4月14日にavexからの2ndとなるニューアルバム『Bloody Bride』をリリースしたばかりのBRIDEAR。現メンバーになって第1弾だった前作『Expose Your Emotions』に続き、メタルの力強さと耳になじみやすいメロディアスさを兼ね備えたアルバムとなっている。昨年はコロナによって残念ながらヨーロッパツアーなどの予定がキャンセルになってしまったが、その分の力も込められた今作はどんな思いで作られたのか? メンバー5人に、収録曲全曲解説を含めたバンドの“今”を語ってもらった。
自粛期間中、メタルバンドが「絵本」を制作!?
──「avex portal」には2019年12月以来のご登場となります。その年に現在のメンバーになって、もうすぐ2年というところですが、2020年にはコロナがやってきてしまいましたよね。
HARU 「今!?」って思いました。「今からなのに!」って。いろいろ活動予定を組んでたら全てなくなってしまって、空っぽな感じになって。
MISAKI ヨーロッパ・ツアーもなくなったし、SKE48の古畑奈和さんとのコラボも進めてたんですが、そのライブも中止になったりして、ホントに心の中が空っぽになりました。
AYUMI 「マジ!?」って思ったよね。
──実際、昨年の自粛期間はどんな感じで過ごされてましたか?
AYUMI 私はもともと家にいるのが好きな方なので、みんなは「外に出られないのがつらい」って言ってたんですけど、私はけっこう平気で(笑)。めっちゃゲームしてました。
HARU 私も家が大好きなので、そんなに苦痛ではなかったんですけど、やっぱりいろいろ決まってたことがなくなったのはつらかったですね。でも「いつかあるだろう」と思って、やる予定の曲を延々弾いてました。けどなくなりました……。
KIMI 私も、家にいる時間が長くなったのでゲームを始めて、ゲームばっかりやってて(笑)。でも、お客さんに何かしら、「私たちはちゃんといるよ」っていうことを発信していきたいなと思ったので、家でできるインスタライブの回数を増やしたり、ゲームを配信してお客さんと会話したりしてました。
AYUMI 一緒にゲーム配信したりしてました。
MISAKI 私は……6~7月ぐらいまでは、「これからどうしよう」と考えてウワーッって家でなってたんですけど、その後に音楽の師匠を見つけることができて、そこからは修行に励んでました。
──師匠というのはギターのですか?
MISAKI ギターじゃなくて、曲作りの方なんです。その勉強をしてました。あとは私もゲームしてました(笑)。
NATSUMI 私は、去年オンライン飲みが流行ったじゃないですか。あれをHARUちゃんと一緒に配信して、お客さんがコメントを飛ばせるような感じのヤツをよくやったり。
HARU ゲームもやったよね(笑)。
KIMI みんなが一番やってたのはゲームかもね(笑)。
──集まって練習したりはできなかったんですか?
KIMI まだ、「ライブとかツアーをやるかも」って言われてた時期は集まったりもしてたんですけど、延期、中止となってからは、スタジオに入るとどうしても密になっちゃうからということで、しばらくはやれない時期もありました。
──今の体制が固まってアルバムも出して、演奏もどんどん固めていこうという時期だったと思います。痛かったですよね?
HARU 痛かったですね。
NATSUMI でもその間に、絵本とかもやったんですよ。絵、音楽、ナレーションとかみんなで担当を割り振って、動画にしてYouTubeにアップしてました。
──「遠くのご近所さん」という全4話のお話ですね。全てが普段のBRIDEARの、楽曲とかのイメージとは全く違ったので驚いたんですが(笑)。
KIMI ほんわかした絵にめっちゃピロピロした曲は合わなかったので(笑)。私としては、AYUMIがわりとああいう曲というか、ディレイがかかったアルペジオみたいなのが得意かなというイメージが勝手にあって、メロディだけだったら私の曲もアレンジ次第で使えるかもと思ったので、お願いして仕上げてもらいました。
──全4話の制作にはどれぐらい期間がかかったんですか?
KIMI 3~4週間だっけ?
MISAKI いや、もっとかかったと思う。
NATSUMI 私が絵を描くのに時間がかかりすぎて、なかなか仕上がらなかったんです。
AYUMI いや、音楽も時間かかったよ。
──反響はどうでしたか?
