SWANKY DANK8ヵ月連続インタビューも第六弾! 今回は10月20日、名古屋「APOLLO BASE」でのリクエストライブ第3弾に向けて、名古屋名物を食べながらいろいろ聞いております。そして、11月6日に発売が決まったベストアルバム『Life is Full of Choices-Greatest Songs-』のこと、前回衝撃を呼んだ活動休止宣言の反響のほか、「今だから話せる話」についてもたくさん語ってもらいました!
山盛りの手羽先を前にカンパーイ!
KOJI じゃあ、今日もよろしくお願いしまーす! カンパーイ!
全員 ウィース!
──いきなり始まりましたね(笑)。前回に続いてメンバー3人揃い踏みということで、今日は名古屋でのライブに備えて?名古屋の名店「風来坊」で、名物の手羽先を食べながら盛り上がっていただきたいと思います!
KO-TA 名古屋コーチンっすね!
YUICHI ありがとうございまーす!
──どて煮と天むすもあるんで、思いっきり名古屋気分を味わってください! 品川店ですけど(笑)。
KOJI 俺、昨日まで風邪引いてたんだよね。4日間ぐらい、39度ぐらいの熱があって。もう治ったんだけど(笑)。
YUICHI 風邪のウィルスはアルコールで消毒しないと(笑)。
──さて、始めます(笑)。まずは前回、活動休止の発表と同じ日の更新で、その理由などを語っていただいたわけですが、反響などを含めていかがですか?
YUICHI 発表はしたんですけど、まだあんまり実感がないんですよね。あれ以降、ベストアルバムのレコーディングだったり、そこに入れる新曲を作っていたりと、いろいろ作業もあったので。だから12月のファイナルにならないと、その実感は湧かないかもしれないですね。
KOJI ファンの皆さんの反応は、すごく前向きなものが多かったと思います。オフィシャルサイトでの発表と同時に、この「avex portal」でのインタビューも出たじゃないですか。あれを読んでくれた人も多くて、自分達からの一方的なメッセージだけじゃなくてインタビュー形式で見れたっていうのはすっげえデカかったんだなと思いましたね。お客さんたちも「悲しいけど、みんなのインタビューを読んで『前向きな選択だったんだな』っていうのが伝わったから待っていようと思えた」っていう子たちが多かったので。だから、この飲み会がデカいんだなと。
──「飲み会」じゃなくて、一応「インタビュー」なんですが(笑)。
YUICHI 活動休止に至る経緯とか、これからどうするつもりだとか、知りたいことが多かったと思うんですよね。それがインタビューという形式で聞けたっていうことで、お客さんからすると不安感を取り除けたんじゃないかなと。前向きだからこそ、お客さんたちもあまり実感が湧かないんじゃないかなと思って(笑)。
──過去のいろんな例でも、活動休止発表から少し経って雑誌にインタビューが載るとかはあったでしょうけど、同日にメンバーが詳しく語った内容が読めるというのはほとんどなかったでしょうからね。
KO-TA リアルタイムで知れたわけですからね。
KOJI そういう意味では、なかなか面白いことをやったなとは思います。
──その発表の後に神戸でのリクエストライブが行われたわけですが、違いはありましたか?
