こんにちは。エイベックス・ポータル・コラム編集部です。
3/2からNetflixで全世界独占配信されているアニメ『B:The Beginning』。
この話題のアニメの音楽を“マーティ・フリードマン”が担当しているということで、直接取材できるという話が飛び込んだのです!
“マーティ・フリードマン”といえば、世界的に有名なスーパーギタリスト!
ビッグネームに浮かれたコラム編集部は、普通に取材するだけではつまらないと
“マーティ・フリードマン”を朝の「原宿」へ呼び出し、“ある人”が待つお店へ…。
フォトジェニックの聖地「原宿」で“マーティ”がインスタ映え!?
まず最初に訪れたのは、原宿の竹下通り沿いにある『TOTTI CANDY FACTORY SHOP原宿店』。フォトジェニックの聖地である原宿の中でもひときわ注目を浴びている、インスタ映えするかわいいお菓子とスイーツのお店です。
さっそく店内に入るとそこには有名インスタグラマーの“もろんのん”さんが!!
@moron_non
Instagramで7万フォロワー。
トラベルフォトグラファー・ライターとして雑誌Hanako・ViViで連載を持つ。
Instagram Japan社での公式の企業向けイベントにて登壇。Apple社の公式撮影セミナーで3回講師を務めた経験あり。「そうだ 京都、行こう。」広告撮影実績。
そう、原宿で待つある人とは、“もろんのん”さんのことだったんです。
本日の企画は“もろんのん”さんと一緒に原宿の街歩きをしながら、“マーティ・フリードマン”にインスタ映えする写真を撮ってもらおう!
世界的有名人に強引な企画を持ち込んで不安な編集部一行をヨソに、“マーティ”のボルテージはいきなり最高潮!!
マーティ) すごい!! すごい!! 一緒に映りましょう!!
もろんのん)ええーーっ!! 出だしからイキナリですか!?
朝早い撮影なのに乗ってくれてありがとう“マーティ”!
さっそく行ってみましょう!! Let’sインスタ映え!!
有名インスタグラマー“もろんのん”が伝授するインスタ映え講座
“もろんのん”さんが、「インスタ映えする商品の撮り方」を解説。
“マーティ”、かなり真剣に聞き入っています。そして、いよいよファースト・トライ!
もろんのん) 壁に対して、並行・垂直を意識して、被写体を真ん中に、「日の丸構図」で撮影すると「整った雰囲気」がでます。
このお店は、天井まで可愛いので、しっかり「どこを切り取りたいか」を意識するといいと思います。
もろんのん) その他、このお店のように奥行きがある店の場合には、写真の対角線を意識すると、奥行きがでて立体感が出ます。
マーティ) こんな写真をアップしたことがないから、みんな驚くんじゃないかな(笑)。
もろんのん) マーティさんの普段のクールな写真とギャップがあって、ファンの人から喜ばれそうですね!
続いて「インスタ映えする自撮り」を解説。
もろんのん)写真に対して、左右対称のポージングをすると、整っている感じがしておすすめです。
友達が恥ずかしがっていたら「こんなポーズを一緒にやろうよ!」と提案すると、友達も乗ってくれるかも?
さすが“マーティ”ノリノリです(笑)
続いて一行が向かったのは、竹下通りを抜けて裏原宿方面にある『Eddy’s Ice Cream』。
アイスクリームに好みのトッピングを追加してオリジナルのフォトジェニックなアイスクリームを作れる同店も、原宿随一のインスタ映えスポット。週末には大勢の若者で賑わっているお店です。
もろんのん)このお店は、ピンクの壁と電話機、カラフルなアイスクリームが可愛くて有名ですよね。
お店がピンクなので、商品が目立つように、ピンク以外のトッピングを合わせるのがオススメです。
もろんのん) アイスクリームはお好きですか?
マーティ) 大好きですね! 特にカラフルなチョコレートとかをトッピングするのが好きなんです。
もろんのん) どんなトッピングにしますか?
マーティ) このKISSマークがいいですねー。
もろんのん) いいですねー、メタルっぽいですし、赤だと目を引く色なので、オススメです。
もろんのん) 私は、記念撮影っぽい撮り方よりも「何かストーリーがある写真」が好きです。
今回だと可愛い商品をただ持って撮るだけでは、もったいないので「電話をしている風」の様子で撮りましょう。
もろんのん) お店の受付もとっても可愛かったので、正方形で並行・垂直を意識して撮ります。
ピンクの世界観とマーティさんのブラックの衣装が甘辛ミックスっぽくて、可愛すぎずめちゃくちゃマッチしてますね!
