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【劇団4ドル50セント 7周年記念】全てを劇団員だけで手がけた舞台『追憶のガラス』【2期生インタビュー】

劇団4ドル50セント 2期生

【劇団4ドル50セント 7周年記念】全てを劇団員だけで手がけた舞台『追憶のガラス』【2期生インタビュー】

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劇団4ドル50セントの7周年記念イベントとして、8月18日にDDD青山クロスシアターで上演される『追憶のガラス』。先日は劇団1期生のメンバーに見どころなどをお聞きしましたが、今回は2期生6人に、ほぼ同じ質問をぶつけてみました。脚本・演出・そしてW主演も担当する1期生の姿を見つつ、彼ら自身はどのようにこの公演に向き合っているのか? こちらもガッチリ答えていただきました!

入団から3年弱……一番印象に残っていることとは?
 

 
──今回の公演『追憶のガラス』は7周年記念イベントになります。皆さんは2期生なので、入団からはだいたい3年弱という感じになりますが、まず、入団からここまででイチバン印象に残っていること、そして、入団時から一番変わったなと思うところを教えていただけますか?

吉川真世 1年前に、劇団4ドル50セント スピンオフ公演『生まれたその日は青空だった』という30公演のロングラン公演を経験したのですが、その30公演を乗り越えたことが、一番印象に残っています。7月から1ヵ月稽古して、8月から約1か月間の公演だったのですが、そんな経験って本当にないですし、それこそ劇団4ドル50セントならではだと思いました。そこでまた一段と、劇団内の仲が深まりましたし、自分がW主演という立場に立って引っ張っていくという経験もできたので、自分の中ですごく印象が強いです。
変わった点は……入る前に劇団4ドル50セントの舞台を見ていた時は、輝いているなと思ったし、憧れていました。いざ入ってみて、夢を追う厳しさも改めて知り、楽しさも知りました。劇団としてももっと上に上がっていきたいという思いに対して、劇団だからこそみんなで悩めるというのもあるなって。一人だったら考え込んでズーンってなっちゃう時もありますけど、みんなと稽古すると「やっぱり夢を追うって楽しいよね」って思えるんですよね。厳しい環境ではあるけど、みんなとなら頑張っていきたいと思えているので、そこが私にとってすごく心強いところですね。

瀬谷直矢 僕が印象に残っているのは、昨年2月の、劇団4ドル50セント 第3回本公演『ほどよく洒落たチョコレート』ですね。2期生で僕だけその前の年の劇団4ドル50セント オリジナル公演『Take Off!!!!』公演に参加できなくて、僕が初めて1期生と一緒に舞台に立てたのが『洒落チョコ』でした。そこで、「1期生ってやっぱりすごいんだな!」って思って。稽古をしていてもお芝居がうまいし、尊敬できるところがたくさんありました。一緒に舞台に立ちたかったので、「やってよかったな」ってすごく思っています。
加入した当初は、後輩という立場で甘えていたし、受け身だったのですが、それじゃ何も変われないと思ったんですね。個人的にも今年25歳で、この先変わらないと成長できないし前に進めないから、本当に意識を変えていこうと思って。それはやっぱり、1期生を身近に見ていて、すごくて尊敬できる方たちばかりなので、「自分はこのままじゃダメだな」というのをすごく感じたんです。意識の部分一番変わったと思います。

宮地 樹 僕は、劇団でダンスと楽曲を使ったイベントを何度かやったことが、すごく印象に残っていますね。2期生として入って劇団の劇中歌を皆さんの前でパフォーマンスしたことが今までなくて。それをイベントで実際にずっと見てくれたファンの方に僕たちが踊って歌っているところを見せられたというのがすごく嬉しくて楽しかったです。
変わった点は……自分を大切に、表現できるようになったなって思います。2期生として加入する前の候補生時代は自分をうまく出せず、流されやすい部分がありましたが、劇団に入って様々な考えや個性を持っているみんなと交流をしていく中で、自分自身をしっかり持って、表現していくことが大切だと気付きました。

