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「一生満足することはない」新時代の歌姫 吉七味。の進化は止まらない!

2019.06.19
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音楽
インタビュー
2018年10月にavex picturesとライブ配信プラットフォームSHOWROOMの合同で開催された「TVアニメ『賢者の孫』エンディング曲&声優デビューオーディション」。その合格者にして、バーチャル界に彗星の如く現れた新時代の歌姫 吉七味。さんによる1stシングル「圧倒的 Vivid Days」が6月19日にリリースされます。
楽曲プロデュースには水樹奈々や茅原実里などの大人気声優アーティストのプロデュースを手がけるElements Gardenが参加。そんな大注目プロジェクトの主役に抜擢された吉七味。さんは、まだ活動歴の浅いバーチャルタレントです。
普段はSHOWROOMでの配信を精力的に行っていますが、空前絶後のシンデレラストーリーを辿る彼女の正体はいまだ厚いベールに包まれたまま。今回はそんな新時代の歌姫のルーツを探ると共に、前代未聞の大型プロジェクトに挑んでいる率直な気持ちをうかがっていきます!


新時代の歌姫、そのルーツ



──吉七味。さんはSHOWROOMで行われたオーディションに参加してアーティストデビューを勝ち取られました。改めてここまでの経緯を教えてください。
 
吉七味。(以下吉) 活動を始めたのが去年の9月だったんですが、そのすぐ後に開催されたのがそのオーディションでした。
初めてのSHOWROOMでのオーディション参加だったので、右も左もわからずにやっていたんですが、ファンの方々に1から教えてもらい、歌が好きな自分をアピールして予選を突破することができたんです。
 
──その後の最終審査の思い出はありますか?
 
吉 練習はもちろんしっかりしていたんですが、たくさんの大人の人たちに審査されるなんて初めてだったので「どうしよう~怖いよ~」って頭が真っ白になっちゃいました。
歌唱の時も持ってた歌詞が震えちゃうくらい緊張していて、面接でなにを言ったのかもあんまり覚えていないんです。
だから終わった後は「やらかしたー」と思ってたんですが、なんとか合格できて良かったですね。
 
──バーチャルタレントによるアーティストデビューも増えてきましたし、同じSHOWROOMで活動している方もたくさんいらっしゃいますが、注目しているバーチャルタレントはいますか?
 
 輝夜月さんはよく見てます。でもまだあんまりバーチャル周りに詳しくなくて…
 
──たしかに配信でも"個人勢"と"企業勢"の違いをやっと知ったと仰ってましたね。
 
※個人勢、企業勢
個人で活動するVTuberなどのバーチャルタレントを個人勢力,個人勢と呼ぶ。
反対に企業勢とは企業によって運営されるバーチャルタレントのこと。
 
 そうなんです! 最近やっと理解しました。
そのくらい界隈のことに疎くて、まだまだV(Virtual)のオタクではないんですよね。アニメオタクではあるんですけど。
 
──今のような芸能活動を志すにはどんなきっかけがあったんでしょうか?
 
 元々「アイカツ!」が好きで、いちごちゃんみたいに踊りたい!と思って、「アイカツ!」を作っているところに電話したことがあるんですよ。

──…製作会社にですか?
 
 そうです!「私にもMVを作ってもらいたいんですけど…」って相談したら、「200万円くらいかかりますね」って言われちゃって、ちょっと無理だなってなっちゃったんです。
 
──とんでもない行動力ですね。大好きなことを公言しているバーチャルタレントさんもいらっしゃいますし、僕も大ファンなのでわかります。

 音楽もいいしダンスもかっこいいしで本当に「アイカツ!」が大好きなんです。映画も観に行ったんですが、子ども達に囲まれながら一人で号泣してました。
 
──アニメへの愛情の深さは普段の配信からもうかがえますが、ハマったきっかけはなんだったんでしょうか?
 
 もともと根暗のひきこもりで、アニメだけが心の拠り所だったんです。
特に「カードキャプターさくら」や「ツバサ・クロニクル」などのCLAMP作品が好きで、中でも一番「xxxHOLiC」が好きでした。
 
だから「xxxHOLIC」でメインキャラクターの壱原侑子を演じている大原さやかさんが「賢者の孫」にも出演されるって知ったときは嬉しくて嬉しくて!感激しました。
 
──配信ではアニソンを歌うこともありますよね。特に好きな曲や影響を受けている方はいますか?
 
