犬“ファシリティドッグ”と看護資格を有し、ファシリティドッグを扱う訓練を受けた専門職であるハンドラーがペアを組み、病院に常勤しています。
2010年から取り組みを始め、現在、3つの子ども病院でプログラムを展開しています。

【シャイン・オン!キッズ】
http://sokids.org/ja/
 


「ラベンダーリング」は電通と資生堂などから有志が集まり運営するプロジェクト。肺がんを患った電通社員が発起人となり、がん患者に対する偏見や誤った認識を新たにする施策の数々を行っています。中でも特徴的なのが「MAKEUP & PHOTOS WITH SMILES」。がん患者に資生堂のメイクアップアーティストがメイクを施し、ヘアをセット。その姿を資生堂のフォトグラファーが撮影し、最終的に世界に一枚のポスターとして仕上げます。ポスターは、イベント、公共施設や病院などに掲出することで“がん患者が前向きに生きる姿を広く発信しています。今回のライブでは、エントランスに小児がん患者のポスターを掲出していました。

【LAVENDER RING】
http://lavender-ring.com/
 


「特定非営利活動法人 日本小児がん研究グループ(JCCG)」は小児がんの治療・研究の専門家のグループです。日本の小児がんの発症例は年間2500件と、大人のがんに比べて圧倒的に少なく、半面その症例の種類は多いため、日本全体でまとまった治療研究を行う必要があります。そこで「日本小児がん研究グループ」では全国の小児がん専門医を束ねて、オールジャパン体制で、中央診断体制を確立し、標準的な治療法の開発最新の治療法の研究を行っています。JCCGは、小児がん患者さんのために最良の治療法を開発することを使命としています。

【特定非営利活動法人 日本小児がん研究グループ】
http://jccg.jp/
 


「特定非営利法人 CICI治験情報コム」は日本で行われている、がんの治験情報を検索できるWebサービス「CICIチャンネル」を運営する団体です。「特定非営利法人 CICI治験情報コム」は、世界最大のアメリカの治験情報サイト「ClinicalTrials.go」に登録されている情報の中から、日本で行われている最新のがん治験をがんの病種ごとにリンクで繋いでいます。
より良い治療法の確立や様々な選択肢を持つための情報収集のお手伝いの場(ホームページ)を提供しています。

【CICI治験情報】
https://chiken.info/



「認定NPO法人 ゴールドリボン・ネットワーク」では世界的な小児がん啓発のシンボルマークである『ゴールドリボン』を掲げて、小児がん患児・経験者の生活の質の向上のための支援(具体例:小児がん経験者の大学生への給付型奨学金の支給、遠方での治療のための交通費や宿泊費の助成等)、小児がんを治る病気にという想いでの治療研究助成、小児がんの情報提供と理解の促進の3つを柱に活動しています。これらの活動は寄付や会員の会費等個人や企業等のサポーターからの支援によるものです。

【認定NPO法人 ゴールドリボン・ネットワーク】
http://www.goldribbon.jp/
 


1968年に小児がんで子どもを亡くした親が立ち上げた会で、50年以上小児がんに関する支援を行っている小児がん親の会です。主に、療養にかかる費用の援助、小児がんに関するあらゆる相談を受ける相談事業、医療発展のための研究助成などを行うとともに、遠方にから治療する患者の家族のための宿泊施設を含めた総合支援施設の運営、また、小児がん支援のシンボルであるゴールドリボンを掲げたゴールドリボンの推進活動などを行っています。

【がんの子どもを守る会】
http://www.ccaj-found.or.jp/



「アフラックは日本で初めてがん保険をお届けした保険会社として、がんと闘い、がんと向き合う多くの人々を応援するために、社員やアソシエイツ(保険販売代理店)とともにさまざまな社会貢献活動に取り組んでいます。そのなかでも特に小児がんと闘う子どもたち・そのご家族への支援には力を入れ、長年取り組んできました。」とのこと。そんなアフラックのブースでは、小児がんの子どもたちの絵画や作文などの作品が展示されるとともに、小児がんの子どもたちを応援するために開発したアヒル型ロボット「My Special Aflac Duck」が展示され、来場者は自由に触れ合って体験することができました。
 
【アフラック生命保険】
https://www.aflac.co.jp/
 
「LIVE EMPOWER CHILDREN 2020」本編は、シンガーソングライター・岩越涼⼤のオープニングアクトで幕を開けました。彼が「fly」でその声をホールいっぱいに響かせると、その後はMCを務めた天野ひろゆき(キャイ~ン)とニッポン放送・増山さやかアナウンサーの進行のもと、バラエティ豊かなアーティストが登場します。

