12月5日にTVアニメ『学園BASARA』のオープニングテーマ「誇れ 気高き 美しき、いきざまを」でメジャーデビューを果たした東映所属の男性バーチャルアイドルEIGHT OF TRIANGLE (通称:エイトラ)。それに先立ち、彼らにとって国内3度目の単独ライブ『Colorful△Triangle』が11月24日(土)P.A.R.M.S パセラリゾーツAKIBAマルチエンターテインメントで“Stage1”、“Stage2”の2公演行われました。
バーチャルアイドルなのにファンとの握手会?
一体どんな「現場」となるのか? 期待に胸を膨らませながらリアル握手会も行われる“Stage2”に行ってきました!
観客総立ち! カレーダンスにマグロ!
まずは、「エイトラって一体…?」というアナタのために、簡単なご紹介から。
キーボードの 遠藤和斗(Kazuto)とボーカル荒賀新音(Neon)からなるバーチャルアイドル。しかしバーチャルと言っても、声優さんが声を当てているのではありません。実在するアーティストがバーチャルな姿で活動しているのです。
楽曲も結成時のメンバーで今年6月に天国へ旅立った君島零(Ray)とKazutoが手がけています。そのせいか、バーチャルなのにリアル。不思議な魅力を持ったユニットなのです。
会場内は手に数本のペンライトを持つ女性ばかり。この日は冬の到来を感じさせる寒さだったにもかかわらず、皆さんエイトラTシャツに着替えてスタンバイしています。
当日のセットリストはこちら。
1. The Triangle
2. Colorful Rain
3. heart to erode
4. 誇れ 気高き 美しき、いきざまを
5. Sweet Jail
6. Stop Motion
7. with LOVE!(Kazuto’s Birthday ver.)
8. épice
9. ロックオン
10. Resume
11. with you…
12. zipper
13. Listen to my heart
《アンコール》
1. スノードーム
2. Paint the World
3. 誇れ 気高き 美しき、いきざまを
1曲目の「The Triangle」から客席は総立ち!
メジャーデビューソング「誇れ 気高き 美しき、いきざまを」では勇ましく迫力があり、同じくアニメ『終電後、カプセルホテルで、上司に微熱伝わる夜。』のタイアップソング「Sweet Jail」ではしっとりセクシーなステージングを繰り広げるエイトラ。この頃には取材で来ているにもかかわらずノリノリで声援を送ってしまいました。
アコースティックコーナーでは、打ち込み音源でなくKazutoが生でグランドピアノを奏でNeonが歌い、ファンを魅了。ライブの翌々日がKazutoの誕生日ということもあり、みんなで「ハッピーバースデイ」や「with LOVE!(Kazuto’s Birthday ver.)」を歌い大いに盛り上がりました。
そして「épice」ではライブ恒例のマグロダンス、カレーダンスをお客さんと一緒に!
一度では覚えられないかなり長いダンスでしたが、場内ほとんどの人が踊っていてびっくり。ファンの皆さんのエイトラ愛がひしひしと伝わってきました。そして曲に合わせてなぜか飛び交うマグロや寿司(ぬいぐるみ)、パンツが飛び交うなど驚愕の演出が!
さすが掟破りのバーチャルアイドル! 場内はカオス、だけどとても楽しい!
アンコールでは冬にピッタリの曲「スノードーム」、Ray君の想いがたっぷり詰め込まれた「Paint the World」でしっとり、そして再び「誇れ 気高き 美しき、いきざまを」で大熱狂の中終了。久しぶりにライブで汗かいた! Ray君、お客さんも含め、会場内にいる全員でステージを作りあげている、そんな気分になりました。
バーチャルアイドルの握手会とは一体…!?
終演後、待ちに待った「握手会」。
真っ暗な握手会場内に入る際アイマスクをもらい、それを装着してスタッフの方に導かれながら仕切られた空間に入っていくのですが、これがなかなかスリリング。なにせ何も見えません。
配布されたアイマスク
「一体何が起こるのか?」とドキドキしていたら……いきなり耳元で「今日はありがとう」と囁く声が!
