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【FC町田ゼルビア】初のJ1となった開幕戦を終えたゼルビアの見どころ 太田宏介アンバサダーが語る

太田宏介

【FC町田ゼルビア】初のJ1となった開幕戦を終えたゼルビアの見どころ 太田宏介アンバサダーが語る

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FC町田ゼルビアにとって、J1リーグ初陣となった2月24日の開幕戦。ガンバ大阪との歴史的なオープニングマッチを見ようと、ホームの町田GIONスタジアムに詰めかけた観客数は1万3,506人と、同スタジアムでのクラブレコードを更新する大入りとなった。
 

試合は前半17分に鈴木準弥のPKで先制したゼルビアだったが、1-0で折り返した後半は仙頭啓矢が2度の警告による退場処分を受けたため、後半15分以降は10人での戦いを強いられた。1-0のまま終盤に突入した試合は84分、G大阪の宇佐美貴史に同点ゴールを決められると、1-1でタイムアップ。記念すべきJ1初戦は、引き分けに終わっている。
 
また華々しい開幕戦にふさわしく、ピッチ外も大いに盛り上がりを見せた。ハーフタイムには、乃木坂46の公式ライバルとして2023年8月30日にデビューした23人組で、昨年末には『第65回 輝く! 日本レコード大賞』新人賞を受賞した、“僕が見たかった青空”がライブパフォーマンス。

後半に臨むスタジアムのボルテージを上げると、熱戦後にはスタジアムDJのmotsuさん、女優の福田愛依さん、そして太田宏介アンバサダーが映像と共に試合を振り返るアフターゲームショーも開催されるなど、イベント盛りだくさんな歴史的J1初のホームゲームは、こうして幕を閉じた。
 

J1初陣を終えたゼルビアは、今後どんな戦いぶりが期待できるのか。昨季限りで現役を引退。現在はゼルビアを広く周知するための親善大使としてアンバサダーを務める元日本代表DF太田宏介さんに、昨季まで現役選手としてプレーしたゼルビアの魅力やエイベックスとの関わりについて、たっぷりと語っていただきました。

勝てる試合だった! 大きな可能性が見えた開幕戦
 
 

──まずは開幕戦のG大阪戦の感想から聞かせてください。
 
太田 結果的に1-1の引き分けでしたが、前半を見ていて、「今日は勝てるんじゃないか……」と思えるゲームでした。内容も非常に良かったですし、黒田剛監督が掲げている堅く守る昨季のサッカーの土台の上にしっかりと上積みが成されていました。開幕戦からゼルビア“らしさ”を出せていたと思います。
 
──初のJ1を戦える手ごたえをつかんだのでしょうか。
 

太田 相手よりも劣る部分はなかったと思います。後半は2度の警告による退場者を出したために、フィールドプレーヤーが10人となり、1点のリードを追い付かれる展開になりましたが、今のチームは若い選手が多い分、全てのことが経験になります。引き分けたことで勝点3を得られず、勝点1の獲得にとどまり、勝点2を失う形になったとはいえ、いろいろな意味で、チームにとっては大きな経験値を得られた試合になったのでは。
 
──開幕戦で目を引いた選手はいますか。
 
太田 平河悠は本当に良かったと思います。一昨年も昨年も良かったですが、若い選手の成長スピードは本当にすごいなと、悠を見てそう感じました。悠は個人で剥がす力が飛び抜けています。相手を個の力で剥がせる選手はリーグの中でもたくさんいますが、悠のように相手を剥がせる上に周りを活かせる選手はそういないと思います
 
──もう少し詳しく聞かせてください。
 
太田 昨年と悠が変わった部分は、自分の前にいる2トップの選手と中盤の底のボランチの選手や、サイドバックの選手など、周りを活かすプレーがすごくできるようになりました。怪我をせずにこのまま自分のプレーを発揮できれば、日本代表やリーグを代表するアタッカーになれると思います。
 
──今季のチームに対する期待感はどうでしょうか。
 
太田 黒田監督が5位以内を目標に掲げる中、まずはJ1残留を果たし、その上で目標を達成することがベストです。また若い選手が出場機会を得ることができれば、チームの総合的な自信につながるでしょう。例えば開幕戦に途中出場した大卒ルーキーのヘンリー(望月ヘンリー海輝)のように、多くの若手が試合に絡んでほしいです。
 
──望月選手への期待がひしひしと伝わってきます。
 
太田 ヘンリーは身体能力がすごいだけではなく、ポジショニングも、相手との間合いの取り方もいいです。ナチュラルにできてしまう基準が高いので、もっといろいろな視点からサッカーを教われば面白く育っていくと思います。

町田で徐々に大きくなっていったゼルビアは“リアルサカつく”!
 