もろんのん) あとお店の看板と撮るのは鉄板ですね!
マーティ) すごく楽しい!! これ、食べていい?
もろんのん) 甘いものがお好きなんですね。
マーティ) 大好き!!
かなりインスタ映えの写真も撮れたところで“もろんのん”さんとはここでお別れです。
“もろんのん”さん、ありがとうございました!!
そして一行は場所を移し、“マーティ・フリードマン”がプロデュースし、ギタリストとしても全曲に参加したという最新アルバム『B: The Beginning THE IMAGE ALBUM』について、ライターの“内田正樹”さんに取材していただきました。
次のお店は『Mojo Coffee 原宿店』。ニュージーランド発のカフェです。
日本特有のギャップとレベルの高さ
—今日の「インスタ映えレクチャー」という原宿ツアーはいかがでしたか?
マーティ ) 最高に楽しかったよ! 今回の僕のアルバムとのギャップが美味し過ぎる(笑)。こうして両極端の話題が成立する。だから日本が大好き。しかも、僕、本当はカワイイものや甘いものも大好きだから、そういう面と音楽をやっている姿の両方をお見せすることのできる、数少ない記事だと思うので、そこも嬉しかったね。
—それこそマーティさんのルーツの一端である“KISS”、さらには“エアロスミス”や“クイーン”といったロックスターも、かつて来日時には原宿や京都をプライベートで訪れたり、グラビア撮影をしていたりしましたよね。
マーティ ) そういえばそうですね。みんななぜか日本だけではそういう行動を自分に許せるというか。悪い言葉遣いも減るし。日本の変な魔法だよね。
—マーティさんもインスタのアカウントを持たれていますが、今日の模様がアップされたら、既存のフォロワーからどんなリアクションが起こるでしょうね(笑)。
マーティ ) ビックリするんじゃない?フォロワーが増えるか減るかは分からないけれど(笑)。でも僕はもしミュージシャンじゃなかったら、絶対インスタなんてやっていないね。一応、SNSはサービス精神です。例えば友達と二人でコーヒーを飲んでいるだけの姿を全世界に発信するなんて、自分からはやりたくない(笑)。ただ、もうそれが普通という感覚で育ってきたリスナーもいるから、なるべくたくさんの人に少しでも喜んでもらえるのならば、といった気持ちです。とは言え、日本は世界的に見ても、クオリティの面でも、理解や浸透度という面でも、他の国とは比べものにならないほど写真についてのレベルが高いと思う。
—おお、そうですか。
マーティ ) だって、今日教わった自撮りする時の顔の角度とか、アメリカの女の子じゃ敵わないよ。ああいうセンスは日本人特有のDNAなのかもしれないね。本当、勉強になります。
アニメと視聴者の“絆”を目指したアルバム
—ここからは今回のアルバム『B: The Beginning THE IMAGE ALBUM』についてのお話しを。
本作はNetflixにて全世界同時配信されるプロダクションI.G制作のオリジナルアニメ「B: The Beginning」のイメージアルバムですが、どのようなアプローチでレコーディングされたのでしょうか?
マーティ ) オファーをもらって、まだ制作中だった本編を観ながら、ストレートにイメージをふくらませていきました。基本的には僕が曲を作って、歌詞がある曲はボーカリストに書いてもらった。つまり二つの視点から曲を作りました。たとえば主題歌の「The Perfect World」は“Jean-Ken Johnny(MAN WITH A MISSION)”さんが、彼の言葉で歌っている。それは僕がそうしてほしかったからです。
—他に意識された点は?
マーティ ) 最も強く意識したのは、これはサウンドトラックではなくイメージアルバムだけど、アニメと関係ないアルバムではなく、曲を聴いた瞬間、アニメ全体を思い出すような…つまり視聴者にとってアニメとの“強い絆”という役割を担う音楽にしたいと思いました。もちろん、あまりアニメに興味がないロックのリスナーにも楽しんでもらえるはずです。
—“Jean-Ken Johnny”さんをはじめ、“KenKen(RIZE, Dragon Ash)さん”、“アイナ・ジ・エンド&セントヒロ・チッチ (BiSH)さん”、“Koie (Crossfaith)”さん、“菅原卓郎さん (9mm Parabellum Bullet)”さん、“山葵 (和楽器バンド)”さん※ DRUMで参加、“ピエール中野(凛として時雨)”さん、“上田剛士(AA=) ”さん、“松隈ケンタ”さんといった豪華なゲスト陣が参加されていますね。この人選については?