KIMI でもあれについての反響って見る機会がなくて。どうだったんだろ?
HARU 「絵本が来るとは思わなかった」っていうのはどこかで見たよ。
──あの路線は今後も続けるんですか?
KIMI 私は考えてなかったなあ。
NATSUMI HARUちゃんはあの頃、いろいろ提案してくれたよね。
HARU 「会わずにできる活動って何があるだろう?」って、ひたすら考えてたんですよ。その中の一つがあの絵本で、「とりあえずやれることはやってみよう」という感じでやりました。
アルバムタイトルは「クソかっけーっすね!」のひと言で決まり!?
──自粛期間の企画と言えば、クラウドファンディングで費用を募って生配信というのもありましたね。
KIMI あれはありがたかったですね。金額設定が、私たちのポケットマネーじゃ絶対無理という額じゃないですか。だから「スタートはしてみたものの、ヤバいよなあ……」って思ってたんですけど、最終的には皆さんのおかげで達成できて、配信ライブもすごい高画質で、音の遅れもなくやれたので、本当にメチャクチャありがたかったです。
──配信ライブは、やってみていかがでしたか?
KIMI 私は、メチャクチャ楽しかったです。「わー、きっとみんな見てる~!」と思って(笑)。
MISAKI いろいろキャンセルになった中で久々のライブだったので、ちょっと緊張感がありましたね。
HARU 生配信だし、朝だし(笑)。そこに向けて、メチャクチャ準備してたんですよ。私としては今までにないぐらい、いろいろすごく作り込んでて。だから、終わった時にはウルッと来そうな感じになりました。
NATSUMI ライブ中に表示される背景もHARUちゃんが作ってたよね。
──ではいよいよ、ニューアルバム『Bloody Bride』の話に移りたいと思います。バンド名と関連があるアルバム・タイトルは初めてですよね。
MISAKI 私とKIMIさんがラジオに出演した帰りにマネージャーとご飯に行って、そこで「『Bloody Bride』ってタイトル、超カッコよくね?」って話になって、私も「クソかっけーっすね!」って返して(笑)。
一同 (笑)
HARU 私のとこにも、「カッコよくね?」みたいな連絡は来たよ。
──それは、収録されている「Bloody Bride」という曲のタイトルをアルバム・タイトルにしよう、ということですか?
HARU いえ、逆です。『Bloody Bride』ってタイトルにするから、そのタイトルの曲を作ってね、っていう感じでした(笑)。
MISAKI 確かKISSのアルバムか何かに影響を受けたという話だったような。
──また今回はジャケットがおどろおどろしいイラストですね。
HARU 海外でもリリースされることが決まっていたので、パッと見で「あ、メタルだ!」って分かるようなジャケットにしようということで、ああなりました。
──海外でリリースされるからこそ、前作のようにメンバーの写真、という話にはならなかったんですか?
HARU 私たちの写真って求められてるのかな?
KIMI えっ、何でそんな悲しいこと言うの?(笑)
HARU まあ、裏ジャケにはいるから(笑)。
──あのイラストには皆さんの意見は反映されてるんですか?
HARU そうですね。『Bloody Bride』なので血を入れてほしいとか(笑)、歌詞にも花嫁さんが出てくるのでそれを中心にとか、いろいろ意見は出しました。
MISAKI できたのを見て、「メチャかっけー!」って思いました。血があるのがやっぱりいいですよね(笑)。
HARU 途中でMISAKIが「血をもっと足してほしい」って言ったって、後から聞いたよ(笑)。それであんなに血だらけになったって。
KIMI 私は血とか苦手だからなあ……。家に飾って、夜とか見ちゃったら怖いなあと思って(笑)。
『Bloody Bride』収録曲を全曲解説!
