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話題のシンガーソングライターMiyuu ー謎に包まれた素顔と音楽のルーツに迫る!

2019.07.17
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インタビュー
YouTubeで「洋楽×京都」をコンセプトにした動画が話題となり、「avex×UUUM YouTuber女子オーディション」を経てデビューを果たしたMiyuuさん。5月には下北沢で初のワンマンライブも成功させ、このたび2ndミニアルバム『HERE COMES THE SOUND!』をリリース。8月には2度目のワンマンも控える彼女に、作品のこと、これまでの音楽的ルーツのことなど、根掘り葉掘り聞いてみました!



『HERE COMES THE SOUND!』は、いろんなサウンドが楽しめるミニアルバム



──まずは何よりも、発売になったばかりのミニアルバム『HERE COMES THE SOUND!』について伺いたいと思います。全体としては、どんな作品に仕上がりましたか?

Miyuu 今回は、1曲目からロックな感じで飛ばしてます。今まではどちらかというと、家でアコースティックギターを弾きながら曲を作ることが多くて、アコギメインの曲が多かったんですけど、今回は1曲目も2曲目もエレキギターから始まっていて、ロックな感じで始まると思いきや、中盤ではアコギメインの曲があって、ピアノで作っていただいた曲もあるので、いろんなサウンドが楽しめるミニアルバムになったと思います。

──では『HERE COMES THE SOUND!』というタイトルにも、いろんな音を楽しんでほしいという気持ちが込められているわけですか?

Miyuu そうですね、いい意味でまとまりがないアルバムになっているので、「とりあえず聴いてください!」っていう意味で。それとこのタイトルに関しては、私はマイ・ケミカル・ロマンス(アメリカのロックバンド。2013年に解散)が大好きで、前のミニアルバムもマイケミの歌詞から「COME ONE,COME ALL」というフレーズを引用してつけました。今回もマイケミの歌詞からインスパイアしてタイトルにしました。

──あ、そうなんですね。では収録曲を1曲目から順番に解説していただけますか?

Miyuu 1曲目の「Exceed」は、「FAIRY TAIL」というアニメのエンディングテーマというお話をいただいてから書きました。「FAIRY TAIL」は知ってはいたんですけど、作品をちゃんと読んだことがなかったんですね。それで昨年末にお話をいただいて、「これは作品を知らずに書いたら失礼なことになってしまうぞ」と思って、愛媛のおばあちゃんの家に帰省した時に漫画喫茶でずーっと単行本を読み漁って、アニメも一通り見てから書きました。「絆」をテーマに、主人公と相棒の絆を曲で表現したいなと思って、アニメの中でも出てくる「Exceed」っていう言葉をタイトルにしました。「Exceed」には「限界を超える」という意味があって、誰かと一緒にいればもっと強くなれるんだということを書いた曲です。

──次は「Go away」。

Miyuu この曲は2年ぐらい前からライブでも歌ってた曲なんです。ライブ限定という感じで音源化してなくて。あれは……上京してくる前に作った曲なのかな? ずっと大阪に住んでたので、東京に対して怖さと憧れと両方あったんですね。東京に来ていろいろ連れて行ってもらう中で、明るい部分だけじゃないところもあるなと思って、そういう気持ちを曲にしたものです。わりと強めな言葉も使ったりしてるんですけど、「光」だけじゃない「闇」の部分について思ったことが盛り込まれてます。

──このタイミングで音源化というのは?

Miyuu この曲をCDに入れたいなという気持ちはずっとあったんですけど、自分の中では弾き語りのイメージがすごく強かったから、アレンジしたらどんな感じになるんだろうっていう不安もあって。でも、前作でも何曲かアレンジしてもらった井上慎二郎さんに、「こういうイメージがいい」っていうのをいつもザックリと投げるのですが、今回もテレパシー的に感じ取ってくれて(笑)。アレンジができた時には「こんな感じになるんや!」って思いましたね。だいぶエレキな感じになってたので、最初は弾き語りとギャップを感じたんですよ。でも聴けば聴くほど、自分では出来ない表現をしてくださっていて、すごくお気に入りの曲になってます。

──3曲目は?

