翻訳
今年11月にデビュー16周年を迎えた大原優乃さん。近年は俳優としてもめざましい活躍を見せています。鹿児島にて先行公開され、12月5日(金)に全国公開となった映画『天文館探偵物語』では、訳ありのシングルマザー・橋口凪を演じて新境地を開拓。来年、1月1日(木)からNetflixで独占配信となる映画『教場 Reunion』、2月20日(金)から全国公開となる映画『教場 Requiem』では、メイン生徒役として出演しています。話題作に立て続けに出演が決まっている大原優乃さんに、撮影の裏話をたっぷり伺いました!
地元・鹿児島でのロケでは撮影中に、母親と遭遇

──大原さんの地元である鹿児島ロケが行われた『天文館探偵物語』へ出演が決まった時の、気持ちはどうでしたか?
大原 故郷でお芝居をするという目標が叶ったので、私にとって思い入れの強い作品になりました。映画の撮影で、鹿児島に長い期間、滞在することも初めてでした。天文館という家族や友だちとの思い出がたくさんある街だったので、感慨深かったです。
──撮影期間中は、家族や友達と過ごすような時間はありましたか?
大原 撮影中は、実家から現場に通っていました。今回の凪という役は、抱えているものがとても多い難しい役柄でしたが、毎日実家に帰ることで気持ちの切り替えができたと思います。
──天文館での思い出はありますか?
大原 天文館の中に山形屋というデパートがあるのですが、そこでかた焼きそばとラーメンが食べられるふるさとレストラン「山形屋食堂」というお店があって、よく家族で食べに行きました。実際に慣れ親しんだ街なので、嬉しかったです。あとは今回の映画ロケ中に、買い物中の母と遭遇したこともありました。
──それは地元ならではのハプニングですね。
大原 上京して以来、地元に長期間滞在できることがなかったので、撮影が終わると、家で母が手料理を作って待っていてくれたのには、気持ち的にすごく救われましたね。すっかり、甘えていました(笑)。
──初めての母親役ですが、どのように役作りをしましたか?

大原 役作りをする上で、「母親らしくいよう」という思い込みを捨てるところから始めました。息子役の方と現場でたくさんコミュニケーションを取らせていただいて、その雰囲気が役に投影できたら良いなと考えていました。撮影当時は23歳だったのですが、役にあわせた大人っぽいメイクをヘアメイクさんが提案してくださったのですが、脚本を読ませていただいた時に、凪という女性は、自分に労力や時間を費やすよりも息子に時間を使う方が多いのではないかと感じたので、諸江監督にご相談させていただいて、ほぼ素の状態でいたいと伝えました。
──それがリアリティのあるお芝居につながったのですね。子役の方とは、どのようにコミュニケーションをとりましたか?
大原 息子役の方が初めての現場だったので、撮影に来る日々が楽しみだと思っていただけたらいいなと。シリアスなシーンが多かったので、空き時間には気持ちを切り替えられるようにと思って、一緒にゲームをしたりしました。
──映画のシリアスなムードとは違って、和やかな現場だったのですね。今回の作品を通して、大原さんのなかで成長できた部分はありましたか?
大原 脚本が進んでいくスピードがとても早いので、セリフのないシーンでの表情や息遣いなどで、何か残せたらいいなという意識で演技をしていました。
──監督からの演出で、難しかったことはありましたか?
大原 撮影に入る前に、彼女の生い立ちなど脚本に描かれていない部分まで情報をくださったので、自分の中で役としての軸がしっかりできて、演じる上で非常にありがたかったです。現場では細かい演出はあまりなくて、役を託していただいたなという実感がありました。
──本作では、timeleszの寺西拓人さんと共演されています。寺西さんはバーで働きながら探偵業も営む宇佐美蓮という役柄でしたが、一緒に演じてみてどのような印象でしたか?
大原 共演は今回が初めてだったのですが、シリアスなシーンが控えていても穏やかな方という印象でした。寺西さん自身の優しさが現場の雰囲気にも反映されていたと思います。
──では、『天文館探偵物語』の見どころを教えてください。
大原 映画のキャッチコピーが「守りたい人たちがいる その想いが勇気になる」なのですが、映画に出てくるそれぞれのキャラクターが、誰かを守るために懸命に生きています。本作はオール鹿児島ロケで、鹿児島県民が願う、ずっと残したい鹿児島の美しい景色がたくさん映し出されているのでそちらも楽しみにして観てもらいたいです。
キャストとスタッフが一丸となって一つの作品を作ることを再確認できた