──というところで、今回は全曲の解説をお願いしたいんですが。まず1曲目の「Deep Blue」、これはアルバムのオープニングになるインスト曲ですね。
KIMI 前作でもアレンジとかでお世話になってる、UCHUSENTAI:NOIZというバンドのYAMATOさんに作っていただいた曲なんですけど、次の「Daybreak」に続く雰囲気作りという感じです。YAMATOさんもメタルが大好きだし、私たちのアルバムに携わるのも2作目なので、私たちから「こういうものを」と言う必要もない感じなんですよ。だから100%の信頼を置いてお願いしました。
──そこから続くのが2曲目の「Daybreak」と。ストレートなスピードナンバーに英詞が乗っていて、曲調としては明るさも感じられますよね。
KIMI 私は最初、日本語で詞を作ってたんですよ。途中までは日本語で歌うものだと思っていたので。そこから英訳の方にお願いして、言葉も曲にうまくはめ込んでもらいました。サビメロとかは完全に私の好きな感じで作ったんですけど、基本的にいつも「切なさ」を土台にして曲を作ってるんですね。この曲は特にそれが出せてJ-POPとメタルが混ざった感じになったので、明るさにつながったのかなと思います。
──その次がタイトル曲になった「Bloody Bride」です。作詞・作曲がHARUさんで、これも英詞ですね。
HARU 私も日本語で歌詞を書いて、chiakiさんという方に英訳でご協力いただきました。曲自体はツアーでイギリスに行った後ぐらいに作ったもので、けっこう前からあったものです。イギリスで「マーキー・クラブ」という老舗のライブハウスに行ったんですけど、そこはアイアン・メイデンとかがライブをしていたような場所で、その影響を受けてストレートなハードロックを作りたいなと思って作ったものです。
──中盤に展開がある曲ですよね。
HARU 怪しい空気を作りたかったんです。なので、KIMIちゃんと私の2人で笑い声も入れて。
──あの終盤の笑い声は、お2人だったんですね。
HARU ただKIMIちゃんの声はメチャクチャ加工しました(笑)。
KIMI 気づいたら全然違うものにされてました(笑)。
HARU 私の曲はそういうのが多いかもしれないんですけど、途中で違う感じがポーンと乗ってくるみたいなのをやりたかったので。
──4曲目は「Dimensions」ですね。これも作詞・作曲がKIMIさんですが、詞のテーマはSNSですか?
KIMI そうですね。SNSというか、ネット中傷をテーマにしてます。最近、そういうニュースが多いじゃないですか。それに対して悲しいなと思うこともあったんですけど、それを私たち自身が意見として発信するのはなかなか難しいんですよね。でも曲にして出すのはいいだろうという感じで(笑)。なので、ちょっと怒ってる感じの歌詞になっていて、レコーディングの時もエンジニアさんに「もうちょっと怒って!」って言われたりして(笑)。
──その成果は出ていると思います(笑)。
KIMI 歌詞の方は、今回のアルバム全体で言葉遊びを多めにしてるんですね。1番と2番で母音を同じにして韻を踏んでるところも多かったりするので、そこにも注目してほしいです。
──5曲目は「KESHIN」で、これは作詞・作曲がMISAKIさんですね。イントロと歌メロのギャップが印象的でした。
MISAKI やっぱりそうなんですね。同じことを別のインタビューでも言われたので、「あ、そうなんだ」と思って(笑)。これ、何分しゃべっていいですか?
KIMI 手短に(笑)。
MISAKI 一番最初は、NATSUMIちゃんが入った時に「すごく男らしい、迫力のあるドラムだな」と思って、すごくドコドコのメタルを作りたいなと思って作り始めて、結果こうなりました。
AYUMI はしょった(笑)。
MISAKI でもいい出来になったと思ってます(笑)。Bメロのかけ声はライブで歌ってもらうのを意識したんですけど、コロナだし、いいのかな?と思いながら(笑)。
──それはいいんじゃないですか(笑)。次の「Ashes」もMISAKIさんで、この曲はいわゆる「メロスピ」(メロディック・スピードメタル)だなと思ったんですが。
MISAKI 特にメロスピを意識してたわけじゃなくて、最初は爽やかなイメージで作ってたんですよ。それがBRIDEARでやる分、メタル要素をガッツリ入れたらこうなったという感じですね。
KIMI 私の印象なんですけど、MISAKIが作った曲の中では、今までのBRIDEARを一番踏襲した曲だなと思いました。MISAKIの作る曲って、メロの音飛びが多かったりして、聴いた感じはすごく難解なものが多いんですけど、これはメロもなだらかで私の好きな切ない感じもあって、さらに爽やかさもあって、今までのMISAKIのBRIDEARよりもさらに一つ上の部分が出てきたのかなと。
MISAKI うれしいです(笑)。
まさかの夢が実現!? 元Janne Da Arcのyouが楽曲提供!
