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奏天まひろ

「エイベックスのノウハウを活かした立体的なプロデュースを」エイベックス初のバーチャルアーティスト奏天まひろ(かなめまひろ)とは

2019.01.11
アーティスト
Vtuber
音楽
インタビュー
バーチャル
「Vtuber」という言葉をご存じでしょうか。
「Vtuber」は「Virtual(バーチャル) YouTuber」の略称で、生身の人間ではなく、バーチャルなキャラクターによる動画投稿をしている人たちのことを指します。
2017年末から大ブームを巻き起こし、2018年はニュースに取り上げられたり地上波での冠番組がスタートするなど一般への露出も増え、Twitterトレンド大賞のピックアップワードにも選出されました。


急速に拡がるバーチャルの世界

世界初のVtuberとしてトップを走るキズナアイさんはチャンネル登録者数が200万人を超え、リアルのYouTuberにも引けをとらない人気を誇っています。2018年12月にはZepp DiverCityとZepp OsakaBaysideの2daysという大規模での1stLIVEを開催し、大成功を納めました。
チャンネル登録者数80万人以上の人気Vtuber輝夜月さんは2018年8月に史上初となるVR空間でのライブを行い、全国でのライブビューイングを合わせて5000人以上を動員するなど、バーチャルなアーティストたちはリアルのアーティストに負けない盛り上がりを見せています。
 
Vtuberはその数自体も爆発的に増加し、2018年12月には6000人を超えたと発表されています。そんな他に類を見ない速度で発展するVtuberの世界にエイベックス初のバーチャルアーティストとして降り立ったのが奏天まひろ(かなめまひろ)ちゃんです。


企業によるVtuberの展開も増えてきた中でエイベックスとしてなぜ参入することになったのか、そして「宇宙一のバーチャルアーティストになりたい」という目標を掲げる彼女はどんな想いで活動しているのかを伺いました。


バーチャルな存在の強みとは



奏天まひろ はい!宇宙一のバーチャルアーティストになりたい!奏天まひろです!高校1年生の16歳です!好きな食べ物はお肉です!
 
──元気な自己紹介をありがとうございます!まひろちゃんがVtuberを知ったのはいつ頃でしたか?
 
奏天まひろ キズナアイさんとか輝夜月さんとかを見るようになったのは2017年末の頃でした。もともとアニメとか声優さんとかのサブカルチャーが好きだったこともあって周りの友達と一緒にハマっちゃいました。
 
──本日はavexでバーチャルIP事業に携わっている水野さんにもご同席していただいています。水野さんはどのようなポジションなのでしょうか?
 
水野 CEO直轄本部というところに所属していまして、エイベックスグループ全体のバーチャルIP事業を取りまとめているような立場になります。
 同じグループであるエイベックス・エンタテインメントやエイベックス・ピクチャーズもそれぞれバーチャルIP事業に取り組んでいるのですが、それぞれがバラバラにやっていくとノウハウやナレッジが共有できず、せっかくのグループとしての優位性を活かすことが出来ないので、それぞれの現場の情報を集約し共有できるようにしています。
 
──水野さんがVtuberを認知したのはいつ頃だったんでしょうか?
 
水野 元々エイベックス・デジタルというところにいまして、そこで2017年の春頃にバーチャルIP事業をやっていこうと提案していたんです。その事業のためのリサーチの時にキズナアイさんを見たのが最初でした。当時はまだチャンネル登録者数が20万人くらいだったんですが、そこからまさかここまで伸びてくるとは思っていませんでしたね。
 
──大分早い段階だったんですね。そこから2017年の12月に大ブームが起きて現在に至るわけですが、まひろちゃんは”バーチャルならではの強み”というのはどこにあると思いますか?
 