田中音江 私が一番印象に残っているのは、昨年の12月にやった年末イベントですね。もちろん『生まれたその日は青空だった』でW主演させていただいたこともすごく印象的なのですが、年末イベントで1期生の方と一緒に劇団の楽曲を自分たちで構成したり、グッズも作って宣伝もして……というのが初めての経験だったので、すごく印象に残っています。
変わった点としては、劇団に入って、責任感を持つようになりました。候補生の時はまだ背負うものがなかったですが、劇団に入ってからは「劇団」という名前を背負って外部の舞台に立ったりして、「劇団4ドル50セントの劇団員」として見られるようになったので、いただいた仕事に対しての責任感、向き合い方がすごく変わりました。

森 由姫 私は劇団を結成当初から見させてもらっていました。本公演ではダンスのシーンが印象的で、みんなで踊っている姿を見ていたので、私たち2期生もそれをやりたいと思ったし、演技だけじゃなくあの熱量のあるダンスをやりたいと思って入ったところがあって。昨年の年末イベントでダンスと歌を1から全部教えてもらって、お客さんの前でパフォーマンスできた時に「劇団の一員になれたんだ」って改めて思えたことが一番印象深くて、劇団員になれてよかったなって思いました。
変われたことは、私は人に頼ることだったり甘えることがすごく苦手で、甘えちゃうことが逆に良くないかなと思ったり、何でも責任感を感じてしまうタイプでした。いろんな活動をしていく中で、「私も甘えていいんだ」って分かったところが、変われたなと思います。一緒に支えてくれる仲間がいるから、甘えていいんだなって分かったことですね。

宮嶋璃乃 私は2年半前の、2期生が加入する時の記者会見が印象に残っています。その時に初めて1期生の方とご挨拶できたり、高校生の時からずっとSHOWROOMで応援してくださったファンの方と顔を合わせて、「劇団に入れたよ」と形として届けられたのがすごくうれしかったです。
変われたことは、元々モデル志望でずっと演劇から離れたところにいたので、劇団に入って初めて一からお芝居を学びました。『Take Off!!!!』公演が初舞台だったのですが、そこでたくさん吸収して、劇団で芝居の基礎を固めたというか……まだ全然固まってはないのですが、劇団で芝居を学べたことが一番自分の中で変わったし、自分の中で心強い芯ができて、よかったなって思います。

『追憶のガラス』、2期生的な見どころは?
 
 

──今回の『追憶のガラス』は、脚本が久道成光さん、演出がうえきやサトシさん、振り付けが中村碧十さんということで、1期生の方々が製作の中心になっていますよね。まず、この脚本、ストーリーに接した時はどう思いましたか?
 
吉川 みんなでミーティングした時に初めて脚本を読んだのですが、その時は、「すごく面白そう!」と思いました。そこからみんなで意見を出し合って、脚本が何回か変わっていったんですね。その結果、今できている脚本はみんなの意見や想いがすごくいい感じに混ざり合っていて、お客さんにとってはすごく見やすいし、楽しんでいただける脚本になっていると思います。

瀬谷 今、絶賛稽古中なのですが、その場でもリアルタイムで意見が飛び交っていて、最後までいいものにしようと頑張っています。

──稽古を重ねている中で、うえきやさんの演出についてはいかがですか?
 
宮地 うえきやさんが求めているものと、僕が台本から感じていたものがズレていて難しい部分もありました。僕がわからないことや疑問に思うことは優しく丁寧に教えてくれるので、たくさん話をして、より良いものを作れるように頑張りたいです。

瀬谷 振り付けについては、既存の劇中歌の振り付けではなく、碧十さんが新たに考えたものなので、既存の振り付けを見ていたファンの方にとっても、新鮮味があるものになっていると思うし、それを考える碧十さんがすごいなと思います。

──お一人ずつ、自分の役どころと、舞台上の自分のここに注目してほしいというポイントを教えていただけますか?
 