 水樹奈々さんと西川貴教さんが歌っている「Preserved Roses」が好きで、カラオケでもよく歌ってます。
水樹奈々さんが好きなのでElements Gardenさんにプロデュースされるって聞いた時はもう言葉を失っちゃいました。
作曲家だと田中秀和さんですね、私の好きな曲をいっぱい作られているのでかなり好きです。

──作曲家にまで注目しているのは珍しいですね。しかも田中秀和さんの名前が出てくるなんてかなりコアなファンなのがわかります。
 
 「花ハ踊レヤいろはにほ」を聞いたときに「なんだこの曲ヤバい…」ってめちゃくちゃ衝撃を受けたんです。そこから調べたら「アイカツ!」の曲も手がけられていて、知らず知らずに大きな影響を受けていました。

──ところで名前の最後に「。」が付いていますが、これにはどんな意味があるんでしょう?
 
 最初は付いてなかったんですけど、活動のサポートをしてくれている大家さんが姓名診断をしてくれたんです。そしたらもう一画あった方がいい!ってなりまして、「。」を付けることになりました。
 
──「藤岡弘、」さんみたいだなと思っていましたが、風水的な理由だったんですね。
 
 

自分で原作を作れば主題歌を歌えるかも
 
 


──プロフィールによると「エモい曲」がお好きとのことですが、「圧倒的 Vivid Days」のエモいポイントはどこだと思いますか?
 
 ラスサビに向かって徐々に盛り上がって、バーンと弾けるところがエモいと思ってます! 聞くたびに「ううっ…!」なっちゃうんですよね。
 
──実際にテレビで流れるのを聞いてどうでしたか?
 
 テレビで流れているのは嬉しいんですけど…実はまだちゃんと聞けていないんです。SHOWROOMで毎回実況配信をしているんですが、恥ずかしくて自分の出演シーンや歌っている時はずっと叫んじゃってて…最終回までには、ちゃんと聞けるかもしれません。
 
──絶叫されていたのは恥ずかしかったからなんですね。レコーディングも初めてだったと思いますが、いかがでしたか?
 
 初めてではあったんですが、スタジオ入ってからすぐに収録で、最初から最後まで全速力って感じでした。無我夢中ですっごい楽しかったです。
 
──「圧倒的 Vivid Days」ははじめて聞いたときからお気に入りだったそうですね。
 
 ロックな歌を歌うシンガーになりたいと思っていたので、ぴったりの曲をいただけました。
単純に好きな曲調でもあったので、めちゃくちゃテンションあがっちゃいましたね。
 
──カップリングの「Heart × Nexus」は鍵盤の音色が印象的でポップな曲に仕上がっていますが、曲調が違うとこだわるポイントも違ってくるのでしょうか?
 

 そうですね、まったくイメージが違う曲なので違いは意識していました。
「圧倒的 Vivid Days」は自分の気持ちをぶつけるように歌いましたが、「Heart × Nexus」はみんなと一緒に楽しもうって想いを込めています。
歌詞も誘うような、導くような内容になっているので、注目して聞いてほしいです。
 
──歌詞といえば作詞もされるそうですが。
 
 そうなんですけど、最近はもはや小説を書くようになりました。
0からものを作ることが好きで作詞をしていたんですが、詞のスケールじゃ書きたいことが書ききれなくなってきてしまって。
あとは今回は幸運にアニメのタイアップで歌わせて貰えましたが、今後どうやってアニソンを歌うかを考えたときに、自分で原作を作ってアニメ化してもらえば主題歌を歌えるかもとも思いました。
 
──壮大な計画ですね…ということはアニメっぽいものを書いているんですか?
 
 そのつもりだったんですけど、なんかスゴい暗くなってしまって全然アニメ向きじゃないんですよ。
もうちょっと形になったらLINEさんが運営してる小説投稿サイトのLINEノベルに応募しようかなと思っていますが、絶賛迷走中です…。
 
──そうした創作活動はいつから取り組んでいるんですか?
 
 小学生の時に小説みたいなものはよく書いてたんですが、しっかりと形にしたことはありませんでした。
活動をはじめてからどんどん創作意欲が高まってきて、今一生懸命書いているんですが形になるのはまだ遠そうです。
 
──恐るべきDIY精神というか、やはりものすごい行動力ですね。思いもよらぬ方向へ広がってしまったので改めてうかがいたいのですが、作詞もする立場から見て詞として良いなと思う部分はありますか?
 
 もちろん全部良くて「さすがだなぁ…」としか言えないんですが、「圧倒的 Vivid Days」はこれから始まるんだって私の気持ちとリンクしていてもう、最高ですよね。 
「無限の可能性が微笑んだ」はバーチャルの可能性を歌っているようでバッチリですし、「セキララのHappy ending」なんて素敵な表現も私からは出てきません。
 
──CDリリースに合わせてライブイベントも予定されていますね、どんなライブにしたいですか?