Miyuu 「Find the way」は今年公開された「40万分の1」という映画の主題歌で、これもお話をいただいてから書いた曲です。先に作品を見させて頂き、就活を描いた作品なんですけど、私はバイトとかしててもわりと仕事できない方だったので(笑)、ダメダメな主人公がいろいろなものを乗り越えて就活に挑んでいく姿に「自分と似てるな」と思える節がいっぱいあって。曲の最初に「改札の向こう側/残高不足のmy life」っていう歌詞があるんですけど、すごく急いで走ってるのに、自動改札が残高不足でバーン!って閉まるみたいな……

──列の後ろの人が「チッ!」みたいな(笑)。

Miyuu そうそう(笑)。そういうことがけっこうあって、主人公もたぶんこういう生活なんだろうなって思って書いた曲です。

──その次は……

Miyuu 「You got the love」は今回の収録曲で一番新しく作った曲ですね。家で作ったんですけど、もともとはあるお話をいただいた時に書いたものだったんです。結局そのお話はなくなったんですけど、私は海が好きで、海を目の前にして歌えるような曲が書きたいなというのをテーマに書きました。大切な人がいて、その人がどんな状況だとしても私が背中を押すよ、味方についてあげるよ、っていう気持ちを思って書きました。



念願だったストーリー仕立てのMV。いずれ自分で演技も……!?



──その次もアニメのタイアップ曲ですね。

Miyuu 「closer again」ですね。これが一番古い曲かもしれません。しかも、私が書いた曲じゃないんですよ。

──そうなんですか。

Miyuu 中学校の時からずっとお世話になっているHaruka Mizuguchiさんが作曲してくれていて。その方に「音楽やってみなよ!」って言われたのが、音楽の道に進んでみようかなというきっかけになったという方なんです。私はYouTubeで動画をアップしていたんですけど、それは全部カバー曲だったんですね。自分でもオリジナルを書いてはいたんですけど、「とても人には聴かせられない!」「無理や!」って思ってて。そしたらその方が「オリジナル作ろう!」って言ってくれて、「この曲どう?」って投げてくれたのが「closer again」のデモだったんです。私は1番だけ歌詞を書いて、ハーフ・デモみたいな感じで半年ぐらいずーっとストックにしていて。ライブでも歌ったことがなかったんですよ。

──どうしてですか?

Miyuu ピアノで作った曲なので、メロディが難しくて、「こんなん、弾き語りで歌えるか!」と思って(笑)。しかも自分で作った曲だと手クセとかもあって、自分が歌いやすいメロディになるんですけど、いきなりすごいところからメロディが飛んできたりするので、「ちょっと私っぽくないのかなあ」と思いながら月日が経ってしまって。でも、アニメ「リビジョンズ」のお話をいただいた時にこの曲がパッと頭に浮かんで、「『リビジョンズ』は『closer again』でお願いしたい!」と思って、決めていただきました。

──Miyuuさんからのお願いだったんですね。

Miyuu そうなんです。「リビジョンズ」も大切なものの儚さとか、守り抜く力とかが描かれていて、私も「closer again」ではまさしくそれをテーマに書いていたんです。もっと詳しく言うと、戦争とか、どうにかなるはずなのにどうにもならないということについて書いた曲で。その時点では1番までしかなかったので、そのテーマをもっと強く押し出して2番とブリッジを書いて仕上げました。

──この曲のMVはDVDにも収録されていますが、ストーリー仕立てになってますよね。

Miyuu そうなんです。新しい試みで、東放学園映画専門学校プロモーション映像科の学生さんたちが何本か脚本を書いてくださって、私もそれを見させていただいて、いいなと思ったものを選んだんです。両親をなくして、これから一人で生きていくんだっていう女の子のストーリーになってるんですけど、「自分ではどうにもできないことがあっても、前を向いて歩いて行かないといけない」という、「リビジョンズ」にも私の歌詞にも共通したテーマのある脚本だったので、選ばせてもらいました。そこから「色味はこうがいいよね」とか「ここで歌ってる場面が出てくるといいよね」とか話をさせてもらって作ったMVになってます。

──今まではご自身が歌う姿がメインだったので、かなり違った雰囲気になってますよね。できてみて、いかがでしたか?

Miyuu ずっとそういうMVをやりたかったんですよ。「いつも私が歌ってばっかりやから、美しい方に出ていただいて、いい感じのシーンを盛り込んだものを……」って(笑)。だから今回、コラボという形でやらせていただいて、メッチャありがたかったです。

──そのうち、ご自分が演じたりとかは……?