──7曲目「Fake World」は、元Janne Da Arcのyouさんによる作曲です。youさんの曲がはいることになった経緯というのは?
KIMI これは本当に偶然なんですけど、私たちの所属事務所にyouさんとキーボードのkiyoさんが所属されることになって、プラス、うちのマネージャーがもともとJanne Da Arcのマネージャーだったんですね。さらに私とHARUはもともとJanne Da Arcを聴いて育ってバンドを始めたというのがあったので、そこをマネージャーがつないでくれて、今回書いてくださることになりました。
──では、決まった時は相当うれしかったのでは?
KIMI 私は逆に冷静な時があって、いまだに「ウソなんじゃないか」と思う時があって(笑)。今でもちょっと思ってるんですけど、でも改めて「作曲:you 作詞:KIMI」って書いてあるのを見た時には「あー、すごい世界線だ!」と思ってテンションが上がりました。
──夢が叶った?
KIMI 私たちからしたらすごい雲の上の存在だったので、「一緒に曲を作るなんてあり得ない!」って感じだったんですよ。だから「夢」としてすら考えられない感じで。
HARU そうそう。だから自分で弾いてるんですけど、聴く時はいまだにちょっとファン目線になってます(笑)。それこそ最初にデモを聴いたときは「わーっ、youさんの曲だー!」って感じだったし、その分、大事に弾かなきゃなと思ってレコーディングしました。完成した今でも「youさんの曲だー!」と思って聴いちゃいます(笑)。
──いい意味でポップな楽曲になってますよね。
KIMI そうですね。youさんもBRIDEARを意識して作ってくださったみたいで、私たちが知ってるyouさんの曲の中でも、けっこうポップなんじゃないかなと思います。
──ではアルバムの中でも大事な曲ということですか。
KIMI アルバムの曲はどれも大事なんですけど(笑)、思い入れは強いですね。
──次の「Glitter」もMISAKIさんですね。リフで押しまくる曲になってますが、普段からリフは作り溜めているんですか?
MISAKI 私、リフは全然溜めないです。メロは溜めてるんですけど、リフはその場その場で作ってて、いつも「楽しー!」って言いながらやってます(笑)。この曲は今回、私が担当した中では最後に作ったものなんですけど、いろいろ作って頭がアホになって、何も考えず作りました(笑)。
HARU 確かに楽しい曲だよね(笑)。
MISAKI 頭がワチャワチャしたところで、「フー!」って言いながらやってたら、できてました(笑)。
KIMI 曲をもらった時に仮の歌詞が入ってたんですけど、「火曜日~」とか「水曜日~」とかっていう歌詞で、「何だこれ?」と思いました(笑)。財布がどうとかっていうのもあったし、全然意味が分かんなくて。
MISAKI もともとは「リズムに乗って水曜日」って曲なんです。
──その仮歌バージョンも聴きたくなりますね(笑)。
HARU 2月から“Bloody Bride”というオンラインサロンを始めたんですけど、そことかで出せたらいいかも。
KIMI あ、いいかも!
──それが聴きたければ入会するしかないですね(笑)。で、その仮の歌詞から実際の詞はどう作ったんでしょうか?
KIMI その仮の歌詞もですけど、曲自体も楽しい感じだったので、「あ、これはライブのことを歌った曲にしよう!」と思って。メッチャ楽しんで書いたら、プロデューサーさんに「意味が分かんない!」って言われて(笑)。楽しい曲だったので、私としては語感を大事にしたかったということを伝えたら、「このメロでこの感じで歌うんだったら、俺は意味分かんないけど、いいよ」って言われて、全部一発OKでした(笑)。
──9曲目がHARUさん作曲、KIMIさん作詞の「BOY」。先ほどの「Bloody Bride」もそうでしたが、この曲もかなり重いですよね。意識して重くしたんですか?