 
──ちなみに所属していたからこそ分かるFC町田ゼルビアというサッカークラブの魅力とは。

太田 大半のJリーグクラブは、トップチームが出来てから下の年代のカテゴリーが出来上がっていくプロセスを辿ってきましたが、FC町田ゼルビアはジュニア(12歳以下)のカテゴリーを出発点に出来た唯一のJクラブです。周囲は多くのJ1クラブに囲まれていますし、まだまだ力はないかもしれませんが、夢のあるJクラブだと思います。
 
──J1に昇格するまでにも、紆余曲折がありました……。
 
太田 地域リーグ、JFL、Jリーグ参入、そしてJ1昇格と、やっとここまで辿り着きました。ゼルビアはポテンシャルがあるクラブです。ゼルビアはまだまだ発展途上のクラブですから、応援してくださる皆さんと一緒に、ゼルビアが大きなクラブになっていく夢を共有しながら、共に戦えることも魅力です。まさにゼルビアには“リアルサカつく”の世界観が広がっています。
 
──“リアルサカつく”とは、絶妙な表現です。
 
太田 ゼルビアが発展し、J1を戦えるチームになった以上は、ゼルビアのトップチームが町田市民の憧れの存在として目標とされるJクラブであってほしいです。町田市は少年サッカーの街やサッカーの街と長年言われながらも、町田市内に子どもたちの指標となるべきサッカークラブがありませんでした。
 
──高校年代を卒業後、町田市に受け皿となるサッカークラブが存在しない。そんな時代を知る太田アンバサダーだからこそ、言葉に重みがあります。
 

太田 もっとゼルビアを町田市民に根づくクラブにしたいですし、ゼルビアが町田市のシンボルになっていく過程に携われていることがとてもうれしいです。まさかこうしてエイベックスさんと一緒に仕事ができるなんて、信じられません。サッカーって夢がありますよね!

──“エイベックス 愛”は後ほどたっぷりと語っていただくとして(笑)、今年のホームゲームから新たな試みとして、試合後のスタジアム内でアフターゲームショーが行われるようになりました。
 
太田 シンプルに楽しかったですが、聞いてくださっている方の人数が寂しかったです……。初回は100人もいなかったかもしれませんが(苦笑)、その人数こそがポテンシャルです!
 

──太田アンバサダーも思わず、「人が少ない……」とお話しされていました。
 
太田 次回の開催をXで引用リポストしたら、こうしてほしいといったリクエストが僕の下に届きました。ファン・サポーターの皆さんと共にベストな形を作り上げることができればいいなと思います。またこれまでサッカーとは接点がなかった方々にも魅力を感じていただけるコンテンツにしたいですね。
 
──進行役のmotsuさん、ご一緒した福田愛依さんとお話しされた印象はいかがですか。
 
太田 motsuさんとは昨年も話す機会はありましたが、とても話しやすい方です。腰も低く優しい方だなという印象は変わっていません。またMCを聴いていると、「喋りがうまいなー」、「声の質がいいなー」とうらやましく思います(笑)。
 
──福田さんに対する印象はいかがでしょうか。
 
太田 愛依さんはとてもハキハキとしている方ですし、「サッカーをもっと勉強します!」とギラギラしている感じもいいですね。一緒に開幕戦を見ている時に、FKを蹴る選手や壁に立つ選手の心理面を積極的に聞かれたりしましたが、お2人とはもっともっと関係を深めて、深掘りできるようにしたいです。
 
──motsuさんは昨年スタジアムDJに就任したばかりですが、ゼルビアのことを相当愛されていますよね!
 
太田 昨年の話をしている時も、「あの試合のあのゴール」とかを記憶されているので、単純にすごいなと思います。シンプルにビックリしました。また愛依さんには女性目線のスタジアム観戦ポイントや、おいしいスタグル紹介とか、いろいろなファン層の方々に喜んでいただけるようなコンテンツを発信していただき、クラブのPRにつなげていきたいです。
 
──アフターゲームショーのアピールポイントをお願いします!
 