思わず「ひゃぁ!」と間抜けな声を出してしまいました。
そして前から再び声がして握手をされたまま出口まで誘導してくれます。
さっきまでステージで熱唱していたバーチャルアイドルに初めて触れるのが、暗闇で目隠しをされて……ある種のプレイのような体験に心拍数爆上がり!普通に握手するより何倍もドキドキすること間違いなしです。
しかもアイマスクは持ち帰っていいということで、ファンとってはお宝になることでしょう。
エイトラにインタビュー! 「コラボしたいアーティストは……」
何もかもが掟破り! バーチャルだけどリアル! そんなエイトラのお二人にお話を聞くことができました。
──昨年に1st、そして今年4月に2ndとライブを行なった会場で3度目のライブを行なった心境をお聞かせください。
Kazuto エイトラは今まで、2017年1月の1stライブ、2018年4月の2ndライブ、そして香港と上海でフェスやイベントに出演してきました。国内では3度目となるライブですが、メジャーデビューを控えたこの時期に、同じ会場でライブができたことは深い意味があると思っています。この会場は、エイトラが初めてライブを行った記念すべき場所であり、原点だと思っています。
Neon 僕にとってエイトラで国内初ライブである2ndの会場で、とても大切な場所です。
Kazuto 1回目は、俺とRayで初めてこのステージに立って、2回目は、本当は3人でステージに立てたらよかったんですけど…Neonと一緒に。そして今回はメジャーデビュー直前ということだけでなく、(Rayがいなくなってしまったという)悲しい出来事と同時に、大きなタイアップというチャンスもあって…、本当に環境が大きく変化して、今までで一番「やってやろう」という想いは強かったです。
──また次にライブを行なう時もこの会場で…という気持ちはありますか?
Neon もちろんです。この会場は僕らにとって特別な場所ですから。
Kazuto マグロ投げたり、パンツ投げたり、ハチャメチャな演出(※)ができるのは、もしかしたらこの会場だけかもね。(笑)
Neon それは大事です!まぐろを目的のお客さんもいるはずですから。(笑)
※「épice」のパフォーマンス時に客席にマグロのぬいぐるみなどが投げ込まれる演出が恒例化している。
──今回歌った中で、最も感慨深い曲は何でしょうか?
Neon 今回のライブはRayくんさんが旅立って初めてのライブで、「Rayくんさんの残した想いを形に。」をキーワードに創り上げました。そういう意味ではRayくんさんが残した音源を元に生まれた「Paint the World」はとても大切に歌わせていただきました。
Kazuto そうだね。「Paint the World」は俺も色んなことを考えてしまいました。あとはやっぱり「誇れ 気高き 美しき、いきざまを」ですかね。メジャーデビューシングルということもあって、俺たちのアンセムになると思います。
──ライブ恒例のマグロダンス、カレーダンス! このダンスが生まれたきっかけやエピソードがあれば教えてください。
Kazuto ご存知かどうか知りませんが、俺たちって「まぐろアイドル」なんですよ。っていうと、初めての人は困惑しますけど(笑)。
実は俺たちのやってる「さんかくラジオ」というラジオ番組で三崎港にロケに行ったんですね。そこは「まぐろ」が有名で、勢いで「エイトラといえば、まぐろアイドル」って言ったのが今まで続いています(笑)。ライブのリハーサルで「épice」という曲の振りを創っているときに、なかなかアイディアが出なくて、ネタに困っていた時に、閃いたのがまぐろでした(笑)。そこからまぐろダンスが生まれました。
Neon 初めてまぐろダンスを見たとき、僕はまだエイトラじゃなかったので「この人たち何やってんだろう」と思いました。曲はめちゃくちゃカッコいいのに(笑)。
Kazuto 今ではNeonもお手の物だよね(笑)。カレーダンスが生まれたのは、2ndライブの前にカレーにハマってて、カレーの有名店とか食べ歩きしてたんですね。そしてリハーサルが始まって、同じく勢いで。カレーをダンスに取り入れようということになりました。
Neon 「épice」ってスパイスって意味だからこれは完璧だ!とか思って(笑)。良く考えるとほんと意味不明だけど、お客さんも楽しそうに踊ってくれてて嬉しいです!(笑)
──ライブの楽しさ、大変さをそれぞれ教えてください。
Neon 楽しさはとにかくお客さんに会えることですね! いつもTwitterとかで暖かいお声をいただいているので、顔を見ながら「ありがとう」と言えることがすごく楽しいです。
Kazuto そうだね。本当にそう思う。大変なことは色々ありますけど…うーん。今はライブ後ということもあって全部忘れちゃいました。とにかくお客さんの笑顔と、楽しいことしか覚えてないです。
──今回はバックに映像が映るようになり、MVやRayさんの映像もたくさん流れてまるで3人でステージに立っているようでした。お2人はいかがでしたか?
Kazuto ありがとうございます。俺たちとしてもRayと一緒にステージに立っている気がして心強かったです。
Neon 今回はLEDパネルがあったので、それを上手く伝えられましたよね。曲の中にも、ステージにも、きっとお客さんの心の中にも、Rayくんさんがいると思います。
──お2人ともライブ前に行なう「縁起担ぎ」はありますか? もしくはライブ前に行なうルーティンはありますか?