マーティ ) 僕がいちファンとしてお願いしたい人たちにオファーしたら、喜んでオッケーしてくれた人たちです。嬉しかった。理想のラインナップが実現しましたね。さらに素晴らしかったことは、スタジオに入る前の想像と実際に入ってから起こることが、全く違うということ。例えば「Wasted Tears」という曲では、チッチにラップみたいなセリフを入れてもらった。僕は日本語のカタカナの発音にこだわりました。なぜなら、外人の耳でカタカナの発音を聴くと、結構キュンとくるからです(笑)。ピエールと一緒にやった曲も、彼のドラムのセンスが素晴らしくて、結局は僕とピエールの大暴れセッションになったね(笑)。そういう突発的なことが次から次へと起こりました。
—言い換えれば、このアルバムは日本のラウドロックのシーンにおける重要なメンバーが集った一枚です。マーティさんはそうした現在の日本のシーンに対してどのような印象を持たれていますか?
マーティ ) ファンですね。日本のラウドロックの良い点は、メロディとメリハリがちゃんとしていること。そこが僕にはツボです。海外はどちらかと言えばラウドさに集中しがちですよね。誰よりラウドか?誰よりカッコいいか? 誰よりリフがカッコいいか? でも日本はどんなジャンルでも“メロディが最優先”です。“メロディが最優先”、これは僕の座右の銘でもある。
音楽はメロディこそが王様
—今回のアルバムにおけるインスト(歌詞無し)曲では、現時点でのマーティさんのソロオリジナルアルバム『Inferno(インフェルノ)』(2014年)にも通じるメロディアスなギターが聴けますね。
マーティ ) ありがとうございます。僕はハードな解釈にロマンチックなメロディを乗せることが得意なんです。まあ“恥知らず”なのかもしれないけれど。
—そんなことはないでしょう!(笑)。
マーティ ) でもさっきも話した通り、ハードな音楽が得意な人たちの中で、意外とロマンチックな人って少数派なんだよね。誰よりも僕自身が、「僕のメロディセンスってちょっと変わっているなあ」と思っているからね(笑)。
—マーティさんはこれまでのインタビューで、前述の“KISS”に加えて、“エルヴィス・プレスリー”、さらにはクラシック音楽がご自身のルーツだと語っていらっしゃいますね。特にご自身のメロディ感覚に影響を与えたアーティストとは?
マーティ )それはあまりに多くて特定できないよ! …まぁ一番占めているのは50年代のドゥーワップのようなハモリのボーカルかなあ。あとはロマン派のクラシカル音楽。“ジェーン・バーキン”や“セルジュ・ゲンズブール”のようなフレンチポップ。それから中東や中国といったアジアの伝統音楽や伝統楽器のメロディセンスが入っていると思う。もちろん日本の演歌もね。それらを、言わば中途半端に全て真似して、自己流に解釈することで、自分のメロディセンスになっているんだと思う。もちろん、日本に住んでから聴いたアイドルの曲もね。アイドルはメロディもさることながら、アレンジがとてもしっかりしている。“ヒャダイン”さん、“つんく♂”さん、“中田ヤスタカ”さん、“小室哲哉”さん たちにも影響を受けましたよ。
—近年、日本でも独自のシーンが築かれていますが、特にアメリカではヒップホップが隆盛期を迎え、ビルボードチャートの上位もほとんどがヒップホップです。こうした傾向について感じられることは?
マーティ ) 僕は日本に住んでいるから、他のシーンなんてクソくらえ!!(笑)。まあそれは冗談だし、別にヒップホップが嫌いなわけでもない。むしろ好きですよ。 ただ、特に最近のアメリカのシステムやチャートが、メロディをないがしろにしている傾向にあるのが、ちょっと悲しいんですよ。アメリカ人として恥ずかしい。もちろん、好みは人それぞれだと理解はしているけど、日本ではとにかくメロディが王様! だから僕は日本が好きだし、ずっとメロディが王様として君臨する音楽世界の住人でありたい。メロディが弱い音楽なんて音楽じゃないよ。僕は本気でそう思っています。
—他にもメロディについて心掛けていることは?