HARU 私はビジュアル系をずっと聴いてきたので、重たいのが好きなんだと思います(笑)。自分では意識してなかったんですけど、選曲会といって、いろんな方に楽曲を聴いていただいて収録曲を選ぶというのがあるんですけど、後から私の曲は「重い方に寄ってる」という意見があったというのを聞いて、「あ、そっかー!」と思いました(笑)。
KIMI 普段は曲を聴いた時のイメージで、「こういう流れだからこういう歌詞にしよう」って思って作るんですけど、この曲に関してはサビとAメロBメロの落差がすごすぎて「これはどういう感情なんだろう?」と思って、何週間か悩んだんですよ。締め切りがヤバいのに(笑)。最終的に、「私がこんなにコロコロと心を揺さぶられるものって何だろう?」って考えた結果、「好きなものに対する思い」なのかなと。例えばアーティストさんとかに対して、お客さんは好きだからこそ「何で今この曲を出したの?」とか思うじゃないですか。
──「好きだから全部認める」という人もいるでしょうけど、「好きだからこそ言いたい」というのもありますよね。
KIMI アーティストさんのことを応援したいから、「きっとこんな理由があるんだ」ってポジティブな気持ちになったり、「でも、何でなんだろう……」って落ち込んだり、いろんな気持ちがあるじゃないですか。「あ、これは私だ!」と思って(笑)。それぐらいのめり込んでるものがあるという気持ちをお客さんが私たちに対して持ってくれていたらうれしいなという気持ちと、私自身も好きなアーティストさんとかアニメ作品とかにのめり込むタイプなので、この歌詞を聴いてお客さんたちは「分かる分かる!」って思ってくれるんじゃないかと思ってます(笑)。
メンバー全員が作曲に参加で、バンドの方向性がより固まった一作!
──次は10曲目、「Dream Eater」です。これはMISAKIさんが作曲、作詞はKIMIさんとMISAKIさんの連名になってますね。ギターにかぶさるシンセの音が印象的でした。
MISAKI あのシンセ、すごいですよね(笑)。あれは別の方が入れてくださって、私が思ってた以上にすごい世界になってて気に入ってるんですけど、どうでした?
一同 (笑)
──独特な感じになっていて、いいと思います(笑)。
KIMI (MISAKIに)あなたはもともと、世界観がすごいからね(笑)。
MISAKI そうなんだ。おかしな世界観が、シンセで増幅された感じで。
──でも曲の作り自体は、けっこうオーソドックスじゃないですか?
MISAKI 私が作った時はそうだったんですよ。でも最後の、難しくてややこしいフレーズを永遠に繰り返すかのような面白い部分とかはアレンジャーさんが提案してくれて、ああなりました。
KIMI メッチャ汲み取ってくれてたよね。
──11曲目が「A Glorious World」です。お待たせしました、NATSUMIさんの作曲です。BRIDEARでは初ですよね。
NATSUMI 曲を作ること自体が初めてだったんです。だからすごく時間がかかりました。どこから作っていいのかも手探りで、いろいろ相談して。最初はメロディーから作ったんですけど、コードとかも分からないので「お願いします」と。歌詞にはこだわりたくて、でも書けないからKIMIさんにお願いして、せっかくなのでBRIDEARへの感謝とか楽しい気持ちとか、暖かい場所という感じでというのを伝えたんです。それでできた詞を見て、泣きました。
KIMI 光栄です(笑)。
NATSUMI 「汲み取ってもらえたんだ」と思ってうれしくて、ポロッと涙が出て。ドラムフレーズはレコーディング当日に考えて作ろうと思って、考えないで行ったんですよ。ディレクターさんと一緒に考えてた時に「NATSUMIちゃんらしいドラムにしよう」って言ってくれて、いろいろ相談しながらやったので、思い出深い曲になりました。
──一般論的に、ドラマーって「曲を作らなくてもOK」的な風潮ってあるじゃないですか。
NATSUMI そうなんですか?
KIMI うん、作曲に参加するドラマーって少ないかも。
──ドラマーだけ作曲に参加してないバンドもわりといますよね。今回は「曲を作りたい」と思ったんですか?