KOJI ライブの中身に影響するっていうことはなかったですけど、どうなんだろう……もしかしたら、ファイナルをやったところで実感が湧くのかなっていう気持ちすらあるんですよね。ステージに立ったら、常に本気でやらなきゃいけないじゃないですか。という中で、休止を発表したから何かが変わったということはないんですよね。休止についてMCで話しはしますけど、それは話だけというか……まあ、前列のお客さんを見ると泣いてたりして、いつもとは違うなとは思いますけどね。でも、ライブで伝えたいことだったり、曲に込めた思いっていうのは変わらないから、伝え方とかは全然変わってないんですよ。そういう意味でも、休止してどうこうっていう実感は、もしかしたらまだないのかなと。
YUICHI お客さんから「絶対帰ってきてください、待ってます」って言葉があって、何がどうって言葉に表すことは難しいですけど、何かグッとくるものはありましたね。「待っててくれるんだな」っていうのと、「悪いな」っていうのと、「もっともっとすごい、今までの自分を塗り替えるぐらいの曲を書いてやろう」という前向きな気持ちも起こるし。曲は書き続けていきたいなっていう思いにはさせられたなと思います。
──当然、神戸では活動休止の話をMCでされたわけですが、いつもとは違ってライブの流れを止める内容の話をしないといけないって局面ですよね。触れるタイミングとかも考えたと思うんですが。
KOJI 中盤ぐらいで話しましたね。
YUICHI でも、そこでそんなに流れが止まったっていう感じはしなかったし、お客さんも「最初はちょっと悲しい気持ちもあったし、どういうライブになるんだろうと思ってたけど、いつも通りのSWANKYが見れた」って言ってくれたんですよね。やっぱり俺らのライブは「楽しければいいな」っていうのが大前提にあるので、「楽しめた」って言ってもらえたのはうれしかったし、MCでもお客さんたちを凹ますことなく、「前向きなんだよ」っていうのを伝えられたし。ま、俺も必要以上にチョケちゃいましたけどね(笑)。「泣くな! 笑え、笑え!」って、笑かそうとしすぎて(笑)。
KOJI 邪魔でしたね(笑)。
YUICHI ウサギをかぶってましたから(笑)。
リクエストライブ第3弾、名古屋編はどうなる?
──そうですか(笑)。そことは別に、2度目のリクエストライブという側面もあったわけですよね。そこはどうでした?
KOJI 今回は新代田でのリクエストライブとはドラムが違ってて、KO-TAの後輩で元「真空ホロウ」ってバンドのぬっきー(大貫朋也)がサポートしてくれたんですけど、彼が頑張ってくれたんですよ! 約2週間で13曲ぐらい覚えてくれましたからね。それに感謝ですね!
YUICHI 「すげーな、オマエ! よく覚えてきたな!」って(笑)。
KOJI だからライブの最中にも、「彼がいなかったら今日はやれてないから」って話をさせてもらって。いろんな人たちに守られたリクエストライブだったんだなあと思いますね。リクエスト自体も楽しかったし、神戸っていうこともあって会場の「太陽と虎」のスタッフさんたちもすごく助けてくれたり、雰囲気作りとかもいろいろしてくれたりして。
YUICHI だよね。俺がチョケちゃった理由の一つとして、韓国のお客さんに描いてもらった俺の絵があるんですよ。それをもらうたびに、各地のライブハウスに置いていって飾ってもらうんですけど、「太陽と虎」って一番最初にそれをやった箱なんです。それで、その絵がいろんなところに移動するんです。
──ん? どういうことでしょう?(笑)
YUICHI スタッフの人たちがしょっちゅういろんなところに絵を動かしてて、あそこでやったバンドマンから「YUICHIさん、いたよ」とか「あの絵、どこにあるんすか?」とかって連絡が来たりして、ちょっとした名物になってるんです。
──ああ、なるほど(笑)。「YUICHIをさがせ!」的な(笑)。
YUICHI で、あの日はその絵がたくさんコピーされてて、至る所に貼られてたんですよ。ライブ中にパッと見たら、いつもあるペンギンの置物のとこに俺がいるとか。
KO-TA ミラーボールにも貼られてて、回ってたよね(笑)。
YUICHI そう! しかも両面に貼ってあるから、俺がずーっとグルグル回ってるんですよ! スピーカーの裏にも楽屋にも、至る所に「隠れYUICHI」がいて(笑)。
──そうですか(笑)。で、次は名古屋「APOLLO BASE」ですね。ここもいろいろと思い出のある場所ですか?
