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MONKEY MAJIK

「まんぷく」でも「ウマーベラス」でゼロカロリー!? MONKEY MAJIKインタビュー

2018.10.31
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音楽
インタビュー
サンドウィッチマンとのコラボ曲「ウマーベラス」やNHK連続テレビ小説「まんぷく」でドラマ初出演、何かと話題に事欠かないMONKEY MAJIK。そんな彼らのツアー『MONKEY MAJIK Tour 2018 ~Singles Collection~』が11月11日、東京・NHKホールからスタートする。メイナードとブレイズのお二人に、ツアーの見どころとともに、「ウマーベラス」のこと、「まんぷく」撮影でのエピソードなどを根掘り葉掘りお聞きしました!

「ウマーベラス」MVの撮影で何が起こったか?

──巷では「ウマーベラス」のMVが大変な話題ですね。サンドウィッチマンのお二人と競演されていますが、CGがすごいので、「もしかして完全に別々に撮って、合成しているのでは?」と思う人もいるかもしれません。実際、どうだったんですか?



メイナード 撮影は1日でやったんですが、70年代っぽい合成のチープ感を出すために、わざと別々に撮った部分もあります。でも、ダンスのシーンとか車に乗っているところとか、一緒に撮った部分もありますよ。ただ彼らは本当に忙しくて。「おはようございます!」とスタジオに入ってバーッと撮って、すぐに次の仕事に向かっていました。
 
ブレイズ 彼ら、2時間しかいなかったんじゃない?
 
メイナード そうだね。いいなあと思いましたよ(笑)。僕たちは1日かけてやってましたからね。スターは違うなと思いました(笑)。
 
──しかも、みなさんはあの衣装ですからね。

メイナード
 大変でしたけど、最高でしたよ(笑)。Earth, Wind & Fire(70年代に『セプテンバー』などの大ヒットを飛ばしたアメリカのファンク・グループ)みたいな感じでね。

──あのMVでMONKEY MAJIKを初めて見たという方もいると思いますが、実はMVの作風という点では、「ウマーベラス」は“MONKEY MAJIKらしい”味でもあると思うのですが……。
 
ブレイズ 確かに僕たちは、MVではビジュアルの遊びを昔からけっこうしてきましたからね。ただコメディ風な、面白いMVを作ろうというのではなくて、いろんな監督さんからアプローチをされていて、そこからアイデアを選んできたんですよ。例えば「SAKURA」では江戸時代の格好をしたし、「Around The World」、「Delicious」なんかはクレイジーな世界ですから。まだ誰もやったことのない、クリエイティブなコンセプトでMVは作ってますね。
 

メイナード 「Around The World」や「SAKURA」を撮ってくれた丹下紘希監督のことはもともと僕らはすごくリスペクトしていたんですが、「MONKEY MAJIKだからこういうものを撮りたい」と言ってくれて。海外から見て勘違いされた日本のイメージですよね。ブルース・リーみたいな香港映画っぽくもあって、「何だコレ?」という。それを外国人がやっていたら「日本をバカにしてる!」と思われるけど、監督は日本人じゃないですか。
 
ブレイズ 深いね(笑)。
 
メイナード そういうのが大好きなんですよ。深い皮肉も入ってるけどポップだし、表面的に軽く見てもいい。いつもそういう監督にお願いするんですよね。
 


ブレイズ 「ウマーベラス」のKEVIN BAO監督は、実は僕たちと同じカナダ人なんですよ。

メイナード そう。いい意味でぶっ飛んでてね、奇才ですよ。音楽はマジメに作ってるんだけど、自分たちをマジメに撮っちゃダメというバンドだと思ってます。「横顔をこの角度で」という4人じゃないから(笑)。監督のイメージで遊んだ方が、もっといいものが生まれるんじゃないかな。
 
ブレイズ 「ウマーベラス」では、映像は遊んでるけど、僕たちはマジメな顔して演奏してるんですよ。70年代のEarth, Wind & Fireのビデオを見たらそうだったから。あれが、あの頃の最先端なんですよ。
 
メイナード 今でもカッコいいよ、あの衣装は(笑)。

ブレイズ でも僕らはアレを着て「ウェ~イ!」っておどけるんじゃなくて、クールな顔をして演奏してる。実はそれが一番難しかった(笑)。
 
メイナード オーバーリアクションはしてないからね。
 
ブレイズ そう、パロディじゃないんです。オマージュですよ(笑)。
 
──「ウマーベラス」でMONKEY MAJIKを知ったら、“そういうバンド”と思われてしまう心配はありませんか?
 