 ライブならではの臨場感と迫力を出したいと思ってます! とはいえまだ何にも決まってないので、これから考えます(笑)


何にもこだわらずに生きてきた。でも



──オーディションの特典として「賢者の孫」には声優としても出演されましたね。
 
 アニメオタクなので声優さんのスゴさはもちろん分かっていたんですが、自分でやってみると本当に難しくて、声優さんの偉大さを改めて実感しました。
 
──先程も仰ってましたがSHOWROOMで行っていた同時視聴配信では終始叫びっぱなしですね。
 
 一人でなら大丈夫だったかもしれませんが、ファンの皆さんと一緒に見てたので恥ずかしくて恥ずかしくて…感覚としては裸を見られてるような感じというか(笑)
 
──普段も配信はしていると思いますが、やはり感覚は違ったのでしょうか?
 
 自分でするのと見るのは全然違いますね。歌を歌うは好きですが、自分の歌声は聞くのはまだ慣れないです。録音した自分の声聞くと「うわっ」てなるじゃないですか。
 
──的確なたとえでものすごく腑に落ちました(笑)。ご自身のパフォーマンスに自信がないわけではないんですよね?
 
 でも満足は全然していないんです。もっと歌も磨いていきたいし、ライブでのパフォーマンスも今後の課題だと思ってます。たぶん一生満足することはないですし、常に上を目指していきたいです。
 
──パフォーマンスに対する意識の高さは普段の配信からも感じるところでした。例えばご自身の出演シーンがどれだけ恥ずかしくても卑下することはありませんよね。
 

 SHOWROOMでの配信は見てくれてる皆さんのことを家族だと思ってるので自分の弱いところもカッコ悪いところも、駄目な部分も全部出せると思ってます。でもここまで一人で来たわけじゃないし、アーティスト"吉七味。"は私一人だけのものじゃないんだなと思うとネガティブなことは言えないんですよ。
 
──ファンの皆さんを家族だと思う感覚は活動を経て得たものなんでしょうか?
 
 SHOWROOMではいろんなイベントに参加してきたんですが、毎回1位になれたわけではなくもちろん悔しい思いをすることもありました。
そんな苦楽を共にしてきたので、ハッキリといつからっていうのはないんですが、自然と身近に思うようになっていきましたね。
 
──活動を始めて環境が大きく変わったと思いますが、意識的な部分でも変わったことはあるんでしょうか?
 

 こうして活動を始めるまでは何にもこだわらずに生きてきたんです。やりたくないことがあるだけで、なにかをやりたいって意志はあまりありませんでした。
でもファンの皆さんに支えられたり、作品創りに関わって、色んな人の創作に対する姿勢を見させてもらうなかで、私も妥協しちゃいけないし、したくないって思うようになったんです。だから今は何事にも精一杯挑みたいし、どうやったら喜んでもらえるかを一番に考えるようになりました。
 
──「賢者の孫」のEDではダンスにも挑戦されていました。他にもバーチャルタレントとしてこれからやってみたいことはありますか
 
 持ち曲が増えてきたので、今後はライブに力を入れていきたいと思っています。中国語の勉強をしているので海外進出もしたいですし、どんどん大きな舞台へ登っていきたいです。
あとはなんといっても小説を書き上げて、アニメ化してもらって…主題歌を歌いたい!
 
──活動開始からここまでも様々な出来事があったと思いますが、一つの節目としてCDリリースとリリースイベントも控えています。最後にこれからの意気込みをうかがえますか?
 
 CDリリースとライブに向けて今いろんな意識が高まっているんです。もっと歌を歌いたいし、小説も書きたい、とにかく自分の思っていることをもっと表現したい。
でも私は育成型なので、ファンの皆さんに支えられないとやっていけません。まだまだやりたいことはたくさんありますし、どんどん挑戦するので、一緒に成長していく吉七味。を見ていてください!
 
 


 

TVアニメ「賢者の孫」エンディングテーマ
「圧倒的 Vivid Days」/吉七味。
2019/6/19(水)リリース

 
[CD+DVD]1,800円(税抜)
[CD]1,200円(税抜)
 
 
【吉七味。公式アーティストサイト】
https://avex.jp/yoshinanami/
 
【吉七味。公式Twitter】
https://twitter.com/ikuseinanami


 
オグマフミヤ
WRITTEN BYオグマフミヤ
Twitter @oresamax

関係各所に「なんでも知ってるな」と称される知性と感性を活かし、よき音楽とアイドルを求めて道無き道ゆく本格派平成生まれ。

輝夜月世界初インタビューの企画執筆を担当して以降、キズナアイ,ミライアカリ,月ノ美兎などへのインタビュー、各種イベントレポート、考察記事などを手がける。
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