奏天まひろ 実際に活動をしてみて感じたことなんですが、視聴者さんを巻き込んだ盛り上がりが出来るのが強みなのかなと思っています。たとえばVtuberさん同士のコラボでファンの方々の間にも交流が生まれて画面の中だけじゃない盛り上がりが起きるじゃないですか。
 
──銀河アリスちゃんとのコラボの時もそうでしたね。
 

 奏天まひろ そうなんです!わたしがよくUFOを呼んでいて、そしたらアリスちゃんが来てくれて叶ったコラボだったんですけど、そういうテーマとか個性の相性の良さでコラボがすぐ出来るっていうのもこれまでのキャラクターでは出来ないことですし、そういうこの先の展開を予想する楽しみ方が出来るのもバーチャルならではなのかなと思います。
 
──プロデュースする側から見ると違った強みを感じますか?
 
水野 リアルなアーティストだと出来ない表現が出来るというのがなによりの強みだと思っています。たとえばリアルなアーティストさんが東京ドームでライブをするとなると、その熱狂を体感できるのはその場にいる人だけで、パブリックビューイングや生中継があったとしても現地との熱量の差が生まれてしまいます。ですがバーチャルの場合はどこかがオリジナルということはなく、どこでも同じ体験が味わえて、共感、共鳴を生み出すことが出来る。それがバーチャルならではの新しさであり強みだと思います。
 
──なにもかもが新しいVtuberという領域にエイベックスとして参入した理由はなんなのでしょうか?
 
水野 Vtuberといいつつも根本は芸能の話だと思っているのですが、芸能の領域であるのならば、昔からプロダクション事業をしてきた我々の強みは活かせると思いました。Vtuberも一人のタレントでアーティストなので、これまで弊社が培ってきたノウハウやナレッジは必ず活かせるという判断がまず大きな理由の1つです。 
現在のVtuberというカルチャーはYouTuberの領域に留まっていてはマーケットの広がりは期待できないし、生身のYouTuberやタレントよりランニングコストがかかるので一般のYouTuberと同じ感覚ではトップ以外は確実に活動が難しくなっていくと思っています。一方で芸能界では一握りのトップだけじゃなく地下アイドルのような方々の中でもそれだけで食べていけている人たちが多くいるんですよね。それはライブによる収益や、グッズなどの物販などによるものなんですが、そこに加えてバーチャルならではのギフティングなどを加えて収益出来るポイントを立体的に展開していく、そうしたモデルを確立しなければバーチャルキャラクターのマーケットそのものの可能性が失われてしまいます。
そう考えたときに、ずっとライブ興業やタレントプロモーションをしてきた弊社のノウハウやナレッジを自社の事業に活かすのももちろんですが、他にも共有していくことで、マーケットを確立させていきたいというのもavexという企業として参入した理由です。
 
──確かにこれまでのアーティストプロデュースのノウハウを持った企業の参入は全体に良い影響を及ぼしていきそうです。
その反面で大きな企業がバックについているといわゆる”企業感”が出てくると言いますか、良くない印象を持つ方もいますよね。
 
水野 仰る通り企業がついていることに反感を持つ方々というのはいらっしゃいますし、“avexは特に”ということもあるというのは認識しています。ですがただそういう方だけに届けるコンテンツであり続けると先細っていくだけだとも考えています。
我々の場合、どちらかというとコアな方面は苦手としている一方でマスへ届ける力はこれまでの実績から少なからず持っていて、それが強ければ強いほどコアな方面への印象は良くないというのは、並び立てられない表裏一体なものだと思うので、我々はマスに届ける方面に注力しつつ、苦手な方面は他社さんを応援しつつで、やがてそれらが融合してマーケット全体の底上げに繋がればいいと思っていますね。
 
──まひろちゃんとしては大企業であるエイベックスを背負っているということで活動の中でプレッシャーに感じたりはしますか?
 