ブレイズ ああ、いいんじゃない? 全然構いませんよ。「ウマーベラス」で僕たちを知って、他の曲を聞いたら全然違ったというのも面白いし、そのままのイメージでも大丈夫ですよ。
 
メイナード キモカッコいい(笑)。
 
ブレイズ 面白いと思って関心を持ってもらえたら、全てはサクセスです。
 
メイナード そこは僕たちからは選べないから。特に今の時代はたくさんのアーティストがいて、曲を聞いてもらうこと自体も難しいので、1曲でも聞いてくれたらうれしいですよ。

──実際、この曲によってバンドへの認知が広がっているという実感はありますか?
 
メイナード ありますね。お笑い好きな人、サンドウィッチマンのファンの人はすごく多くて、彼らが「あ、サンドウィッチマンが歌を歌ったらこういう感じになるのか」と思う入口になればうれしいし、なるべく迷惑かけないようにと思ってます。
 
──迷惑?
 
メイナード 彼らがカッコよく見えるようにということですね。歌詞は彼らのネタからできたものですけど、音楽的にはどちらかというとプロデュース的な目というか。だから彼らのファンから「カッコいい!」というコメントが出ているのを見ると、メッチャうれしいんですよ。
彼らとはもともと友人でもあるし、お笑いのパフォーマンスも人間的にも、すごくリスペクトしてるから、今回はプロデューサー的な気持ちがありました。
 
ブレイズ 2人のテーマソングとして、ずっと歌い続けてくれたら最高だね。
 
メイナード 『 MONKEY MAJIK ×』って書いてあるのが申し訳ないぐらい(笑)。


メンバーはすっかり「ゼロカロリー理論」信者!?

──でも、歌のテーマにもなっている彼らの「ゼロカロリー理論」は、スラッとしたお二人のスタイルから見ると対極に思えるんですが……。
 
メイナード 時期によります。ブレイズは今は炭水化物を摂るのをやめてますが、ガンガン食べる時もあるしね。
 


ブレイズ 僕はこの半年で10kg痩せたんですよ。
 
──ええっ! それはすごいですね。

ブレイズ
 でも、ルールはひとつしかなかったですよ。「夜は食べない」。ランチはパスタなんかも食べたけど、夜は食べないようにしたら、10kg落とせました。お酒を飲みながらでもね(笑)。
 
メイナード 僕は昔から、ビーガンになった時期もあったし、魚だけ食べるようにしたり、朝は絶対食べないようにしたり、いろいろと……
 
ブレイズ 全てトライしたよね(笑)。
 
メイナード でも結局、伊達さんが正しかった。何を食べてもゼロカロリーだって気づいて、最近はいっぱい食べてるよ。
 
──マジですか!(笑)
 
メイナード この曲歌えばゼロカロリーだから。最近は歌う機会が多いから、それだけで十分だよ。彼らにも、もっと歌ってもらわないと。もっと歌えばもっとゼロカロリーだから!
 
──なるほど! じゃあ僕も歌います! ただ、ブレイズさんが先ほど言われた「夜食べない」というのが、分かっていてもできないんですよ……。
 
ブレイズ 分かる! そんな人にはいい手があります。焼肉ですよ!
 
──あ、肉は確かにダイエットに……
 
メイナード いや、カロリーは熱に弱いからね。
 
ブレイズ それに、炭火焼肉の七輪は丸いじゃないですか。
 
メイナード そう、0ね。夜食べるのはどうなのか、伊達さんに聞かないとね。
 
ブレイズ 月は丸いから。
 
メイナード そうだ、0だ!
 
──すっかりゼロカロリー信者じゃないですか!(笑) 10月14日にはサンドウィッチマンさんのステージにサプライズ登場されたそうですね。



ブレイズ そう、すっごく楽しかった! 僕たちの15周年の時に彼らが応援してくれたのもあって、今回は『ウマーベラス』のプロジェクトも生まれて、彼らの20周年ツアーだったし、ちょうどいいタイミングでやることができました。サプライズゲスとして出られて、「おめでとうございます」のくす玉も披露できて、最高だったね。
 
メイナード お客さんも楽しそうで、その反応を見るのも新鮮でしたね。
 
ブレイズ 「このプロジェクト、いいね!」っていう顔をしてくれてたね。MONKEY MAJIKのファンとはまた別のリアクションで、すごく楽しかった。アットホームな感じだったし。あの格好なのに(笑)。


素晴らしかったドラマ現場!