LDH所属のボーカルグループ・DEEP SQUADが「このイベントががんの早期発見のきっかけになれば」とのMCとともに美しいハーモニーを聴かせました。



ピコ太郎は新曲「I'm standing」などを披露したのち、マイメロディとアフラック・ダックの着ぐるみを従えて「PPAP ライブエンパワーVer.」をパフォーマンス。客席も巻き込んで、あのユニークなダンスを繰り広げていました。



煽り映像にその名前が映し出されるや、ホール中から黄色い声援を集めたDa-iCEは、大野雄大の足首の負傷というアクシデントのため、1曲目は全員が椅子に腰掛けながらフォーキーな「この曲のせい」を歌い上げながらも、続くダンサブルな「YOU&I」ではオーディエンスとコール&レスポンス。陽性なステージングで客席を盛り上げました。

そしてがんを患った経験を持つ木山裕策が登場。世界対がんデーのキャンペーンソング「幸せはここに」と、大ヒット曲「home」とメロウな2曲を優しく届けます。
アコースティックギター弾き語りスタイルで「サムデイスマイル」を歌った尾崎裕哉は、このイベントが国立成育医療研究センターに入院する小児がん患者のために中継されていることに触れて「このライブの楽しい気持ちが伝わればいいな」とひと言。そして父・尾崎豊の代表曲「I LOVE YOU」をカバーして、客席から万雷の拍手を集めていました。その尾崎のプレイを受けて「よかったね、尾崎のライブ」「先輩として負けないようにしないと」と笑った新羅慎⼆(若旦那)は「小児がんの子たちを応援するために愛の歌を歌います」と「純恋歌」「応援歌」と湘南乃風ナンバーをアコースティックギター1本でセルフカバー。ときに涙ぐみながら熱く“愛の歌”を歌い上げました。



さらにmoumoonは先述の加藤旭くんとコラボレーション。旭くんの楽曲「にじ」を補作曲し、さらに歌詞を乗せた上で、プロの弦楽カルテットとピアニスト、そしてキーボードとギターとソプラノリコーダーを担当する旭くんの同級生とパフォーマンスする、この日限りのスペシャルステージを展開しました。
バンドセットにお色直ししたmoumooonが「うつくしい人」を披露したのちに登場したのは、サンプラザ中野くんです。盟友・パッパラー河合(G)を引き連れた彼は、TV番組『進め!電波少年』内の「猿岩石ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」の応援歌「旅人よ ~The Longest Journey」と、代表曲「Runner(平成30年Ver.)」と爆風スランプのヒット曲を立て続けにパフォーマンスしました。
 


「どんな辛いことがあっても 明るい未来がそこにあるから」と、まさにこのイベントにピッタリのメッセージを持つ楽曲「WIND」で自身のステージをキックしたのは倖田來未。彼女は自身のモノマネをするやしろ優のモノマネで笑いを誘うと、ヒップホップ仕立ての「You're So Beautiful」でオーディエンスを踊らせました。



そして大トリを飾ったのは、Every Little Thing。「Dear My Friend」を披露すると、持田香織(Vo)は「このイベントがずっと続いていくように、自分自身も歌い続けていく」と「LIVE EMPOWER CHILDREN 2020」に賭ける思いを語り、まさにここから「EMPOWER CHILDREN」の取り組みが始まることを予告するかのように「START」を歌い上げて、ステージをあとにしました。
 


その後、天野と増山の声に応えてステージに再登場した全出演者は、USA For Africa「We Are The World」のカバーでこのイベントを締めくくります。「We Are The World」はアフリカの飢餓と貧困の解消のためのキャンペーンソング。マイケルジャクソンやスティーヴィー・ワンダー、ティナ・ターナー、ボブ・ディラン、レイ・チャールズら、米国を代表するアーティストがマイクリレーしていく楽曲で、今回披露されたのはその「LIVE EMPOWER CHILDREN」版。名だたるアーティスト11組が、小児がん支援のために声を揃えて、大きな歓声を集めていました。

小児がんの子どもたちを音楽で元気づけるという趣旨のため、セットリストも心が元気になる曲ばかりで、前向きで温かい気持ちになるイベントでした。開催日の2月15日は国際小児がんデーということで、今後も毎年開催できるよう期待します。


【一般社団法人 Empower Children(エンパワー・チルドレン)】
https://empower-children.jp/
 


 
成松哲
WRITTEN BY成松哲
1974年、大分県生まれ。フリーライターから音楽ナタリー編集部を経て、再びフリーライター。著書に『バンド臨終図巻』(共著。河出書房新社/文春文庫)など。
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