奏天まひろ 元々歌やダンスが好きで、エイベックスのアーティストさんにも好きな方々がたくさんいますし、企業理念である「Really! Mad+Pure」も自分の目指すアーティスト像とぴったりだと思って自分からエイベックスさんに突撃したことから始まって今に至るので、プレッシャーに感じるというよりは自分から言い出したことだからこそ、ちゃんとやるぞっていうモチベーションに繋がっています。


優しいファンとの出会いが宝物


 
──Vtuberの登場が及ぼした影響も凄かったですが、2018年のエンターテインメントシーンにはそれ以外にも印象的な出来事が多くありました。
 
水野 2018年は安室奈美恵さんや小室哲哉さんといった時代を牽引してきた超レジェンド級のアーティストが少しずつフェードアウトしていった時期だったのかなと思っていて、それに対して新しい若手の台頭も見られました。
そうやってポジションが少しずつ代わっていっているならば、バーチャルという特殊性だけを押し出すのではなく、単純に芸能という方面からも入っていけるのかもしれないと感じましたね。
 
──まひろちゃんは2018年のエンターテインメントを振り返るとなにが印象的でしたか?まひろちゃんが好きなプリパラシリーズが一区切りしたりもしましたが
 
奏天まひろ プリパラは生きていく上で欠かせないものなので、終わってしまったのはものすごく悲しいんですが…それとは別に印象的なことっていうとバーチャルな人たちによるリアルイベントがものすごく増えたのが印象的です。
わたしのイベントもそうですし、先日ときのそらちゃんと銀河アリスちゃんの「TUBEOUT!(チューバウト)」も見せてもらったんですが、リアルとバーチャルが触れあえるイベントが増えた契機が2018年にあったのかなと思います。
 
──10月に初のリアルライブもありましたが、普段もYouTubeだけでなくバーチャル配信プラットフォームの「REALITY」や「SHOWROOM
」などで様々な活動をしていますよね。これまでの自分の活動はどのように振り返っていますか?
 
奏天まひろ ファンの方がとにかく優しいんですよ!なにやっても“まひろちゃん!まひろちゃん!”て反応してくれるんです。先日もファンの方々から寄せ書きのようなイラストをいただきまして、嬉しくて教室で泣いちゃいました。
 
ツイートリンク
https://twitter.com/KanameMahiro/status/1075651695336579072?s=19
 
そんな優しい方たちに出会えたっていうのはここまでの4ヶ月でのなによりの成果であり、宝物だと思っています。
同じバーチャル界でも先輩やお友達、たくさんの人に出会えましたし、めまぐるしい毎日の中でいい出会いがたくさんあったなって思いますね。
 
──そうした出会いを経験したり活動を続けてきた中で活動スタイルに変化はありましたか?
 
奏天まひろ 宇宙一のバーチャルアーティストになりたいっていうのを掲げて始めたので、最初は歌やダンスに特化していきたいと思っていたんですけど、それだけじゃだめだと気づきまして、もっと自分の好きなものをアピールしていっていいのかもしれないし、やってみると話すことも好きになっていったので色んなアプローチをしてもいいのかなと思うようになりました。
自分ではまったく思ってなかったんですけど、最近ポンコツっぽいところがあるのかなと気づかされまして…そこも含めてまひろちゃんの良さだよねって言ってもらえているのでそういう部分も大事にしていこうかなって思ってます。
 
──たしかにそういう部分をいじられたりするのも生放送のスタイルになってきましたね。活動の中で一番楽しいと思うのはいつですか?
 
奏天まひろ 歌ったり踊ったりはもちろんですが、生放送も含めて何をやっていても楽しいです!でもやっぱりファンであるかなめんばーの皆さんとふれ合っている時が一番楽しいって思いますね。放送の中だけじゃなくて、Twitterのリプライでやり取りするのも楽しいですし、反応を貰えるのは嬉しいんです。
 この前ファンの方の生放送に突撃したんですけど、そこで「まひろちゃんがツイートしてるのを見るだけでうれしいし、リプライを貰えるともっと嬉しい」って言ってくださって、わたしもそう思っているからこそ、喜びを共有できる良い循環といいますか、素敵なコミュニケーションが出来ているのは良いことだなって思います。
 
──そうしたコミュニケーションが楽しめるのは既存のキャラクターコンテンツとは違ったバーチャルな存在の良いところですよね。
 

リアルとバーチャルの境目がなくなる未来に
 


──この1年で良い面も難しい面も見えてきたと思いますが、Vtuberを中心としたバーチャルな存在はこれからどうなっていくと思いますか?
 