KOJI ここも、名古屋に行ったら必ずやっていたハコですね。思い出というと……
YUICHI 打ち上げができないのが思い出だよね。名古屋って、誰が決めたのか分からないんですけど、ほぼほぼ泊まりにならないんですよ。東京に帰れちゃうから。
KO-TA 車で4時間ぐらいですからね。
YUICHI 打ち上げをやるとしても、だいたい「APOLLO BASE」を出て、向こうじゃ有名な中華料理屋さんでやるんですよ。
──名古屋では有名なお店ですね。
YUICHI でも俺、辛いものが苦手なので、本当はそのルートはあまり好きじゃないんです。でもみんなはそこに行きたいから黙ってついて行ってて。本当はライブが終わった後、ハコで打ち上げをやりたいんです。だから店長に「次はここでやりましょう!」って何度も話してるんですけど、だいたいは帰るじゃないですか。だから心苦しいっていう思い出はすごくあります。心置きなく打ち上げをやって、メチャクチャな夜を過ごしたいのに、名古屋ではないよね。
KO-TA 名古屋ではほとんどないね。仙台も。
YUICHI ああ、仙台も帰るね。そこから東北の方に回る時は別だけど。
KOJI まあ名古屋から4時間っていうのも十分遠いと思うんだけどね(笑)。
YUICHI そう! 誰が決めたんだろう、このルール?
KO-TA みんな泊まりたいのに、帰るっていう(笑)。今回も帰るし。
──みんながどうかと思ってるルールに、みんなが従ってるってどういうことなんですか(笑)。あ、だとすると「風来坊」も名古屋では行ったことないということですか?
KOJI ないですね! 東京で来れてよかったです!
YUICHI さーて、手羽先食うぞー!(しばし飲み食いタイム)
ベストアルバムの制作ではドラマチックな展開も!
──落ち着いたら次の話題に行きたいんですが、大丈夫ですか?(笑) さて、ベストアルバム『Life is Full of Choices-Greatest Songs-』が11月6日に発売されますが、もしかしてここ3回のリクエストライブというのは、このベストアルバムとも関連があったんでしょうか?
KOJI そういうわけではないですね。そこは関係があるわけじゃなくて、ベストアルバムの選曲は事務所の人とかの「こういう曲が聴きたい」、それから俺たちの「こういうラインナップで行きたい」という意見をすり合わせてできた感じです。
YUICHI 新曲も入るしね。それから……これは、ここで発表ということでいいでしょう。今回、「misery」も新しく録り直してるんですよ。
──おお!
YUICHI それもちょっとドラマチックなことがあって。新曲も全部録り終えて、最後のレコーディングが「misery」だったんですよ。その、SWANKY DANK活動休止前最後のレコーディングでドラムをやってくれたのが、1stアルバムでも叩いてくれて2年間一緒にやってくれた、ハゼってドラマーだったんです。最後の最後で一番最初のドラマーが戻ってきて「misery」をレコーディングするっていうのは、ストーリー性があって感慨深かったですね。
──そうだったんですね!
YUICHI 向こうも抜けてから「SWANKY、どうしてるかな?」って気にしてくれてたみたいで。そしたら呼ばれたからチョーうれしかったらしくて、必死で覚えてその場で叩いて。
──その場で(笑)。
YUICHI 狙ってたとかじゃないんですよ。時間もなくなってきて、「ドラマーどうする?」ってなった時にフッと思いついたというか、そうなったというか。
KOJI レコーディングの2日前だったからね(笑)。
YUICHI そう! 「ハゼでよくね?」ってなって電話したら、「あ、行けるよ!」って(笑)。それまでハゼのことは全然思いつきもしなかったのに、バタバタした中で急にドラマチックになるっていう。ハゼも一線でやってる中でですからね。
KO-TA 「たぶんダメだろうけど、ダメ元で聞いてみよう」って連絡したら、OKしてくれて。
──「misery」はそういった意味でも聴きどころですね。ベストアルバムの選曲自体は、スムーズに決まったんですか?
