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足立区の魅力を60秒で伝えるCMコンテスト『あだワン』の親子向け映像制作ワークショップに参加してきた

あだワン

足立区の魅力を60秒で伝えるCMコンテスト『あだワン』の親子向け映像制作ワークショップに参加してきた

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23区の最北端に位置し、四方を川に囲まれた足立区。季節ごとのイベントも盛んで、特に約100年の歴史を誇る「足立の花火」は、区内外から60万人ほどの人が訪れるほど賑わいます。
そんな足立区で、プロ・アマ問わず、誰でも参加できちゃう映像制作のコンテストが開催されているという噂を入手! その名も『あだちワンダフルCMグランプリ』、通称『あだワン』です‼その全容を解明しつつ、去る9/24(日)に実施された“映像制作ワークショップ”の現地レポート、さらにその講師を務めた映画監督による“応募のポイント”など、『あだワン』に関する情報盛りだくさんで、お届けします‼

区民参加型の映像作品コンテスト、通称『あだワン』とは?


『あだちワンダフルCMグランプリ』とは、足立区の良さや魅力を表現した映像作品を募集するCMコンテストのこと。もともと足立区は2010年より「シティプロモーション」に力を入れ始め、当時区が所有していた北千住駅西口の「あだちシティビジョン」という大型ビジョンの活用の幅を広げるため、区民参加型の新企画の検討をしていました。そこでスタートした事業が『あだワン』です。参加資格はプロ・アマ問わず、60秒以内で“足立区の良さや魅力が区内外に広く伝わる映像作品”であることが条件になります。グランプリ受賞者には、賞金10万円のほか、先述の大型ビジョンのような“注目度の高い場所・方法”で作品を放映されるという副賞も! しかも応募作品はスマホで撮影して、編集したものでもOK!
自分の作品が駅前で流れる日がくるかも……‼ 映像に興味のある方にとっては、見逃せないコンテストとなっております。

そんな『あだワン』ですが、今年で7回目を迎えました。内容も回を重ねるごとに、ますますパワーアップ! たとえば、これまでの募集期間は年1回でしたが、今年は年2回に変更になり、各応募期間に作品1点ずつ(年度内計2回)の応募が可能になりました。万が一、初回の応募が選外だったとしても、すぐに再チャレンジができるんです! さらに、初回の応募期間の作品審査での意見・アドバイスを応募者へすぐにフィードバックされるので、その改善点を踏まえ、2回目の応募でよりレベルアップした作品を応募することも可能なんです。つまり、チャンスは2回‼ 1回目がダメでも、2回目にさらにブラッシュアップした作品でリベンジができるなんて、応募者にとっては嬉しいことですよね。

親子で楽しむ映像制作ワークショップ「あだワン・シネマカレッジ」に潜入!

前期の応募期間は9/30(土)でまもなく終了し、10月ごろに第1回目のノミネート作品の発表、11月には後期の応募期間がスタートします。
そこで後期の応募期間に向け、足立区にある体験型複合施設「ギャラクシティ」にて、親子向けの映像制作ワークショップが9/24(日)に開催されました。その名も「あだワン・シネマカレッジ」。
この「あだワン・シネマカレッジ」は、映画監督・映像クリエイターの向井宗敏(むかいむねとし)氏が直接、参加者に映像の指導を行うといったもの。今回は多くの親子が参加し、向井監督の「トリック動画」の指導を受けました。
向井監督は、mihimaruGT他、アーティストのCDジャケット撮影やPVの監督や、新木優子主演、映画『風のたより』を企画、原案、監督をはじめ、「世界体操東京2011」PR映像制作を担当している方です。さらに『あだワン』の審査員を務めたこともあります。

簡単そうに見えて奥深い「トリック動画制作」にチャレンジ!

そんな向井監督から直接レクチャーを受けられる「あだワン・シネマカレッジ」は、子どもたちにも映像制作に親しんでもらい、今後の『あだワン』に興味を持ってもらえるきっかけとするために企画されました。今年のテーマは、「トリック動画を作ろう! 親子で作る同ポジ動画」。「同ポジ」とは、同じポジションの略語で、文字通り同じポジションで複数パターンの動きのある映像を撮影し、編集で繋ぎ合わせてひとつの動画を作るというもの。サンプルでは、じゃがいもを輪切りにしていると、途中から切ったじゃがいもがポテトチップスに大変身という映像が紹介されました。ネタばらしがあった後、各チームで制作する動画案を練っていきます。

私も早速、飛び入り参加して作りたい動画の案を考えます。私は、“アイテム泥棒(私)が逃げ回り、最後に大きな手につぶされる‼”というトリック動画に挑戦! 参加していた小学4年生にサポートしてもらいながら、納得いく映像が撮れるまで7テイクも実施しました…(笑)