──格好と言えば、NHK連続テレビ小説「まんぷく」では進駐軍兵士の役で出演されるそうで。ドラマ撮影はいかがですか?
 
メイナード 最高ですね!
 
ブレイズ (しみじみと)サイコ~!
 
メイナード 日本での役者デビューが、この「まんぷく」でよかったなあと思いますね。監督はじめ現場の皆さんも温かく歓迎してくれました。キャスティングされたときは僕たち自身もできるかどうか分からなかったのに、信じてくれて。勉強になったし、そういう経験はなかなかできないですからね。しかも、それがNHKの朝ドラって、おかしくないですか?
 
──いやいや(笑)。
 
メイナード ホントに緊張してたんですけど、ファミリーみたいな環境で超リスペクトでしたね。
 
ブレイズ 僕たちのワールドは音楽でしょう? ドラマの世界はホントにみんな優しくて、スタッフの皆さんも役者の皆さんもすごく親切にしてくれて。何度も飲みに行ったしね。
 
メイナード 監督は何であんなに僕たちのことを信じてくれたのかな? 
 
ブレイズ 彼のディレクションも素晴らしかったですね。いろんなことも教えてくれたし。すごく有名な俳優さんと一緒のシーンもあって、緊張しますけどね。あとセリフを覚えるのが一番大変(笑)。
 


メイナード ドラマでは、「ドライ」「テスト」「本番」の順で進めるんですが、それぞれで同じことを3回やらないといけないんですよね。それがホントに難しくて。先日、サンドウィッチマンの富澤さんも言ってたんですよ。彼らは一発本番が多いお笑いの人だから、同じようにやりたくないわけですよ。でも、プロの俳優さんはそれをキッチリやるんですよね。そこがすごいなあと。同じ演技なのに、「本番」の時だけ涙を流したりとか。
 
ブレイズ 「本番」の時になると世界が変わるんだよね。「ドライ」「テスト」の時とまた違うアイデアが盛り込まれるし。本当にすごい。
 
メイナード 全員がプロフェッショナルだね。この世界はすごいなと思いました。

──ライブも一発本番ですよね。それともまた違いますか?
 
メイナード 一発本番という点では同じなんですが、ステージではお客さんとの信頼関係もありますからね。ミスしても「大丈夫!」って逆に盛り上がるからね(笑)。
 
ブレイズ ライブでもDVDを作る時とか、カメラが入るとまた別ですよ。(顔の動きを止めて)「こうがいいかな?」とかね(笑)。
 
メイナード ドラマの収録はあるシーンで、自分はあまりうまくいかなくても、相手が最高のパフォーマンスだったら、それを生かしたいじゃないですか。わがままは全部捨てないといけない。監督さんが「OK!」と言ったら、それでいいんだと。素晴らしい体験だよね。

ブレイズ カナダ人なのにアメリカ軍兵士の役だけどね(笑)。
 
──お話を伺ってると、またやりたいのでは?

メイナード いつでもやります! すっごく楽しかったからね。いつでもお待ちしてます!
 
ブレイズ やりたいね。
 
メイナード 僕たちでよければね(笑)。


ツアーとグッズはここがスゴい!

──ではそろそろツアーのお話を。今回は『Singles Collection』ということで、代表曲が並ぶことになると思います。普段のツアーとは気持ちが違いますか?
 
メイナード そうですね。シングル曲だけじゃなく、MVを作った曲もセットリストに入れる予定ですが、そういうアプローチを今までしたことがなかったというのが一番ですね。普段は、「ああ、あの曲はしばらくやってなかったからやろうか」というのがあったりもするんですが、今回はとにかくみんなが聞きたい曲をやろうと。それは初めてかもしれない。
 


ブレイズ 僕のコンセプトは、いろんなお店の一番好きなメニューを並べるという感じですね。「この店のパスタ」「この焼鳥屋さんの白レバー」「ここは仙台牛のお寿司」とかを全部一つのテーブルに並べて、友だちと食べるみたいな。
 
メイナード 飽きないといいね(笑)。
 
──すごく幸せなライブになりそうですね(笑)。先日、ツイッターでファンの方に「宿題」として、聞きたい曲を20曲選んでもらっていましたよね。
 
ブレイズ みんなたくさん答えてくれてうれしいんだけど、やっぱりみんな聞きたい曲はバラバラだよね(笑)。バラードはだいたいみんな選曲が似てたんだけど、ミディアムテンポのバンド・ソングとかロックっぽい曲はバラバラだった。
 
メイナード 10曲は、だいたい同じような曲なんだけど、残りの10曲がバラバラだよね。
 
ブレイズ それを全部見た結果、考えていたのとはだいぶ違うセットリストになりました。みんな、ちょっとビックリすると思うよ。
 
──そうですか!
 