吉川 私はインジュリーという、どうしたら自分の夢を叶えられるか試行錯誤していく役を演じます。これが今自分が思っていることとリンクしていて。年齢的に、友達はみんなお仕事していたり、結婚して子供を産んでいる子もいたりして、「自分はこのままでいいのかな?」って思ったりしていた時にこの役をもらって、「私はまだ夢を追っていいんだな」って、この脚本に思わせてもらったんです。今の自分にすごくピッタリの役をもらったなって、すごくありがたいなと思ってやらせてもらっています。 
今回劇団員全員で作っているからこそ、周りのみんなからも「こういう役なんじゃない?」とかみんなで話し合って作れているので、自分でも気付いてなかったところもみんなで話し合ったりして「確かにそうかも!」って気付けています。お互いを知っているからこそ引き出せるお芝居もあるので、自分に限らず全員がその人が演じる意味みたいなのも出せたらいいなって思っています。
 
瀬谷 今、SNSで登場人物の紹介映像が流れているのですが、その中で「夢追い人」などその役に合ったキャッチフレーズがつけられているんですね。僕はセジルスという役名なのですが、僕だけキャッチフレーズのところが「セジルス」ってなっていて、1人だけキャッチフレーズじゃなくて役名なんですよ(笑)。このセジルスという人物が物語にどう関わっていくのか、脚本を書いた久道さんによると、キーとなる重要人物らしいので、ぜひ皆さんの目で確かめてもらえるとうれしいです。

宮地 僕は山田和馬という、堀口紗奈さん演じる現実世界の橋本恭子さんの同僚役になります。キャッチフレーズが「シゴデキの同僚」なのですが、僕自体は凄くポンコツで、シゴデキからは少し離れたような人物なので、役と自分のギャップを楽しんでいただきたいなと思っています。
 
──お芝居の中ではシゴデキをやれてますか?
 
宮地 どうですかね?
 
田中 できてます!
 
宮地 よかった(笑)。

田中 私は「マイ」という役名で、キャッチフレーズは「みんなの後輩」なのですが、私自身は後輩というより、「みんなの妹」的な存在をイメージして演じています。でも彼女にもちょっとした陰というか、暗い過去みたいなものがあって、それをどう表現していくかを見てほしいです。やっぱり人間って、一本筋の人なんていないと思うので、その陰の部分を、ちょっとしたところで表現できたらなと思っています。
 
 私の役はダンスリーダーの「シオリ」という、現実社会では仕事を頑張っていてるけれど、でもそれが自分の好きなこととは違うという人物です。自分の好きなことをやり遂げるために「バーチャルライフ」で見た目を変えて生活しています。そのギャップが見どころかなと思います。

宮嶋 私は「ジャネット」という役名で、「本当の自分」というキャッチフレーズがついています。ジャネットは気が強くて人の意見を受け入れるのが苦手な人ですが、実は仲間思いだったりもするんですね。そうはしたくないけど、自分を守るために他人とそう接さざるを得ないというか、本当の自分を出したいけど出せない自分もちょっとイヤで、バーチャル世界に入っているという人物です。本当の自分を表現できるバーチャル世界に魅力を感じた人なので、彼女の中身というか、現実世界のジャネットとはどういう人なのかをしっかり考えながら作っているので、そこを見ていただきたいと思います。

7周年を越えて……ここからどうしていきたい?
 
 
──皆さんの説明をお聞きしていて、それぞれの役について真剣に解釈して演技を作っているのがよく伝わってきました。さて、今回は7周年記念イベントですが、ここから先はどう進んでいきたいですか?
 