Neon アイシングですね! ライブ前は特に喉を大切にしています。
Kazuto あっ、すいません。Neonのアイシングって、アイスを食べることなんですよ。でもそれライブ前のルーティンっていうか、いつもじゃん。俺はあんまりそういうのはないかもですね。でも全体構成を考えているので、ライブ前にスタッフさんを集めて打ち合わせをしながら、頭の中で一度ライブをイメージして「脳内ライブ」はやっています(笑)。
──バーチャルアイドルの握手会って珍しいと思いますが、誰が提案したのですか?
Kazuto そりゃ大人たちですよ。ぶっとんでますよね(笑)。
Neon でも僕たちずっとお客さんと触れ合いたかったんです! バーチャルアイドルだからその願いは叶わないかな、と思ってたんですけど、なんか実現しちゃいましたね。
──初めてファンの方と触れ合う握手会はいかがでしたか?
Kazuto 正直めちゃくちゃ楽しかったですね。
Neon そう!もっかいやりたい!(笑)
Kazuto すごいですよね、直接触れ合うことができるって。音楽やライブとはまた違った意味で表現できる、コミュニケーションができるんですよ。
Neon ちゃんと手を握って「ありがとう」が言えたことが本当にうれしかったです。
──Neonさんはアニメやゲームの声優も挑戦していますが、お2人とも今後、どんな活動を行ないたいですか?
Neon 声優はもっともっとやってみたいですね!悪役とかも興味あります。
Kazuto Neonは悪役うまそうだね~。
Neon どういう意味!(笑)
Kazuto 俺は、音楽活動に集中ですね。今はいっぱい曲を創りたいですね。タイアップ楽曲をもっと創ってみたいです。今回『学園BASARA』と『終電後、カプセルホテルで、上司に微熱伝わる夜。』の2曲を創って、そう思いました。
今まではある意味、自分が好きなものを創っていて、それも楽しかったんですが、今回のようにタイアップ作品があって、共同で作曲するという経験もできて、とにかく刺激が多かったです。今はとにかくできる限り曲を創って表現したい。今回の一連の作業で「俺の楽曲が作品の一部になるんだ」と感じて。楽曲制作という枠を超えて、今までより大きなイメージが湧きました。
──メジャーデビューの意気込みをお聞かせください。
Kazuto 2015年10月8日の結成から3年。いろんなことがありながら、ついにこの日が来ました。嬉しかったことも悲しかったことも含めて、そのすべてが“エイトラ”です。そしてこれからの物語はメジャーシーンで。ここから、新しい物語をスタートさせます。
Neon とにかく! 僕たちが“エイトラ”です! すべての想いをメジャーデビューシングルに叩き込んでます! この曲を知って、僕たちのことを知って、好きになってほしいです。そして、好きになってくれたらもう離しません!
──avexで今後コラボしてみたいアーティストやアイドルはいますか?
Kazuto 尊敬するアーティストさんを挙げるときりがないですが……。エイトラはパフォーマンスもすごく大事にしているので、三浦大知さん、DA PUMPさん、AAAさんのエンターテインメント溢れるステージはとても参考にさせていただいてます。いつかご一緒できる日を夢見て頑張ります。
Neon 偉大な先輩ばかりで夢が広がります。コラボできるといいなと思っているのは、ARP(AR performers)さんですかね。
──最後にファンの方へ一言!
Kazuto いつも本当に感謝しています。今の俺たちがあるのはみなさんのおかげです。本当にいろんな出来事があって、気持ちも、環境も、目まぐるしく変化してきたし、これからも変化し続けると思います。何があっても。これからも一緒に進んでいきましょう。ファンのみなさんも含めて“EIGHT OF TRIANGLE”だと思っています。
Neon 本当にいつもありがとうございます。つらい時はいつもみんなの声にすごく励まされてます。少しずつかもしれないけど、絶対恩返しするからね!大きな声で言わせて下さい!
「僕たちはいつもひとつだよ――――!!!」
甘い声でかわいいNeonとダンディな大人の魅力のKazuto。初めてライブを見てすっかりファンになってしまいました。掟破りのバーチャルアイドル、EIGHT OF TRIANGLEから目が離せません!
メジャーデビューシングル
「誇れ 気高き 美しき、いきざまを」
TVアニメ『学園 BASARA』オープニングテーマ
2018/12/5 リリース
【EIGHT OF TRIANGLE OFFICIAL SITE】
http://www.eightoftriangle.com/
ライター
くさがわりえ
初老直前になって二次元&バーチャル男性アイドルに目覚める。ビールとアニメと特撮とプロレスがあればだいたい幸せ。