──『教場 Reunion』、『教場 Requiem』というシリーズ前後編に、木下百葉役で出演されます。『教場』は2020年から続く人気シリーズで、2023年には『風間公親―教場0―』が連続ドラマとして放送されています。シリーズ最新作に出演が決まった時、どのような気持ちでしたか?
大原 過去作を全て拝見していたので、「あの教場の制服に袖を通せるんだ! 」という気持ちでした。本作があるのも、これまで出演されていた方々の熱意があってのことなので、良い意味で前作を超えるぐらいの気持ちで取り組みました。
──主演の木村拓哉さんの演技を身近で見て、どのような印象を受けましたか?
大原 撮影でご一緒させていただくのは初めてだったのですが、役に対しての色付けがとても繊細な方という印象で、刺激を受けました。
──シリーズで話題となる生徒役ですが、演技で心がけたことはありますか?
大原 今回は過去作より生徒役の人数が多いので、そのなかで、自分の役柄の色付けは、周りの方の芝居も意識しながら役作りしました。『教場』では、生徒たちは制服とジャージの2パターンの衣装のみなのですが、そのなかで私が演じた木下百葉役という役は、濃い真っピンクのジャージなんです。それだけでも役柄の特徴をとらえていて、画面の中でわかるので、役が持つ個性を自分の中でも分析しながら、現場に入っていました。
──撮影中で、印象に残っているシーンはありますか?
大原 普段は自分の台詞がないシーンでも、役としてどう生きているのかを考えることがとても楽しいのですが、『教場』だとよりシリアスな場面が多くて、教室でのシーンでは、同じ姿勢でずっと一点を見ていなければならない。その中で教官に指名されたら立って答える。そういった緊張感は今までにはなかったので、より削ぎ落とされたお芝居ができたと思います。
──お話をお聞きしていると、『天文館探偵物語』も、『教場』も映像に見えない部分で大原さんが役作りに真摯に取り組まれている姿勢を感じました。
大原 そうですね。作品としては、やっぱり『教場』ならではの緊迫感が映像から溢れていると思います。たとえば、教室のシーンでは誰か一人でも揃わなかったらNGテイクになってしまう。撮影の空き時間も、生徒役同士でリハをしていました。物づくりをする上で、キャストやスタッフの皆さんが総出となって協力して作っていくのを再確認できました。みんなで熱い思いを込めて作った作品なので、ぜひ期待していただきたいです。
15年はあっという間ではなかった。次の目標はアクションシーン⁉

──2025年は15周年イヤーでした。グラビアからお芝居、ラジオなど様々な活動を振り返って、この一年どういうふうに感じてますか?
大原 デビュー15周年で、自分ができる全てのことをやりきれた一年だったなと感じています。写真集の発売や写真展、Dream5として一日限りのイベントも開催させていただいて、これまで支えてきてくださった方々のおかげで、いろいろなことを実現できた一年だったと思っています。
──ご自身にとって、ここがターニングポイントだったと感じる仕事はありますか?
大原 最近で言うと、新幹線のアテンダント役を演じた『新幹線大爆破』(2025年・Netflix配信)ですね。大掛かりなセットや撮影環境のスケールの大きさはもちろんなのですが、役作りのための準備期間が長かったのが印象的でした。実際に作品に入る前に JR東日本の方のご指導による研修を受けさせていただけて、そのなかで笑顔やお辞儀の角度まで学ばせていただけたので、よりリアルに役に反映させられました。そういった環境を提供していただけることは、役を演じるうえでありがたかったです。
──これまでの活動を振り返ってみて、大事にしてきたことは何でしたか?

大原 10歳からこの仕事を始め、仕事をする上での土台となる部分はDream5時代に培われたと思っています。なので15年は、あっという間という感覚ではなかったですね。色々な経験をさせていただき、今の自分があると実感しています。どれも全部、自分が責任をもってやりたいと思ってきた仕事なので、仕事の向き合い方に関してはすべて平等、同じ熱量で、現場と向き合うように心がけています。だからこそ、すべてのお仕事にこれまでの経験が生かされていると思っています。
──来年の目標を教えてください。
大原 そうですね。体を動かすことが好きなので、アクションシーンのある作品に出てみたいです。これからも、いろいろな挑戦をしていきたいと思っています。
──ありがとうございました。
撮影 長谷英史
映画『天文館探偵物語』
12月5日より全国公開
https://tenmonkan-tantei.jp/
映画『教場 Reunion』
2026年1月1日(木)Netflixで独占配信
映画『教場 Requiem』
2026年2月20日(金)劇場公開

【大原優乃】”儚さ”を切り取った新しい姿を…自身初の「写真展」を開催!15周年でファンへの感謝をこめて

【大原優乃】20cm以上カットでシャープなボブに大胆イメチェン!

【大原優乃】大ヒット中のNetflix映画「新幹線大爆破」の撮影現場密着映像をYouTube大公開!

【大原優乃】ランジェリーでの美ボディ披露!

【大原優乃】レギュラーラジオが冠番組になって日曜日22:30にお引越し、初回4/6(日)は生放送でお届けします!

【大原優乃】人生初のキャンピングカー運転に挑戦!

ライター
池守りぜね
趣味は子供と一緒にプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。Twitter:@rizeneration