吉川 この7周年イベントは本当に1から劇団員で作っているのですが、ビジュアル撮影が一番最初のスタートでした。カメラも照明も衣装も劇団員が担当していて、私たちの可能性って無限だなと感じました。こんなものが作れるって知らなかったし、本当にみんな隠された特技を持っている集団だからこそどこまででも行ける気がしています。それこそ一番初めに言っていた「日本一の劇団になる」っていうのも夢じゃないなって思ったので、もっともっと頑張って、日本で一番有名な劇団になりたいなって、今回改めて思っています。

瀬谷 本来の劇団って、1から作るものというか、劇団内に脚本や演出がいたりするものじゃないですか。今回劇団4ドル50セントがやっていることって、他の劇団は当たり前にしているようなことだと思うのですが、これからもこうやって自分たちで作り上げていけたらいいなと思います。8周年祈願として、富士山とかにみんなで登りたいなって思っています。(一同・笑い)
 

宮地 僕個人としての目標は、本当にそれぞれ個性が強い人が集まっている劇団なので、その中でも突出した個性を何か見つけることが目標です。劇団全体としては、劇団員それぞれが個人でも有名になって、劇団の公演をする時にはアベンジャーズみたいにスーパーヒーローが集まっているというような最強の劇団になれたらいいなと思っています。

田中 劇団としての目標は、紀伊國屋ホールに立つことですね。私たちは出ていないですが、旗揚げ公演をやった紀伊國屋ホールにみんなと立ちたいです。楽しい未来を作っていきたいなって思いますね。
 

 劇団としては、全国を回りたいと思っていて。ファンの方々も地方の方が多いので、いろんな地方を回って、またたくさんの新しいファンを増やしたり、既存のファンの方たちにも、この劇団4ドル50セントの良さを更に届けられるようにしたいなって思います。
個人的には、私は本当にテイラー・スウィフトさんが好きなんですね。テイラー・スウィフトさんって、世界中の人が知っているスーパースターじゃないですか。みんなから憧れてもらえるような、マルチに活躍できる人になりたいです。

宮嶋 劇団のファンでいてくださる方は、みんなのお芝居をしているところが好きと言ってくださるので、定期公演をやりたいなって思っています。どれだけ小さくてもいいから、今回みたいに劇団員で作って、定期的に公演をやりたいです。もっと劇団を広めていきたいなと思っています。そのためには、1人1人活躍して土台を作っていって、大きくなるのが夢ですね。
個人的には、2期生で入団した時に、「悪役をやりたい」って言っていたら本当に気の強い役ばかりで(笑)。でも、言えば実現するんだって思ったので、お芝居だけじゃなくモデルとしても、活動していけたらなと思っています。
 
──では最後に、この公演を見に来てくれる人、「見に行こうかな」と思っている人に、オススメの言葉をお願いします。

宮嶋 やっぱり私たちって、夢を追いかけて、泥臭く生きる人間たちが集まった劇団なんですよね。今回は一から劇団員たちで作るということもあって、夢とか挫折もあったり、人間らしさもあり、希望に満ち溢れた舞台になっています。本当に老若男女というか、いろんな世代の方に見ていただいても、自信を持って素敵な作品と言えるので、是非見に来ていただきたいなと思います。
 
吉川 公演のロゴとか、グッズも自分たちで作っているんですよ。
 
宮嶋 いくつか前のイベントから、自分たちで宣伝動画も作ったり、グッズも作っているので、ぜひゲットしてほしいです。
 
──そこも含めて楽しみですね。ありがとうございました!

 

撮影 長谷英史


劇団4ドル50セント 7周年記念イベント「追憶のガラス」

日時
2024/8/18(日)

●1部
開場:12:30 開演:13:00

●2部
開場:17:00 開演:17:30

▼会場
DDD青山クロスシアター

〒150-0002 
東京都渋谷区渋谷1-3-3 ヒューリック青山第2ビル B1F
http://www.ddd-hall.com/access/

【劇団4ドル50セント OFFICIAL SITE】
https://4dollars50cents.com/

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記事情報

高崎計三

ライター

高崎計三

1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。