Miyuu へへへへへ!(笑) 私、メッチャ大根なんですよ~!(笑) 昔に、「シンガーソングライターを演じる」みたいなオーディションを受けたことがあるんですけど、ホンットに大根で、審査員の人が笑いをこらえてたから、「私、向いてないんや~!」って(笑)。でも、いずれは挑戦してみたいとは思ってます。

──待ってます(笑)。次が最後の曲ですね。

Miyuu 「Try」は……上京して2年ぐらいになるんですけど、大阪に出た時は「これからは音楽のことだけを考えていればいいんだ! 楽しみ!」みたいに思っていたものの、やりたいことが自分のスキル不足のせいでできなかったりとか、ふがいない思いや情けない思いとかに悩むこともすっごい多くて。焦りとか不安もメッチャ感じる時期だったんですね。そういう時に家でギターを弾いてて、「あ、この感じを曲にしたい」と思って書いた曲です。今だから書ける曲というか、歌詞をすごく重要視して書いた曲です。


歌詞が生まれるのはどんな気持ちの時?


──今回の6曲の中には、「Exceed」のように前に進む気持ちを表現した曲もあれば、複雑でモヤモヤした心情を歌ったものもありますよね。歌詞が思い浮かぶ時って、どっちの気持ちの時が多いですか?

Miyuu 間違いなくネガティブの方ですね!

──やっぱり! ……あ、すみません、「やっぱり」って言っちゃって(笑)。

Miyuu バレてる(笑)。それは間違いないですね。私、ホントの中身はすっごく根暗だと思うんですね。だからこそニコニコしていようと思って過ごしていたら、逆にそれが定着して「ヘラヘラすんな」って言われることが多いんですけど(笑)。でもホントはすごくネガティブだから、曲を書く時にはノートに書き溜めたり、最近はスマホのメモ帳にバーッと思ったことを書いたりするんですけど、それをする時ってだいたい「うっとおしいな!」とか、何かできなくて「悔しい!」と思った時ばっかりやから、「You got the love」とか「Exceed」みたいに「誰かの背中を押そう」みたいな曲を書こうと思った時は、暗ーい気持ちで書いたものからサビで明るく持ってこれるようにしたりしてるんです。

──なるほど!

Miyuu 明るい曲って、一度暗い部分を見せた方が明るい部分が目立つのかなと思って。「You got the love」や「Exceed」も、サビは明るく前向きさを意識して書いたんですけど、序盤は暗い部分も見えるかもしれないです。自分自身、音楽に影響を受ける時って、暗い気分の時に何かを聴いて「よし!」ってなる時が多いんですよね。だからもし、私が感じたのと同じ気持ちになってもらえたらうれしいなという気持ちで書いてます。

──レコーディングにはどれぐらいかかりましたか?

Miyuu レコーディング自体は数回ですね。けっこうスムーズにいけたんですけど、それはたぶん、アレンジャーの井上慎二郎さんとすでに何曲かやらせていただいていたのが大きいと思います。私って、レコーディングの時にもイメージだけをバンバン投げるんですけど、それをすごく理解してくださって、「ギターの音が何か違うんです~!」っていう時にも「じゃあこれは?」「これ?」みたいに次々に出してくださるからスムーズにいったんだと思います。ただ、唯一「Try」だけは譜割りが難しくて何回も歌い直して、「いや、こうじゃない」「こうじゃない」ってやってたら「そもそも譜割りが違うからね」って言われて(笑)。「歌詞をこう変えたらいいんじゃない?」っていうアドバイスもいただいたんですけど、あの曲に関しては歌詞は変えたくないっていうのがあったので、「じゃあ譜割りを変えます」と。それで何回も歌い直して仕上げました。

──そこは苦労したんですね。

Miyuu はい、頑張りました(笑)。でも全体的には、曲順を決めたりするところからスタッフの皆さんとしっかり話し合って、あまり戦うこともなく(笑)。

──あんまり戦ってたら大変ですからね(笑)。

Miyuu でも、アレンジに関してはけっこう譲れないところもあったんですよ。「Exceed」はわりとロックな感じにしたいと思ってたんですけど、使われるのがエンディングなので、ゆったりした感じにした方がいいという意見があったり。「いやいや、もうオープニングばりの感じで!」みたいな(笑)。ホントは「オープニングを取ってやるぞ!」みたいな感じのエンディングにしたかったんです(笑)。




好きな曲の歌詞を分析していた小学生が、YouTubeでバズるまで?


──さて、ではMiyuuさんの音楽的ルーツをちょっと探ってみたいんですが、遡れるだけ遡るとどこまで行くんでしょう?