KOJI そこはスムーズでしたね。ただ、みんなで挙げていったらキリがないって感じだったし、収録時間をオーバーしまくったので、泣く泣く削らざるを得なかった曲はいっぱいありましたけど。
──2曲入るという新曲も気になるところですが。
KOJI 1曲はミドルテンポのバラードっぽい曲で、もう1曲は“俺ら節”の効いた、ソリッドでダークめな感じの曲ですね。ミドルテンポの方はまさに今の俺たちの気持ちを込めたというか、一つの区切りとして立ち止まることをテーマにした曲になってます。俺が歌詞を書いたのが1曲、YUICHIが書いたのが1曲なんですけど、どちらもテーマ的にはそういう感じになってるかな。
YUICHI ベストアルバムのタイトルが『Life is Full of Choices』で、人生にはたくさんの選択肢があるっていう。新曲はそこに通じる歌詞になっていて、ジャケットもそのタイトルにつながってるんですよ。これまでのライブの写真をたくさんコラージュしていて。その言葉って、ある意味SWANKYの裏テーマというか、歌詞を書く時にいつも頭に置いていたことで、実際、歌詞の中にも出てきてるんです。今回の活動休止っていうのも、俺たちが選ぶ選択肢の一つで、そこからどう向かって行って、どういう形でSWANKY DANKに戻っていくのか、一人ひとりがどこまで自分たちの人生を突き詰めていくのかっていう……そういう話をみんなでしたわけじゃないけど、そういうテーマになってます。
──なるほど。
YUICHI 俺が書いた曲は「dawn break」というタイトルで、「夜明け前の夕陽」のイメージというか、「これは俺たちが人生を前向きに進むために起きた事件なんだ」という内容になってて。
KOJI 俺が書いたのは「nothing without you」という曲です。「あなたなしでは何もできない」ということで、「you」っていうのはメンバーもそうだし、お客さんに対しての思いも乗せた詞になってます。歌詞の細かいところ一つ一つを抽出して話すのはあまり得意じゃないんですけど、曲の雰囲気と歌詞の雰囲気をすごく重要視した曲で、この曲が、自分たちの終わりにかかっていてほしいなという感じの曲なんです。実はデモの形でずっと持っていた曲で、いつか出したい、いつ出そうかとずっと思ってたんですけど、今回活動休止ということになったので、「絶対にこの曲を使いたい」ということで、形にしました。
──満を持して、という曲なんですね。ベストアルバムの作業って、まさに自分たちの来た道を辿っていくことになると思いますが、そのあたりはいかがでしたか?
YUICHI 1曲ずつマスタリングしていった時に、久しぶりに自分たちの過去を思い出したり、「この曲ってこうだったっけ?」とか、いろんな思いがありましたね。「そういや「misery」を録音した時はすごい雪で、機材車で行ってたら坂道で進めなくなっちゃって、立ち往生したな」とかって思い出したり。
KO-TA 夏の曲をメチャクチャ真冬に録ってたからね(笑)。
YUICHI 最後に曲間とかも決めて、全部並べて聴くんですけど、そこでいろいろ振り返ったよね。
KO-TA その時の情景だったり、レコーディングの様子とかね。「この曲って、どう弾いてたっけ?」とか(笑)。新しい発見もいろいろありました。
YUICHI 変な言い方になるんですけど、自分たちのエンドロールみたいな感じでしたね。
KOJI ああ、そうだね。
YUICHI 映画のエンドロールみたいに次々に曲が流れて、過去のいろんな情景を思い出して、「この人たちにお世話になりました」っていうのが思い出されて……。いったんここでSWANKYは止まるんですけど、続編があるのか、三部作なのか(笑)分かんないですけど、そういう気持ちになりました。
──長く応援してきたファンの人たちにも、きっとそういう聞こえ方になるんでしょうね。楽しみです!