マーティ ) 心掛けているというか、僕自身がずっと音楽のファンでありリスナーであり続けていることかな。だから、他人の音楽を聴いて、泣くとか鳥肌が立つとかエキサイトする瞬間があった時は、それをものすごく分析するからね。そのコード進行は? メロディを乗せるタイミングは? リズムは? と、全てインプットするんです。だからこのアルバムもそうだし、もしもリスナーが僕の音楽を聴いて鳥肌を立ててくれるとしたら、それは決して偶然なんかじゃない。感動するという不思議な現象を徹底的に分析した結果だから。もっと言えば、レコーディングって演奏している瞬間よりも、演奏した後の試聴の時間のほうが重要なんですよ。
—つまりマーティさんの卓越したギターテクニックも、決して早弾きを見せつけたいわけではなく、マーティさんが自覚的にイメージしたメロディを再現するための必然のスキルなんですね。
マーティ ) いいこと言いますねえ…ありがとうございます。本当にその通りです! 僕はバタくさいアメリカ人かもしれないけど(笑)、もう日本に住んで長いし、絆も深いと感じています。それだけ日本のDNAが自分の身体の中に入っているし、日本の音楽の大ファンだから、そうした気持ちを一番大切にした音楽を目指しているということです。
—では最後にあらためて『B: The Beginning THE IMAGE ALBUM』について、そして今後のビジョンについて一言お願いします。
マーティ ) この『B: The Beginning THE IMAGE ALBUM』には絶対の自信があります。だからアニメ好きにもロック好きにもぜひ聴いてほしい。もちろん、全世界発信のアニメだから、世界中の人たちに楽しんでほしいですね。そしてこれからもこのアルバムのようなプロジェクトを通じて、日本のカルチャーやメロディセンスを、そして今回参加してくれた日本のA級ミュージシャンたちの存在を、海外の人たちにどんどん伝えていきたい。そういう架け橋のような存在も意識しながら、これからも日本で音楽を作っていけたらと思います。
『B: The Beginning THE IMAGE ALBUM』
CTCR-14934 ¥3,240(税込)
インストアイベント決定!
日程:3月8日(木)19時00分から
場所:タワーレコード新宿
当日会場にて『B: The Beginning THE IMAGE ALBUM』購入者はサイン会にご参加頂けます。
【マーティ・フリードマン OFFICIAL WEBSITE】
http://www.martyfan.com/
【マーティ・フリードマン Instagram】
https://www.instagram.com/martyfriedman/
≪企画協力≫
スナップマート株式会社
SNS時代のクリエイティブエージェンシー。アプリの運営やインスタグラマーを活用した商品撮影を行う。
≪撮影協力≫
「TOTTI CANDY FACTORY(トッティキャンディファクトリー)原宿店」
住所: 東京都渋谷区神宮前1-16-5 RYUアパルトマン2F
TEL: 03-3403-7007
営業時間: 10:30-20:00(平日)、9:30-20:00(土日祝)
※時期により営業時間が異なる場合があります
最寄駅:JR線 原宿駅 徒歩4分
「Eddy’s Ice Cream (エディーズアイスクリーム)」
住所: 東京都渋谷区神宮前4-26-28 1F
TEL: 03-3403-7007
営業時間: 11:00-20:00 ※不定休
最寄駅:JR線 原宿駅 徒歩7分
URL: http://eddysicecream.jp/
「Mojo Coffee (モジョコーヒー) 原宿店」
住所: 東京都渋谷区神宮前3-22-15
TEL: 03-6721-0263
営業時間: 8:00-19:00(平日)、9:00-19:00(土日祝)
最寄駅:JR線 原宿駅 徒歩8分
URL: http://mojocoffee.jp/
ライター
内田正樹
ライター・編集者・ディレクター・インタビュアー。元雑誌SWITCH編集長。様々なアーティストへのインタビューやコラム執筆に、書籍、ブックレット、ファッション関連のカタログ編集などを手掛けている。音楽に関してはナタリー、Yahoo!ニュース特集などで執筆中。編著書に「椎名林檎 音楽家のカルテ」ほか。