太田 今後、僕のトークスキルがどんどん上がっていくので、成長を楽しみにしていてください(笑)。ただ話すだけではなく、何かを生み出していきたいですし、ファン・サポーターの皆さんが「試合後もスタジアムに残って、アフターゲームショーを聴きたい!」と思えるような内容を考えたいです。
 
──太田アンバサダーご自身もポテンシャルにあふれていると。
 
太田 そうです! もちろん今後は選手目線だけではなく、motsuさんや愛依さん、それぞれの立場から見える試合のポイントの解説やスタジアム観戦の楽しさを、お2人から引き出せればと思います。


 
──「ふれあいサッカーを観ながらアフターゲームショーも観る。そんな光景が定着してほしい」とお話しされていました。
 
太田 ふれあいサッカーはとても貴重な企画です。スタンドで試合を見ていた子どもたちが、先ほどまで選手たちがプレーしていたピッチでサッカーができるというイベントは、他のJクラブでもやっていないことですから。
 
──ふれあいサッカーは、長年クラブが続けている伝統のイベントです。
 
太田 僕も小さい頃、『町田サッカーフェスティバル』というイベントで、町田出身のサッカー選手をスタンドからピッチの距離で見ること自体がうれしくて、夢を持つきっかけになりました。ふれあいサッカーの参加者の中からゼルビアに入りたいと思ってもらえるような子どもたちがたくさんいてくれたら、これ以上うれしいことはありません。
 
──ふれあいサッカーとアフターゲームショーの調和ですね。
 
太田 アフターゲームショーの後ろのピッチでプレーしている子たちは、ゼルビアを背負う原石ばかりです。そんな微笑ましい光景を見ながら、大人たちのサッカートークを楽しんでほしいです。
 
 
a-nationにも参戦! 太田アンバサダーは生粋のエイベックスファンだった!
 
 

──お待たせしました。ちなみに太田アンバサダーとエイベックスのこれまでの接点は。
 
太田 真っ先に思い浮かぶのは、僕も通っていた『a-nation』です。お祭りのように楽しめる音楽の祭典でした。エイベックスさんがゼルビアのトップパートナーになっていただいたことで、ゼルビアのホームゲームがますます楽しくなる。そんな期待感しかありません!
 
──a-nationへ通っていた動機は?
 
太田 ラストのあゆ(浜崎あゆみ)見たさで行ってました(笑)。TRFも、AAAも好きですね。味スタ(味の素スタジアム)開催のa-nationも行きましたよ!
 
──ちなみに浜崎あゆみさんの好きな楽曲は?
 
太田 例えばMVで一番好きな曲は『BLUE BIRD』です。僕は本当にあゆが大好きで、自分で作る着メロにあゆの曲を選んでたぐらいですから(笑)。エイベックスさんには勝手にお世話になっていました(笑)。ドンピシャの世代ですからね。実はBIGBANGさんも好きで、あらゆるコネを駆使してチケットを入手していました(笑)。
 
──その執念たるや……(笑)。
 
太田 もっと言えば、人生初ライブが東方神起さんのライブでした。ライブって元気をもらえるんですよね。ライブで聴いた曲は耳に残るし、練習の行き帰りにお気に入りの曲を聴くと、もっともっと好きになっちゃいますね。
 
──「まちだ漢祭」のときもライブがあって盛り上がりましたね
 
太田 SEAMOさんにお越しいただいた昨年はメンバー外だったため、スタンドから大好きな曲が流れてほしいなと思って見ていました。これからいろいろなエイベックスさんのイベントがゼルビアのホームゲームで見られることをイチファンとして楽しみたいです。
 
──それでは最後に、あらためてゼルビアのPRをお願いいたします。

太田 個人的にはエイベックスさんのWebサイトに自分が載れるなんて……夢にも思っていなかったです。エイベックスファンとして、とてもうれしいです。エイベックスさん生誕地の地が町田であることは、先日アップされた松浦勝人会長の動画で広く知られたと思います。そんな町田市をホームタウンに構え、少しずつ成長してきたFC町田ゼルビアはまだまだ足りない部分はたくさんありますが、エイベックスさんと共に手を取り合いながら、Jリーグだけではなく、アジア、世界へ飛び出していくこのストーリーを、皆さんと一緒に作り上げていければうれしいです。また一人でも多くの方に町田GIONスタジアムまで足を運んでいただき、ライブで観るサッカーの魅力を体感してほしいです。よろしくお願いします!

 

太田宏介さん 撮影 沼田 学 

第3節
2024年3月9日 14:00
鹿島アントラーズ
町田GIONスタジアム

 
アフターゲームショー
福田愛依さん
和田タスクさん
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記事情報

郡司 聡

ライター

郡司 聡

千葉県生まれ。編集者・ライター。広告代理店、編集プロダクション、サッカー専門新聞『エルゴラッソ』編集部を経て独立。Webマガジン『ゼルビアTimes』の編集長も務める。著書に『不 屈のゼルビア』(スクワッド)。