NATSUMI 今までそんなこと思ったこともなかったし、それよりはドラムの練習に時間をかけたいっていう思考だったんですけど、みんなが作って上がってくる曲を聴いてて、「自分もメンバーとして関わってるよ」ということを形として残したくなりました。これからもできたらなと思うので、勉強します。
──そしてラストの12曲目が「Starlight」。こちらもお待たせしました、作曲がAYUMIさんとKIMIさんの連名ですね。
AYUMI メロディーはもともと全部KIMIさんが作っていたものだったので、今回何か関わったかと言ったらそうでもないんですけど(笑)、さっき話に出た絵本のアレンジでコードをつけたりとかはやらせてもらって。そこからアルバム用にめちゃアレンジが変わったので、「こんなやり方もあるんだな」と勉強になりました(笑)。
──始まりは正統派ハードロックかと思ったらスローダウンして、アルバムの締めらしい曲になってますよね。
KIMI 去年の夏に、AYUMIと一緒に絵本のエンディング用に作った曲だったので、もともとはアルバム用の曲ではなかったんですよ。アレンジをいろいろ加えてもらった上で収録曲を並べた時に、「これがラストがいいんじゃないか」ということでラストになった感じです。
──なるほど。これで駆け足ながら12曲全部語っていただいたんですが、そもそもアルバム全体としての方針みたいなものはあったんですか?
KIMI 去年から書き溜めていた曲とかもあったので、作曲の時とかに意識したというものはないんです。だから出来上がったものを聴いてということにはなっちゃうんですけど、私個人としては前作を経ての2作目というか。前作の時も「これがBRIDEARの新しい形なんだ」とは思ったんですけど、今作ができて聴いた時に「あ、こっちがBRIDEARだ」と思ったんですよ(笑)。前作がスタートラインに立ってなかったというわけではないんですけど、今回で、改めてBRIDEARというものが固まったのかなと思って。それはMISAKIが作曲の勉強を始めたということと大いに関係があると思ってて、そこですごく振り幅が大きくなったと思ってて、私とHARUの2人でずっとやってきたBRIDEARとの融合性がすごくよくなって、今までよりもアルバムとして柱が太くなってる感じが出てるなと思いました。
アルバムを聴いたら、ぜひやってほしいこととは……?
──さて、今の予定では4~5月に東名阪+京都のツアーがあって、9月~10月にヨーロッパ、そして11月に再び東名阪のツアーが入っていますね。
KIMI 特にヨーロッパはあくまで予定で、行けるかどうかは実際分からないんですけど……。
HARU でも、行きたいです(笑)。
KIMI とにかく今決まってるものは全部やりたいよね(笑)。
HARU このアルバムにも、「ライブやりたい欲」はすごく出てると思うんですよ。MISAKIの曲とかもかけ声が多かったりするし、私もライブを意識して作ってたりするので、それを本当にライブでやりたいというのが今は一番ですね。
──ではそういったところも含めて、お一人ずつメッセージをお願いしたいと思います。
KIMI 読んでいただいてありがとうございます。昨年はライブも全然できなかったんですが、今年こそはこのアルバムを引っさげてライブをいっぱい精力的にやりたいなと思っております。さらに強くなったBRIDEARを感じて、今年と言わず、来年以降もずっとついていきたくなるバンドだということを感じてもらえると思うので、よろしくお願いします!
HARU このアルバムを聴いていただいたら、過去作をさかのぼって聴くと面白いと思うんですよ。さっきKIMIちゃんもチラッと言ってたんですけど、前回のアルバムが序章になって今回のがあると思うし、過去のアルバムを聴くとメンバーが変わったから作品もこう変わったみたいなのが分かって、すごく面白いと思います。なので、まずは今回のアルバムを聴いてください!
AYUMI 今回のアルバムは、1曲最低6回は聴いてください! 終わりです!
──えーと、「6回」というのは?
AYUMI 最初の1回は普通に聴くじゃないですか。あとはメンバー分、パートごとに1回ずつ聴いていただければ。
──曲の解説であまりお聞きできなかったんですが、ギタープレイでここを聴いてほしいというポイントは?
AYUMI 今回のギターソロは、コードをなぞって弾こうというのが多かったんですが……「ここでこの音か~!」というところを聴いてほしいです!