ブレイズ ただ、まだ僕のアイデアだから、4人分を並べてどうまとめるかなんだけど。
 
メイナード 並べて、みんな重なった曲は決定! それ以外の曲をどうするかだよね。ただファンの人たちに「宿題」を出して、思いもよらなかったアイデアをもらえたのはすごくよかった。「みんな、この曲は好きなんだ!」とか。
 
ブレイズ 絶対にいいツアーになりますよ。みんなそれぞれに、いろんなアイデアを持ってるから。そして……(小声で)みんなハッピーになるよ!
 
メイナード もちろん、「ウマーベラス」も歌いますよ! サンドウィッチマンのお二人も、全公演、出ていただけることになりましたので……んなわけなーい!(笑)
 
ブレイズ スマホでコーラスだけ参加してもらおうか(笑)。ホログラムもいいね。
 
メイナード それはスポンサーが必要じゃない?(笑) まあ、どういう形になるかはこれからなんですが、そこも楽しみにしていてください。
 
──ツアーグッズのデザインにも関わられてるんですよね?

メイナード スタッフが素晴らしくて、基本的にはいろいろアイデアを出してもらってるんですが、今回は、TAXがアイデアを出したフローティング・ペンが最高ですよ!
 
──フローティング・ペン……?
 
メイナード ハワイとかのお土産によくあるヤツですよ。ペンを傾けると、中に浮いていたプレートが動いて……
 
ブレイズ 「見えちゃった!」(笑)

──ああ、アレですか(笑)。今回のフローティング・ペンでは何が見えるんでしょうか(笑)。
 
ブレイズ それはナイショ(笑)。あとはメンバー手書きの缶バッジもいいですよ。何年も前からスタートしていて、けっこうなコレクションになってますから。時代が変わると、(書くしぐさをして)書き方も変わるからね。
 
メイナード ずっと書いてるから、ペンだこができたぐらいですから。ホラ(と、手を見せる)。昨日、ミツバチに刺されたからちょっと腫れてるけどね(笑)。



──うわ、そっちに目が行ってしまいます(笑)。では最後に、ツアーに向けてファンの方にメッセージをいただけますか?
 
ブレイズ MONKEY MAJIKは18年間、いろんなプロジェクトをやってきて、今回はその中で生まれたシングル曲を集めたツアーです。僕たちの歴史を伝えたいと思っているので、楽しんでもらいたいですね。
 
メイナード 新曲の「ウマーベラス」。この曲を歌えば、(巻き舌で)ヤセルよ~!
 
ブレイズ ヤセル?
 
メイナード ヤセール!
 
──文字にしたら伝わりにくそうですが(笑)。ツアーが楽しみです。ありがとうございました!


 
MONKEY MAJIK Tour 2018 ~Singles Collection~
 
2018-11-11(日)【東京】NHKホール
2018-11-17(土)【福岡】福岡国際会議場 メインホール
2018-11-18(日)【大阪】NHK大阪ホール
2018-11-22(木)【愛媛】松山サロンキティ
2018-11-24(土)【高知】高知X-pt.
2018-11-25(日)【岡山】YEBISU YA PRO
2018-11-27(火)【広島】HIROSHIMA CLUB QUATTRO
2018-12-02(日)【宮城】仙台サンプラザホール
2018-12-07(金)【愛知】日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2018-12-12(水)【新潟】NIIGATA LOTS
2018-12-14(金)【石川】金沢EIGHT HALL
2018-12-21(金)【兵庫】神戸 Harbor Studio
2018-12-23(日)【京都】KBSホール
 
詳細はこちら
https://www.monkeymajik.com/live/tour.php?id=1001257
 
 
▼MONKEY MAJIKシングルコレクション試聴はこちら♪
11月からスタートする全国ツアーの前に予習してみてはいかがでしょうか。
https://avex.lnk.to/1Wa_4
 
▼「ウマーベラス」情報
視聴はコチラ
http://avex.lnk.to/umaberasu
 
ミュージックビデオ
https://youtu.be/XWo627F7CeU
 
[発売日]  
2018.8.31(金) 配信シングル&ライブツアー会場限定盤
[収録曲] 
M1 : ウマーベラス
M2 : The Sandwich Man
M3 : ウマーベラス-instrumental-
 
 
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撮影 長谷 英史
高崎計三
WRITTEN BY高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。

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