他のチームも真剣そのもの。そもそも、このワークショップは“どのようなトリックを仕込むか”というアイディアが勝負。随時、向井監督のアドバイスを仰ぎながら、みんな思い思いの場所やアイテムを使って、和気あいあいと撮影が進んでいきます。

できあがった撮影データは、すぐ運営側の編集スタッフに接続され、30分ほどで編集が完了。最後に各チームの作品の上映会が実施され、向井監督からレビューも行われました。
ジャンプするごとにフロアを瞬間移動する女の子や、はだしの状態から靴下、靴を徐々に履いていく女の子、食べおわったはずのチョコレートが、口の中から飛び出す!など、どのチームも個性的かつハイレベル‼ 向井監督も思わず、「こりゃ、すごいね~」と感心するほどの作品ばかりでした。

今回のワークショップに参加して、改めて映像を撮ることの楽しさ、そして奥深さを感じました。これをきっかけに、「もっと、よい映像を撮りたい!」と思う子どもたちも多かったようです。
これをきっかけに、未来の映画監督が生まれる日も近いかもしれません。

向井監督に『あだワン』で選ばれるための秘訣をこっそり教えもらっちゃいました!

『あだワン』に興味を持った方のために、今回、向井監督に特別に『あだワン』の選考のポイントや秘訣などを、教えてもらっちゃいました。これから応募される方はぜひ、参考にしてみてくださいね。

今までの映像制作ワークショップはどのような内容だったんですか?
 
向井)映像制作ワークショップは、今年で3回目になるのですが、1回目はどちらかというと、『あだワン』に応募する方たちのサポート的な意味合いで実施していました。できあがった作品に対して、アドバイスをしたりとか。年齢もみなさんバラバラで、それこそ50代後半から60代と思われる女性も来ていたりしていました。ちなみに、その方はアドバイスしたら準グランプリを受賞していましたね。
 
準グランプリ受賞はすごいですね! ちなみに今年は、親子向けのワークショップとなりましたが、コンセプトを変えたのでしょうか?
 
向井)そうですね。去年実施した2回目のワークショップから、もう少し広く映像を楽しんでもらいたいと思い、親子向けの映像制作ワークショップを追加したんです。前回は、コマ撮りで撮影した写真を繋げて動画を作るというワークショップでした。今回はさらに難易度をあげて、最初から動画で撮影して編集で繋いで、“面白いトリック動画を作ろう!”というワークショップでした。

今まで映像制作にほぼ触れたことのない子どもたちが参加をしていましたが、子どもたちが意外にもすんなりトリック動画制作をしてしまい、びっくりしました。
 
向井)今って、撮影や編集なんかもスマホがあれば簡単にできちゃうんですよね。そういうのって、子どものほうがすんなり受け入れてくれてるというか……。素直に映像を楽しめちゃうのかなって思います。あと、親も一緒になって参加することで、撮影する楽しみも感じてもらえるし、「もっとこういうの撮りたい」など、色々と構成が膨らんでいくんじゃないかなって思って企画しました。これをきっかけに映像の楽しさをもっと身近に感じてもらえたならよかったなと思います。

話題は変わりますが、向井監督は過去に『あだワン』の審査員を務めたこともあるとお聞きしました。過去の応募作品をご覧になった感想はいかがですか?
 
向井)初期のころは、結構自由に撮ってるなぁって思う作品が多かった気がします。それが、ここ最近だと、素直にクオリティは上がっているなって思いますね。何かこうひとひねりも、ふたひねりもしている作品が多かったなっていう印象ですね。

—とくに印象に残った作品はありましたか?

向井)そうですね。例えば、昨年のグランプリ受賞作『GO & TOUCH』 は、切り口が面白かったね。1万円を使って街を楽しむっていうひねりが効いていたね。あと、第5回の『東京23区住宅街の足立さん』は、あれはもう最初からエロ目線で見てしまったので……なんかドキドキしちゃったね (笑)。


たしかに、宅配便のおにいさんの心理描写が絶妙でしたね! 今年の『あだワン』は、これから後記の応募期間を迎えますが、どういう所に注目するとよい作品が撮れるなどアドバイスはありますか?
 
向井)たしかに、ひねりは大事だけれども、やりすぎもよくないと思います。昨年の『GO & TOUCH』を例にするなら、“1万円だったら何ができる?”っていうシンプルなひねりだけで、街の良さが伝わる動画だった。やはり、コンセプトはシンプルでストレートにした方が良いと思う。最近だと、あえて皮肉を言ってみたり、ディスったりするのがかえって受けたりもするんだけど、いずれにせよ自分が見せたいなって思う所を、「あっ、こうすれば面白くなるのかな」って、考えるのが大事。ちょっと角度を変えた見せ方にこだわるだけで、十分良くなるんじゃないのかな。


ちなみに受賞作を見ると、どの作品も音楽にこだわっていると思うのですが、音楽は大事なポイントなのでしょうか?
 