KOJIが「この野郎!」とステージから下りて……
──今回は、「この際だから聞いておこう」という質問をいくつか用意しましたので、お一人ずつ答えていただければ。まず最初は、「一番思い出に残っているライブ」。あえて一つでお願いします。
YUICHI あえて一つ挙げるなら、千葉LOOKでの「Munchies」(2016年6月)ですね。MCでのKOJIの言葉がすごく印象に残ってるんですよ。KOJIが「夢は何ですか?」って聞いたら「ベーシストになりたいです! いつか対バンしてください!」って答えてくれたお客さんがいて、そしたらKOJIがステージからお客さんの方に身を乗り出して「じゃあ対バンしような、絶対!」って。そのやりとりというか、何かを渡し合う感じというか、「ライブってこうだよな!」と思ったんですよね。そういうやりとりっていっぱいあるんですけど、千葉LOOKっていうホームにしてるハコでもあり、思い出の中でも上位に来るのがそれですね。ソールドアウトさせたっていう喜びもあったし。
KO-TA 僕は「BONEDS TOUR」ファイナルの代官山UNIT(2014年2月)ですね。僕が加入を発表したライブだったので、すごく印象に残ってます。それまで2年間ぐらいサポートで入ってて、最初はバンドでやる気はなかったんです。でもSWANKYはすごくいいバンドだし、もっともっとカッコよくしたいっていう気持ちで加入して、満を持して発表したライブだったので、印象深いですね。
KOJI 俺も「BONEDS TOUR」って言おうとしてたんだけど、どうしようかな(笑)。まあ、いろんな人に知ってもらったきっかけになったのが「BONEDS」だったので、ホントにそれは印象が強いですよね。でも、俺は同じツアーでも、初日のO-EASTなんだよな。今でもYouTubeで見れますけど、「Remember Me」という曲のMVをそこで録ったんですけど、ツアー初日のボロボロの演奏を録るっていう地獄のような状況で(笑)。そういう点でもすごく印象に残ってますね。あのへんの出来事は印象深いことが多いですよね。
──バンドの歴史の中でも、やっぱり「BONEDS」は重要ですよね。
KOJI そうですね。4バンドがガチガチにやり合って競い合ってましたから。
──では次の質問です。今のとは別に、「一番よくできたと思うライブ」は?
YUICHI うーん、どれだろう? ……あ、47都道府県ツアーの熊本(2016年11月)ですね。震災の後に行ったライブで。ライブって、お客さんと心と心でつながれれば一番いいんですよ。そういう意味では、お客さんの思いと俺たちの思いが合致したんじゃないかなって思えるライブですね。
KO-TA 難しい……(笑)。同じ「it is WHAT it is」ツアーのファイナルで、O-EASTでワンマンをやったんですけど(2017年1月)、大きいハコでの初のワンマンで。アンプに幕を張ったり、ステージもけっこう作り込んで、「してやったな」っていう思いがあったライブですね。
KOJI 俺はアレかな。「THE LOVE WAS GONE…」ツアーのファイナル、下北沢シェルター(2013年1月)ですね。まだKO-TAがサポートの頃で。事務所の人と知り合ったのもあの時がきっかけだったし、いろんなことの歯車が噛み合っていくきっかけだった気がしますね。
YUICHI ソールドアウトはしなかったけど、初めて100人以上呼べたライブだったしね。
──では次。「ステージで“この野郎!”と思ったことは?」。これは何に対してでも構いません。
KOJI 俺、「毎回」でもいいですか?(笑)
YUICHI 某外タレバンドと一緒に回った時があって、やっぱ外タレのお客さんって、日本のバンドには斜に構えてるんですよね。でもKOJIがいきなりステージを下りていって、PAの前で腕組んで見てたお客さんにいきなりバーン!って殴りかかったんですよ!
KOJI 殴ってない! 殴るフリをしただけ!