MISAKI 前回、avexさんでの1stの時は「これは受け入れてもらえるんだろうか……」っていう不安がすごくあったんですけど、今回は、すごく気に入ってもらえるだろうな、と思えるものになってます。今までファンでいてくれた人たちも、初めて聴くという人たちも、「これは絶対気に入ってくれるな」という気がしているので、これを読んだら今すぐ聴いてほしいです。
NATSUMI 今回はエフェクトとかあまりかけないで、みんなの“らしさ”がそのまま伝わるような作品になっているので、そこを聴いてほしいです。それと、どんどん技術とかもパワーアップしていて、「BRIDEARらしさ」が作られて私たちの色になっていくのを、聴いて楽しんでほしいです。
HARU アルバムを聴いたら、ぜひコピーしてほしいです!
NATSUMI あ、それは聴きたい!
KIMI MISAKIの曲はメチャクチャ難しいですからね。
MISAKI あー、YouTubeとかに上げてほしいな。
HARU 「やってみてくれ!」って、今回はちょっと強気に言ってみます(笑)。
──そこも楽しみですね。ありがとうございました!
『Bloody Bride』
2021.4.14 ON SALE
AVCD-96700
¥3,000(本体価格)+税
※UKレーベル「SETSUZOKU RECORDS」よりUK/EU海外リリース決定!
2021年5月7日リリース
『Bloody Bride』
UK/EU盤12曲入り(国内盤12曲とは収録曲が異なります)
【ライブ情報】
BRIDEAR LIVE TOUR 2021『Dance in the maze』
4月24日(土)名古屋SPADE BOX part1
OPEN 14:30 START 15:00 全席自由 80名限定
前売¥4,000 (1ドリンク別途オーダー)
お問い合わせ SPADE BOX 052-212-9028
4月24日(土)名古屋SPADE BOX part2
OPEN 17:30 START 18:00 全席自由 80名限定
前売¥4,000 (1ドリンク別途オーダー)
お問い合わせ SPADE BOX 052-212-9028
4月29日(木祝)大阪あべのROCK TOWN part1
OPEN 14:30 START 15:00 全席自由 80名限定
前売¥4,000 (1ドリンク別途オーダー)
お問い合わせ ROCK TOWN 06-6652-6900
4月29日(木祝)大阪あべのROCK TOWN part2
OPEN 17:30 START 18:00 全席自由 80名限定
前売¥4,000 (1ドリンク別途オーダー)
お問い合わせ ROCK TOWN 06-6652-6900
4月30日(金)KYOTO MUSE
OPEN 17:30 START 18:00 全席自由 80名限定
前売¥4,000 (1ドリンク別途オーダー)
お問い合わせ KYOTO MUSE 075-223-0389
5月 2日(日)東京青山Rizm part1
OPEN 14:30 START 15:00 全席自由 50名限定
前売¥4,000 (1ドリンク別途オーダー)
お問い合わせ Rizm 03-6804-5925
5月 2日(日)東京青山Rizm part2
OPEN 17:30 START 18:00 全席自由 50名限定
前売¥4,000 (1ドリンク別途オーダー)
お問い合わせ Rizm 03-6804-5925
全公演前売りチケットは【チケットぴあ】のみの販売となります。
全公演スタンディングは禁止とさせていただきます。
入場時検温、アルコール消毒を実施いたします。
高熱のお客様は入場をお断りする場合がございますので、ご了承ください。
ご入場時にご連絡先などご記入いただく場合がございます。
入場時、ホール内はマスク着用必須とさせていただきます。
コロナウイルス感染防止のため、安全な公演開催にご協力をお願いいたします。
<チケットぴあ一般発売中>
https://t.pia.jp/pia/search_all.do?kw=BRIDEAR
【BRIDEAR online salon】
iOS:http://apple.co/2lY0ifB
Android:http://bit.ly/2lXzufp
【BRIDEAR Twitter】
https://twitter.com/Bridear_info
【BRIDEAR YouTube】
https://www.youtube.com/channel/UCqkHezzlbqWrmOhoTcZTVjg
【BRIDEAR WEBSITE】
https://bridear.jp
ライター
高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。