Miyuu 一番遡ると、一番最初に買ったCDはnobodyknows+のファーストアルバムでした。小学5年生の時の担任の先生が、nobodyknows+が好きだったんですよ。

──その影響なんですか。すごいですね。

Miyuu ちょっと変わってるんですけど、「何でもいいから何かについて調べなさい」みたいな宿題が毎日あって、私はnobodyknows+の歌詞を分析して提出してたんです。分からない単語とか出てくると、「こういう意味だと私は解釈しましたが、合っていますか?」って書いて、それを添削してもらったりして。そういうのもあって小っちゃい頃から、音楽を聴く時は歌詞を見るのがすごく好きで、中学校に入ってからはお母さんの車の中でBOØWYを聴いたりしてて。

──おお、BOØWY!

Miyuu お母さんが「愛媛の実家にBOØWYのレコード全部あるで」って言うので、「もらうしかない!」って(笑)。それでメチャメチャハマって、「ギターを買いたい」と思ったんです。楽器屋さんに行ったらそこの店長さんが「これ!」ってすすめてくれて。私は左利きなんですけど、「左利き用なんて数がないし、今後絶対不便になるから、右利きを買った方がいいよ!」って言われて「あ、そうなんや」って感じで最初は右利き用のギターを買ったんです。それでBOØWYとか、その頃流行ってた曲を公園とかで練習してました。

──いいですねえ(笑)。

Miyuu 英語の歌詞もけっこうあったし、BOØWYのルーツを探ったら「ああ、洋楽なんだ!」ってなって洋楽を聴いてるうちにマイケミにメチャクチャハマって。授業中に、ノートの片側のページにマイケミの歌詞を書いて、反対側に自分で訳した詞を書くのが、一時期メチャクチャ好きでしたね。そしたら、高1の時に氷室京介とマイケミがコラボしたんですよ! 「これ、私のためや!」って思って(笑)。

──「俺得」ってヤツですね(笑)。

Miyuu 高校の時はギターを持って自転車であちこち走ってて。その時に聴いてたのが、マイケミなどバンドばっかりでしたね。今は弾き語りでアコースティックな曲をやってますけど、ルーツとしてはロックというかパンクの曲が多かったですね。

──今のイメージからすると、ちょっと意外ですよね。

Miyuu 私にとってはとにかく歌詞が重要で、英語の歌詞も自分で全部訳してました。ロックって、マイナスの部分を熱く表現する曲とかも多いので、そういうのを自分でもやってみたいなと思ってましたね。

──カバーではマルーン5もやられてますよね。

Miyuu 友達と話してて「カバーをYouTubeでアップしてみようよ」「いいね!」ということになって、「せっかくやから、いろんな人に見てもらえた方がよくない?」と。ずーっと歌ってたのが洋楽のカバーやったから、みんなが聴いたことある曲、しかもYouTubeだと世界中の人が聴けるわけやから、マルーン5とかブルーノ・マーズのヒット曲がいいんじゃないかってことで。あと、京都にしたのは、行ってみたいけど行ったことないという海外の人とかに、一緒に旅してる気分を味わえるようにできたら面白いよねっていうことで始まったんです。そこに私のカバーが乗ってるみたいな感じで(笑)。



──マーケティングの専門家が入ってるのかと思うほどの戦略ですよね(笑)。それで視聴回数が増えて評判になって、ご自分ではいかがでしたか?

Miyuu それまでSNSとかも全然やってなくて、広めようという気持ちすらなかったんです。ただ「作れた! イェー!」みたいな感じで(笑)。そこから「インスタとかもやってみよう」とかって実験的に始めて、何がきっかけだったのか分からないんですけど、見てくれる人がパーン!って増えたりして。それで「これ、第2弾もやってみようや」ってなってシリーズ化もできたんですけど、選曲とかもだんだん見てくれる人を分析して選ぶようになって。

──傍目には「これでバズろうぜ!」って狙ったように見えるかもですが、全然違ったんですね。でもその頃は、その先にどうなりたいとかはなかったんですか?