YUICHI 俺らから見たら「殴った!」って思ったよ! でも見てたら拳を止めて、グータッチを求めてるんですよ。相手もグータッチせざるを得ないじゃないですか(笑)。「ウチの弟、怖っ!」って思いました(笑)。
KOJI キレてはないからね。
YUICHI でもお前、最前列の観客に「お前はいなくていい。後ろに行っていいよ」とか、すぐ言うじゃん!(笑) あれ、メッチャ怖いから!(笑) まあでも俺自身がムカついたのは、「THE LOVE WAS GONE…」出した頃に渋谷にあったライブハウスで、女とイチャつきながら「あれ、誰?」みたいな感じで半笑いで見られてたことがあって。アレは忘れられないですね! メチャクチャ腹立って、「今すぐ下りていって、殴るフリしてグータッチしてやろうかな」って思いましたよ!
KO-TA 僕は、ステージダイブされるのが嫌いなんですよ!
──あ、嫌いなんですね(笑)。
KO-TA 自分の演奏を邪魔されるのがすごくイヤで。ぶつかってきたりするじゃないですか。僕はステージ上の間合いを見て動いてたりするので、アレにはすごくイライラするんですよね。
YUICHI 一回あったね。インストア・ライブでKO-TAがイライラしてる時があって、あまりにタチが悪いんで、店のスタッフが出てきてたけど。
KOJI まあ俺は、実の兄がチョケてる時が一番腹立つんですけどね!(笑)
──あれ? さっきそういう話を聞いたばかりのような……。
KOJI この前の神戸ですよ! もうチョケすぎちゃって、MCにならないほどで。百歩譲って、俺からMCを始めて、どこかのタイミングでチョケ始めるんだったらまだいいんですよ。でもコイツ、まだ何もしゃべってない、その日のファーストMCのところでチョケるんです!
YUICHI 誰もしゃべってなくてシーンってなってるからこそ、言いたくなっちゃうんだよ。秋田でのライブでもナマハゲの真似で「●●●●はいねが~、▲▲▲▲はいねが~(注・下ネタです)」って言ったら、お客さんサーッて引いちゃって(笑)。
KOJI ファーストMCって、3曲ぐらいやって音が終わって、そこで「何て言ってくれるんだろう」と思って、みんな待ってると思うんですよ。シーンとしてるけど、たぶんワクワクも入ってるんですよ。俺は「ここで何て言ったら喜んでくれるかな?」とかいろいろ考えてるんですけど、そこでコイツが「×××!(注・どストレートな下ネタです)」とか叫んだりするもんだから、張り詰めてたお客さんも「ええーっ……」ってなるじゃないですか!
YUICHI 活動休止の理由は、実はそれです。
KO-TA 本邦初公開! 真相はこれだった!(笑)
KOJI ステージでも注意しますけどね。「俺がしゃべる前にしゃべるな!」って。
メンバーやファンに「今だから話せる話」とは?