向井)音楽も、それなりに影響はしますね。その作品で“どういう気持ちになってもらいたいか”が大事だと思います。例えば、見た人に楽しくなってもらいたいのなら、楽しい系のBGMを使ったり、情緒がある感じでゆっくり見てもらいたいのなら、そういう雰囲気に合うゆったりした音楽を選んだりとか。ただし、60秒以内の動画なので、あまりスピーディな音楽を使うと、すごい忙しくなっちゃうから、あまり速すぎる音楽はオススメできないかもしれませんね。

—この『あだワン』のように、区民が参加してコンテストをするのは結構珍しいと思うのですが、向井監督はこの足立区の取り組みについてどう思いますか?

向井)とても面白い取り組みだと思います。映画とかドラマだと、撮影場所を結構ぼかしたりするんですけど、それを逆に「足立区です」っていうのを前面に出すって、すごく作り手としては面白かったりするので。あと、今回の『あだワン』 って基本的に足立区在住じゃない方も参加が可能なんですよね。それって結局、足立区に住んでいない方に、足立区のことを知ってもらうきっかけになったり、逆に足立区出身の方がこれをきっかけに世に出て注目されることもある。そういうハブ的な役割としても、とても意義のある取り組みだと思いますね。

これからますます応募作品も増えて、魅力的なコンテストになりそうですよね! それでは最後に、『あだワン』に応募を検討している方へメッセージをお願いします!
 

向井)基本的に、気軽に参加してくれればいいと思いますよ。足立区のこういう所を紹介したいとか、何かキーワードをひとつ考えて、「自分なりにこういう構成にしよう」って企画して、監督するんだっていうプロセスを楽しんでもらいたいと思います。凝り固まって、一生懸命作るのも良いんですけど、とにかくまずは「気軽にチャレンジしてみた」という気持ちで十分です。もちろん応募数が増えれば増えるだけ、『あだワン』自体も面白い企画になっていきますからね。みんなで作って盛り上げていきたいですね!
 
向井監督ありがとうございました!

まだまだチャンス!後期の応募期間を前に、大人も参加できるワークショップも開催予定!

さて、今年パワーアップしてますます注目の「あだワン・シネマカレッジ」は、まだまだ続きます。今後は、初心者および経験者向けに2つのコースが開講される予定とのこと。初心者コースは、SNSに投稿する動画にも使えるテクニックをレクチャーする企画を予定。経験者向けコースは、映像制作経験者が次のステップに進むための“有意義な企画案”を現在、向井監督を筆頭に鋭意検討中なんだとか。本企画は『あだワン』を知ってもらうことはもちろん、さらに参加者の映像制作技術のレベルアップを図り、同時に『あだワン』応募作品のレベルアップにつなげたいという想いも込められています。
 
「今制作中だけど、もうちょっとアドバイスが欲しい」、「そもそもどうやって撮ったらいいか分からない……」といった方は、第一線で活躍する監督から直接指導を受けられるまたとないチャンスを活用してみてはいかがでしょう。ぜひこれをきっかけに『あだワン』へチャレンジしてみましょう!
『あだワン』後期の応募期間は、2017/11/10(金)~2018/2/12(月・祝)で、これからの制作でもまだまだ間に合いますよ! 次なる足立区の顔を担うのは、あなたの作品かも!?
 
【募集要領】
テーマ:
自由。ただし、足立区の魅力が区内外に広く伝わる内容であること。
応募期間:
①2017/7/25(火)~9/30(土)
②2017/11/10(金)~2018/2/12(月・祝)
※郵送での応募の場合は当日消印有効
※応募期間ごとに1作品応募、計2回の応募が可能(2作品とも入賞する場合もあります)
募集作品:
60秒以内(15秒単位)のオリジナル映像作品
募集要領に関する詳細はこちら:http://www.adawan.jp/guide.html
賞とスケジュールはこちら:http://www.adawan.jp/prize.html
過去の受賞作はこちら:http://www.adawan.jp/archive.html
 
【問い合わせ先】
あだちワンダフルCMグランプリ運営事務局(足立区 広報室 報道広報課 広報係内)
〒120-8510 足立区中央本町1-17-1 足立区役所南館9階
TEL:03-3880-5514
E-mail:eizo-koho@city.adachi.tokyo.jp
 
 

記事情報

武田真那実

ライター

武田真那実

編集兼ライター。グルメ系、住宅系メディアへの執筆多数。趣味は全国の温泉地めぐりと、グルメ開拓。最近「日本酒」の奥深さに目覚め、酒蔵巡りもやっています!トランジットデザイン社所属。