Miyuu 全く考えてなかったですね。動画をいくつか上げた時点で大学3年生になってて、就活の時期だったんですよ。就活は普通にしてて、カバーに関してはただ音楽と京都が好きで、ただ海外の人とかに好きなものを見てもらいたいというぐらいの気持ちでやってたんで、仕事として音楽をどうこうとかは一切考えてなくて、普通にインターンとか行ってました(笑)。でもある時に、「avex×UUUM YouTuber女子オーディション」っていうのがあるって知ったんですよ。「就活でエントリーシート書いてるんやったら、これも送ってみよう!」ぐらいの気持ちで送って。


初めてのライブから、いろんな欲も出てきて……



──就職活動の延長だったんですね(笑)。

Miyuu そうそう(笑)。その時は仕事として音楽をやるっていうのは全く考えてなかったんですけど、実は小さい時から「シンガーソングライターになりたい」ってノートにコソコソ書いてたのを、後から発見したんです(笑)。潜在的にはあったんですね。

──コソコソ(笑)。

Miyuu でもそのオーディションには、「あわよくば、こういう子もいるって知ってもらえたら、社員さんとかにもなれるかもしれない」というぐらいの気持ちで送ってたんです。それでお電話をいただいてやりとりしてたら、「一度、東京に面接に来てください」と。「おっ、すごい!」と思ったんですけど、そもそもユーチューバーになりたいと思ってたわけじゃないので、自分のオリジナル曲を持って行ってみようと思って、3曲入りのCD-Rを10枚ぐらい作って持って行ったんです。

──おお、まさにデモじゃないですか!

Miyuu いえいえ(笑)。オリジナルは1曲だけ入れたんですけど、それが効いたのか効いてないのかは分からないんですけど……

──いや、効いたと思いますよ(笑)。

Miyuu まあそのおかげで?グランプリをいただき、「音楽が仕事になる可能性がちょっとはあるのかもしれない」と初めて思って。でもそれまでライブもしたことなかったから、人前で演奏とかするのが異次元の世界だったんです。そしたらグランプリもらった当日に、表彰式で歌うみたいなことになって、「絶対無理や!」って思って(笑)。それでマルーン5の「ペイフォン」を歌ったんですけど、そこからライブも少しずつやらせてもらうようになって、お客さんも少しずつ増えてきて。そうなると「こうしたい」とかいろんな欲も出てくるので、今はその道中ですね(笑)。

──で、5月にはついに初のワンマンライブも経験されましたよね。

Miyuu 対バンとかイベントとかには出させてもらってたんですけど、自分だけでっていうのは初めてやったんで、もう3ヵ月前ぐらいからソワソワして(笑)。でもワンマンは弾き語りじゃなくてアコースティック編成でやらせてもらったので、ステージに立つのが1人じゃないというのがすごく大きかったですね。不安だったからサポートの方たちにお願いして、ライブのだいぶ前から公園でセッションしてもらったりしてたんですけど。前々から準備してたので、当日は楽しみながら演奏出来たと思います。

──ワンマンだと、お客さんのノリも違ったのでは?

Miyuu 会場も私が初めてライブをやらせてもらった場所だったこともあって、すっごくアットホームな感じで。いつも来てくれる人たちの顔もメッチャ見えるし、その人たちも「盛り上げよう!」って感じで来てくれてたと思うので、スタートから楽しい雰囲気になりましたね。でも映像で見たら反省点も見つかったので、それを次の8月につなげていけたらなと思ってます。

──8月12日、渋谷Mt.RAINIER HALLでの第2回ワンマンですね。今度はどんなライブにしたいですか?

Miyuu またソワソワしてるんですけど(笑)、8月は2部制で、1部は弾き語りなんですけど……Mt.RAINIER HALLって、人生で初めてライブした次の日に、avexのコンベンションで2曲歌わせてもらったところなんです。もともと映画館やったからイスとかすごくフカフカで。しかも私、Mt.RAINIERが大好きで。

──あ、コーヒーの。

Miyuu ハイ。Mt.RAINIERを飲みながら見てもらえるってことで、1部の弾き語りではゆーったりした演出にしたいなと思ってます。しかも、全部カバー曲で。その分、2部は初のバンド編成で、全部オリジナルで。

──おお、それはかなり雰囲気が変わりそうですね。

Miyuu ホールという環境でライブをするのも初めてなので、初めてづくしみたいな感じで……やっぱりソワソワしてます(笑)。


夢は車での放浪生活、そして海辺の特設会場でライブ!


──しかしYouTube時代と今では、音楽に対する接し方や作り方も全然変わりましたよね?