──いろんな怒りがよみがえりそうなので、次に行きましょうか(笑)。次は「一番苦労した曲」。
KOJI 「THE LOVE WAS GONE…」のアルバム全体ですね。SHUNちゃんが入った最初のアルバムで、俺たちの曲ってちょっと複雑なのが多いんですけど、そのドラムを叩くってだけでテンパっちゃって、いろいろ大変で。レコーディングの日数自体も短かったんですけど、それをほぼドラムで使っちゃって。それは苦労しましたね。ま、俺らがというかSHUNちゃんが苦労したんですけど(笑)。
YUICHI 合宿してレコーディングしてて、ドラムのところでみんな寝て、起きたらすぐ叩くみたいな感じでやってましたからね。「THE LOVE WAS GONE…」はそういう意味ではホントに苦労したよね。でも個人的には、「Magna Carta」が一番苦労したかな。「時間がない中でアルバム作るって、こんなに大変なんだ!」っていう。「THE LOVE WAS GONE…」も「Circles」も、何だかんだ言って時間の許す限り、自分たちの納得いくまで歌詞とかに時間をかけられたんですよ。でも「Magna Carta」は、「ここまでにアルバム出してくれないですか?」「ああ、いいっすよ」って言っちゃった初めてのアルバムで。みんながレコーディングしてる最中に、ずっと歌詞書いてましたからね。あれはしんどかったですね。
KO-TA 僕は『SWANKY OCEAN ACOUSTIX』の最初の「THE OCEAN」っていうアルバムはすごく苦労しました。というのも、アコースティックのアルバムを作ったことなんてもちろんなくて、どこまでアコースティックで作るのかっていうことすら分かんなくて。全部アコースティックだけで作るのか、シンセぐらいは入れるのか、とか。方向性が分からなくて、一回できたものを全部崩しましたからね。それで、「極力、生楽器でやろう」ということに落ち着いたんですけど、そうなったらなったで、どの楽器を入れるか、とか。
YUICHI 新しい楽器を入れれば入れるほど、全部弾いてたよね(笑)。
KO-TA 「ここにウクレレ入れようか」「じゃあ買ってくるわ!」ってことでウクレレを買ってきて1日練習して、次の日にレコーディングとか。そういう突貫工事もやりましたけど、結果としていいアルバムになったんですけどね。
YUICHI 「鉄琴がほしいな。KO-TA!」「マラカスがいるなあ。KO-TA!」って感じで(笑)。
KO-TA クレジットが俺ばっかりになってヤバかったですけどね(笑)。でも楽しかったです。
──では次。「自分で予想した以上に評価されたなあという曲」は?
YUICHI 今回のリクエストライブで初めて感じたんですけど、『Smokes』に入ってる「捧ぐ歌」って、メチャクチャ批判されるのを覚悟で作った曲なんですよ。批判されたとしても自分的には伝えたい思いがあったので、それを優先して。でも、意外とお客さんには支持されてたんだなっていうのが、今回分かりましたね。
KOJI 俺はどんな曲も自信を持って作ってるからなあ(笑)。
YUICHI 俺は、コイツが自信なかった曲を知ってるんですよ。「Listen to the Radio」と「misery」な!
──ああ、ボツにしようとしてたという話を、以前にしてましたね。
YUICHI アレをボツにするって、お前!(笑)
KOJI できた時に自信を持ってるのは確かなんですけど、作ってる途中に「これはどっちがいいんだろう……」とかってのは、もう全曲であることですからね。
YUICHI 突き詰めすぎて難しくなっちゃうこともあるからね。
──KO-TAさんは……
KO-TA 僕はないです!
──あ、そうなんですね(笑)。
KO-TA 僕らの押し曲とお客さんが好きな曲が分かれたっていうのはありますけど、「意外とこれが受けたな」っていう感覚ではないですね。「あ、みんなこういうのが好きなんだな」ってだけで。
──では最後の質問です。「他のメンバーに、今だから話せる話」。あ、「俺にはない!」ってことでしたら大丈夫ですけど。
YUICHI うーん!? 俺は隠し事ができないんですよね。全部言っちゃうんで。
──分かる気がします(笑)。
YUICHI あ、あった! KO-TAに、今だから言えること!
KO-TA えっ、何?(汗)
YUICHI KO-TAがサポートで入ってくれるってなった時に、KO-TAからどの部分を弾けばいいか教えてほしいって言われたんですよ。その時のメールのやりとりを、俺は今も残してある(笑)。
KO-TA 俺がまだ敬語使ってた頃ね(笑)。
YUICHI 「待ち合わせは●●でいいですか?」とか(笑)。しかも、そのやりとりを最近、見直したっていう(笑)。
KO-TA 俺も残してるよ、ツイッターのDM(笑)。
KOJI うーん、ないなあ!