水野 ものすごく過激な言い方をすると、来年の今頃に「あったねVtuber」なんて言ってる可能性もあると思うんですよ。急速に成長したからこそ、急速にダウンしていくこともあり得るので、そういう意味では危ないと思うこともあります。
一方で、リアルとバーチャルがスイッチする可能性も大いにあるとも考えています。2018年はバーチャルな存在への一般的な認知度がものすごく上がった1年だったんですが、それによって抵抗感はどんどん下がってきているので、タレントのカテゴリにアイドルやお笑いに加えてバーチャルが出てくる可能性もあり得ますし、アリーナやドームクラスでのイベントも普通に行われるようになるかもしれません。
 その為にはこれまでも言ってきたようなマーケットの確立と成長が必要不可欠で、それに加えて撮影や視聴がスマホ1つで出来るような技術革新が起これば、技術的な流れと世論的な流れの交わりによってリアルとバーチャルの境目がなくなっていく未来も十分にあり得ると思っています。
 
──これまでも予想出来なかったような進化を遂げてきたからこそ、これから先も夢のような展開が期待できますね。まひろちゃんはどう思いますか?
 
奏天まひろ 私は宇宙一のバーチャルアーティストを目標に掲げているのでなにがどうなっても目指すだけなんですけども、先日Vtuberが6000人を超えたなんてニュースもありましたし、これからもどんどん増えていって全世界でバーチャルなタレントの存在感が増していくこともあるのかなと思っています。そうすればわたしたちとしても活動がしやすくなるでしょうし、多くの人と関われるようになればより良いですね。
 
──増えてきたといえば先日まひろちゃんと一緒に活動していくグループのメンバーが発表されて、少しだけ動画にも登場していましたね。彼女たちについて教えていただけますか?


 奏天まひろ 優しくって歌もダンスも上手なすごいメンバーなんです!詳しいことはまだ秘密な部分も多いんですが、乞うご期待ということで!
 
──楽しみにさせていただきます!
これまで他のVtuberさんとのコラボはありましたが、自分のグループメンバーが出来るということでグループとしてやっていきたいことはありますか?
 
奏天まひろ グループとかユニット単位のコラボをしてみたいです。仲良くさせてもらってるAlt!!(アルト)さんとか、まじかるどーるさんとかとグループならではの絡み方が出来たら絶対に楽しいと思います!
 
──グループとしての活動が本格化していく中でこれからのプロジェクトとしての展望を伺えますか?
 
水野 やはりエイベックスだからこそ出来るプロデュースをしていきたいと思っています。Vtuberとしてももちろんですが、テレビ出演やタイアップといったような方面に加えて、アーティストとしての本筋であるライブなどの音楽活動という複数の取り組みを立体的に展開していけるバーチャルアーティストを目指します。
 
──ありがとうございます。それでは最後にまひろちゃんからこれからに向けての意気込みをお願いします。
 
奏天まひろ 活動を始めてからここまであっという間だったんですが、そんなものすごくはやい時代の流れに食らいついて、バーチャルアーティストとしての奏天まひろをしっかり確立していきたいと思います。
2019年は元号が変わったりして色んな変化があるタイミングですが、宇宙一のバーチャルアーティストを目指して4人一緒に頑張っていきます!


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【Youtubeチャンネル 『まりなすチャンネル(仮)』】
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オグマフミヤ
WRITTEN BYオグマフミヤ
Twitter @oresamax

関係各所に「なんでも知ってるな」と称される知性と感性を活かし、よき音楽とアイドルを求めて道無き道ゆく本格派平成生まれ。

輝夜月世界初インタビューの企画執筆を担当して以降、キズナアイ,ミライアカリ,月ノ美兎などへのインタビュー、各種イベントレポート、考察記事などを手がける。
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