Miyuu 動画を上げてた頃は、将来音楽を仕事にするなんて考えてもいなかったし、聴けば聴くほど、音楽を作る人は「神」ぐらい遠い存在だったんですよ。私も作ってはいたものの、「こんなの人に聴かせられるものじゃない」っていう諦めみたいな気持ちもあって。私にはできないことだから、あくまで趣味としてやってて。でも大阪の頃は就活とか試験とか、音楽以外のことを考える時間も多くて。でもデビューさせてもらえることになって、最初のEPのリリースイベントが終わって3ヵ月いろんなところを回らせてもらってから、東京に引っ越してきたんですね。リリースイベントで毎日毎日、いろんなところで歌わせてもらって、「私の曲を聴いてくれる人がだんだん増えていったらいいな」っていう欲がちょっとずつ出てきて。「あの曲がよかったです」って言ってくれる人とかちょっとずつ増えてきてから東京に来たので、大阪にいた時よりは確実に音楽のことを考える時間が増えたから、それが一番変わりましたね。

──あの頃「神」だった人々に近づいていってるわけですからね。

Miyuu 高校の頃は思春期なのもあって、「世の中なんて!」みたいな感じで一人で行動してて、高校にもあまり行ってなくて。でも「単位とらなアカン!」ってなって慌てて行っても、友達もいないじゃないですか。大学も「行っても意味ない!」って思っていたんですけど、「やっぱり行こう!」ってなって気付いたらセンター試験の申し込みも終わってたみたいな(笑)。

──そりゃダメですね(笑)。

Miyuu そうなんです(笑)。でも、「やりたいこともなくて大学に行っても、意味ないんじゃないか」とか悩んでる時期に、すごく音楽に救われたというか、自分の行く道を指し示してもらって。それで「音楽のパワーってすごい!」と思ってて、だから余計に、自分が作る側になるなんてあり得ないと思ってたから、今は東京に来て、そこに向かって必死にもがいてる感じですね。

──なるほど~! そして、その時々で愛媛、大阪、京都、東京と、ポイントになる土地がありますよね。

Miyuu そうですね。生まれたのが愛媛で、お母さんが育った町だから余計に……もっと有名になったり、見てくれる人が増えたりしたら、いずれ愛媛でライブをしたいと思ってます。地元の新居浜駅が新しくなってミュージアムとかもできたので、絶対そこで歌いたい!というのが目標の一つですね。おばあちゃんにも見てもらいたいし、自然も多いので何かできたらなと思います。大阪は育った場所なので、常々帰りたいなあと思ってる場所ですね。帰ったら友達もいるし、家族もいるので、素になれる場所ですね。京都は、「ミニアルバムが出せたよ」とか「こういうところでライブができるようになったよ」というのを報告しに行く場所です。大阪に帰ったら絶対に寄ってますし、父方のおばあちゃんのお墓もあるので、「報告する場所」という感じですね。で、東京は……ホントに刺激まみれで(笑)、だけどいまだにグサグサといろんな感情になるし、ありがたいことに大阪にいる時よりも「クソーッ!」と思うことも多いし(笑)。Miyuuとしては一人で活動してますけど、アドバイスをくれたり時には怒ってくれたりする仲間もちょっとずつ増えているので、最近は「一人じゃないんだ」と思えるようになってきました。

──そんな中で、ここからチャレンジしていきたいことは?

Miyuu 山ほどあります!(笑) 東京に来てから尾瀬の「オゼ・ミュージック・アンバサダー」というのに選んでいただいたりして、音楽を通して今まで行ったことのなかった場所に行かせてもらってるんですよね。行った先で思い出もたくさん増えますし。もともと私は旅がすごく好きで、車に住みたいというのが夢なので、行く先々でライブをしたり曲を作ったりしたりしたいんですよね。

──車に住みたいというのは、ずっと言われてますよね。

Miyuu ホントに夢なんです! 定住したくないというか、好きなものだけ詰め込んで、ずっとフラフラしていたいんです。ヒッピーみたいに、フラフラ~っと生きてる人に昔から憧れるんです。私もいろんなところにフラフラ~っと行って、その先々で歌ったりしたいなと思いますね。それでだんだんとその規模が大きくなって、「海辺に特設会場とか作ってライブとかしてみちゃう?」みたいになれたら最高ですね。お客さんもキャンプファイヤーとかを囲んで、それぞれやりたいようにやって。その中で私の音楽がある、みたいな環境がいつか作れたらいいなと思ってます。

──その夢が実現したら、その空気を味わいに行かせてもらいます! ありがとうございました!




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NEW ALBUM『HERE COMES THE SOUND!』
2019年7月17日(水)On sale!



[CD+DVD]AVCD-96311/B ¥2,700(税込)


[CD Only]AVCD-96312 ¥1,944 (税込)
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撮影 長谷英史
高崎計三
WRITTEN BY高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。

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