KO-TA あ、すげえつまんないことでもいいですか? 俺、2人の機材を勝手に掃除したりしてます(笑)。
YUICHI だからか! ホコリが溜まってたのにキレイになってたことがあったのは!……って、さすがにそれは分かってますよ!(笑) ていうか、「ありがとう」ですよ!(笑)
──「ごん、お前だったのか、機材をキレイにしてくれてたのは」みたいな(笑)。
KOJI あ! お客さんに対してだったら、今だから言えること、ありました! 俺らずっと「千葉出身」って言ってたんですけど、実は東京出身なんですよ!
YUICHI 「千葉寄りの東京」なんです。
KOJI ウィキペディアには「千葉市稲毛区出身」って書いてあるんで、みんなそう思ってるんですよ。そこに住んでたことはあるんですけど、なんでそれが「出身」になっちゃったのかは分からないんですよね~。
──そうなんですね! いいネタが出たところで、飲み会(笑)もお開きにしたいと思います。名古屋のライブに向けてとベストアルバムについて、ひと言ずつお願いします!
YUICHI 名古屋は、もうずーっと前、KO-TAもSHUNちゃんも入る前の俺ら兄弟2人の頃からやってた場所なんですよね。SWANKY結成当時は地方とのつながりも少なくてなかなか行けなくて、千葉LOOKから東京を拠点にしながらやってたんですけど、「どうしてもやりたい」っていう思いで出て行ったのが大阪と名古屋だったんです。けっこう初期から「FREEDOM NAGOYA」っていう大きなフェスにも出させてもらったし、すごく思い出のある場所なので、今回のライブはそういう思いや感謝もぶつけられたらいいと思ってます。最後とは言わないけど当分は見られないと思うので、今の俺たちを目に焼き付けてほしいですね。ベストアルバムは、俺はエンドロールだと思いましたけど、もしかしたらこれがオープニングになる人もいるかもしれない。初めて俺たちを聴く人にも「SWANKY DANKってこんなバンドだよ」っていう名刺になるような、俺たちの進化も文化も手に取って聴いてもらえれば分かるものになってると思うので、知らない人にも特に聴いてもらいたいなと思います。
KO-TA 名古屋を含めて東海圏は、全国的に見てもSWANKYのファンが多い地域だなって常々感じてて、今回、8ヵ月連続企画の中で地方の最後が名古屋っていうのは自分的にもうれしいんです。久しぶりのワンマンだし、名古屋のお客さんがすごくマニアックな曲をリクエストしてくれたので、ホントにSWANKYのことを好きなんだなって感じるんですよね。なのでライブを楽しみにしてもらえたらうれしいですね。ベストアルバムについては、「misery」を5年ぶりに再録したんですけど、今のSWANKY DANKの歴史をたどれるアルバムになっていて、今まで聴いてくれてた人も新しい人も楽しめる内容になっているので、ぜひチェックしてください!
KOJI リクエストライブは名古屋が最後なので、リクエストライブならではの雰囲気を感じてほしいと思います。東京、神戸と2回やってきて、俺らでも「普段のライブと違うな」っていうのをすごく感じるんですよね。ベストアルバムは、ベストと言いつつも新しいことをたくさんしてるんですよ。新曲も2曲入ってるし、再録もしてるし。いいアルバムになったと思うし、ホントに「ベスト」というだけあって全曲がいい曲なので、俺らを知ってる人も知らなかった人も楽しめる内容になってます。ぜひ聴いてください!
2019/10/20(日)
REQUEST LIVE IN NAGOYA
会場:名古屋 APOLLO BASE
開場/開演 18:00 / 18:30
チケット代 ¥3,300
INFO:APOLLO BASE
http://apollo.sflag.co.jp/
2019/11/6 ON SALE
『Life is Full of Choices-Greatest Songs-』
CTCR-14975/B
¥3,000(税抜)
【SWANKY DANK OFFICIAL WEBSITE】
https://www.swankydank.net/
【SWANKY DANK Twitter】
https://twitter.com/SDANKofficial
風来坊 品川店
東京都港区港南2-3-13 品川フロントビル 2F
050-5269-8215
https://furaibou-shinagawa.com/
ライター
高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。